近年人気のオーダーメイドの造作キッチンは、使い勝手もルックスも自由にデザインできるため、ショールームのような素敵な空間をつくることができます。

一方で、設備も素材も寸法もすべて自分で決めるため、理想が具体的にイメージできていない人や、こだわりがあまりない方は、既製のシステムキッチンやセミオーダーキッチンのほうが向いている場合もあります。

この記事では、造作キッチンのメリット・デメリット、コストを抑えて理想を実現するための注意点、そしてひかリノベで実際にオーダーキッチンを施工した実例を紹介していきます。これからリノベーションを検討している方は、ぜひ参考になさってくださいね。

造作キッチンとは？

造作キッチンとは、素材、設備、寸法、キッチンの配置まで、すべて独自に設計・施工するキッチンのことです。あらかじめ規格化されたシステムキッチンと異なり、自分の使い勝手や好みに最適化できます。その反面、すべてを自分で決めなくてはなりません。

造作キッチンとキッチンメーカーによる「オーダーメイドキッチン」「セミオーダーキッチン」との違いは、ベースとなる規格がない点です。メーカーのオーダーキッチンは、メーカーが用意した仕様があり、選択肢の中でカスタマイズするものです。これから造作キッチンは、ゼロから計画することになります。

造作キッチンのメリット・デメリット

造作キッチンの最大のメリットは、自分のライフスタイルや好みに応じて細かく調整ができることです。身長に合わせて高さを決めたり、既製のシステムキッチンでは選べない設備を採用することも可能です。素材も自由に決められるため、インテリアに合わせて統一感を高められるのも大きな魅力。

その一方、デメリットとして、素材も設備も寸法もすべてゼロから決めなくてはいけません。理想を明確にイメージできていないと、プランニングが負担に感じる可能性もあります。

造作キッチンの費用の相場は？

造作キッチンには「相場」はありません。オーダーメイドなので採用する素材や設備によって金額は大きく変わります。

そのため、まずどれだけ予算を割けるのか明確にし、その中で何が出来るのかを確認する、という順番で計画することがおすすめです。

やりたいことをすべて盛り込もうとすると、予算を超過するケースが多いので、全体のバランスを見ながら、優先順位をしっかり決めておきましょう。

コストを抑えて造作キッチンをつくるには？

こだわりを詰め込むほどに工事費用はかさみがち。

予算を左右する要素は、大きく分けて素材と設備の二つです。

コストを抑えつつ、満足のいく造作キッチンを実現するためのポイントを解説していきます。

素材の選び方

天板やシンク、収納部分の素材はどう決めたら良いのでしょうか？ 天板だけでも、ステンレス、人造大理石、セラミック、タイルなど、選択肢はたくさんあります。

ご要望としてよく聞かれるのが、「木のキッチン」。面積の大部分を占める収納部分を木製に、と希望される方が多いですが、「木」とひと口に言っても、樹種によって金額も質感もさまざまです。

キッチンの素材は見た目の好みだけでなく、使い勝手やお手入れのしやすさも左右します。自分ひとりで悩まずに、ぜひプロの意見を聞いてみましょう。デザイナーには「希望のイメージ」と「予算」を伝え、要望を叶えられる素材を提案してもらうことがおすすめです。

設備の選び方

ビルトインコンロ、ビルトインオーブン、食洗器……重要なのは「本当に必要な機能を見極める」ことです。優先度の高い設備は何か、毎日の調理を振り返ってみましょう。

特殊な設備は設置するのも難易度が高く、故障しても交換できないケースがあります。
故障時のリスクも含め、デザイナーとよく相談して検討しましょう。

既製品との組み合わせ

部分的に既製品を取り入れることで、価格を抑えられる場合があります。

たとえば収納の造作は、工事費がかさみやすいポイントとなります。棚板の数や扉の有無、引き出しの有無も金額を左右します。造作は最小限にして、既製の棚を据えるといった方法もあります。

使いやすくておしゃれな造作キッチン実例

ひかリノベで実際にオーダーキッチンを施工した実例を紹介していきます。これからリノベーションを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

調理動線に最適化したI型キッチン

調理動線に最適化したI型キッチン（事例：https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0064/）

二人でキッチンに立っても充分な作業スペースを確保しつつ、オーブンレンジや食洗機、炊飯器といった家電類の置き場を、お施主様の作業動線に基づいてレイアウトしました。「オーブンレンジはコンロから手の届く場所に置きたい、炊飯器もキッチン内部に収納したい。でも見た目はシンプルにしたい」というお施主様のご希望を全て叶えたオーダーキッチンです。

家具のようなコの字型キッチン

家具のようなコの字型キッチン（事例：https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0087/）

お施主様が一番叶えたかったことは、「つくる楽しみ、食べる楽しみを感じられるキッチン」。コの字型のキッチンをリビングの中心に大きく据えて食卓とキッチンを兼ね、食が暮らしの中心となるスタイルに。

キッチンとダイニング兼用とするにあたり、課題となったのは高さです。キッチンに立って料理する人とカウンターに座って食事を楽しむ人、双方にとって快適な高さを、段差で調整。カウンター側の床を高く、キッチン側の床を低く設計してました。

ペストリーボードを埋め込んだコの字型キッチン

ペストリーボードを埋め込んだコの字型キッチン（事例：https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0108/ ）

大理石とタイルの天板がフォーカルポイントのコの字型キッチン。大理石部分は、パンや焼き菓子作りが趣味というお施主様愛用のペストリーボードを埋め込んだもの。壁面の小物棚も、お手持ちのシェルフを埋め込んだものです。コンロ正面の壁は、外壁用のブリックタイルで仕上げています。油を吸収するのでお手入れ要らず。ピザ窯からヒントを得たアイデアです。

通路側に置いたキャビネットも造作品。キッチン下収納と同様に、収納する食器やキッチンツールの数・大きさに合わせて計画しました。

まとめ

造作キッチンは、素材、設備、寸法などを自由に設計でき、理想のデザインと使い勝手を実現できるのが魅力です。その一方で、すべてを自分で決める必要があり、明確なイメージがないと負担になることも。

造作キッチンの工事金額に「相場」はなく、採用する素材や設備によって金額は大きく変わります。予算を明確にし、優先順位を立てることが成功のカギです。

ご検討の際は、信頼できる工務店やデザイナーとの相談が重要です。

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