一戸建ては、マンションに比べてリノベの自由度が高く、楽しみも膨らみますが、戸建てならどの物件でも自由にリノベできる、というわけではありません。
リノベ向きの物件もあれば、リノベしにくい物件もあるし、できるけどお金がかかるものも存在します。
理想の住まいを実現するためにも、リノベしやすい物件を選びたいものですが、中古マンションとは違う、戸建てならではのチェックポイントを押さえておくことが肝心。ご自分でリノベ向きかどうかを確認できる方法をお伝えします。
目次
リフォーム前物件が狙い目
マンションでも同じですが、売り出す前に売主や、不動産会社などがリフォーム・リノベーションを行っているケースがあります。
この場合、当然ながらリフォーム・リノベーションにかかったコストが、販売価格に上乗せされています。
そのまま住むのなら、リフォーム済みでキレイな物件がいいかもしれませんが、リノベーション前提なら、安く購入できるリフォーム前の物件を選び、その分をリノベ費用に充てるのがおすすめです。
築年数は25年以上がお買い得
住宅の価格は、新築時が最も高く、築年数が経過するごとに低下していくことはご存知でしょう。
戸建て住宅は、大部分を占める木造の法定耐用年数が22年となっているため、築25年を境に価格が大きく低下します。
東日本レインズのデータによると、中古戸建て住宅の平均価格は、築25年まで4000万円程度をキープしていますが、25年を超えると3000万円台まで低下。30年を超えると2000万円程度になっています(成約価格ベース)。
RC造のマンションに比べると、築21年以降の下落幅は大きくはなっています。
ただし、一戸建てには資産価値が変動しにくい土地がセットになっているので、資産価値の面では、古くなってもマンションと同等以上の価値をキープできると言えるでしょう。
建物の構造・工法も要チェック
戸建て住宅を構造で分類すると、木造・鉄筋コンクリート造(RC造)・鉄骨造(S造)の3つに分けられます。
木造には、柱や梁から構成され、筋交いや合板で耐震性を確保する木造軸組工法(在来工法)と、2インチ×4インチの角材や合板で壁や床をつくり、面で建物を構成するツーバイフォー工法(枠組壁工法)の2つの工法があります。
日本では、木造軸組工法が木造住宅の大部分を占めています。
RC造は、マンションと同じく、壁式構造とラーメン構造に大別されます。戸建て住宅では、壁式構造が用いられることが多いようです。
S造は、構造に使う鋼材の厚さが、6mm未満のものを軽量鉄骨造、6㎜以上なら重量鉄骨造と呼んで区別します。戸建て住宅や小規模なアパートでは、軽量鉄骨造が主流です。
また、工場でつくった壁パネルや、ユニットを組み立てるプレハブ工法というつくり方もあり、鉄骨系、木質系(木造)、コンクリート系の3種類があります。
間取りが変えられるか
木造軸組工法や、RC造でもラーメン構造の建物は、柱や梁で建物を構成するので、壁を取り除いたり、移動させることが比較的容易にできるので、間取りの自由度は高いです。
逆に、ツーバイフォー工法や、壁式構造のRC造は、壁が建物の重さを支えているため、耐震性が高いというメリットがある一方、壁を撤去できなかったり、新しく窓を設けたりすることが難しいのです。
軽量鉄骨造も、柱・梁で構造をつくるのですが、耐震性を高めるためのブレースは取り外せないため、間取りが制限を受けやすい構造です。
また、プレハブ工法は、メーカーが独自に開発した工法であることに注意。建てたメーカー以外は大きな改修がしづらい側面があります。
鉄骨系は、比較的間取りが変更しやすいですが、木質系やコンクリート系は難しいと考えてください。
耐震改修が必要な物件か
中古住宅を購入する際、特に注意したいのが耐震性です。
現行の耐震基準、いわゆる新耐震基準は、1981年6月1日の建築基準法改正後の基準です。
構造に関わらず、1981年6月1日以降に建築確認を受けた物件であれば、新耐震基準で建てられていることになります。
ただし、戸建ての場合は建築確認申請書が紛失していたりして、建築時期を正確に特定できないことが多かったり、無茶な増改築によって耐震性が不足しているケースも。
また、1981年以降も建築基準法はたびたび改正されており、特に木造は2000年の改正で接合部の基準が強化されています。
不安な場合は、専門家によるインスペクションなどを利用してみましょう。
もちろん、旧耐震の建物であっても、耐震改修リフォームによって、新耐震並みに耐震性能を向上させることができます。耐震改修はそれなりに予算の必要な工事ではありますが、古い物件は価格も安いため、トータルでどちらの方がコストを安く抑えられるかはケースバイケースです。
耐震改修を行う場合、高度な構造計算が必要なので、対応できる建築士のいるリノベーション会社を選ぶことが重要になってきます。
当社ひかリノベは、構造計算に精通した一級建築士が社内に在籍しており、木造戸建のリノベーション事例も豊富です。どうぞ安心しておまかせください。
ハザードマップを確認しよう
ここまで建物の見分け方を紹介してきましたが、立地にも目を向けてみましょう。
中古の戸建て住宅は、資産価値に土地が占めるウェイトが大きいので、どんな土地なのかを事前にきちんと調べておきたいものですね。
駅に近い、生活の利便性が高い、あるいは環境の良いところなど、重視するポイントは人それぞれあると思いますが、どんな立地でも必ず確認しておきたいことがあります。
それは「ハザードマップ」。水害や土砂災害、津波や液状化が、どのくらいの確率で発生するのか、どのくらいの規模になるかを想定し、地図上にあらわしたものです。
多くの自治体が、ホームページ上でハザードマップを公表しています。例えば、ひかリノベのある東京都墨田区は、荒川が氾濫した場合の被害を想定したマップを作成しています。
災害リスクの高い土地は、自分や家族が被災する可能性が高いだけでなく、将来土地の資産価値が低下することも考えられます。
同じ地域でも、被害の有無や程度には差があるので、よくマップを確認してみましょう。
希望エリアのハザードマップを調べるには、「○○区 ハザードマップ」で検索するのもいいですが、国土交通省のハザードマップポータルサイトを利用するのがおすすめ。
都道府県・市区町村名で検索でき、土砂災害と津波など、複数のマップを重ねて見ることもできます。
また、朝日新聞社HPが地震の揺れやすさのシミュレーターを公開しています。こちらもチェックしてみましょう。
インスペクションで雨漏りや構造上の問題をチェック
他にも、物件を選ぶにあたってチェックしておきたいポイントはたくさんあります。例えば、次のような点が挙げられます。
- 外壁のひび割れや劣化
- 基礎のひび割れ
- 雨漏りの有無
- 給排水管の水漏れ
- 窓やドアの建て付け
- 室内のカビ
- 木材の腐朽、シロアリ被害の有無(木造住宅の場合)
しかし、一般の人にとっては、判断が難しいものも多いです。外壁にヒビが入っていても、大きな問題はないこともあれば、早急に補修が必要なレベルに達していることも。
床下や天井裏・屋根裏は、劣化や雨漏りが起こりやすい部分ですが、確認がしづらい部分でもあります。
「問題を見抜けるか不安…」「もし購入後に問題が見つかったらどうしよう…」そんな不安をお持ちの方は、インスペクション(建物状況調査)を利用しましょう。
建築の専門知識や資格を持ったインスペクターに、建物の状態を検査してもらうことで、価格が適正か、どのようなリフォームが必要かを判断することができます。
すぐに補修が必要な部分はリノベーションと合わせて工事し、将来的に修繕が必要になる箇所もあらかじめ把握しておく――そんな風に考えれば、購入後のリノベーション費用を抑えて、資金計画にも余裕が生まれますよね。
現在は、目視によるインスペクションが主流です。天井裏や床下のように、目につきにくいけど重大な問題(劣化や雨漏りなど)が起きやすいところも、きちんと点検してくれます。
国土交通省のガイドラインでは、インスペクションを行うときは、次のような部分を確認するよう求めています。
購入前のインスペクションで、構造の劣化や雨漏りの有無を調べたうえで物件を選べば安心ですし、工事前のインスペクションではより詳細な調査をすれば、必要な補修を行ったり、将来の維持管理計画を立てるのに役立ちます。
インスペクションは、物件を仲介している不動産事業者や、リノベーション会社に依頼してください。外部のインスペクターを紹介してくれることもあります。
もちろん当社ひかリノベもインスペクションに対応しています。物件選びから、皆様の理想を実現するためにサポートいたしますので、インスペクションをご希望の方、不安や疑問のある方は遠慮なくご相談ください。
現在、ひかリノベのサービス概要をまとめたパンフレットと施工事例集のPDFデータを無料で配布中です。下記ダウンロードボタンより、どうぞお気軽にご覧ください。