一戸建てのメリットとデメリット~マンションにない魅力とは?

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理想のマイホームはやっぱり一戸建て、と思い描く人も多いのではないでしょうか。

広い、庭がある、隣家を気にしなくて良い……一戸建てならではの魅力はたくさんありますよね。
逆に「ここはちょっと気になる」「これだったらマンションのほうがいいかも?」という点もあるかもしれません。

マイホーム・不動産としての一戸建て、そのメリット・デメリットは一体何なのか、徹底的に解説します! ぜひお家づくりの参考にしてください。

一戸建てのメリット

まず、一戸建てならではのメリットや、魅力を紹介しましょう。

一戸建てのメリット

  • 騒音やプライバシーにまつわるトラブルが起きにくい
  • 専用の庭や駐車場を持てる
  • 環境の良さが手に入る
  • 土地が資産になる
  • 自由な家づくり
  • 管理費・修繕積立金がない

騒音やプライバシーにまつわるトラブルが起きにくい

複数の住戸をひとつの建物にまとめて造る集合住宅では、隣人とのトラブルが発生しやすい傾向にあります。とくにトラブルの原因になりやすいのが「音」。生活の中でどうしても発生してしまう音ですら、トラブルに発展してしまう可能性も。その点、

一戸建ては独立しているので、上階から聞こえる足音や、隣人のおしゃべりが聞こえにくいのです。
翻って言えば、自分たちが立てる音が隣戸に響いてしまうことも少なくなります。子育て中の家庭でも、子どもが室内で走り回ったり、大声を出したりしてご近所に迷惑をかけるかも……といった心配も無用です(もちろん、常識の範囲内で)。

プライバシーの確保という面でも、マンションに比べて独立した一戸建てが有利です。例えば家族構成や、不在にしがちな日、時間帯を推測されにくいですし、近隣からの干渉も受けにくくなります。ペットの飼育に対する制限もありません。女性や、小さな子どものいる方にとっては、安心して暮らせるポイントといってもいいでしょう。

専用の庭や駐車場を持てる

一戸建てにあってマンションにないものと言えば、やはり庭。マンションでも専用庭つき物件はありますが、一般的には、自由に使える屋外スペースはベランダやバルコニーのみです。

庭があれば、ガーデニングを楽しんだり、家庭菜園をやったりもできますし、物干し台を置いて洗濯物を干したりと、さまざまな用途に活用できます。

専用の駐車場を設置できるのも、一戸建てならではのメリットです。駐車場を借りて、毎月お金を払う必要はありません。2台以上車を所有しているなら、金銭的なメリットはより大きくなります。敷地に余裕がない場合でも、一階の一部をガレージ(ビルトインガレージ)にして駐車スペースを確保する方法があります。

環境の良さが手に入る

一戸建ては、都市部にももちろん多いですが、郊外に立地することが多いです。敷地も広く、自然も比較的豊かなエリアが多いので、通勤に時間がかかっても都会の喧騒から離れて静かな環境で暮らしたい、子どもを外でのびのびと遊ばせたいという方にはぴったりの環境が手に入るでしょう。

自宅だけでなく、周辺にある公園や学校も敷地をゆったりとつかった広いところが多いのも、郊外で暮らすことのメリットです。

土地が資産になる

一戸建てを購入すると、建物だけではなく、土地もあなたの所有物になります(借地権付き物件を除く)。

建物は時間が経つと、価値が低下していき、いずれは価値がゼロになります。一方、土地は時間の経過だけで価値が変化することはありません。むしろ、周辺の開発が進んだ、新しく鉄道の駅ができた、といった理由で、価値が上がることだってあるため、将来の資産価値(リセールバリュー)は安定しています

マンションも土地の一部(持ち分)を所有していることになりますが、更地にして売る、建て替えるなど、資産としての自由度は低めです。住宅を担保にして融資を受けるリバースモーゲージも、一戸建てを担保とすることが原則となっています。

自由な家づくり

新築の注文住宅なら、設計図は白紙ですから、間取り、デザイン、素材、設備を自由に決めることができます。法律や技術の制限はありますが、ハウスメーカーや工務店、設計事務所と相談しながら、理想のイメージに近い住まいを造りやすいと言えるでしょう。

マンションでは専有部に限られてしまうリフォームやリノベーションも、外観を含めより自由にできます。増築・減築も(構造上問題のない範囲で)可能です。場合によっては建て替えの選択肢もあります。

管理費・修繕積立金がない

マンションでは、毎月の住宅ローンの返済に加え、管理費と修繕積立金を管理組合に支払わなくてはいけません。

一戸建てでは自分で管理を行うため、こうした費用を誰かに納める必要はありません。もちろん自分でメンテナンスを行う必要はありますが、実行のタイミングや内容は自分で決められます。

一戸建てのデメリット

メリットがあればデメリットもあるものです。一戸建てのデメリットとは、どんな部分なのでしょうか?

一戸建てのデメリット

  • 維持管理は自己責任
  • 耐用年数が短い
  • 気密性、断熱性が低い
  • 防犯上のリスクが大きい
  • 建て替えられない物件がある

維持管理は自己責任

マンションには管理組合があり、維持管理の計画を立てて費用(管理費・修繕積立金)を徴収して、定期的にメンテナンスを行います。維持管理のかなりの部分を「おまかせ」にできるのです。

他方、一戸建ての維持管理は所有者に任されています。極論を言えば、全くお手入れをしなくても誰にも咎められることはありません。

しかし、時間が経てば各部は必ず劣化していきます。特に日本の一戸建ては木造が多く、湿気やシロアリなど大ダメージを与える要因も少なくありません。庭の植栽なども、放っておけばどんどん成長します。伸びた草や枝が、敷地からはみ出すと、隣人とのトラブルの種になる恐れもあるでしょう。

突発的にリフォームが必要な事態が起きたりすると、その修繕費を調達する必要も出てきますね。急な出費が、思わぬ家計へのダメージになるかもしれません。

耐用年数が短い

維持管理にも関係することですが、一戸建て、というよりも木造は、鉄骨(S)造や鉄筋コンクリート(RC)造のマンションよりも、税法上の耐用年数(法定耐用年数)がはるかに短いのが現実です。

一般的に木造住宅の法定耐用年数は22年。築23年以上になると、建物の価値はゼロと判断されてしまいます。お金をかけてこだわって家を建てても、30年後売ろうとしたときには、建物には値段がつかないこともあり得るのです。それに対し、マンションに多いRC造の耐用年数は47年。木造戸建ての倍以上の長さです。

もちろん、耐用年数を過ぎたからといってすぐに住めなくなるというわけではありません。適切な維持管理を行えば、木造でも良好な状態を保つことは十分に可能です。長期優良住宅制度のように長寿命な家づくりを促進したり、22年で一律に価値をゼロとする評価方法を見直す動きなどもあります。

気密性、断熱性が低い

木造の一戸建ては、RC造のマンションに比べ躯体にすき間ができやすく、どうしても気密性が低くなりがちです。気密性が低い、すなわちすき間が多いと、室内の空気が外に流れ出したり、外気が室内に入りやすくなってしまい、暖冷房の効率が低下してしまいます。

断熱性についても、マンションよりも窓が多くなるため、全体で見ると熱の流出が大きくなりやすいです。高気密・高断熱を謳う住宅メーカーも増えていますが、高性能な断熱材やサッシを使うと、その分建築費用は高くなります。築古の中古住宅は全く断熱が施されていない物件も珍しくはありません。

防犯上のリスクが大きい

独立して建っており、窓も多い一戸建ては、マンションに比べて外から侵入しやすく、空き巣などに狙われやすいのが弱点です。
外出時には、たくさんの窓に鍵を掛けなくてはならず、手間がかかる上にかけ忘れのリスクも高まります。低層の一戸建てにおける空き巣被害では、窓から侵入されるケースが半分以上を占めています。しかも、鍵をかけていない窓から忍び込まれてしまうことも非常に多いのです。

マンションであれば、防犯カメラやオートロックが導入されていたり、警備会社と契約して24時間の警備体制を敷いていることも多いです。一戸建てでホームセキュリティを導入する人も増えていますが、その場合、費用は全て自己負担。防犯対策のコストが割高なのも頭の痛い点です。

建て替えられない物件がある

中古の一戸建てを検討している方、特に都市計画区域で物件を探しているなら「再建築不可」物件に注意しましょう。

都心部に古くからある、住宅が密集しているようなエリアなどで、奥まったところに建っている物件は、建築基準法の「接道義務」(消防車や救急車が通行できるよう、敷地が一定以上道路に面することを義務付ける)条件を満たさないことが多々あります。
この場合、リフォームはできますが、解体して建て替えることは不可能。一度取り壊してしまえば、もうその上に新しく家を建てることはできません。その分価格も割安ですが、担保としての評価は低いため、住宅ローンが組めない、組めても融資割合が低くなることも。また売却もしづらくなります。

戸建住宅の種類

一戸建てとひとくちに言っても、様々な種類があります。
日本では木造が一戸建ての主流ですが、大規模なマンションと同様、S造やRC造の戸建住宅もあります。また木造のなかでも、軸組工法とツーバイフォーではつくりが異なります。

建物構造による違い~木造・S造・RC造

木造は、技術的にも確立されており、材料も広く流通しているので、コストパフォーマンスに優れているのが特徴。そのため小さな工務店から大手まで、依頼先の選択肢も幅広いのもメリットになるでしょう。
耐震や断熱も、技術や建材の進歩によって高いレベルを実現するのも、さほど難しくはないなっています。

S造は、大手のハウスメーカーが多く採用している構造。鉄骨の厚みによってさらに区分されますが、住宅だと6㎜以下の材を使った、いわゆる軽量鉄骨造が主流です。
工場で生産された部材を使うので、木のような材のばらつきはなく、安定した品質を確保できます。

RC造の最大のメリットは、耐震性や防耐火性能がとても高いこと。耐用年数も長いので、長期間にわたってその価値が評価されやすい構造です。
コンクリートは、型枠によってどんな形でも実現できるため、デザイン性の高い住宅を造るのにも向いています。

木造でも造り方が違う~軸組と2×4

今、日本で造られている木造住宅には、大きく分けて軸組工法、2×4(ツーバイフォー)工法の2つの工法が用いられています。

軸組工法は在来工法とも呼ばれ、柱や梁で躯体をつくっていく、日本に古くから伝わる工法です。今では、耐震性を高めるため、筋交いや合板で壁を補強したりもしますが、基本は柱と梁が構造体となるので、間取りの自由度が高く、大きな開口部を設けることもできます。
また、リフォーム・リノベーションによる間取りの変更も、比較的容易に行えます。

2×4工法は、正確には枠組壁工法といい、アメリカで発展した工法です。
2インチ×4インチの木材と合板で造った壁や床など、面で構造体をつくっていくやり方で、規格化の度合いが軸組工法よりも高く、質のばらつきが少ないというメリットがあります。
また、面が多いので耐震性に優れる一方、既存の壁を除去したりすることは難しく、リフォームやリノベーションの自由度は低めです。
(木材のサイズには、2インチ×6インチ、2インチ×8インチ、2インチ×10インチなどもあり、「ツーバイシックス」などとも呼ばれたりもします)

また、大手ハウスメーカーの住宅は、部材を工場で生産して現場では組み立てる、プレハブ工法が採用されている場合も多くあります。プレハブ工法はS造が中心で、木造のプレハブはあまり多くありません。メーカー独自の技術がたくさん使われているので、メンテナンスのしづらさや、リフォームの自由度も低いです。

このように、一戸建てとひと口にいってもバリエーション豊かで、それぞれに個性があります。マイホームは「マンションか一戸建てか」と迷っている方も、一戸建ての種類にも目を向けてみると、理想のマイホームに一歩近づくことができるかもしれませんね。

住宅リノベーションのひかリノベでは、物件探しからリノベーション、資金計画までワンストップでお住まいづくりをサポートいたします。マンションか戸建てか、ライフスタイルに合わせた物件のご相談から承ります。

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記事監修

櫨元 宏(宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー)

宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザーの有資格者。中古リノベから注文住宅まで、13年間におよぶ建築業界での営業経験をもつ。プライベートでは料理をこよなく愛する一面も(クックパッドにてレシピ公開中!)「食と住は生活の“根っこ”だと思います。キッチンへのこだわりを口にされるお客様は非常に多いです。一方で水廻りのリフォームは、物件によって制約も生じやすい部分。知識と経験をもとに『リノベ向き物件』をご紹介します」<

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