中古マンションを購入する際、値引き交渉が可能なことはご存知ですか?
しかし、日本では買い物する際に値引き交渉する習慣がほとんどなく、どのように交渉すればよいのか分からないという人も多いでしょう。
この記事では、中古マンションの値引き交渉の方法やタイミング、注意点を解説します。中古マンションの購入を検討中の方は、ぜひ参考になさってくださいね。
目次
中古マンションは値引きが可能
中古物件は、新築マンションと異なり「定価」というものが存在しません。
売り出す際に不動産仲介会社が周辺の相場価格などを踏まえて査定を行い、目安を示すことはありますが、売り出し価格の最終的な価格決定権を持つのは売主です。
相場より高額に設定するのも、逆に安く売りだすのも、売主の自由なのです。
中古マンションは、一般的に個人間売買が中心です。以前の持ち主が、転勤や子どもの成長に合わせて住み替えることになり、住まいを手放す――そういったケースで売りに出てくるケースが主流です。
そのため、売主の状況によって必ずとは言えませんが、値引き交渉できる余地があります。
一方、不動産会社など法人が売主になっている物件もあります。
買取再販物件(不動産会社が前の所有者から物件を買い取り、リフォームやリノベーションを行ったうえで売り出す)などがこれに該当します。
売主が法人の場合、販売価格にはリフォーム代金や仕入れにかかる諸費用も含まれていることがほとんど。交渉の余地が全く無いわけではありませんが、長期間売れ残っている物件など、売り急いでいる理由がなければ応じてもらえない場合もあります。
値引き金額の相場
中古マンションの値引きでよくあるパターンが、10万円台までの端数切り捨て。例えば「2,980万円の物件なら、80万円を値引きしてキリの良い2900万円で決定」というパターンです。
そもそも中古マンションの販売価格を設定する際は、価格交渉を見込んで値引き分をあらかじめ上乗せすることがほとんど。そのため「1980万円」や「2850万円」のように半端な価格になっていることが多いのです。
そのほか、設備が老朽化していて修繕・交換が必要な場合、リフォームに必要な費用の分を値引きするというパターンもあります。
いずれにせよ「端数~当初の販売価格の5%くらいまで」が、値引きの相場といったところでしょう。
あまりに極端な金額で値引きを要望してしまうと、売主だけではなく不動産会社からも不信感を持たれてしまう可能性があります。値引きは常識的な範囲に止めておきましょう。
交渉のタイミングと方法
一般的に値引き交渉は、購入申込み(買付)のタイミングで行います。
買付とは、売主に購入申込書を提出し、購入の意志を伝えることをいいます。
このとき希望の価格や引渡日などを伝え、条件交渉に入ります。
実際の交渉は、買主と売主本人ではなく、それぞれの仲介業者がおこないます。
もし複数の買付が入っている場合は、買付を入れた順に交渉権を得るのが慣習です。ただし、あくまで慣習であり、例外も存在します。
例えば、一番手の買主が指し値(価格交渉)をおこない、二番手が「売出価格で買う」と申し出た場合、二番手の買主が優先されることも珍しくありません。
交渉を有利にすすめるには、申込みのタイミングや指し値の金額など、駆け引きの工夫が必要となります。
交渉のポイント・注意点
中古マンションの値引き交渉には、いくつか押さえるべきポイントがあります。気に入った物件も確実に手に入れるためにも、ここでポイントや注意点を確認しておきましょう。
値引き交渉を成功させるコツ
- 信頼できる不動産会社と担当者を探す
- 購入への本気度を示す
- 住宅ローンの事前審査を通っておく
- 大幅すぎる値引きは持ち掛けない
- 「なぜ値引きしてほしいか」理由を示す
- 売却の「理由」と「時期」をチェック
- 周辺相場を把握しておく
信頼できる不動産会社と担当者を探す
値引き交渉は基本的に不動産会社を通しておこないます。
したがって、不動産会社選びに迷ったときは、中古マンションの売買で実績のある会社を選ぶことが、納得のいく価格で希望物件を手に入れるための第一歩です。
仲介手数料もひとつの検討材料ではありますが、手数料無料や半額といった謳い文句に安易に飛びつくのはリスクもあります。仲介手数料は法定金額が決まっていますから、その範囲内であるならば、むしろ担当者の人柄や相性、信頼できるかどうかという点が大切です。
購入への本気度を示す
値引き交渉は、要望が通ったら購入することが大前提です。
売却できる目途が立たないと、売主も交渉に応じにくくなるのは想像がつきますね。
実際に交渉をおこなうのは、不動産会社の担当営業です。担当者から売主側へ「この金額であればすぐに購入する」という意思を伝えてもらいましょう。
住宅ローンの事前審査を通しておく
中古マンションは基本的に購入申込書(買付証明書)を提出した順に購入の権利が発生します。とはいえ1~2時間で締め切ってしまうことは少なく、同日に提出された中から、希望価格やローンの確実性等で比較検討がされる場合が多くなっています。
ローンの確実性を示すひとつの基準が、住宅ローンの事前審査。
住宅ローンの借入には、金融機関の審査が必要です。事前審査を予め通過しておくことは、目当ての物件を手に入れるための重要なポイントとなります。
大幅すぎる値引きは持ち掛けない
同日に複数の購入希望者から申込書類が提出された場合、通常は指値をしない方・金額の高い方が優先されます。
いくら値引き交渉の余地があったとしても、何件も申し込みがあるような人気物件であれば、当初の販売価格で購入する人が有利なのは言うまでもないでしょう。
常識的な値引き額の範囲は、前述したとおり「端数~当初の販売価格の5%くらいまで」と覚えておきましょう。
なぜ値引きしてほしいか理由を示す
理由が具体的なほど、交渉に説得力が増します。
例えば、「予算オーバーなので、端数だけでも値引きしてほしい」「給湯器が故障しているので、リフォーム費用相当分を値引きしてほしい」など。
リフォーム費用相当の値引きを持ちかける場合は、物件の内覧時に見つけた傷や不具合の写真をスマホで撮っておくと交渉がしやすくなります。
売却の「理由」と「時期」を知って交渉する
「なぜ売主がその物件を手放すことにしたのか?」その経緯や事情がわかると、値引き交渉を進めやすくなることがあります。
- 転勤。転居時期が決まっているため売り急いでいる。
- 離婚。財産分与のための現金化を急いでいる。
- 相続。不動産は分割しにくく、現金化が必要。
こういった状況下にある売主は、物件を早く処分したいという意識が強く、値引き交渉にも応じてもらいやすい傾向にあります。
逆にローンの返済が終わっていて、既に新たなマイホームが決まっているような人は、値引きせずに言い値で買ってくれる人を待つことも。そういった売主に値引き交渉を持ちかけても、応じてもらえる可能性は低いでしょう。
売り出した時期の関係で値引きが成功するケースもあります。
どんな売主でも、物件に買い手がつかないことは気になるもの。中古不動産の取引では、3ヶ月がひとつの区切りになります。
売主はたいていの場合、3ヶ月間の媒介契約を仲介業者と結んでおり、契約更新や仲介業者を変える際に価格の見直しを提案されることがよくあるのです。
不動産会社に「売り出しがいつだったか」時期を聞いてみて、3ヶ月以上経っている場合には、値引き交渉に応じてもらえる余地があるといえます。
周辺相場をもとに指値を決める
ときには周辺の同じような物件に比べ、非常に高い値段を提示している物件もあります。それには主に3つの理由が考えられます。
- 売却に当たってリフォームやリノベーションを行い、その費用を上乗せした。
- 再開発や新駅設置の計画があり、高くても売れると考えた。
- 値引き前提で強気の価格を設定した。
このうちリフォームやリノベーションを行った場合は、間取りやデザインのプライオリティが上がっているので別として、相場より極端に高い価格設定には注意が必要です。「値引きの要望が通った!」と思っても、実際は相場より高い値段で購入することになってしまった……なんて結果にもなりかねません。
そんな事態を防ぐためにも、周辺の相場はこまめにチェックしておくことをおすすめします。不動産ポータルサイト等で周辺の物件情報を見てみると、「〇〇駅周辺で築年数△△年前後のマンションは、いくらぐらいで売り出されている」と、目安になる価格が見えてきます。その物件の適正な価格が判断できるだけでなく、交渉の材料にもなります。
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値引きが失敗しやすいケース
では、値引きが難しいケースはどんな場合でしょう。
値引きの成否はさまざまな要素が関わってきますが、まずもって難しいだろうと想定されるのは「もともと低価格な物件」「人気物件を、しかも繁忙期に購入しようという場合」などが考えられます。
もともと相場よりも低価格
売主が許容できるギリギリの価格で出している物件は、それ以上の値引きをお願いしても難しいケースがほとんどです。
周辺相場より安くなっている物件は、それ以上の値下げは難しい可能性が高いでしょう。相場を知らずに指値をしたばかりに、他の購入希望者に物件をもっていかれてしまう、というリスクもあります。ある程度の相場感は、事前にリサーチしておきたいところです。
また、相場より安すぎる物件も要注意。
事故物件など「訳あり」であったり、買い手がつかない何らかの理由から値下げを繰り返していたりする可能性も考えられます。
繁忙期でライバルがたくさんいる
入学や進学、あるいは人事異動などが行われ、人の動きが増える春や秋――この時期は売り出される物件も多い一方、購入希望者も増えるので競争率が上昇します。よって値引き交渉も難しくなる時期といえます。
反対に、夏や冬は売り出すタイミングがずれてしまったり、売れ残ってしまった物件も少なくありません。つまり、値引き交渉を持ちかけやすい物件も多い時期といえます。
まとめ
早く物件を売却したい売主と、少しでも安く物件を手に入れたい買主にとって、値引き交渉はお互いにメリットがあります。
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