マンションの間取りの選び方~ポイントは生活動線と家事動線

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マンション購入やリノベーションをする際、多くの方が気にされる点のひとつが、「間取り」ではないでしょうか。
窓の位置や廊下の長さ、部屋間の距離など、要素の一つひとつが、私たちの生活に密接に関わってきます。間取りが住みやすさを左右する、といっても過言ではありません。

この記事では、マンションにおいて代表的な間取り——「田の字プラン」や「センターイン」など、それぞれのスタイルにおけるメリット・デメリット、どんなライフスタイルのご家庭に向いているかを解説します。ぜひ、わが家の暮らしに合った間取りを考えるヒントにしてください。

2016年2月4日初出→2020年6月01日更新→2022年7月19日更新

間取り図の読み方

新築・中古に限らず、住まいを選ぶ際には必ず出てくる間取り図のアルファベット表記。ここで、それぞれの意味を改めておさらいしてみましょう。

L:リビング

Lは「居間(リビング)」を指します。テレビやソファを配置して、くつろぎのスペースにする方が多い場所です。

D:ダイニング

食事をする場所を指します。とくに1〜2人向けのマンションでは、キッチンとダイニングが同じ空間(部屋)になっていることも多く、まとめて「DK(ダイニング・キッチン)」と表記されている場合があります。

K:キッチン

Kは料理をする場所、つまり「台所(キッチン)」を指します。

4人以上で住めるようなマンションは、リビング・ダイニング・キッチンがひと繋がりの空間に存在する部屋も多く、その場合は「LDK(リビング・ダイニング・キッチン)」と表記されます。例えば、部屋が3つとLDKのマンションであれば、3LDKというように表します。

CL:クローゼット

衣類や物をしまうための収納スペース空間を指します。一つの部屋に一つずつ配置されていることが多く、間取り図ではよく見かける表記です。

WIC:ウォークインクローゼット

先ほどのCL(クローゼット)よりも広い収納スペースで、人が出入りできるほどの空間があるクローゼットを指します。

SIC:シューズインクローゼット(シューズインクローク)

靴の収納スペースを指し、こちらも人が出入りできるスペースが確保されています。玄関と繋がっていることがほとんどで、靴のまま収納スペースへ入ることができ、家族だけのプライベート空間として活用できるようになっています。

DEN:デン

書斎や趣味のためのスペースを指します。部屋としては狭いですが、収納棚(クローゼット)よりは活用の幅が広く「ちょっとしたスペース」という意味合いのある部屋です。

N:納戸

収納のための部屋を指します。

建築基準法上の居室の条件を満たさない部屋をいい、採光や通風をとるための窓がない部屋であることがほとんどです。

S:サービスルーム

こちらは物置や自由に使えるフリースペースを表しています。納戸と同じような目的で作られているスペースのため、間取り図によっては「N(納戸)」「SR(サービスルーム)」と表記されている場合もあります。

こちらもNと同じく、建築基準法上の居室の条件を満たさない部屋をいい、採光や通風をとるための窓がない部屋の場合もあります。

多様化するマンションの間取り

現在、マンションの間取りは多様化しており、ライフスタイルに合わせたさまざまな型があります。
購入を検討する際は「自分たちの生活スタイルにはどのような間取りが適当か」を考える必要があります。

寝室やリビングの広さ、子供部屋の有無、間仕切りの位置、水回りからリビングまでの距離など。それぞれの要素が生活に合ったものか、または便利であるか、よく検討することが失敗を避けるポイントです。

間取りを検討する時にまず注目したいのは、部屋の窓やバルコニーがどの方向に向いているか。
南向きに大きめの窓がある場合は、日当たりがよく部屋全体が明るくなります。一方で西向きの場合は。夏場に西日が射すために室内が暑くなりやすいのが特徴です。

定番・人気の間取り5選

ここからは、マンションでよくある間取りとその特徴についてお話していきます。
自分に合った住まいをみつけるための大切なポイントを、チェックしていきましょう。

田の字プラン

田の字プラン

田の字プラン

田の字プランとは、一般的な外廊下型(玄関の外に共用の廊下があるタイプ)マンションで多く採用されているスタイルです。
縦には玄関から住戸の中央に向かって廊下が伸びていて、横にはそれぞれ2つの部屋が振り分けられ、上から見るとちょうど「田」の文字のようにみえます。

メリットは、上下左右の隣室も同様の間取りになっていることが多いため、(つまり、浴室など水回りで起こりやすい騒音の原因となるポイントがまとまっている)部屋間の騒音トラブルが起きにくいこと。

デメリットは、窓に面していない部屋がある・玄関側の窓の外を人が通るため、窓を開けにくいという点です。玄関側の窓にはルーバーを取り付けたり、厚めのカーテンをつけたりして対策するのがおすすめ。

センターイン

センターイン

センターイン

センターインとは、玄関を住戸の中間付近に設けた間取りです。

メリットは、玄関からそれぞれの居室への廊下が短く、その分リビングや寝室を広くとることができる点。
また、リビングやキッチンといった「家族が集合しやすい空間」と、寝室や子ども部屋といった「プライベートな空間」を分けることができ、プライバシーが守られやすいという点も魅力です。

デメリットは、物件価格が高いこと。空間を贅沢につかっている分、マンション全体における部屋数が限られる上、外壁の量も増えるため、建設費は高くなります。

回遊動線

回遊動線

回遊動線

回遊動線とは、途中で行き止まりになることがなく、部屋から部屋へぐるりと歩くことができる間取りです。

メリットは、なんといっても住まい全体を自由に歩き回れること。寝室で目覚めたらウォークインクローゼットで身支度をし、そのまま廊下を抜けてリビングへ……というように、日常のルーティーンや家事をスムーズに進めることができ、快適な暮らしを実現しやすい間取りとなっています。
個室同士に繋がりがあるため、家族がどの部屋にいるのかも分かりやすくコミュニケーションも取りやすいです。孤立感を感じさせない造りも回遊動線タイプの特徴といえるでしょう。

デメリットは、回遊できるだけの広いスペースが必要なこと。居室以外の空間、とくに収納スペースは縮小や削減がされがちなため、注意が必要です。
また住まい全体が開かれているため、プライバシーやセキュリティ面に心配があるとの声があがることも。普段のライフスタイルを考慮し、導入するか検討しましょう。

ワイドスパン

ワイドスパン

ワイドスパン

ワイドスパンとは、バルコニーに面した間口が7~8m以上の住戸を指します。とはいえ実際はそこまで厳密な定義ではなく、「南向きの間口が広い部屋」という意味でワイドスパンといっている場合もあるようです。

メリットは、日の当たる南側の窓が広いため通気性や日当たりがよく、バルコニーからの眺望を楽しめること。二部屋をまたぐ形でバルコニーを設置することも可能です。

デメリットは、開口部が広いため、窓の断熱性能によっては冷暖房費が通常の部屋よりかかってしまうこともあるという点。
また窓側に大型の家具を置きにくくなるため、部屋のインテリア計画は前もって綿密におこなう必要があります。

角部屋

角部屋

角部屋

建物の端側にあり、片側の壁がほかの部屋と隣接していない場所を指します。角部屋の数は、マンションの規模や形状によります。

メリットは、壁の2面がバルコニー側に向いているため、日当たりがよく通気性がいいこと。バルコニーが広いため、洗濯物もたくさん干すことができます。開放的なバルコニーを売りにしているマンションでは、「ルーフバルコニー付き物件」などと紹介されていることもあります。
また、角部屋へは用事のある人以外の往来が少ないため、開放感がある割りにはプライバシー的な安心感があるといえます。
マンションによっては、一般の部屋より収納スペースや部屋の面積が広く充実している場合もあります。

デメリットとしては、窓が多いため家具の配置に悩みやすく工夫が必要・室外の気温に影響されやすい、という2点があげられます。
角部屋は条件の良さから人気が高く、通常の部屋よりも割高に設定されていることが多いため、価格のチェックは欠かせません。

まとめ

どのスタイルもメリット・デメリットがあり、ベストな間取りはそれぞれのご家庭のライフスタイルによって違ってくるでしょう。
既存の間取りでは使い勝手が悪く、ぴったりくるものがない……という方もいらっしゃるかもしれません。ですが、中古を購入してリノベーションすれば、イメージ通りの暮らしに合わせた自由な間取りを設計できます。また限られた部分だけをリノベーションすることも可能です。

リノベーションのひかリノベでは、お一人おひとり異なる暮らし方に合わせた間取りをご提案します。家探しからのリノベーションをご希望の方は、物件探しから設計・施工まで。居住中のご自宅のリノベーションは、工事中の仮住まい探しから設計・施工まで、ワンストップでおまかせいただけます。

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記事監修

大宮 良明(一級建築士、既存住宅状況調査技術者)

一級建築士、既存住宅状況調査技術者の有資格者。木造建築の構造計算をはじめ、安全性に配慮した設計を得意としている。「住まいのデザインは見た目のカッコよさはもちろんですが、それ以上に暮らしやすさや安全性が大切だと考えています。長い目で見て『こうして良かった』と思える家を、いっしょにつくっていきましょう」

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