大規模なリフォーム・リノベーションや建て替えの際は、工事が終わるまでは賃貸住宅などを借り、一時的に引っ越す必要があります。
こうした場合に短期間だけ住むための住まいを「仮住まい」といいます。
ただ、仮住まい探しは思ったよりも大変。この記事では、仮住まいの上手な探し方・選び方を説明します。
目次
仮住まいの必要性
住まいの一部をリフォームする程度なら、住みながら工事をすることはそう難しくはないでしょう。
しかし、解体工事を伴うようなフルリノベーションはもちろんのこと、水廻りの交換や間取り変更等となれば、騒音やごみ・ホコリが発生したり、毎日現場監督や職人が何度も出入りしたりします。
そんな中で、日常生活をいつも通り送るのは大変ですよね。
工事をする側にとっても、人が住んでいる中で工事をするのは、事故のリスクなどもあって簡単ではありません。工期も長期化しやすくなります。
リノベーション工事中は仮住まいを探してそこに移り、工事が終わったら再度引っ越すのが、住まい手・施工業者、どちらにとってもベターです。
また、建て替えとなれば家をすっかり解体してしまうので、当然ながら住み続けることは不可能。工事が終わるまでの住まいが必要になります。
住み替えの場合も、売却と購入のタイムラグによっては、仮住まいが必要になるケースが考えられます。
仮住まい探しのポイント
仮住まいの期間は、マンションのフルリノベーションなら3~5カ月、一戸建ての建て替えなら4~6カ月程度というのが一般的です。
言い換えれば、長くとも半年で退去することが初めからわかっています。
ここが仮住まい探しの、一番のハードルです。一般的な賃貸住宅では、安定して家賃収入を得たい大家さんは、短期で退去してしまう入居者を敬遠します。
まずは、仮住まいとして借りられる物件はとても少ない現状を頭に入れておきましょう。
仮住まい探しのスケジュール
リノベーションや建て替えが決まったら、早めに仮住まい探しを始めましょう。遅くとも、工事着工日の2カ月前には、ある程度情報を収集できているのが理想です。
工事スタートまで2カ月を切ったら、内見に行ったりして契約する物件を決めます。
あまり契約が早いとその分家賃が発生(申込日から約2週間後に賃料発生日を設定するのが一般的)してしまいますし、ぎりぎりになっても引っ越しが大変ですから、着工1カ月前を目安に、契約などの手続きを済ませましょう。
2週間前になったらいよいよ引っ越し。工事が始まるのに荷物が残っていると、工期が延びる原因になるので、余裕をもったスケジューリングを。
工事が終わって新居が引き渡されたら、今度は新居に引っ越しです。工事会社に工事の進み具合を聞き、工事の完了時期が見えてきたら、早めに引っ越しの段取りをしておきましょう。
仮住まいの費用
毎月の家賃に加え、敷金・礼金、仲介手数料、引っ越し費用などがかかります。
家賃15万円の一般的な賃貸住宅を、3カ月間借りると仮定して、必要な費用を計算してみましょう。
・家賃(3カ月分):45万円
・敷金(2カ月分):30万円
・礼金(1カ月分):15万円
・仲介手数料(1カ月分)15万円
・諸費用(クリーニング代、鍵の交換など):10万円
・引っ越し費用:20万円(10万円×2回)
合計で135万円。けっこうかかりますね。
物件によっては不要な項目もありますが、短期入居のために、普段は1カ月分の礼金を2カ月分にされたり、1年分の火災保険料を請求されたりしたケースもあるようです。
最近では家賃保証会社の利用を必須にしているところも増えていますし、必要な費用はさらに増えることも考えられます。
また、短期間での退去は違約金が発生する契約になっていると、退去時に違約金を請求される可能性もあります。探すのが大変といっても、仮住まいであることを隠して契約するのはやめておきましょう。
仮住まい選びの注意点
まずは広さに注意。一戸建てからマンションに移る場合は特に、今持っている家電や家財道具が収まり切らないかもしれません。
全ての家財を、仮住まいに収めようとすれば家賃も高くなりますし、引っ越しも大変。トランクルーム等を別に借りて家財は別に保管する、などの対応を考えましょう。引っ越しの際、家財の一時的に保管してくれるサービスをやっている運送会社などもあります。
利用には当然料金がかかりますが、高い家賃を払って広いお部屋を借りるよりは安く済む可能性があります。
通勤や子どもの通学を考えれば、立地も大きく変えたくはありませんね。
しかし、繰り返しますが、仮住まいはそもそもの選択肢が少ないため、都合のいいエリアで仮住まいが見つかるとも限りません。
ペット可の賃貸住宅は少ないうえ、ペット可でも大型犬はNGという物件も多数。さらに仮住まいOKとなれば、選択肢はかなり狭まるでしょう。
ペットを飼っている方は、知人やペットホテル(1カ月以上の長期預かりサービス)に預けることなども視野に入れておくのが良さそうです。
もし工期が遅れたら?
何らかの理由で工期が遅延すると、仮住まいの期間も伸びます。
その分余計に家賃もかかりますし、もし退去の日程が決まっていたりすれば、再度仮住まいを探す手間やコストが発生するでしょう。
通常、大規模なリフォーム/リノベーションや建て替えの工事請負契約書には、工期(工事着手と完成の時期)が記載されています。
正当な理由のない工期延長は、施工業者の「債務不履行」、つまり契約違反になり得るのです。
原因が自然災害であったり、施主から工事中に変更の依頼があったりした場合は、施工業者の責任にはならず、工期延長をお願いすることができます。
しかし、人手不足で職人が手配できない、施工ミスがあってやり直したから、などの理由であれば、施工業者が遅延の責任を負うので、損害賠償を請求することも可能です。
とはいえ、大きなトラブルは避けたいもの。できれば、事前にリフォーム/リノベーション会社に、工期が遅延した場合はどう対応してくれるか、しっかり話し合っておくべきです。
仮住まい候補となる物件
仮住まいの候補として、一般的な賃貸住宅、UR賃貸住宅、ウィークリー/マンスリーマンション、ホテルなどが挙げられます。それぞれ特徴を見ていきましょう。
賃貸住宅
一般的な賃貸住宅は物件数も多いので探しやすく、立地や広さの希望も比較的叶えやすいのがメリットです。
マンションはもちろん、数は少ないものの一戸建ても選ぶことができます。
デメリットは、敷金・礼金や仲介手数料、連帯保証人または保証会社の利用など、高額の初期費用や煩雑な手続きが発生すること。短期で退去することが明らかなので、契約を断られることも少なくありません。
仮住まいであることを隠して契約すると、退去時に違約金を請求されることもあり得ます。
入居後は家電やインターネットも、ご自身で用意する必要があります。ネット回線を引くには時間もかかるので、仮住まいの期間中に間に合わないこともあり得るので要注意。
UR賃貸住宅
UR都市機構の賃貸住宅(昔の公団住宅)は、礼金や仲介手数料が不要。敷金はやや高額(3カ月分)ですが、原状回復費を引いた額が戻ってくるので、初期費用の負担が少なくて済みます。
また、2年契約のような期間の縛りがなく、数カ月で退去しても違約金などのリスクはありません。
ファミリー向けの物件も多く、仮住まいには最適な条件が揃っています。賃料もそこまで高くはありません。
ただ、もともとUR賃貸の人気は高く、空きが少ない、空室が出てもすぐに埋まってしまうことがほとんど。
タイミングよく空室が出なければ、選択肢には入れづらいでしょう。
ウィークリー/マンスリーマンション
週単位、月単位で借りられるウィークリー/マンスリーマンションなら、家賃以外の諸費用は契約手数料と清掃料程度でOK。家電付きの物件や、ネット回線完備、光熱費込みの物件も多数。
賃料は割高(1日5000円程度)ですが、初期費用の負担はかなり抑えられます。
欠点は、ワンルーム、広くても1DKなど単身向けの物件が大部分を占めていること。ファミリー層には不向きですし、荷物もあまり持ち込めません。
別途、倉庫やトランクルームなどの手配が必要になるでしょう。
期間が長くなると、家賃が割高な分負担が大きくなっていきます。少人数で、短期間利用するような場合以外はおすすめしづらい物件です。
ホテル
ホテルなら、宿泊料以外のお金はかかりません。立地条件もいいところがたくさんあります。
とはいえ、家財道具はほぼ持ち込めないですし、キッチンもないので食事は外食のみ。宿泊料も一日単位なので高額です。
長期間の仮住まいとして、ホテルは不向きです。部分的な一部リフォームなど、短期間(数日~2週間程度)で終わる工事の仮住まいとしてはいいかもしれません。
仮住まいの探し方
仮住まいを探すには、ネットの賃貸サイトを使う、不動産会社で探す、仮住まい専門の不動産会社に依頼する、業者にあっせんしてもらう、などいろいろな手段があります。
ネットの賃貸サイト
スーモやホームズ、アットホームなど、不動産ポータルサイトで条件に合う賃貸物件を探すやり方です。
掲載されている物件が多く、立地や家賃、広さ、間取りなど希望の条件で探しやすく、気軽に比較検討もできるのは、ネットならではのメリット。
しかし、仮住まいとして借りるとなれば、不動産会社や大家さんとの交渉は避けられません。仮住まいでも入居可能な物件を見つけるまでには、相当な苦労があることを覚悟しておくべきでしょう。
街の不動産会社
近所の不動産会社なら、地域の大家さん達との関係も深く、ネットには載っていない物件を扱っていたりもします。
何よりも、今の住まいの近くで物件を探しやすいのは大きなメリットだと言えます。
仮住まいを嫌がるのはどこも一緒ですが、距離が近い分、大家さんとも交渉してもらえる余地もあるかもしれません。
思い切って相談してみると、仮住まいにあった物件を紹介してくれるかも。
仮住まい専門の不動産会社
仮住まい(短期契約)向けの物件を専門に扱っている不動産会社があります。
敷金・礼金・仲介手数料も一般的な賃貸住宅とそう変わりません。さらに、時間的な余裕が少なくても対応してもらいやすい、引っ越し業者を手配してくれるなど、専門の会社ならではの充実したサービスを受けられます。
一方、仮住まい専門の不動産会社自体が少なく、対応エリアも首都圏等に限られているので、利用できる地域が少ないのがネックになるでしょう。
業者のあっせん
工務店やリフォーム会社の中には、仮住まい用のアパートなどを保有していたり、モデルハウスを仮住まいとして使わせてくれる会社もあります。
担当者に相談すれば、自社の賃貸を無料、または格安で貸してくれるハウスメーカーもあるようです。
ただ、空室がなく入居できない、希望のエリアではない(遠い)、といった事態も考えられますので、事前に、今利用できるのか、広さや立地はどうなのか、担当者に確認しておくのがいいでしょう。
おすすめはワンストップサービス
フルリノベーションや建て替えでは避けられない仮住まいですが、自分で探すのはかなり大変。ファミリー層は特に苦労するでしょう。
ここまで読まれた方の中には、仮住まい探しの大変さに「リノベーションしたいけど、ちょっと考え直そうかな…」と思ってしまった人もいるのではないでしょうか?
ひかリノベの「自宅のリノベーション」なら、そんな心配は無用です。
仮住まい専門の不動産会社と提携し、仮住まいの手配から家財道具の一時預かりや引っ越し業者の手配、不用品の処分までひかリノベがサポートします。
もちろん、リノベーションの設計・施工、ローンのご案内、引き渡し後のアフターケアまで、ワンストップで対応。
リフォーム会社、仮住まい先、金融機関を別々に探したりする手間はかかりません。
今のお住まいが古くなってきたと感じたり、フルリフォームやリノベーションをお考えなら、ぜひひかリノベにご相談ください。リノベーションのあらゆるお悩みを、ワンストップで解決します。
現在、ひかリノベのサービス概要をまとめたパンフレットと施工事例集のPDFデータを無料で配布中です。下記ダウンロードボタンより、どうぞお気軽にご覧ください。