結露が起こる原因は? 有効な対策とは?

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結露

寒くなると窓辺などに発生する「結露」。対処に困っているという方も多いのではないでしょうか。「毎朝、雑巾で拭きとるのは大変」「放っておいても問題ないのでは?」と思っている人も少なくありません。

実は、結露を放置してしまうと、住宅や人体に悪影響を及ぼすことも。
また、住宅の至るところに結露が発生する可能性があり、ときには柱や土台まで蝕んでしまうこともあるのです。

これらの問題は、リノベーションやリフォームで解決することができます。結露の発生を防ぐことで、住宅を長持ちさせることにもつながります。

今回は、お家の厄介な問題である「結露」について解説。リノベーションのポイントから、日常生活での対処法までご紹介します! ぜひチェックしてみてください。

住宅に被害を及ぼす「結露」とは?

戸建住宅よりも気密性が高いマンションは、室内の気温を一定に保ちやすいといった特長があります。
その反面、季節によっては外と室内の気温差が大きくなることで、湿気がこもって「結露」が発生し、カビが生えることも。
気密性が高いマンションだからこそ起きやすい現象です。

結露を放置しておくと、カビやダニ・腐食の原因になり、身体に悪影響が出ることもあります。リノベーションやリフォームを検討する際は、湿気やカビに悩まされることがないよう、しっかりと結露対策についても考えておきたいものです。

健康被害に影響を及ぼす表面結露

結露によって発生するカビは、アレルギーや他の病気を引き起こすといわれています。また、結露によってダニが発生するリスクも。

カビとダニ、この2つはシックハウス症候群の原因物質だといわれており、喘息やアトピー性皮膚炎など、他の疾患も引き起こしかねません。

とくに小さなお子様がいるご家庭では、このようなアレルギーや病気を防ぐため、しっかりと対策をする必要があります。

家を腐らせる内部結露

結露は、目に見えるところだけでなく、家の内部まで悪影響を及ぼします。

室内の暖かい空気が壁(断熱材)の内部に侵入し、その中で結露が発生する現象を「内部結露」といいます。
内部結露が起こると、住宅内部の柱や土台が腐り、家自体の強度が落ちてしまう危険性があります。

生活結露

キッチンや浴室・室内干しで発生する水蒸気など、私たちの生活が原因で起こる結露を「生活結露」といいます。
これらの水蒸気が屋外に逃げづらい状態を作ってしまうと、あまり使われない部屋や押入れ・シューズクローゼット・家具の裏側に結露が起こってしまう可能性があります。

結露はなぜ起こる?

夏場に氷で冷えたグラスの表面に、たくさんの水滴がつくことがありますね。簡単にいうと、あれが結露を起こす仕組みです。

結露の発生は、気温の変化水蒸気量が関係しています。
皆さんが天気予報でも目にする湿度。あれは、空気中に含まれる水蒸気量をパーセンテージで表したものです。

空気が含むことのできる水蒸気量の上限を飽和水蒸気量といい、飽和水蒸気量は気温が低くなればなるほど小さくなります。
たとえば、空気が含むことのできる水蒸気の量(1立方メートルあたり)は、温度が0℃のときは4.8g、温度が30℃のときは30.3gとなります。

つまり、気温が低くなり飽和水蒸気量が小さくなると、入りきれなくなった水蒸気が溢れ出て結露になるのです。

ここに注意!結露の発生しやすい場所

結露が起こる場所は、窓ガラスやサッシのような目に見えるところだけではありません。意外と見逃しがちな、結露が存在する場所をご紹介します。

外気との温度差が起こりやすい場所

マンションの窓やサッシなど、暖かい室内と外との気温差が大きくなりやすい場所は要注意です。
冷たい外気によって冷えた窓ガラスや壁に、室内の暖かい空気が触れると、空気が冷えて水蒸気が液体化し、結露となります。外気の温度の影響を受けやすい箇所は、注意が必要です。

水回り

外気との温度差による結露だけでなく、キッチン・浴室・トイレなど、水を使う場所での排水換気にも注意が必要。
目には見えなくても、キッチンの床下や外部とつながる配管など、湿気がこもり結露しやすい場所もあります。

マンションは特に気温差が起きやすい

戸建て住宅と比べると、換気性が高いマンションは、室内の気温を一定に保ちやすいといった特長があります。
その反面、季節によっては外と室内の気温差が大きくなり、湿気がこもって結露が発生しやすくなるのです。これは、気密性の高いマンションだからこそ起きやすい現象といえます。

結露対策の基本は、窓ガラスや壁を冷やさないこと。つまり、「断熱」という考え方です。
リノベーションやリフォームによって、マンションの窓ガラスや壁の断熱効果を高めることで、結露を防ぐことができます。

自分でできる結露対策

日常のちょっとした工夫で、結露の発生を抑えることができます。すぐに実践できるものも多いので、ぜひチェックしてみてください。

家具配置の工夫

室内の結露を防ぐためには、換気風通しがなによりも重要。
そのため、風の通り道になる場所にはなるべく家具を置かずに、スペースを確保しておきたいもの。そうすることで、家具の裏や接している壁に発生する結露を防ぐ効果があります。

こまめな換気

結露を起こさないための最も効果的で手軽な方法が換気です。定期的に空気を入れ替えることで、室内に湿気がこもるのを防ぎましょう。

  • 調理をする際は必ず換気扇を使用する
  • 入浴時、入浴後には浴室や脱衣所の換気扇を回す
  • クローゼットや押入れは閉めっぱなしにせず、ときどき開けて換気する

除湿機、除湿剤で水蒸気を減らす

水蒸気が発生しやすい場所で、除湿機を使うのも効果的です。最近では、クーラーや空気清浄機に除湿効果が搭載されているものも多くなってきました。これらを上手く使うことで、部屋の湿度を調節し、生活結露の発生も抑えることができます。

また、押入れやクローゼットには除湿剤を入れておくと安心です。除湿剤は空気中の湿気を吸収してくれる効果があります。
床に置くタイプ・引っかけるタイプなど、ご自身の使いやすい形状を選びましょう。
使用期間が6ヶ月程度と、交換までの期間が長い商品も多く販売されているため、交換の手間もほとんどかからず、手軽に結露対策ができます。

暖房器具の見直し

ガスや石油を使用する燃焼タイプのファンヒーターやストーブは、水分を発するため部屋の湿度を高めてしまいます。

電気ストーブ・エアコン・パネルヒーターなど、電気を使用するタイプの暖房器具は燃焼を必要としないため、水分を発せずに部屋を温めてくれます。暖房器具をこのようなタイプに変えるのも、結露を防ぐための方法です。

リノベーションで住宅機能を向上させるためには?

前述のとおり、気密性の高いマンションでは、断熱効果と換気効果を高めることが結露を断つポイントです。具体的なリノベーションのポイントや効果をお伝えします。

断熱リフォーム

熱の出入りにもっとも影響しやすい箇所は、開口(窓)です。
窓の内側にもう1つの窓(内窓)を取り付けることで、既存の窓と内窓の間にできた空気層が断熱効果を発揮し、結露を防ぎます。

本来、マンションの窓は共有部分にあたるため変更できませんが、内窓の取り付けは専有部分内なので変更可能です。
(※内窓をつけたために外部からの見た目が変わる場合は、管理組合への確認が必要になります)

この他、既存の窓枠はそのままに、ガラスを「ペアガラス」と呼ばれる複層ガラスに変更するという方法もありますが、この工事が可能かどうかは管理規約によるため確認が必要です。

また、壁に断熱材を施工すると断熱効果を高めることができます。断熱材は通常壁の中に施工しますが、既存の壁面でも発砲ウレタンを吹き付けたり、ボード状の断熱材を取り付けることで断熱効果を得ることができます。ただ、その分だけ壁が厚くなるので、室内の面積が若干せまくなります。
こうした断熱リフォームは防音性や冷暖房の効率も高めるので、光熱費の節約にもつながりますよ。

換気プラン

リノベーションによって、風通しのよい間取りや内装に変更するのもひとつの手です。
次のような方法でリノベーションすることで、結露を起こしにくい家づくりができます。

  • 空気の通り道を考えた間取り・出入口の配置にする
  • 間仕切り壁に室内窓を設ける
  • 押入れ・クローゼットの内部に、調湿機能のある仕上げ材を使う
  • ウォークインクロゼットを2方向に出入口があるウォークスルークロゼットに変更する
  • 押入れ・クローゼットの扉に通気口を設ける

今まで結露を軽視していたという方も少なくないでしょう。しかし、住宅の寿命を縮めたり、アレルギーや病気を引き起こすなど、結露が起こっていいことはありません。

手軽に結露を防ぐのはもちろん、これを機に結露を起こしにくい断熱効果を高めた家づくりを検討してみてはいかがでしょうか?
換気に効果的な間取りや、湿気を逃しやすい木材の種類など、専門的なご相談はひかリノベまで! 性能だけでなくデザインを含めたリノベーションのお手伝いをさせていただきます。

当社ひかリノベは、オーダーメイドのリノベーションと中古マンション・中古戸建の売買仲介サービスをご提供しています。
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記事監修

大宮 良明(一級建築士、既存住宅状況調査技術者)

一級建築士、既存住宅状況調査技術者の有資格者。木造建築の構造計算をはじめ、安全性に配慮した設計を得意としている。「住まいのデザインは見た目のカッコよさはもちろんですが、それ以上に暮らしやすさや安全性が大切だと考えています。長い目で見て『こうして良かった』と思える家を、いっしょにつくっていきましょう」

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