テレビや雑誌の記事で特集されることもある、アウトドアリビング。
ベランダやバルコニーが、まるでリビングのようにおしゃれで快適な空間になっていて「憧れる!」という方もいるのではないでしょうか?
せっかく自宅にベランダやバルコニーがあるのに、全く活用できていない……というケースは意外と多いもの。
限られた空間でも、工夫次第で快適なくつろぎスペースへとリノベーションすることが可能です。
お気に入りの家具を配置して「カフェ風」にしたり、ハンモックを取り付けてちょっとした「アウトドア」を楽しめる空間にしたりと、もう一つのリビングスペースのようにリノベーションする人も増えています。
今回は、住まいの「第2のリビング」とも呼ばれるアウトドアリビングの特集です!
おしゃれで使いやすいベランダ・バルコニーにしたいけれど、費用や気を付けるべきポイントがわからない……という方は、ぜひチェックしてみてください。
2019年5月18日初出→2020年7月1日更新
目次
ベランダ・バルコニーリノベーションの魅力
ベランダと聞くと、「洗濯物を干す場所」「物置スペース」とイメージする方も多いかもしれません。実際、ベランダやバルコニーは、金属やタイル・配管などがそのままになっている、無機質な空間になっていることがほとんどです。
しかし、ベランダ・バルコニーには、室内とは違った開放感や日当たり、水捌けがよく草木が育てやすいなどの魅力があります。
ちょっとイメージを変えたい場合は、ガーデニングから始めてみるのもひとつの方法です。
レンガやプランターなどのガーデニング用品・花や木は、ホームセンターで簡単に手に入るため、手軽にはじめることができます。
また、ベランダの床材をウッドパネルや人工芝にして、室内とベランダの段差を小さくするだけでも、室内からみた景色に広さや開放感を感じさせることもできます。
このような低価格・短時間でできるリノベーションでも、ベランダ・バルコニーをくつろぎのスペースとして有効活用できるメリットがあります。
費用は何にいくらかかる?
では、ベランダリノベーションにはどれくらいの費用がかかるのでしょうか。
項目ごとに、おおよそかかる費用をお伝えします。
メンテナンス工事(床や手すりのサビ防止塗装など)
10〜20万円前後
ベランダ・バルコニーは雨風にさらされることが多いので、長く安全に使うためのメンテナンスとして、防水・防サビの塗装工事を定期的に行うことをおすすめします。
また、ベランダ・バルコニーに屋根を取り付けて雨風を防ぎたい場合も、工事費用10万円前後から取り付け工事を行うことが可能です(※屋根の素材によって値段に幅があるため、設計担当にご相談ください)
床材の変更
30万円前後
ベランダにウッドデッキや人工芝を敷きつめたり、石やタイル床のテラスにする場合です。
ベランダの広さや敷きつめる素材の種類にもよりますが、30万円前後から施工が可能です。
ベランダ・バルコニーを広くする
50〜100万円前後
既存のベランダ・バルコニーを全く新しいデザインにしたり、拡張する場合です。
大掛かりな工事になる上に、面積によって価格が変わるため、100万円以上かかるケースもあります。
ベランダをもっと機能的に!
ベランダに屋根や目隠しといった工夫を施すことで、屋外のリビングのように気持ちよく過ごせる空間になります。
屋根の設置
ベランダに屋根を取り付けることで、雨や直射日光を防ぐことができます。雨や陽射しをしっかり防げるサイズのものがおすすめです。
目隠し
外からの視線が気になる場合、フェンスやシェードで目隠しの効果を狙うのもおすすめです。
風通しの良さを考慮した、木製のフェンスを選ぶと良いでしょう。シェードは風通しを確保しつつ、デザイン性も高く、オープンテラスのようなおしゃれなベランダを演出してくれます。
インナーバルコニー
こちらは実際にひかリノベが手掛けた事例です。バルコニーにつながる手前のスペース(室内)に、インナーバルコニー(サンルーム)を設けました。
リビングスペースと床材を貼り分け、植物の手入れをするときに土や水を使っても手入れがしやすいフロアタイルを使用しています。
+αでもっと魅力的な空間に
ガーデニングを楽しむ
マンションのベランダのようにスペースが限られる場合でも、ガーデニングを楽しむことが可能です。
床にレンガや玉砂利を敷き詰めたり、ウッドタイルを敷き詰めて、花や木のプランターを並べるだけでも、窓から見える景色も、屋外から見た印象も一変します。
アウトドアグッズでキャンプ気分
テントやハンモック、バーベキューセットなどをそろえて、ちょっとしたキャンプ気分を味わうのもおすすめです。
日差しが強いときはガーデンパラソルをテーブルの上部に設置すると快適に過ごすことができます。夜間は、アウトドア専用のランタンを照明にするとムードが出ます。
シチュエーションに合わせて、色々なグッズを取り入れてみましょう。
人気の「アウトドアリビング」とは?
アウトドアリビングとは、中庭やデッキなどの屋外スペースを、リビングのようにくつろげるようにした空間のことをいいます。家にいながらプチアウトドア気分を満喫できることから、アウトドア好きのファミリー層から人気を集めています。
デッキやテラスの床材には、木材や石材などを取り入れると、アウトドア感がアップ。
デザインや耐久性には、素材ごとに違いがあります。それぞれの特徴をみていきましょう。
ウッドデッキ
ナチュラルな美しさとぬくもりの感じられる質感が魅力の木は、床材の中では最も一般的です。特に天然木は素朴な雰囲気が印象的で、アウトドアの雰囲気を盛り上げられます。
熱も吸収しやすいので、夏場でもおすすめです。
ただし、防腐剤の塗装などマメなメンテナンスが必要となります。経年劣化が気になるようなら、人工木を選択するのも有効。値段が比較的安くカラーバリーエーションも豊富なので、アレンジが効きやすいのが特徴です。
石張り
ウッドデッキのほかにも、炎が燃え移る心配がない「石張り」もバーベキューをする人にはぴったりです。
夏場は石材の表面が熱くなるため体感気温が上がりやすいのが難点なので、樹木やシートで日陰をつくるとよいでしょう。
タイルデッキ
「タイルデッキ」は、洗練された美しい見栄えが特徴で耐水性も高く、お手入れも手軽です。アウトドア感が若干薄まるので、木製家具や庭木をそろえてバランスをとるとよいでしょう。
他にも、コンクリートや人工芝など、さまざまな施工方法が選べます。複数の床材を組み合わせ、デザイン性の高いデッキにするのも効果的です。
ベランダにお気に入りのチェア&テーブルを
屋外に配置するチェアやテーブルは、耐久性が高くお手入れしやすいものを選ぶのがポイント。軽量で持ち運びやすいものであれば配置換えも手軽で、収納も簡単です。
重厚なものを取り入れたい場合は、風雨にどれだけ耐えられるかを事前に確認しましょう。また、テーブルは機能性を重視し、高さ調節可能なものにすれば、人が集まっての屋外パーティーなどにも対応できます。
ゆったりくつろぎたい場合はラウンジチェアのような、包み込むような座り心地のものがおすすめ。
まったりとしたリゾート南国気分を堪能できます。テーブルは小型のラウンドテーブルを配置すると、デザイン的によくマッチするでしょう。
ガーデンチェアは木製からプラスチック製まで様々でデザインも豊富。
皮付きのラタンチェアなら、庭の自然と相性が良くおすすめです。
ガーデンテーブルはチェアの素材感とマッチするものを選ぶのがポイント。
最近では上から吊るすタイプのハンギングチェアも人気。ゆらゆら揺れるイスは座り心地抜群なので、開放的な広い空間に置くと良いでしょう。
ベランダやバルコニーのリノベーションの注意点
屋内とは違い、屋外の環境には予想外のトラブルがつきもの。この章ではアウトドアリビングを作る際の注意すべきポイントを紹介します。
風雨の対策とメンテナンスが必須
屋外の椅子やテーブルは、長く風雨にさらされるとサビやカビ、痛みなどが生じます。
特に木製のものは劣化がはやいため、定期的にメンテナンスが必要です。
できる限り劣化させたくない家具は、風雨にさらされない場所を見つけるか、収納できるスペースに収めておくこと。
風雨に当たる場所に固定せざるを得ない家具は、防水カバーをかけたり、防腐剤を表面に塗ったりして対策する必要があります。
鉄製の機器もサビ対策が十分か確認しましょう。
虫害・鳥害対策を怠らない
屋外空間には蚊やハエ・ハチ・毛虫など、さまざまな虫が集まっているので、春から夏までは特に寄せ付けないよう注意が必要。
風当たりがよく、ジメジメしていない場所では虫の被害が比較的少なく済むので、アウトドアリビングを設置する段階で、どの場所が適切かを考えましょう。
最近では、大空間用の虫よけ機器や殺虫灯などもあるので、場所に合わせて導入も検討しましょう。
また、屋外に食べ残しやゴミを放置していると、カラスの食い荒らしが発生することもあります。マメな掃除と点検を怠らないことが大切です。
大規模災害を想定して器具の固定はしっかり
台風や洪水、地震などの大規模災害で、屋外に設置した家具が倒壊する場合もあります。できる限り、軽量なものは事前に安全な場所に収納すること。どうしても動かせない大型のものは、固定金具を取り付けるなどして対策しましょう。
また、水はけの悪い場所は浸水の可能性があるので、排水溝や側溝は定期的に掃除するようにしましょう。
外から物が飛んできた場合に備え、屋内の雨戸や窓はしっかり閉めてください。
バーベキューの火の始末は忘れずに
屋外でバーベキューをする場合、最も注意すべきは火の始末。
特にウッドデッキの場合は、火種が落ちると延焼を起こしてしまうことも。木材から遠い場所に調理スペースをつくったり、防火シートを敷いたりして、安全なスペースを確保しましょう。
また、着火時にはその場を離れたり、放置したりするのは厳禁。火元のそばに、水の入ったバケツや、緊急用の消化器なども近くに配置しておくのが肝心です。
近隣からのプライバシー対策も心がける
部屋の中と違って、アウトドアリビングはひと目にさらされがちなので、プライバシー確保にも気をつけましょう。フェンスや生け垣・塀・シェードなどで、アウトドアリビングを取り囲めば安心。
二階以上のベランダには、ベランダルーバーを使うとよいでしょう。常時は開放的な空間にしたい場合は、着脱可能な目隠しパネルや目隠しシートを使うのもおすすめです。
マンションのベランダはリノベーションできない?
マンションのベランダやバルコニーは、実は共用部分。塗装や床材の張り替えといったリフォーム工事は、自由に行うことができません。
また、火災や地震が起きた際の避難経路を確保するため、家具やグリーン類の設置が禁止されていることも。まずは管理規約を確認して、ルールを守ってコーディネートを楽しみましょう。
おわりに
アウトドドアリビングは注意すべき点とこだわるべきポイントを押さえておけば、自由にコーディネートできるのが魅力。屋外用のキャンプ道具はもちろん、屋内のインテリアグッズでも取り入れられるものもあります。
ひかリノベでのご相談時に、まずは「どのような雰囲気にしたいか」「屋外にどんなモノを持ち出してみたいか」を仰ってくださいね。
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