心地いいインテリアのためのカラーコーディネート術


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ステキなインテリアを実現するために欠かせない要素が「色」、つまりカラーコーディネートです。空間や、そこに置かれる家具や小物のデザインももちろん大切なのですが、どのような色を、どれくらい使うかによって部屋のイメージは大きく変わります。
これから家づくりを始めるという人はもちろん、今は賃貸で一人暮らしという人にも役立つ、カラーコーディネートの知識とコツをお伝えしましょう。

色はこころに大きく影響する

同じかたちのものでも、色が違うだけで受ける印象はずいぶん変わります。
全く同じデザインで、白、黒、赤、青とバリエーションがある服があるとして、同じ人が着ても、色によってその人に全く違うイメージを抱いたりするのではないでしょうか。

夏目漱石の『坊っちゃん』に「赤シャツ」という、ちょっと陰険な性格に書かれる人物が出てきます。それが例えば「白シャツ」というニックネームだったら、そのキャラクターと色がちぐはぐな感じがする――そう思いませんか?

近年、色彩が人間のこころやからだに影響を及ぼすことが、科学的にも解明されつつあります。
色の持つイメージが、人の気持ちを盛り上げたり、逆に落ち着かせたり、癒したりするのです。

red 情熱、行動力、活動的、生命力、積極的、リーダーシップ、意欲的、エネルギー、炎、興奮、負けず嫌い、情緒不安定、嫉妬心
 orange 社交的、思いやり、温かい、健康、陽気、自信、賑やか、自律、交流、開放的、寂しがり屋、孤独、依存
 yellow 明るい、楽しい、幸せ、好奇心旺盛、愉快、コミュニケーション、喜び、光、知性、ひらめき、子供っぽい、注意、集中力に欠ける
 green 癒し、安全、協調性、自然、マイペース、成長、平和、ありのまま、自分らしい、リラックス、新鮮、常識的、バランス、心身の疲労、優柔不断
 blue 空、海、公平、誠実、爽やか、清涼感、信頼、集中力、コミュニケーション、冷静、浄化、回復力、繊細、寂しい、食欲減退
 indigo 本質、直感力、洞察力、フォーマル、クール、高級、堅苦しい、しっかりしている、哲学的、内的対話、スピリチュアル、繊細、抑圧、引きこもる
 purple 品格、芸術的、個性的、魂、高貴、魅力的、プライド、感性、神聖、ミステリアス、自己実現、古典的、幻想的、現実逃避、不満、ナルシスト
 pink 愛情、気配り、可愛い、若い、女性、柔軟、恋愛、優しい、ロマンティック、温かい、幸せ、甘い、世話好き、子供っぽい、未熟
 white2 純粋、清潔、誠実、リセット、スタート、0か100、完全、完璧、透明、浄化、正義感、チャレンジ、クリアな光、未来、理想主義、頑固、自己否定

出典:一般社団法人色彩心理カウンセリング協会「9色のイメージ・効果・影響」 (https://shikisaishinri.jp/shikisaishinri/9color/

ご存知の方もいるでしょうが、アメリカの大統領は、選挙や演説の際に身に付けるネクタイの色にとても気を使っているそうです。
ドナルド・トランプ大統領は、ここぞという場では赤いネクタイを締めることが多いですが、これは自分自身の気分を盛り上げたり、周囲に「私は情熱的な人間だ」という印象を与えるための戦略ではないかと見られています。

住まいのカラーコーディネートで大切なこと

住まいは、私たちが日常生活を送るうえで、とても多くの時間を過ごす場です。
しかも、疲れた体を休めるためだけではなく、仕事や学業のやる気を養ったり、面倒だけどやらねばならない家事をこなしたり、子どもが成長していくための場であったりもします。
それだけに、こころへの影響が多い色のコーディネートの重要性は、他の空間以上に高いと言えましょう。

部屋の「役割」をよく考えて

色は、赤や青、黄色や緑のような「有彩色」と、白やグレー、黒といった「無彩色」に2分されます。有彩色はさらに、「色相」(色味の違い)、「明度」(明るさ)、「彩度」(鮮やかさ)の違いによって、さまざまな色合いに分かれていきます。

PCCSトーン別色相環

出典:公益社団法人色彩検定協会「PCCSトーン別色相環」 (https://shikisaishinri.jp/shikisaishinri/9color/

ひとつの住まいの中でも、リビングや寝室、キッチンや浴室・トイレ、子ども部屋など、部屋ごとに役割や求められるものは千差万別です。
休息の場であるはずの寝室に、情熱や興奮のイメージがある赤色を多用したら、例え赤がお気に入りだとしても、寝室のコーディネートとしては失格でしょう。

ワンルームマンションのように、ひとつの部屋が複数の役割を兼ねている住まいもあるので、ひとつの用途に特化したコーディネートは難しい側面もありますが、まずはその部屋でどういう時間を過ごす(過ごしたい)のかを考え、それに合った色を選ぶことが、カラーコーディネートの第一歩です。

色の組み合わせで空間をつくる

その色が単体で持つ効果も重要ですが、インテリアでは「組み合わせ」が大切になります。
ひとつの色で空間を構成することはそもそも難しいですし、リラックス効果があるからといって、すべてをグリーンにしたらかえって落ち着かない部屋になってしまうでしょう。
適切な色の組み合わせが、ステキな雰囲気の部屋をつくるのです。

「75:20:5」が基本

インテリアのカラーコーディネートを左右するのが、ベースカラー、アソートカラー、アクセントカラーの3つ。

ベースカラーは床や壁、天井など、その空間の基調となる色です。
アソートカラーは従属色とも言い、建具や家具、カーテンなどのカラーがそれに当たります。
アクセントカラーはその名の通り、部分的ながらテーマになるような色。クッションやラグ、ソファのカバーなど、ワンポイントのアイテムで加えます。

ベースカラー、アソートカラー、アクセントカラーは、「75%:20%:5%」の比率にするのが王道です。

ベースカラー、アソートカラー、アクセントカラーの割合の目安

もちろん厳密にこの比率を守ることは難しいでしょうから、ひとつの目安として捉えてください。

ベースはシンプルに、アソートとアクセントで遊んで

ベースカラーは、言ってしまえば部屋そのものの色。
後から変えにくい部分でもあるので、白のように他の色と合わせやすい、あるいはグレーなど、有彩色を引き立てるような色にするのがポピュラーです。

また、明るく淡い色は部屋を広く、開放的に見せる効果があり、逆に濃い色は部屋を狭く感じさせる効果があります。
天井を濃い色にすると、天井が低く、圧迫感が感じられるようになってしまいます。狭さが気になりがちなマンションやアパートでは、ベースカラーは白系の色や、グレーでも淡めの色合いを前提にして考えるほうがよいでしょう。

ベースカラーよりもバリエーションを楽しみやすいのが、アソートカラーとアクセントカラーです。
賃貸のマンションやアパートでも、アソートカラーやアクセントカラーは、比較的自由にコーディネートできます。

悩んだときは「ナチュラル」を選択肢に

アソートカラーの要素として大きなウェイトを占めるのが、家具です。
白や黒など無彩色のモダンなもの、ウッディで温かみのあるものなどデザインは多様で、好みも人それぞれですから一概には言えませんが、ブラウン系のナチュラルな木製家具はどんな色ともマッチしやすいので、コーディネートに悩んだら、「ナチュラル」というキーワードを基準にして選んでみるのもいいのではないでしょうか。

ナチュラルな木のインテリア

ナチュラルな木のインテリア
(事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0036/より)

続いてアクセントカラーを選びます。空間に占める割合は小さいですが、インテリアの印象を大きく左右します。
とはいえ、もっとも手軽に変えられる要素でもあるので、季節に合わせたり、部屋のイメージを一新したいと思ったときなど、ベースカラーやアソートカラーとの組み合わせを意識しながら色を選んでいくと、同じ部屋でも印象を180度変えることもできます。

色の組み合わせでより印象深い部屋に

アクセントカラーは、1色だけとは限りません。多すぎると統一感がなくなってしまいますが、2~3色なら組み合わせ次第で、いろいろなイメージを演出することができます。

もっともシンプルなのは、濃さや彩度の違う、同じ系統の色でコーディネートする方法。
統一感が出て、誰でも雰囲気のあるインテリアをつくりやすい一方、単調にもなりがちという面もあります。
単調すぎるなと思ったら、もう1~2色、ワンポイント的にアクセントカラーを加えるのもよいでしょう。

色相環で色を選ぶ

色には「反対色」「補色」という概念があります。

2章「住まいのカラーコーディネートで大切なこと」で挙げた色相環を、もう一度見てください。
円の反対に位置する色同士が反対色(補色)で、並べたときにお互いの色を引き立てる効果があるとされています。

例えば、ソファに並べるクッションを反対色にするだけでも、カラーコーディネートとしては有効な手法です。
アソートカラーの反対色を、アクセントカラーとして配置してもいいでしょう。

ソファと反対色のクッションを置いてアクセントに

ソファと反対色のクッションを置いてアクセントに
(事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0044/より)

また、色相環で、2つ程度隣の色までを「類似色」と呼びます。
類似色を組み合わせるのも、カラーコーディネートの王道。それぞれの色が対峙して散漫になることもありません。同系色でまとめるのと同じく、無難な手法です。

その他、「トーン」(明度+彩度)を揃える、無彩色と有彩色を組み合わせるなどの手法もあります。

関連ページ

色の話は、文字だけで説明してもなかなかわかりにくいものです。
ひかリノベでは、さまざまなテイストのリノベーションを手掛けており、カラーコーディネイトの参考になる事例も豊富です。
ぜひ「リノベーション事例」のページから、あなたが思い描くものに近い実例を探してみてくださいね。

住まいに色彩を!

ブルーノ・タウトというドイツ人建築家をご存知でしょうか。
彼は1933年から36年にかけて日本に滞在し、桂離宮や伊勢神宮を高く評価しました。
外国人が日本の伝統に目を向けたことがショックだったのか、当時は日本人の間で桂離宮がちょっとしたブームになったそうです。

日本の伝統建築、特に住まいなど一般的な建物では、木や紙、土といった素材自体を全面に押し出し、装飾がないことが特徴のひとつとしてよく取り上げられます。タウトもそこに共感した――それが通説となっていました。
しかし、彼はまた「建築には色彩がなくてはならない」ということも主張し、自身の設計した建物に鮮やかな彩色を施していました。

Tuschkastensiedlung Oktober Fassade mit Rauten 2012

ブルーノ・タウト「田園都市ファルケンベルクの住宅群 (1913年-1916年)」

真っ白な、シンプルなデザインの空間にも、それなりの魅力はありますが、色彩は視覚的な面だけではなく、人の精神にも影響を及ぼすものであることは最初に述べたとおりです。

「自宅や、自分の部屋ではリラックスしてのんびり過ごしたい」とお思いの人は多いはず。
カラーコーディネートにちょっと気を遣うだけでも、穏やかな空気が流れる空間は十分実現できます。
あなたにとって最も居心地のいい空間を、カラーコーディネートでつくってみませんか。

ひかリノベのリノベーションは、壁や床・天井といった内装はもちろん、家具のコーディネートのご相談も承っております。
お手持ちの家具に合わせた内装のコーディネートも可能ですので、どうぞお気軽にご相談くださいませ。

 

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【執筆】荒井 隆大(ライター)
【監修】藤井 奈緒美(インテリアコーディネーター)

 

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