マンションは外廊下と内廊下どっちがいい?メリットデメリット比較

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マンションの共用廊下には、外廊下内廊下という二つのタイプがあります。

共用廊下は毎日通る場所。「なんだか廊下が暗い」「閉塞感がある」と感じる共用廊下では、物件の印象を大きく左右してしまうでしょう。

この記事では、マンションの共用部分である「廊下」に焦点を当て、外廊下・内廊下それぞれのメリットとデメリットについて徹底解説します。

マンション選びでは間取りや外観、周辺環境を選ぶポイントにするケースが多いですが、毎日通る廊下も日々の暮らしに影響力のある部分です。外廊下と内廊下、それぞれの特徴や注意点を理解し、ぜひ物件選びにお役立てください。

外廊下、内廊下とは

まずはマンションの「外廊下」と「内廊下」の違いから。

外廊下とは、建物の外壁に沿って設けられた廊下で、各戸の玄関が外に面している廊下のことをいいます。「解放廊下」と呼ばれることもあり、ある程度築年数が経っている賃貸マンションの多くには、この外廊下が付いています。分譲マンションも外廊下が多数派で、都心よりも郊外にいくほど外廊下物件が多くなる印象。
住戸は廊下の南側に並ぶことが多く、日当たりのよい部屋が増えるのがメリットです。

マンションの外廊下

マンションの外廊下

内廊下は、建物の内部に設けられた廊下をいい、各戸の玄関が屋内に面しています。ホテルの客室につながる廊下を想像するとイメージが湧きやすいでしょう。築年数の浅い高層マンションや高級マンションで採用されることが多く、外廊下にはない高級感を感じられます。

マンションの内廊下

マンションの内廊下

マンションのエントランスから各戸の玄関まで続く廊下は、構造部分と同じ共用部分となるため、リフォームやリノベーションによって個人では改造することができません。そのため、物件選びの際によく確認しておく必要があります。

外廊下のメリット

まずは外廊下のメリットから見ていきましょう。

明るく開放感がある

外廊下の一番のメリットは、何といっても明るく開放感があること。廊下の片側が外に露出しているため、自然光や風が入って解放感が抜群。
また建物の北もしくは西側に外廊下を設けている物件が多く、廊下の反対側は住戸というレイアウトになるため、東向き・南向きリビングが多いのも特徴。冬でも部屋の中に日差しが入ってきて、明るくさや温かさを感じられる物件が多いです。

通気性が良い

外廊下は解放されているため、風が通り通気性が良いのがメリット。廊下ににおいや湿気が滞留しにくく、外廊下に面した玄関扉や窓を開け、反対側のリビングの窓を開け放つと、家の中に風を通すことが可能に。部屋の中の換気がスピーディにできて、においや湿気がこもりにくいのも、外廊下のメリットです。

維持コストが安い

外廊下は、内廊下に比べ維持コストが安く抑えられます。内廊下はカーペットの清掃や張り替えのコスト、照明や空調など設備費用がかかりますが、外廊下はこれらのメンテナンス費用が不要で、昼間は日の光が入るため照明に必要な電気代もかかりません。
マンションでは、共用部分の修繕やメンテナンス費用は「修繕積立金」として各住戸で負担します。メンテナンス費用が安く抑えられるということは、毎月の修繕積立金の支払額に直結します。ランニングコストをなるべく抑えたいという方は、外廊下がおすすめです。

災害時の避難がしやすい

外廊下は、災害時の避難がしやすいというメリットも。
たとえば火災が起きたとき、消防車の梯子(はしご)を外壁にかけて避難や救助活動を行いますね。このとき、内廊下の場合はベランダ側にしか梯子を設置する場所がありませんが、外廊下の場合はベランダ側と廊下側の二箇所に梯子をかけられます。避難経路が増えるということは、いざというときの生存確率が上がるということです。

さらに、火災の煙が廊下に充満しにくいのも外廊下のメリット。通気性が良いので、煙で一酸化炭素中毒になるリスクも防げます。また煙で視界が悪くなるということも防げ、逃げ遅れになるリスクも減らせるでしょう。

外廊下のデメリット

外廊下には、次のようなデメリットがあります。メリットと比較して、どちらが許容できるか判断の材料にしましょう。

汚れやすさ

外廊下は吹きさらしになっているため、雨や雪が入り込んだり、風が強いときにはゴミや砂ぼこりが吹き込んでくることもあります。上層階になるにつれ、廊下に吹き込む風は強くなり、玄関の外に物を置いていたりすると、ほこりで汚れてしまう可能性が。また木の葉や害虫が付着することもあり、掃除の手間がかかります。

先ほど外廊下のメリットとして通気性の良さを挙げましたが、換気のために廊下側の窓を開けておくと、風が強い日は部屋の中にまで雨風や土埃が吹き込んでくることも。すると室内にも外汚れがついてしまい、掃除の手間が増えることも……。

夏の暑さ・冬の寒さ

夏暑く、冬寒いのも外廊下のデメリット。外に露出しているため、天候や外気温の影響をダイレクトに受けます。雨や雪が入り込みやすく、暴風雨のときは廊下でも傘を差さないと濡れてしまう場合も。寒い日は郵便物を取りに行ったりごみを捨てに行くのも億劫に感じる、という人もいるでしょう。

また、外廊下を介して、住戸の窓や壁への影響もあります。露出した部分から夏の日差しや冬の冷気を直接浴びるため、外廊下側の部屋だけ快適な室温を保ちにくかったり、結露の発生リスクも高まります。

プライバシー性が低い

マンションが外廊下になっていると、住む人のプライバシーが保たれにくくなります。外廊下はマンション外からでも容易に見えてしまい、自分の部屋がどこか簡単にわかってしまうためです。外からの視線にさらされやすいので、「今誰が室内にいるか」「誰が住んでいるか」が知られるリスクがあります。

また、たとえ玄関がオートロック完備でも、低層階であれば外廊下から侵入される危険があります。小さな子どもがいる家庭や、女性の一人暮らしの場合はとくに防犯面も気を付けたいところです。

内廊下のメリット

続いて、内廊下について詳しく見ていきましょう。
建物の中に廊下がある内廊下の場合、次のようなメリットがあります。

高級感がある

外気にさらされている外廊下と違い、内廊下は内装にもこだわったマンションが多く、高級感を感じられる空間です。ふかふかのカーペットやオシャレな照明をしつらえた、まるでホテルの中のようなマンションも。
外廊下は風雨によって傷みやすいというデメリットがありますが、内廊下は外気にさらされることがない分美観が保たれやすく、床や壁の痛みも進みにくいのがメリット。将来の売却を考えた場合、見学に訪れた買い手に良い印象を与えることができるでしょう。

空調が整備されている

内廊下は空調や24時間換気設備が整備されているのもメリット。真夏や真冬でも、一歩マンション内に入れば快適に移動できます。もちろん風で汚れたり、雨や雪に濡れる心配もありません。ゴミ捨てや郵便を取りに行く場合も、暑いもしくは寒い思いをしなくても済みます。さらには風に乗って、花粉やPM2.5などのアレルギー物質が飛んでくることもありません。

廊下が外気にさらされていないことで、室内気温も保たれやすくなります。玄関を開けても温かい空気やエアコンの冷気が外に逃げにくく、夏場の熱気や冬の冷たい空気が部屋に入ってくる心配もないでしょう。

プライバシー性が高い

内廊下はプライバシー性が高いのもメリットです。建物の外から覗かれる心配がなく、自分の部屋の場所や部屋への出入りを見られる心配もありません。24時間絶えず照明が付いている点も、安心感がありますね。空き巣など外からの侵入も外廊下と比べると難易度が高く、基本的にその階に住んでいる人しか通りません。

内廊下のマンションは外廊下のマンションよりもグレードが高い物件が多く、そうした物件は共用部分に監視カメラが取り付けてあったりとセキュリティも充実します。防犯意識が高い方やプライバシーを重視する有名人などは「内廊下のあるマンション」が物件を選ぶ条件の一つになっているようです。

内廊下のデメリット

続いて、内廊下のデメリットについても見ていきましょう。
外廊下のデメリットと比べ、許容できるのはどちらのほうか、考えてみてください。

維持コストが高い

内廊下は外廊下に比べ、メンテナンスコストが高い傾向があります。カーペットの清掃代、照明や空調にかかる電気代、壁のクロスや床のタイルやカーペットなども必要に応じて交換が必要になります。
カーペットの清掃や日々の電気代は管理費から、壁材や床材の交換は修繕積立金から賄われることになります。したがって内廊下の物件は外廊下の物件に比べ、管理費も修繕積立金も嵩みやすいというデメリットがあります。

臭いや湿気がこもりやすい

内廊下はにおいや湿気がこもりやすい点もデメリットです。ほとんどの内廊下には換気設備が整備されているものの、外とつながっている外廊下に比べると空気の流れが悪くなりがちで、においや湿気がこもりやすい傾向が。

住戸の換気に関しても、内廊下タイプの物件では廊下側の居室に窓を設けない間取りが多い印象です。結果的に廊下側の部屋は窓のない納戸となり、採光や風通しが悪くなることは避けられません。廊下側とベランダ側、両方の窓を開けて部屋の中に風を通すこともできず、外廊下に比べると室内の風通しは悪くなりやすいです。

火災時に煙が充満しやすい

湿気やにおいと同様、火災時に炎や煙が充満しやすいのも、内廊下のデメリットです。一酸化窒素中毒になるリスクや、視界が確保できずに逃げにくくなる可能性があります。

避難経路に関しても、外廊下のマンションではベランダ側と廊下側の両方にはしごなどをかけられますが、内廊下タイプのマンションではベランダのみ。比較すると外廊下の方が逃げやすい造りとなっています。

また日中は外の明かりが入る外廊下と違い、内廊下は災害時に照明が確保できるかも問題に。非常用電源装置などは設置されているものの、長時間停電が続いた場合などは、廊下の証明が点かず、暗い中避難せざるを得なくなる可能性があります、

おわりに

マンションの共用廊下には外廊下と内廊下の二種類があり、それぞれ異なるメリットとデメリットがあります。両方の良い点と悪い点を天秤にかけ、自分がマンションに求めるもの、価値観や家族の意見などを参考にして決めてください。

中古マンションを選ぶときには、リフォームやリノベーションでは変えられない環境面や共用部分が重要になります。共用廊下も、個人では変えられない共用部分です。物件情報に書かれていないようなこだわりをお持ちの方も、ぜひ当社ひかリノベにご相談ください。

当社ひかリノベでは、お客様の暮らしの要望を伺いながら、ライフスタイルに合う物件をお探しします。もちろん、より快適な住まいを実現するためのリノベーションまでワンストップでご提案させていただきます。

記事監修

三浦 英樹(宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー)

宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーの有資格者。中古不動産購入からリノベーションの設計・施工、インテリアコーディネートまでワンストップで理想の住まいを提供する『ひかリノベ』代表。「住宅は立地や景観、環境のよい『場所』で選び、購入と同時にリフォームやリノベーションを施すことで、自分らしい暮らしをリーズナブルに取得することが可能となります。住宅ローンの返済に縛られることのない、豊かなライフプランの実現を、家探し、家づくりを通じてサポートいたします」

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