
「掃き出し窓」と聞いて、どんな窓かイメージできますか。
掃き出し窓(はきだしまど)とは、人が歩いて通れる大きな窓のこと。
多くの住宅で、リビングなどのメイン空間にベランダに繋がる窓として設けられていますね。
この記事では、住宅用の掃き出し窓の標準的なサイズ、そもそも窓にはどんな種類があるのか、また掃き出し窓のメリット・デメリットや、リノベーション時の注意点を解説していきます。
目次
掃き出し窓とは
「掃き出し窓」とは、床から壁の高い位置まで伸びる、人が出入りできる大きさの窓のことで、「テラス窓」とも呼ばれます。昔はホウキでゴミやホコリを外に掃き出す便利な窓として利用されていたことが名前の由来となっています。
「床から」といっても、防水のため床から少々(~20㎝ほど)立ち上げて設置する場合もあります。多くの住まいでリビングなどのメイン空間に配置され、採光や眺望、換気のほか、庭やベランダへの出入口としても活用されます。
掃き出し窓の標準的なサイズ
窓の大きさは、サッシメーカーの規格から選ばれるのが一般的です。
標準規格は、(一社)日本サッシ協会が定めています。一般的な住宅では、高さ1.8m~2.4m、幅は2枚立ての場合1.65m~2.56m、四枚立ての場合2.56m~3.47mがよく採用される寸法です(※内法基準)
ただし1㎜刻みでオーダー製作もでき、必ずしも規格に従わねばならないわけではありません。中古マンションや中古戸建物件を購入し、採寸したら特注サイズだった、ということはよくあることです。

引違いサッシ規格寸法(出典:一般社団法人日本サッシ協会「住宅サッシ/住宅出入り口商品 標準規格寸法」)
窓の種類~設置面による違い
掃き出し窓以外にも、窓には種類があり、設置する場所によって呼び名があります。ここでは、住宅でよく見られる窓を紹介していきます。
腰高窓
腰高窓とは、およそ大人の腰の高さに設置された窓のこと。「腰窓」とも呼ばれます。
したがって、必然的に掃き出し窓より小さくなります。
高窓・地窓
高窓とは、壁の高い位置に設置された窓のこと。
地窓とは、逆に床面近くに設置された窓のことです。
どちらも外からの視線を遮りながら明かり取りができる窓です。
高窓は2階に設置されることも多く、外からの視線を遮りつつ光を取り入れるポイントになります。
天窓
天窓とは、天井に設置された窓のこと。
頭上から光を取り入れるため、小さくても採光効果が高く、部屋の隅々まで均等に光が届きます。
窓の種類~開け方による違い
設置面のほか、窓の開閉方式による呼び分けもあります。
まずは一番多い、左右にスライドして開閉するタイプ。
二枚以上のガラス戸を左右にスライドする窓は「引き違い窓」。片方が固定されていて、もう片方をスライドして開閉する窓は「片引き窓」といいます。
掃き出し窓は、ほとんどが「引き違い窓」もしくは「片引き窓」です。
上下にスライドする窓は「上げ下げ窓」といいます。
開き戸タイプでは、縦横どちらに開くかで「縦滑り窓」「横滑り窓」といいます。
横長のガラスやアクリルを重ね、ブラインドのように開閉する窓を「ルーバー窓」と言います。

ルーバー窓
開かない窓は「FIX窓」または「はめ殺し窓」と呼ばれます。
掃き出し窓のメリット・デメリット
掃き出し窓は開口が大きいため、明るさや風通しのよさ、またベランダや庭への出入口としての便利さに加え、室内の空気の流れを良くする効果もあります。
一方で、外から室内が見えやすく、侵入のリスクやプライバシーの問題にもつながるケースがあります。またサッシやガラスの断熱性能が不充分だと夏の暑さや冬の寒さ、冷暖房効率の低下の原因となりやすいなどのデメリットもあります。
掃き出し窓を計画する際はプライバシー性・防犯対策・断熱性能や気密性能を考慮することが必要です。
防犯性を高める工夫として、目隠し用のカーテンや補助錠の設置が安心につながります。また窓ガラスに複層ガラスや防犯ガラスを採用するのもおすすめ。防犯性能に加え気密性を高めることができ、副次的に防音性能も向上します。
リノベーションで窓は変えられる?
では、リノベーションで既存の窓の大きさを変えたり、塞いで壁にしたり、サッシを交換したりすることは可能なのでしょうか。 またその際の注意点について解説していきます。
マンションではサイズ変更やサッシ交換は不可
マンションでは、窓は共用部分となるため、サイズを変えたり、塞いだり、サッシやガラスを交換することはできません。
リノベーションで窓の断熱性能を高めたい、室内からみた窓のデザインを変えたい場合、既存の窓はそのままで、内側に内窓(インナーサッシ)を設置したり、管理組合の許可を得てカバー工法によって新しいサッシを被せることは可能です。
戸建ての窓サイズ変更やサッシ交換をする場合の注意点
戸建物件は外観を変える工事も可能です。窓のサイズ変更、窓を塞ぐ、サッシやガラスの交換も自由にできます。
ただし、窓の拡張や増設は、建物の耐震性を損なうリスクもあり、構造全体に影響を与える可能性も。工事は戸建住宅のリノベーションに詳しい、構造計算にも対応した業者に依頼することをおすすめします。
なお、窓の拡張や増設が可能なのは、木造軸組工法の建物です。ツーバイフォー工法の建物は壁が構造を支えているため、開口部の拡張は基本的にできません。
まとめ
掃き出し窓とは、人が出入りできる大きな窓で、「テラス窓」とも呼ばれます。室内外をつなぐ開放感が特徴で、最近の新築やリフォームでも人気です。明るさや換気、外とのつながりに優れる一方、防犯や断熱への配慮も必要です。
リノベーションで窓の拡張や増設を行うことは、マンションの窓は共用部分のためできませんが、戸建ではそうした制約はありません。ただし、開口を拡げたり増やしたりすることで建物の耐震性を損なうリスクもあるため、工事のご相談は戸建住宅の構造に詳しい業者に依頼することをおすすめします。
当社ひかリノベでは、オーダーメイドのリノベーションと中古マンション・中古戸建の売買仲介サービスをご提供しています。マンションも戸建も対応。戸建は構造の専門部署をもっているため、窓の拡張のご相談も可能です。
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