新築の建売住宅をこれから買おうとしている方で、「建売住宅は値引きできるの?」と疑問をもたれている方も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、建売住宅は値引き交渉ができる可能性があります。
この記事では、は建売住宅が値引きできる理由をはじめ、値引きを交渉するタイミングや成功させるポイントについて解説します。
建売住宅を購入する前に、ぜひ参考にご覧ください。
※本内容は値引きをお約束するものではありません。
目次
建売住宅が値引き交渉可能な理由
建売住宅は、すでに完成された状態で販売されています。そのため値引きによって内装・設備・間取りなどの仕様が変更されることはありません。
一方で注文住宅は、内装部材や設備器具、コンセント等の小物類まですべて施主が選んだオーダーメイド品といえます。注文住宅で値引きの交渉をするということは、仕様を見直すことと表裏一体です。仕様はそのままで値引きが通る可能性もゼロではありませんが、その場合は工事にかかる人件費を削ることとなり、後期に影響が出たり手抜き工事を招いてしまう恐れも。
建売住宅で値引き交渉を持ち掛ける側にとってのリスクは「価格が折り合うかどうか」のみなので、注文住宅よりも値引き交渉を持ち掛けやすいと考えられます。
値引き交渉の相談は誰にする?
建売住宅の値引きの相談相手は、販売不動産仲介会社を通じて契約する場合は仲介業者、直販の場合は分譲会社です。
それぞれ異なる特徴を持ち、値引きのしやすさも違います。特徴をおさえた上で値引きを相談しましょう。
仲介会社が間に入っている場合
仲介会社を通じて建売住宅を購入する場合、値引き交渉の相談は仲介会社に行います。売主に自分で交渉する必要がないので、気軽に相談しやすい点がメリットです。
とはいえ高額の値引きになる程交渉は難しくなり、時間がかかることは頭に入れておきましょう。
また仲介会社を通して不動産を購入する場合は、仲介手数料が発生する点にも注意が必要です。仲介手数料は法定金額が決まっており、物件価格の3%(税抜)。
分譲会社から直接購入する場合
建売住宅の分譲会社から直接購入する場合、自分で分譲会社に交渉することになります。仲介手数料が発生しない分、売主側としても値引きに応じる可能性が高いです。
一方で仲介会社を通さずに住宅を購入すると、そもそもの売買価格の適正値が把握しづらく、値引きに応じてもらったとしてもお得になるとは限らないというリスクもあります。
値引き交渉がしやすい住宅・しにくい住宅
建売住宅には、値引き交渉がしやすい住宅・時期と値引き交渉がしにくい住宅・時期があります。狙っている物件が値引き交渉しやすいかどうかをチェックしてみましょう。
値引き交渉がしやすい住宅
売主(分譲会社)が販売を開始したものの問い合わせが少なかったり、長期間売れ残っていたりする物件は、比較的値引き交渉がしやすいでしょう。
新築建売住宅は、築後1年を超えると新築物件ではなくなってしまいます。そのため通常は、半年から9ヶ月以内に完売できるように計画されています。つまり売り手が付かないまま9ヶ月目を迎えそうな建売住宅は、値引き交渉がしやすいといえます。
また、売主の決算が近いタイミングも、値引きに応じてもらえる可能性が高まります。決算前の売上高をあげるために、最低限の利益さえ確保できていれば「値引きしてでも売ろう」とすることがあるためです。
決算時期は会社によって異なるので、値引き交渉を持ち掛ける前に、売主の決算期を調べておくといいでしょう。
値引き交渉がしにくい住宅
上記の「値引き交渉がしやすい」住宅とは反対に、完成したばかりの建売住宅は値引きが難しいといえます。
売主は物件の売れ行きを見守る段階であり、予定していた販売価格で購入されるに越したことはないからです。仮に見学者が多ければ、需要が高いと判断され、より値引き交渉に応じてもらえる可能性は少なくなるでしょう。
また物件が人気エリアにある、そもそもの販売価格が相場よりも安いといった場合、値引きなしでも完売することが予想されるため、交渉には応じてもらえない可能性が高くなります。
建売住宅で値引き可能な金額
新築戸建の値引きは一般的に「販売価格の3%」までが相場とされています。つまり2,000万円の戸建を購入する場合、60万円ほど値引き可能性があるということです。
また、端数を値引いてくれる契約も多いことが知られています。ここでいう端数とは、数字の位に着目したときに、一つ下の位にある数字。たとえば2,280万円であれば、百の位に着目したとすると、端数は80万円ということです。
このように、建売住宅の値引きは概ね百万円以下が相場です。400万円、500万円などの値引きを期待されるケースもあるようですが、現実は数百万円の値引きは難しいと心得ておきましょう。
値引き交渉を成功させるポイント
建売住宅を値引きして購入したい方は多いでしょう。一方で売主も可能な限り高く売りたいのは当然であり、ただ値引きをお願いしても応じてもらえるとは限りません。値引きを成功させられるよう、交渉のポイントをおさえておきましょう。
購入を考えている場合のみ交渉する
値引き交渉を持ち掛ける側には負担はありませんが、交渉に応じる側は収支計算や稟議書を作成する手間が生じます。値引きに応じたのに購入してもらえないとなると、売主に負担がかかります。購入の意思が薄いと判断されれば、値引き交渉に応じてもらえる可能性は低くなるでしょう。
翻れば、値引きを条件に購入の意思を示すことで、売主側も安心して交渉に臨みやすくなるといえるでしょう。
前提として、値引き交渉は購入の意思が固いときのみ行うこと。この点をふまえると、購入の申込みと同時に値引き交渉をするが妥当でしょう。申込みの段階であれば、売主も買主に購入の意思があることを確認できます。
売れ残っている原因を把握する
前述のとおり、値引きに応じてもらいやすい物件とは、売れ残りの期間が長い物件です。しかしそうした物件は建物が劣化していたり、カビが発生したりするケースも少なくありません。
買主が見つからず一年経過した物件は、新築物件ではなく「未入居の中古物件」という扱いになります。すると品確法の適用外となり、物件の不具合について売主には保証責任がなくなります。つまり、故障があっても売主に修繕や交換を求めることができず、買主自身の負担で直さねばならない可能性があるということ。
このように、値引き交渉がスムーズに進んだときは落とし穴が隠れているかもしれません。物件の状態や保証について、購入前によく確認しましょう。
そのエリアの相場を知る
不動産会社のチラシや物件の情報を日ごろから多く収集し、販売価格や価格の変化を把握することが大切です。とくにエリアごとの平均相場や平均建物面積は、値引き交渉をするときの目安にしやすいでしょう。
参考として、不動産経済研究所による「建売住宅市場動向(2019年)」をもとに首都圏における建売住宅の平均価格と平均建物面積を紹介しましょう。
平均価格は東京都が6797.7万円、千葉県が3826.0万円、埼玉県が4087.8万円、神奈川県が5715.3万円、茨城県が5657.5万円です。
平均建物面積は東京都が96.75m²、千葉県が100.59m²、埼玉県が97.41m²、神奈川県が100.56m²、茨城県が109.18m²です。
目安となる価格を知っておくことで、少なくとも見積もられた金額が相場より高いかどうかわかります。具体的な指標を売主に提示してみれば、納得のうえで価格交渉に応じてもらえるかもしれません。
まとめ
建売の値引きができる理由をはじめ、値引きを成功させるポイントや値引きに適したタイミングなどをご紹介しました。
建売住宅は注文住宅と異なって物件の質が下がることがないので、値引き交渉をしない手はありません。ただ相手の事情を配慮しないで値引きをお願いしても、応じてもらえる可能性は低いでしょう。信頼関係が崩れてしまえば、可能であった値引きも不可能になってしまう可能性があります。
相手の立場を忘れないことを前提として、交渉にチャレンジしてみてください。
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