リフォームと建て替え、どちらがベスト?メリデメを徹底比較!

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一戸建てにつきものの悩みといえば「リフォームと建て替え、どちらにするか?」。

リフォームのほうが安く済む、という意見もあれば、建て替えのほうがいいという人もいます。建物の状態や工事の内容によって、最適な選択肢は異なるので、判断に迷うのは当然かもしれません。

リフォーム、建て替え、それぞれの特徴や費用を理解して、ベストな選択ができるようにしたいものです。

リフォームと建て替えの違いとは

リフォームは、既存の部分を残しながらつくり変えることを指します。

水まわり設備だけの交換、外壁の塗り替え、窓の交換といった部分的な工事から、基礎と構造材(柱や梁、土台など)だけ残して、そっくり変えてしまうスケルトンリフォームまで、改修の範囲はさまざまですが、少なくとも、基礎が残っていればリフォームに分類されます。

建て替えは、既存の住宅を基礎まで解体して一度更地にし、新たに基礎から建物をつくることを意味します。

リフォームのメリット・デメリット

リフォームは、工事の範囲、規模がケースバイケースなので一口では言い表しにくいのですが、建て替えに比べ工期が短く、費用も抑えられるのが最大のメリットです。

一定の築年数が経過した住宅をリフォームすると考えた場合、部分的なリフォームなら300万円~、大規模なリフォームは1000万円~2000万円を要するケースもあります。

予算や、ライフステージに合わせて手を入れる部分も自由に判断できます。工事の規模が大きくなければ、工事中の仮住まいや、家財の処分・保管に悩むこともありません。

また、古いけど愛着のある実家や、法律などの問題から建て替えが難しい建物も、リフォームで暮らしやすく、安全な住まいに生まれ変わらせることができます。

一方、既存の構造から間取り変更が制限されるなど、建て替えほど自由度は高くありません。できなくはありませんが、規模が大きくなり費用もかかります。耐震・断熱改修にも制約が出るかもしれません。

また、躯体の劣化など、解体して初めてわかることもあります。補修や対応のために追加費用が発生しやすいのも、リフォームの難しい部分です。

建て替えのメリット・デメリット

建て替えは、新築するのと基本的には同じですから、間取りの自由度は高く、耐震性や断熱性も、あなたが望むように設計すればOKです。地盤補強にも対応できるので、安心・安全の観点でもメリットは決して小さくありません。

建て替えのネックとなるのは、やはり費用です。
解体費、廃棄物の処理費、仮住まいの家賃、家財保管費などの諸費用が発生するため、通常の新築以上にお金がかかることは覚悟しなくてはならないでしょう。登記費用や固定資産税、都市計画税、登録免許税などもかかります。

年齢によっては、新たにローンを組むことが難しい場合もありますし、自己資金だと老後の生活に影響する恐れもあります。

建て替えにかかる費用は、新築費用プラス諸費用の合計。2000万円~4000万円が相場といったところでしょう。

建て替えを検討するタイミングは築何年?

建て替えを検討すべきタイミングの目安は、築30年

キッチンやトイレ、浴室などの水まわり設備、外壁などは、10年で交換やリフォームが必要だと言われています。30年も経てば、必ず劣化や不具合は起こりますし、構造の劣化も進んでいる時期。
リフォームするとしても大掛かりな工事が必要になり、費用も建て替えに近い額になりがちなタイミングなのです。

もちろん、必ず建て替えなくてはいけないということではありませんが、リフォームする場合でも、スケルトンリフォームやそれに近い規模の工事を考えたほうがベターでしょう。

リフォームに向いている場合、建て替えに向いている場合

建物の状態や将来の人生設計によって、リフォームがいい場合もあれば、建て替えがベターな選択肢になることもあります。いくつか、判断になるポイントをご紹介しましょう。

建て替えができない物件もある

現在の建築基準法では、幅4メートル以上の道路に、2メートル以上接している土地でないと、原則的に建て替えはできません。いわゆる「再建築不可物件」です。
ただ、道路幅4メートル未満でも建て替え時にセットバックすれば建替は可能になります。

また、建築基準法の改正や用途地域の変更によって、規制が強化されていることも。
例えば、建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)が変わっていると、建て替え後の住宅を、前より小さくせざるを得ないこともあります。

リフォーム費用が高額になる可能性も

築年数が経過するほど劣化は進むので、リフォームだと工事個所が増えたり、規模が大きくなりやすい傾向にあります。

スケルトンリフォームでは費用は1000万円を超えることも珍しくはありませんし、仮住まいなどの負担も建て替えと同じ。
さらに、解体して劣化が判明することもしばしばですから、当初の想定よりも費用が掛かってしまう可能性も小さくはありません。

耐震性や断熱性を考慮する

最近の新築住宅は、高い耐震性や断熱性を備えたものが増えています。高性能住宅を得意とする工務店やハウスメーカーも数多く存在します。

リフォームでも耐震性や断熱性を上げることはできますが、高度な技術が要求されるうえ、費用も高額になります。

例えば、古い住宅では基礎が無筋(コンクリートの中に鉄筋が入っていない)であることも。この場合、周りに鉄筋を組んでコンクリートを増し打ちするような工事が必要。大掛かりな工事になるのは簡単に想像がつくでしょう。

将来のビジョンを踏まえた選択を

将来、子どもが相続してその住宅を引き継いでくれるなら、お金をかけても現代的な間取りや設備を備えた住宅に建て替えておくのが良いでしょう。
売却するにしても、築年数が新しければより高い値段で売れる可能性が広がります。

逆に、相続してくれる相手がいない、自分の代限りだ、というなら、最低限のリフォームで済ませ、経済的な負担を小さくするほうが、老後の生活資金からもおすすめです。

自分自身で判断するのが難しい場合は

建物の劣化状況は、専門的な知識や経験がないと判断しづらいことも多いですよね。悩んだら、専門家の力を借りましょう。

インスペクションを判断材料に

インスペクション(現況検査)は、建物の状態を客観的に調査すること。

中古住宅の売買時、公平な取引をするために行われることも多いインスペクションですが、自宅のリフォーム・建て替えを判断する手段としても有効です。
インスペクターによっては、現在の状況を踏まえ、必要なリフォームの内容や費用の目安もアドバイスしてくれます。これも、判断材料になるでしょう。

費用はかかりますが、どうも自分ではリフォームと建て替えの判断がつかないという方は、一度インスペクションの実施を検討することをおすすめします。

おわりに

ここまでご紹介してきたポイントは、費用や性能、法律の話が中心でしたが、人によっては、もっと大事なポイントがあるかもしれません。

これまで、日本では、古くなったら建て替えようという考えが一般的でした。
しかし、リフォーム、またはリノベーションを視野に入れると、思い入れや愛着のある家を受け継いでいくこともでき、新たな可能性が見えてくるでしょう。

今の住まいにどんな問題があって、どのように変えたいのか、将来はどうするのか、総合的な視点で考えて判断することが大切です。

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記事監修

櫨元 宏(宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー)

宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザーの有資格者。中古リノベから注文住宅まで、13年間におよぶ建築業界での営業経験をもつ。プライベートでは料理をこよなく愛する一面も(クックパッドにてレシピ公開中!)「食と住は生活の“根っこ”だと思います。キッチンへのこだわりを口にされるお客様は非常に多いです。一方で水廻りのリフォームは、物件によって制約も生じやすい部分。知識と経験をもとに『リノベ向き物件』をご紹介します」<

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