江戸時代は将軍家の鷹狩りの名所としても知られ、明治から大正にかけては工業地帯として発展してきた目黒。昭和に入ってからは住宅地としての性格が強まり、今では都内有数の住宅地となりました。
渋谷、世田谷、品川、大田の各区に隣接し、東急東横線、地下鉄日比谷線、京王井の頭線を使えば通勤・通学や、休日のおでかけも便利な環境です。
毎年春、多くの人にその美しい姿を見せる目黒川の桜や、長年に渡って若者の人気を集める自由が丘など人気スポットも多数あり、「家族で目黒に住みたい!」という方も多いのではないでしょうか?
一方で都内の人気エリアは待機児童問題など、子育て中のご家庭が暮らしていくには心配なこともありますね。
今回は人気の目黒区、その育児環境と、自治体の子育て支援についてお伝えします。
目次
妊娠するとカタログギフトがもらえる
目黒区では、妊娠から出産、子育てに至るまでのすべての段階で安心して子育てができるよう、出産・子育て応援事業「ゆりかご・めぐろ」を実施しています。
妊娠を届け出る際、助産師や保健師、看護師の専門職などが「ゆりかご相談員」となって面接を行い、妊娠や出産、育児の悩みに関する相談にのってくれます。
時間は20分から40分程度。
区役所の保健予防課保健相談係、または碑文谷保健センターの保健相談係に直接妊娠届け出を行う場合は、その場で面接が受けられます(各地区のサービス事務所で届け出る場合や、本人以外が申請する場合は面接の事前予約が必要)。
相談員の面接を受けると、なんと「ゆりかご応援グッズ」として、1万円相当の育児用品カタログギフトがその場でもらえます。
子連れで気軽に相談できる窓口を設置
妊娠・出産、子育てには悩みや不安がつきもの。気軽に相談できる相手がいると、気持ちも楽になりますよね。
目黒区では、子ども家庭支援センター「ほ・ねっと めぐろ」が窓口となって、子どもや子育てに関する相談に応じたり、情報提供やサービスの紹介を行っています。
子どもの対象年齢は0歳から17歳までと幅広いので、家族で長く住み続けたいという人にとっても安心の制度です。
相談窓口は、目黒区総合庁舎内の「ほ・ねっと ひろば」にあります。
おもちゃや遊具を備えた子育てひろばが併設されており、おむつ替えや授乳スペースも完備されているうえに、事前に連絡すれば相談中子どもを預かってくれます。
子ども連れでも安心して相談できますね。
相談窓口は土曜日も開いているので、平日は仕事があって難しいという方も行きやすくなっています。
また、電話やFAX、メールでの受付や、相談員による訪問相談にも対応しています。
手厚い助成で安全に出産
妊娠や出産、子育てには何かとお金がかかるものです。
特に負担が大きいのは、ご自身、あるいは子どもの医療費ではないでしょうか。
多くの自治体で妊娠・出産、子育てに関する医療費の助成や手当を支給する制度が設けられていますが、目黒区にはどんな助成や手当があるのでしょうか。
母子ともに危険な「妊娠高血圧」の治療費を助成
妊娠期に高血圧を発症する「妊娠高血圧症候群」という病気があります。
妊娠20週以降で、最高(収縮期)血圧が140mmHg以上、または最低(拡張期)血圧が90mmHg以上になると発症したとみなされ、妊婦さんの20人に1人がかかると言われています。
また、妊娠前、もしくは妊娠20週までに高血圧を発症すると高血圧合併妊娠、高血圧と尿蛋の両方が認められる場合は、妊娠高血圧腎症という病気になります。
目黒区では、妊娠高血圧症候群やその関連疾患のほか、糖尿病や貧血、産科出血、心疾患を患い、入院が必要な妊娠中の女性に対し、入院費用の自己負担額(食事療養費を除く)を助成します。
助成を受けるには、区の保健予防課、または碑文谷保健センターに申請して認定を受ける必要があります。また、次の条件を満たす人も助成の対象になります。
- 前年の総所得税額が3万円以下の世帯に属する人
- 入院見込の期間が26日以上の人
妊娠高血圧症候群は、重症化するとけいれんの発作や脳出血、肝臓や腎臓の機能障害につながる恐れがあります。
また、お腹の中の赤ちゃんの発育不全や、最悪の場合、赤ちゃんの命が失われてしまうこともあります。もしこの病気にかかってしまったら、早めに助成を申請して治療を受けてください。
里帰り出産も区が助成
親のいる地元で出産する、したいという方も多いと思います。
今住んでいる地域ではなく、地元の医療機関にかかる場合、居住地の助成が受けられないということもありますが、目黒区は「里帰り等妊婦健康診査費助成」制度を設け、区の妊婦健康診査受診票が使えない地域の医療機関で受診した、妊婦健康診査や超音波検査の費用を助成しています。
具体的な助成額は、以下の表を参照してください。受診日に、住民票が目黒区にあることが条件で、分娩から1年以内の請求が必要です。
なお、いずれの場合も、妊婦健康診査(1回目)は診断を行うため、医療機関で受診しないと助成の対象になりません。
もちろん、地元ではなく東京都内の医療機関等で健康診査や超音波検査を受ける場合にも、助成が受けられます。
母子健康手帳と一緒に配布される「母と子の保健バッグ」に、受診票が入っていますので、バッグをもらったら確認しましょう。
保育環境の課題と、解消に向けた取り組み
都内や神奈川県へのアクセスもいいエリアだけに、通勤の利便性を考えて目黒区を選ぼう、という方も多いでしょう。働きながらの子育てを考えている方にとっては、保育園に入れるかどうかは気になるポイントのはず。
待機児童はちょっと多め?
目黒区内の待機児童数は、2018年4月1日時点で330人。前年度から減少してはいますが、都内ではワースト3位です。
都内で待機児童が最も多い自治体・世田谷区と同様、0歳から2歳児クラスの待機児童が多い傾向にあります。
加えて、世田谷区では解消されている3歳児クラスも、少ない人数ではありますが、待機児童が出てしまっています。
区内の保育施設の各月の空き状況は、区のホームページで公開されていますので、入所を希望する人はこまめにチェックしておきましょう。
認可外保育の利用にも助成
仕事などのために、やむを得ず認可外の保育施設に子どもを預けなくてはいけないという人もいるでしょう。
目黒区は、認可外保育施設の利用者に対する助成も実施しています。
助成の対象になるのは、東京都の認証保育所(東京都が独自に基準を定め、認定する施設。区外の施設もOK)や、都がホームページ上に掲載している認可外保育施設(ベビーホテルなど)を利用する場合です。
- 東京都の認証保育所一覧
- 認可外保育施設の一覧
- 目黒区内の定期利用保育について
また、私立の幼稚園に通う場合も、入園料や保育料、学納金を補助する「入園料補助金」「保育料補助金」「就園奨励費補助金」の3つの制度があります。
これらの制度の利用窓口は、区ではなく、通う幼稚園となっています。ご希望の方は、ご利用の幼稚園の担当者にお問い合わせください。
サポートセンターが働くパパ・ママをサポート
保育園に入所していても、送り迎えに割く時間がないときや、遅くなるので一時的に子どもをどこかに預けたい、というときもあるでしょう。
そんな時に利用したいのが、目黒区福祉協議会が運営する「ファミリー・サポート・センター」。
会員登録や年会費が必要ですが、送迎や一時預かりをセンターの協力会員が代わって行ってくれます。
生後6カ月から12歳まで利用できるので、目黒区に住むならぜひ登録をおすすめします。
なお、同センターでは、事業を支援する「協力会員」も募集しています。
ご自身の子育てがひと段落したら、今度は協力会員として、地域の子育て支援に加わるのもいいのではないでしょうか。
情報満載のポータルサイト
このほかにも、子育て支援に関するさまざまな制度があります。すべてをここで紹介することはできませんし、また子どもの年齢や状況によってほしい情報は変わってくるはずです。
ですので、最後に目黒区の子育てポータルサイト「めぐろ子ども子育てネット」「めぐろ☆すくナビ」を紹介しましょう。
行政が情報発信「めぐろ子育てネット」
「めぐろ子育てネット」では、区や都などの子育て支援サービスに関する情報を、ジャンルや子どもの年齢、キーワードの別に検索できます。
施設や公園を探せるマップやイベント情報、病気になったり、けがをした場合の緊急連絡先や相談先が、過不足なく掲載されています。
区民の生の声が読める「めぐろ子育てホッ!とナビ」
「めぐろ子育てホッ!とナビ」は、区民が子育てに関する情報を発信するサイトです。
区に登録のある子育て支援団体・グループの一覧が、取材記事とともに掲載されていたり、各団体・グループのイベント情報も配信。
親子で楽しめる施設などを紹介する「子連れで お出かけ情報」など、より身近なコンテンツがそろっていますので、「めぐろ子育てネット」と合わせて見てみましょう。
美術館など、文化的な施設も多い目黒区は、子育て世代にとっては魅力が多い地域です。
そんな目黒区に、素敵な住まいを構えたいという方は、ぜひひかリノベにご相談ください。
当社ひかリノベは、オーダーメイドのリノベーションと中古マンション・中古戸建の売買仲介サービスをご提供しています。
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