マンションを売却すると税金がかかる!5分で簡単・税額計算


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マンションを売却すると、所得税をはじめ各種税金がかかります。

しかしご安心ください! 実はご自宅を売却される方には、さまざまな軽減措置が用意されています。

売却で得た利益を必要以上に手放してしまうことのないよう、この記事でポイントをおさらいしておきましょう。

2016/9/8初出⇒2017/3/16更新⇒2018/10/15更新

1.マンションを売却するとかかる4つの税金

自宅マンションを売却すると、印紙税・登録免許税・所得税・市民税の4つが課税されます。
このうち印紙税・登録免許税は全ての売主さまに課税されますが、所得税・市民税は買ったときよりも高く売れた方にだけ課税されます。

①印紙税

印紙税とは、契約書や領収証に貼る収入印紙の代金のこと。収入印紙を買って貼ることで、税金を納めているのです。
不動産を売買する際は、売買契約書に印紙を貼ります。
金額は物件価格によって、次の表のとおり決まっています。2020年3月31日までは軽減税率が適用されるので、表右側のオレンジの欄をご覧ください。

契約金額 本則税率 軽減税率
100万円~500万円 2,000円 1,000円
500万~1,000万円 10,000円 5,000円
1,000万~5,000万円 20,000円 10,000円
5,000万~1億円 60,000円 30,000円
1億~5億円 100,000円 60,000円

参照:国税庁 不動産売買契約書の印紙税の軽減措置(https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/08/10.htm

②登録免許税

マンションを買う際に住宅ローンを組まれた方は、土地・建物が抵当に入っていますから、売却するときこれを外さなければなりません。
つまりローンを完済し、抵当権抹消登記の手続きをとるわけです。

このように登記や登録を行うと、登録免許税が課税されます。抵当権抹消登記の場合(土地・建物合わせて)2,000円が課されます。

③所得税・住民税

買ったときよりも高く売れて、譲渡所得を得た方に課される税です。
税率は売却のタイミングが、購入後5年以下か・以後かによって変わります。

所得税・住民税の求め方

  • 買ってから5年以内に売った方(短期譲渡所得
    譲渡所得×39%(所得税30%+住民税9%)
  • 買ってから5年以上経過した方(長期譲渡取得
    譲渡所得×20%(所得税15%+住民税5%)

参照:国税庁 土地や建物を売ったとき(https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/05_2.htm

譲渡所得とは、売却によって得た利益のことです。つまり、買ったときにくらべてどれくらい高く売れたかということです。

譲渡所得の求め方

売却価格-(取得費用+譲渡費用)

参照:国税庁 建物の取得費の計算(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3261.htm

取得費用にはマンションを購入されたときの代金はもちろん、諸費用(仲介手数料・登記費用・各種税金など)や、リフォーム・リノベーションをなさった方はその費用も含まれます。
譲渡費用も同様で、売却代金のほか、諸費用(仲介手数料・登記費用・各種税金など)も含まれます。

ここで注意したいのが、建物は古くなるにつれて価値が下落していく(減価償却)ということです。
したがって取得費用は、購入価格から減価償却分を差し引いて計算します。

RC造のマンションは税法上の法定耐用年数を47年と定めています。
つまり、1年に2.2%ずつ価格が下がっていくとみなすわけです(償却率)

マンションの減価償却

購入価格×0.9×2.2%×築年数

参照:国税庁 減価償却資産の耐用年数(http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=340M50000040015&openerCode=1#207

実際に計算してみましょう。

4,000万円(建物2,000万円・土地2,000万円)の新築マンションを購入した。諸費用は200万円かかった。
10年後、このマンションを4,500万円で売却した。諸費用は150万円かかった。
この場合、所得税・住民税はいくら課税されるか?

マンションの減価償却は、2,000万円×0.9×2.2%×10年=396万円。
よって築10年時点の建物価格は、2,000万円-396万円=1,640万円。
したがってマンションの取得費用は、建物1,640万円+土地2,000万円+諸費用200万円=3,840万円。

譲渡所得は、4,500万円-(3,840万円+150万円)=510万円。
購入後5年以上が経過したあとの売却なので、課税額は、510万円×20%=102万円となります。

2.自宅を手放す方には軽減措置がある

ただし、自宅マンションを売却される方には軽減措置が用意されています。
3,000万円の特別控除・10年超所有軽減税率の特例・買い換え特例の3つです。

3,000万円の特別控除

実は、ご自宅を売られる場合、譲渡所得が3,000万円を超えない限り税金はかかりません。
譲渡所得が3,000万円を超えることはめったにありませんから、実際には多くの方がこの特例によって所得税・住民税の支払いが免除されることになります。

3,000万円の特別控除の要件

  • ご自身が居住する家であること
  • 前年・前々年にこの特別控除や買い換え特例、繰り越し控除の特例を受けていないこと
  • 収用等による特別控除など、他の特例をいっしょに受けていないこと
  • 以前に住んでいたが、いまは住んでいない家を売る場合、住まなくなった日から3年目の12月31日までに売ること
  • 親子や夫婦など、特別の関係がある人に対して売ったものでないこと

参照:国税庁 マイホームを売ったときの特例(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm

ただしここで注意したいのは、住宅ローン減税との併用ができないということです。
つまりこの特例を受けると、新居を購入する際に住宅ローン減税が使えなくなってしまいます。
譲渡所得が少額である場合、あえてこの特別控除を受けず、新居の購入に住宅ローン減税を使う方がお得になることも。
まずは先ほどの計算方法で、譲渡所得によって課税される所得税・住民税を算出し、10年間で受けられる住宅ローン減税の総額と比べてみましょう。

10年超所有軽減税率の特例

10年を超えて所有したマイホームを売却する場合、軽減税率が適用されます。
3,000万円の特別控除との併用も可能です。

10年超所有軽減税率の要件

  • 売却した年の1月1日時点で、10年を超えて所有していること
  • 前年・前々年とこの特例を受けたことがないこと
  • 買い換え特例や繰り越し控除の特例など、他の特例をいっしょに受けていないこと
  • 以前に住んでいたが、いまは住んでいない家を売る場合、住まなくなった日から3年目の12月31日までに売ること
  • 親子や夫婦など特別の関係がある人に対して売ったものでないこと

参照:国税庁 マイホームを売ったときの軽減税率の特例(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3305.htm

この特例を受けた場合の課税額は、つぎの表のとおりです。

譲渡所得のうち6,000万円まで 所得税 譲渡所得×10%
住民税 譲渡所得×4%
譲渡所得のうち6,000万円を超える部分 所得税 課税譲渡所得× 15% 
住民税 課税譲渡所得× 5%

買い換え特例

新居への買い換えをなさる方は、新居の方が売却したマンションの売価より高い場合、所得税・住民税の課税を免れることができます。
また新居の方が安価である場合も、課税のタイミングを将来「新居を売却するとき」まで先送りすることができます。

買い換え特例の要件

  • 売却する家に、その年の1月1日時点で10年を超えて居住していること
  • 売却価格が1億円以下であること
  • 新居の土地面積が500平米以下、床面積が50平米以上であること
  • 新居は築25年以内であるか、新耐震基準に適合していること
  • もとの家の売却の前年〜翌年の間に、新居を購入すること

参照:国税庁 特定のマイホームを買い換えたときの特例(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3355.htm

この特例を受けた場合、課税対象となる譲渡所得は、買い換えによって得た利益——つまりもとの家の売却で得たお金が、新居の購入費用を上回った分となります。

買い換えの譲渡所得の求め方

収入金額-必要経費

収入金額とは、もとのマンションの売却価格と新居の購入価格の差額です。
また必要経費とは、買い換えに要した費用全般をいいます。

収入金額の求め方

もとの家の取得費用-新居の購入価格

必要経費の求め方

(もとの家の取得費用+売却の諸費用)×収入金額÷売却価格

とはいえ、実務では課税自体が免除される3,000万円特別控除を使われる方が多いでしょう。
買い換え特例も3,000万円特別控除と同様、住宅ローン減税との併用は認められませんので、「住宅ローン減税を使うために3,000万円特別控除をあえて受けないことにした」という方にもマッチしません。
もとの家を親族に売却した場合など、この特例が検討されるケースは実際にはやや限定的ですね。

譲渡損失の繰越控除

もし自宅マンションを売却して損失が出たときは、4年間にわたって所得税と住民税が控除されます。

譲渡損失の繰越控除の要件

  • 売った年の1月1日時点で5年を超えて所有していること
  • 売却の時点で住宅ローンが残っており、その残額が売却価格を超えていること
  • 親子や夫婦など特別の関係がある人に売ったものでないこと
  • 年間所得が3,000万円以下であること

参照:国税庁 マイホームを買換えた場合に譲渡損失が生じたとき(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3370.htm

上記を満たす場合、譲渡損失かローンの残債か、いずれか少ない方と同額が年間所得から控除され、所得税・住民税が安くなるのです。

譲渡損失の求め方

譲渡損失=売却価格-(取得費用+売却費用)

実際に計算してみましょう。

取得費用4,000万円のマンションに10年住んだあと、2,000万円で売却した。このとき、売却費用が70万円かかった。
ローンの支払いは、まだあと3,000万円残っている。
この場合、譲渡損失の繰越控除により所得税・住民税はいくらになるか。
なお、年間所得は600万円とする。

譲渡損失は、2,000万円-(4,000万円+70万円)=▲2,070万円。

ローンの残債は、2,000万円-3,000万円=▲1,000万円。

したがってローンの残債の方が少ないので、こちらを年間所得から差し引く。
年間所得は600万円なので、この年の所得は600万円-1,000万円=▲400万円となり、所得税・住民税は課税されない。

実務では、会社員の所得税・住民税は給与から源泉徴収されるため、払いすぎた分が年末調整で還付される、という形をとります。

3.共有物件の譲渡所得

いまは共働きのご家庭が増えて、住まいも夫婦の共有とするケースが多くなっています。
この場合、譲渡所得も持ち分に応じて分け合うことになります。
たとえば夫婦で半分ずつ共有している自宅を売却し、500万円の譲渡所得を得られた場合、夫250万円・妻250万円と分け合うことになるのです。

また3,000万円特別控除や10年超所有軽減税率といった特例も、夫と妻、それぞれ控除を受けることができます。
ですから、もし仮に5,000万円の譲渡所得があったとして、夫の単独名義だった場合は控除額の上限は3,000万円ですが、夫婦の共有であった場合は実質6,000万円まで控除を受けられるのです。

ペアローンにおける住宅ローン控除と同様ですね。

4.投資目的の場合は消費税がかかる

はじめから転売目的で入手した物件・賃貸に出して家賃収入を得ている物件(もともと自宅として居住していた物件でも、転勤等が理由で賃貸に出した場合も含む)は投資用と見なされ、税制も自宅を売却する場合とは異なります。
もっとも大きな違いは、売却代金に消費税が課税されるということです。

ただし、利益の小さいサラリーマン大家さん等は「免税事業者」といって、支払いが免除されています。ボーダーラインは、2年前の課税売上が1,000万円を超えているか否かです。
したがって所有物件を2年前から賃貸に出していて、家賃収入が年間1,000万円以上あったという場合、売却益が出たかどうか(買値より高い売値がついたかどうか)に関わらず、消費税が課税されます。
とはいえ、課税対象となるのは建物価格だけです。土地は対象となりません。

また売却によって譲渡所得を得たときは、所得税・住民税が課税されます。
(購入してから5年以内の売却は譲渡所得×39%、5年超なら譲渡所得×20%が課税されます)
投資用の場合、自宅の売却と違って3,000万円の特別控除・10年超所有軽減税率の特例・買い換え特例は使えません

損失となったときは、所得税・住民税は課税されません。
また同じ年に他の不動産を売却して得た譲渡所得と損益通算し、年間の所得税・住民税を節約することができます。

5.相続物件の相続税・所得税・住民税

相続した物件は、いわばタダで手に入れたわけですから、売却代金がまるまる譲渡所得として計上されるように考えやすいのですが、実際はそうではありません。
相続によって、亡くなった方(被相続人)の取得費用も引き継ぐことになるため、当時の購入価格をもとに損益を形状します。
また所有期間についても、被相続人がその物件を取得した日からカウントされます。

したがってもし30年前に当時3,000万円で購入した物件を相続した場合、取得費用は3,000万円から30年分の減価償却をした価額、ということになります。
所有期間は30年。たとえ相続して間もなくても、30年間所有し続けていたものと見なされるのです。

このように引き継いだ取得費用を計上してなお売却益がみとめられたときは、所得税・市民税が課税されます。
「相続税もとられたのに、さらに所得税もとられるの!?」とお感じの方もいらっしゃるかもしれません。
そこで政府は、相続物件を売却したタイミングが、相続税の申告期限(被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月間)から3年以内であった場合には、納めた相続税額の一部を取得費用として計上できる、という軽減措置を用意しています。

このように、マンションの売却によって課される税金には、種々の軽減措置が用意されています。
どれを活用するのが一番ムダがないか、住宅ローン減税など他の減税制度との兼ね合いも含めて、ひかリノベでは売却個別相談会にてご相談をお聞きしております。
ご所有のマンションの売却をお考えの方は、ぜひお気軽にご相談くださいませ。

 

【執筆】高橋 千晶(ひかリノベ 広報)
【監修】三浦 英樹(ファイナンシャルプランナー)

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