ゴールデンウイーク真っ只中! 今年は改元に伴い祝日が増えて10連休となったので、国内外への旅行や、ふるさとへの帰省に出かけられた方も多いでしょう。そうでなくても、せっかくの休みだから家族でどこかへでかけたいな、と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、休みの多さに加えて、気温も上がりおでかけ日和の日が増えるこの時期だからこそ、気を配りたいのが「防犯」です。
マンションでしかも高層階に住んでいるから、そう簡単には空き巣に狙われたりはしない……そう思っていたりしませんか?その油断が、あなたの大切な財産や、時には家族や自分の命を危険にさらすことになるのです。
目次
1日に100件以上が狙われている
警察庁のまとめによると、空き巣(住民が不在の隙に侵入)・忍込み(夜、住民が寝ている間などに侵入)・居空き(昼間、住民がいる間に侵入)といった「侵入窃盗」は、平成29年の1年間で7万3122件(前年比4.4%減)発生しています。
その中で、住宅が狙われたのは3万7027件(同5.7%減)でした。
減少傾向にあるとはいえ、1日あたりでは約101件、住宅への侵入窃盗が発生している計算になります。
なお、この件数はあくまで「認知件数」です。
実は空き巣に入られているのに、気づかないまま……というケースもあり得るので、実際はこの数値よりも多くの侵入窃盗が発生しているとも考えられます。
狙われやすいのは留守中
手口別に件数を見ると、最も多いのは「空き巣」で、35%に達しています。忍込みや居空きよりもはるかに多いですね。
侵入者にとっては誰かがいる住宅は、当然ながら見つかるリスクが高く、誰もいない住宅のほうが狙いやすいため、当然ともいえるでしょう。
空き巣が多いからこそ、留守中の防犯対策が重要なことは、これでお分かりいただけたと思います。
不用心な家がターゲットになる
それでは、侵入犯はどのようにしてわたしたちの家に侵入するのでしょうか。
驚くべきことに、どんな種類の住宅でも、侵入手段のトップは「無締り」、つまり玄関や窓の鍵をかけていなかったがために被害が発生しているのです。
次いで多いのが「ガラス破り」で、4階建以上の共同住宅(マンション)でも約2割を占めています。
危ないのは窓と玄関
また、侵入経路になった部分を見ると、一戸建てや、共同住宅(マンション)でも低い階は窓が多くなっているのに対し、4階以上になると、「表出入口」が半分を超えています。
マンションの高層階では、侵入者は堂々と玄関から忍び込んでいることも多いのです。
オートロックのマンションだと、「オートロックだから安心」と思いがち。
ちょっとコンビニに行く程度だったら、玄関の鍵をかけずに外出してしまう、という人もいるでしょう。
しかし、ちょっとした隙をついて中に入ってしまえば、あとは侵入者の思うつぼです。
窓からの侵入も、戸建てや低層階に比べると少ないとはいえ、3割を超えています。
高層階だからと安心して窓の鍵をかけない人がいたり、ベランダ沿いに簡単に移動できてしまったりと、侵入者にとっては好条件が揃っています。
そもそも、マンションの高層階はむしろ人目に付きにくいとも言えるので、高層階だからといって空き巣に入られにくい、とは決して言えません。
防犯性は玄関と窓で高める
住まいの防犯対策は、玄関と窓にかかっているといっても過言ではありません。
戸建てやマンションでも低層階と、高層階ではウェイトの差は出ますが、物理的な対策は玄関と窓を重点にしましょう。
玄関の場合、侵入者は、特殊な工具を鍵穴に入れて解錠する「ピッキング」や、ドリルなどで穴をあけたり、特殊工具を使ってロック用のつまみ(サムターン)を回す「サムターン回し」といった手段を使います。
時にはバールなどで強引にドアをこじ開けることもあるといいます。
ただし、ピッキングやサムターン回しは、テレビなどでその手口が幅広く報じられたために、ピッキングされにくい鍵や、サムターンをガードするグッズなどが普及し、またピッキング用の工具も、法律で所有することが制限されたため、件数は大幅に減少しています。だから安心していいということではありませんが……。
「5分」かかるとあきらめる
窓は、もっと単純に、ガラスをたたき割ってそこから手を入れ、鍵を開けられることがほとんど。ごくわずかな時間しかかかりません。
玄関でも、ピッキングには1分もかからないと言われます。
解錠にかかる時間が短いほど、侵入者にとっては見つかる恐れが少なくなるので、好都合だと言えます。
逆に、解錠に時間がかかる場合は、侵入をあきらめるケースが増えます。警察庁のプロファイリングによると、5分以上で7割、10分かかるとほぼすべての侵入者はあきらめてしまうそうです。
玄関の鍵が古いものだったら、ピッキングされにくい新型のディンプルキー等に交換することをおすすめします
今なら交通系ICカードやスマートフォン、暗証番号で解錠できる電子キー(スマートキー)もありますが、マンションの場合、玄関ドアの外観が変わるような鍵への変更は管理組合の許可が必要です。
それ以外にも、次のような対策も効果があります。
- 玄関に鍵を2つつける
- ドアと枠のすき間を隠して鍵の構造を見えにくくする「ガードプレート」を取り付ける
とにかく、解錠にかかる時間を稼げれば侵入者はあきらめてしまうことが多い、ということを覚えておきましょう。
「人目」が侵入者を遠ざける
侵入者は、とかく人目を気にします。人目があれば、それだけ見つかる可能性が高くなるからです。
鍵をこじ開けるのに時間がかかるとあきらめやすいのも、人目を避けているがゆえの行動です。
人目にさらされていることを意識させる手段としては、まずカメラが挙げられます。
共用部の防犯カメラや、最近急速に普及しているカメラ付きインターホン、特に録画機能がついているものが有効です。
侵入者は、その家が留守かどうかを確かめるため、インターホンを鳴らすことも多いと言われますが、そこで自分の姿が録画されていると意識させられれば、侵入者はその家を避けるでしょう。
また、仮に侵入の被害にあったとしても、顔を記録できていれば警察の捜査の役にも立ちます。
もちろん、在宅中でも、不審な人物と不用意に接触せずに済むというメリットを得られます。
配線が不要で、賃貸住宅でも個人で設置できるワイヤレスタイプや、スマートフォンと連動できるものもあるので、ご自身の住まいや使い方に合わせて選びましょう。
ご近所づきあいも防犯の一環
マンションで生活している人の中には、あまりご近所とのつきあいがないという人もいるかもしれません。賃貸に住んでいて、しばしば引っ越すような人は、特に隣人とのお付き合いの必要を感じないこともあるでしょう。
しかし、近所づきあいが密で、住民同士の連帯感のある地域は、侵入者がとても嫌がる要素なのです。
侵入者が犯行をあきらめた理由で最も多いのは、近所の人から「声をかけられた」こと。
防犯性の高い鍵やガラス、セキュリティシステムや防犯カメラといった設備よりも、近所の人の存在が、侵入者にとっては大きいのです。
お互い無関心だと、見慣れぬ人がいても「誰かのお宅を訪ねてきたのだろう」などと思いがち。もしその人が空き巣だったら、犯罪を見過ごしてしまうことになりますし、もし犯行現場を目撃してしまったら、自分の身にも危険が及ぶかもしれません。
逆に、一声かけるだけで、隣人や自分自身に取っての危険を遠ざけることもできます。
自分の住む地域やマンションの安全を守り、安心して暮らすためにも、ご近所とは良好な関係を築いておくのがベターです。
留守だと悟らせない
再び書きますが、住宅への侵入窃盗は住民が留守中に起こりやすくなっています。また、これも繰り返しになりますが、侵入者は事前に下見を行い、その家が留守かどうかをチェックしています。
裏を返せば、留守だと確信が持てなければ、侵入者はあきらめる確率も高いということです。
旅行、帰省、出張など、家をある程度の期間留守にする場合は、それを侵入者に気づかせないようにすることも、空き巣などに対して有効な対策です。
ポストに新聞や郵便物が溜まっていれば、留守にしていることが丸わかりです。
新聞は販売店に連絡すればいいですし、郵便物も最寄りの郵便局に不在届を出せば、最長30日間配達を止めてくれます。
新聞を取っている、郵便物が多く届くという人は、長期の外出の前にちゃんと手配しておきましょう。
IoTで便利にセキュリティ強化
最近では、IoT(インターネットによる通信機能を備えた家具・家電・住宅設備機器など)も防犯対策のひとつとして注目を集めています。
毎日設定した時間に照明をつけたり、窓のシャッターを開け閉めしたりして、人がいるように見せかけられる製品が販売されています。
スマートフォンからコントロールできるものもあるので、導入を検討してみるのもいいでしょう。
これからマンション購入を検討している方は、入居前のリフォームで、住まいをIoT化するという選択肢もあります。
ひかリノベのショールームでも、IoT照明「マルチファンクションライト」を展示しています。興味のある方は、ぜひ両国ショールームに遊びにいらしてみてくださいね。
セキュリティを強化しているマンションも増えていますが、オートロックや防犯カメラがあるからといって安心していると、その隙をつかれたとき、逆にあなたの住まいは無防備な状態に置かれることになってしまいます。
もし帰宅したときに侵入者と鉢合わせしてしまったら……? あなたやあなたの家族が危険に晒されることだって十分にありえるのです。
リフォームやリノベーションを考える際は、防犯性の高い鍵への変更や、二重窓の設置、カメラ付きインターホンやIoT家電の導入など、セキュリティ面の改良も頭においておきたいところです。
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