2階建てを平屋にできる?平屋リノベーションを徹底解説!

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近年、平屋の人気が高まっています。上下の移動がなく生活しやすい点が、夫婦二人でゆっくり老後を過ごそうという世代はもちろん、若い家族からも注目されているようです。

平屋の住まいを手に入れるには、新築するか、平屋の中古物件を購入するしかないと思われがちですが、実は今お住まいの二階建て以上の家を平屋にリノベーションすることもできます。

この記事では、平屋のメリット・デメリット、リノベーションで平屋にする場合の注意点、平屋リノベーションの流れを説明します。

2021-09-07 初出⇒2023-05-11 更新

平屋とは

平屋とは、要するに「一階建て」の家のこと。

古民家などには、平屋の例がたくさんありますね。昔ながらの住まい、というイメージも強いのではないでしょうか。

しかし、一戸建てでありながらワンフロアで家全体が完結するので、空間としてはマンションの住戸に近い、現代の暮らしにも十分通用する側面もあると言えるでしょう。マンション生活に慣れている人が、平屋に住みたいと考えるケースも増えているとか。

現在では、土地の余裕が少ない都市部はもちろん、ある程度広い土地があっても、二階建て以上とすることが主流になっていますが、最近では郊外や地方を中心に、平屋の事例が増えています。

平屋のメリット・デメリット

「一階建ての住宅」である平屋は、戸建て住宅で一般的な「二階建て」「三階建て」などの複層住宅に比べて、平屋ならではのメリットとデメリットがあります。

平屋のメリット

平屋のメリットとしては、「上下の移動が不要で暮らしやすく安全」「家全体に目が届きやすい」「耐震性が高い」「冷暖房効率が良い」などの点が挙げられます。

平屋はいわばワンフロアの住まい。他の部屋に行くとき、わざわざ階段を上り下りしなくても移動でき、生活動線がコンパクトにまとまります。

高齢者にとっては、足腰への負担軽減や、転倒・転落のリスク回避にもなります。小さい子どもがいるご家庭にとっても、安全な環境だと言えるでしょう。

また、階段の下は収納をつくるぐらいしか活用法がありません。階段のない平屋は、こうしたデッドスペースができにくいのも利点ですね。

どんなにオープンなつくりにしても、一階にいると二階以上にいる家族の様子はわかりにくいもの。平屋ならリビング、個室、キッチン、浴室・トイレなど全てのスペースが同じ階にまとまっているので、コミュニケーションも取りやすく、どうしているかが気になる子ども、高齢の家族がいても安心です。

庭との距離が近いということも、とくにガーデニングを楽しみたい方にはメリットになるでしょう。

高さのある建物は、地震や強風の力が加わったときに揺れやすいうえ、二階以上の重さも揺れを大きくする原因になります。平屋は、低く、建物自体が軽いので、地震や風の力に対して強いのが特徴です。

二階の重量を支えるためには、柱や壁の配置も重要ですが、平屋はそうしたことを考えなくても良いので、間取りや大規模リノベーションの自由度も高くなります。

ワンフロアの計画なので空気が家の上部・下部に溜まるようなエリアができにくく、冷暖房の効率もアップ。光熱費削減も期待できます。

そのほか、新築時の建築費が安い、外壁や屋根をリフォームするとき足場が安価、といった点もメリットも。

平屋の主なメリット

  • 上下の移動が不要で生活動線がシンプル
  • 段差がない、バリアフリー性
  • 家全体に目が届きやすい
  • 庭との距離が近い
  • 耐震性が高い
  • 耐風性が高い
  • 冷暖房効率が良い
  • 間取りや大規模リノベーションの自由度が高い
  • 新築時の建築費が安い
  • 外壁や屋根をリフォームするとき、足場が安価

平屋のデメリット

一方、平屋で問題になりやすいのが、日当たり。
高さが低い分、周りに一般的な戸建て住宅があるだけでも日当たりは悪くなりやすいのがデメリットといえるでしょう。

近年は大きな水害が多発していますが、平屋だと二階以上に避難することはできません。ハザードマップで水害の危険性が指摘されている地域などでは、特に注意が必要です。

また、これは言うまでもないことですが、二階建て以上と比べて床面積は狭くなります。

平屋の主なデメリット

  • 立地や周囲の環境により日当たりが悪くなりやすい
  • 大きな水害時に二階以上に避難することができない
  • 二階建て以上と比べて床面積は狭くなることが多い

リノベーションで平屋に「減築」

平屋の住まいを手に入れるには、

  • 新築(または建て替え)する
  • 中古で平屋の物件を探す

この2つの方法がすぐ思いつくでしょう。

しかし、いま一戸建てにお住まいで「平屋に建て替えたいが、今の住まいも気に入っているし、費用も不安」とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな方に、ぜひおすすめしたい第三の選択肢があります。「二階建て以上の住宅を、平屋にリノベーションする」方法です。

床面積を減らす改修を、一般的に「減築」といいますが、二階建てを平屋にするのも減築の一種。

平屋へのリノベーションは、大掛かりな工事が必要で、工事価格も1000万円以上かかるケースも少なくありませんが、むしろスケルトンリフォームを行い、住宅の性能や使い勝手を大幅に高めるチャンスとも言えます。

耐震補強をする、断熱材を施工する、最新の設備を入れてオール電化に、家全体をバリアフリー改修――さまざまなリフォーム・リノベーションを同時に行うことで、古い物件でも安全で、快適な住まいに生まれ変わらせることができます。

リノベーションで平屋にする際の注意点

現在、二階建ての住宅を減築して平屋立てにリノベーションする場合、収納空間の計画や、工事費用、住みながらの工事を考えている場合に注意したいポイントについて解説します。

限られた面積を有効に使う工夫を

二階建てに比べ、平屋は有効に使える面積が少なくなります。

お金に余裕があってとにかく広い土地が手に入るのならいいでしょうが、現実はそうもいきませんよね。

平屋を希望する方の中には、「生活空間はコンパクトにしたい」という方が多いですが、盲点になりやすいのが必要な収納空間です。

屋根の面積は二階建てより広くなるので、ロフトや小屋裏収納をつくるなど、限られた面積を効に使う工夫が必要です。

工事費用はケースバイケース

工事を計画する前に、費用感がわかれば安心ですね。
しかし二階建て住宅を平屋にするリノベーション工事の費用は、ケースバイケースで大きく異なり、一概にいくらと言いにくい特長があります。

二階部分の解体費用や、新たな屋根の設置費用は、二階の面積によって大きく変わってくるためです。

また、この機会に一階部分の減築や増築を行いたい、という場合もあるでしょう。
床面積は変わらずとも、天井高を高くしたい、ロフトを設けたいといった方もいらっしゃるかもしれませんね。

さらに、外構やエクステリアの工事(ベランダがなくなるので物干しを庭に作りたい等)の内容も、工事費を大きく左右する部分になります。

平屋と一口にいっても、間取りも、既存の建物の条件も、人によってさまざま。
自由度が高い分、費用の目安がいいにくいと言うこともできるかもしれませんね。

イメージがある程度固まったら、まずはプランと費用見積もりのご相談をお申し付けください。
当社ひかリノベでは、各ショールーム・オフィスでの個別相談会のほか、現地出張も承っております。下記よりお気軽にご予約下さいませ。

工事中は仮住まいが必要

現在お住まいの住宅のリノベーションを行う場合、住みながらの工事を希望されることもあるでしょう。

二階建て住宅を平屋にする工事は、大規模な工事になるため、住みながらの工事を行うと、工事中の作業員の出入りや、騒音、ホコリなどのストレスにさらされるため、現実的ではありません。工事期間中は必ず仮住まいをしましょう。

そのためには、諸経費として、工事中の仮住まい費用と、往復の引っ越し費用、家財道具の預かりを依頼する場合はその費用と預け先も必要になります。

ひかリノベでは、工事中の仮住まいの手配、家財道具の一時預かりや不用品の処分、引っ越しのサポートまで、今お住まいの家のリノベーションで必要な、あらゆることにワンストップで対応いたします。

確認申請が必要な場合も

増築(床面積が10㎡以上増える工事)を行う際は、確認申請が必要になります。
※防火・準防火地域は10㎡未満も対象。東京23区や横浜市はほぼ全域が防・準防地域。

では、減築の場合はどうでしょう?

基本的に、面積が減るだけなら確認申請は不要です。

しかし、二階建てを平屋にする場合、屋根の解体や葺き替えといった工事が発生します。
法律上、これらは確認申請が必要とされる「大規模な修繕(主要構造部の半分以上を改修する)」などに該当します。

また「二階を撤去したが、一階を10㎡以上広げる」といった工事は、法律上「増築」とみなされます。したがってこの場合も確認申請が必要です。

確認申請についてリフォーム業者に尋ねたときに、明快に答えられない業者は避けた方が無難です。
小規模なリフォーム工事が多い会社は、担当者が確認申請の手続きに慣れていなかったりもするため、確認申請が必要なのに無申請で工事をする業者が実は多いのです。
そのため、減築リノベーションの依頼先としては、小規模リフォーム中心の会社より、大規模改修の実績が多い会社を選ぶことをおすすめします。

平屋リノベーションの流れ

二階建てを平屋にするリノベーション工事の流れは、一般的なリノベーションと、流れはほぼ同じです。

まずは、リノベーションを依頼する会社を検討し、やりたいプランが可能かどうか、費用はいくらかかりそうか、相談しましょう。
二階の減築を伴う工事は、それなりの技術力が要求されます。HPやパンフレットから過去の事例をチェックして、大規模リノベーションの実績をよく確認しましょう。

依頼先が決まったら、リノベーション会社が建物の調査などを行い、リノベーションプランの作成に入ります。技術的、法律的にできること、できないこともきちんと確認しながら、納得のいくプランをデザインしてもらいましょう。
ローンを利用する場合は、審査手続きを並行して進めていきます。

大掛かり、かつ工期の長い工事になるので、仮住まい探しや、引っ越しの準備も早めに進めておくことを忘れずに。着工日が決まったら仮住まいに引っ越し、工事中は節目ごとに施主検査に立ち会って進捗状況を確認します。

完成後も、入居したら終わりではありません。定期点検とアフターメンテナンスで、建物の状態を管理していく必要があります。そのためリノベーション会社選びは、工事保証やアフターサービスの内容も重要です。リフォーム瑕疵保険が利用可能かなど、入居後のサポートが充実した会社を選びましょう。

まとめ

全ての生活がワンフロアで完結する平屋の住まいは、二階建てに比べて、家族のコミュニケーションがとりやすい、耐震性や耐風性に優れる、何よりも上下移動の負担がないといった魅力があります。

リノベーションで二階建てを平屋建てにする場合は、メリットはもちろん、注意点やデメリットも理解した上で行うことが大切です。

工事費用もご要望や、条件によりさまざまなので、ある程度イメージが固まったら、まずは個別見積もりを相談してみるといいでしょう。

当社ひかリノベの「自宅のリノベーション」は、ただリノベーションの設計・施工を行うだけのサービスではありません。資金計画の相談やローンの紹介はもちろん、工事中の仮住まいの手配、家財道具の一時預かりや不用品の処分、引っ越しのサポートまで、今お住まいの家のリノベーションで必要な、あらゆることにワンストップで対応いたします。

引き渡し後も、ひかリノベ独自の工事保証(2年間)と住宅設備の延長保証、10年にわたる定期点検サービス、リフォーム瑕疵保険対応と、充実のサポートでお客様の暮らしを支えます。

住み慣れた住まいをこれからの暮らしに合わせてリノベーションすることで、愛着のあるマイホームでずっと快適に過ごすことができます。平屋に住みたいとお考えの方は、ぜひ当社ひかリノベにお気軽にご相談ください。

現在、ひかリノベのサービス概要をまとめたパンフレットと施工事例集のPDFデータを無料で配布中です。下記バナーより、どうぞお気軽にご覧ください。

記事監修

大宮 良明(一級建築士、既存住宅状況調査技術者)

一級建築士、既存住宅状況調査技術者の有資格者。木造建築の構造計算をはじめ、安全性に配慮した設計を得意としている。「住まいのデザインは見た目のカッコよさはもちろんですが、それ以上に暮らしやすさや安全性が大切だと考えています。長い目で見て『こうして良かった』と思える家を、いっしょにつくっていきましょう」

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