独身でも住宅ローンは組める?単身者の審査のポイント・注意点

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ライフスタイルの多様化により、シングルの生活を楽しむ男女が増えている現代。

かつては、「結婚・出産をきっかけにマイホームを購入する」というパターンが一般的でしたが、いまは「自分だけの資産を残したい」「ひとりでも自立した生活を送りたい」という理由から、独身で物件を購入する方もめずらしくありません。

「独身は組むのが難しい」といわれていた住宅ローンも、いまでは独身者向けの商品が充実してきています。現在は、「ひとりで住宅ローンが組める」時代なのです。

しかし、いざ独身で住宅ローンを組もうとしたとき、不安や疑問に思うことも多いはず。
「どのように資金計画を立てればよいのか?」「審査の目安や条件は?」「もし結婚したら、残りのローンはどうなるの?」……

今回は、シングルの方が住宅ローンを組む際の、注意点やポイントを徹底解説します!

2017年9月29日初出→2020年4月28日更新

独身でも住宅ローンは組める

そもそも、ひとりで住宅ローンは組めるのか? という疑問があるかもしれませんね。
結論からいうと、「ひとり(単身世帯)でも住宅ローンを組むことは可能」です。
かつては、カップルやファミリー向けと考えられていた住宅ローンですが、いまは「ひとりでは組めない」ということはありません。

一般的に、住宅ローンの審査基準に、既婚者と独身者での違いはありません。

なにより重視されるのは「一定の基準に達する年収と月々の安定した収入があり、個人の信用情報(クレジットカード情報など)に問題がないこと」です。

こうした審査をクリアできていれば、パートナーの有無や性別に関わらず、ローンを組むことができます。

金利など融資条件への影響は?

独身だからといって、金利の優遇幅に影響することはほとんどありません。

現在、優遇の条件は「不動産会社の提携ローンである」「その銀行の預金口座を作り、給与振込口座にする」などがポピュラー。既婚者か単身者かに関わらず、MAXで優遇を受けることは難しくなくなっています。

注意しなくてはならないのは、その優遇がいつまで続くのか。「当初優遇」で最初の5年・10年だけ優遇金利が適用されて、その後は金利がハネ上がるようなローンは、返済期間が長い場合には避けたほうが無難です。
「優遇が終わる前に借り換えればいい」という対応策もないわけではありませんが、結婚や転職などで収入が変わり、借り換えの審査が通らない可能性も考えておきましょう。

単身世帯の審査のポイント

「単身世帯は審査がきびしいイメージがある」という方は少なくありません。
実際、銀行をはじめとする金融機関は、審査のときどんな点をチェックしているのでしょうか。ひとりでローンを組むにあたって、審査を受ける際のポイントを確認していきましょう。

シングルは審査で不利?

審査の基準という面では、既婚者の場合と変わりはありません。
「独身だから」「女性だから」といった理由で、不利な扱いになることもありません。

ただし、パートナーに頼らず一人で支払っていかなくてはならない分、年収・収入の安定性・本人の属性が、よりシビアにチェックされる傾向はあります。

たとえば、「3年前に転職を経験しており、いまの会社での勤続年数はまだ2年半ほど」というケース。これだけで不合格になるとは限りませんが、現在の勤め先や年収によっては、審査が厳しくなることも考えられます。

銀行が審査でいちばん知りたいのは、「全額返済できる能力(収入)のある人かどうか」です。銀行側は、定年退職までにいくら返してくれるのか? 定年時の残債はいくらで、返済できるあてはあるのか? ……という点を、厳しく審査します。

具体的には、年収個人の信用情報、住宅ローン以外の借入状況などがチェック項目となります。そこから、融資の可否や借入可能額が決められていきます。

借入可能額は年間の返済額が年収に占める割合(返済負担率)をもとに算定され、多くの銀行では、返済負担率35%(年収400万円未満の場合は30%)以内を合格ラインとしています。

ただし、審査金利は3.0〜4.0%と、実際の適用金利よりもかなり高めに設定している銀行が多いようです。現在の適用金利は、固定金利で1.0%強、変動金利で0.7%程度が平均的な水準ですが、将来経済情勢が変わり、金利が上昇した場合に備えて、審査の段階ではかなり高めの金利を設定しているのです。

年収帯別の借入可能額について、詳細はぜひこちらの記事をご覧ください。年収500万円の場合、600万円の場合……と、各年収帯で借入できる金額の目安を一覧表にまとめています。

独身に保証人は必要?

通常、住宅ローンを組むにあたって、保証会社に申し込み・加入をすることになります。これは、保証金を支払う代わりに、「支払いができなくなったとき、保証会社に残債を肩代わりしてもらえる」仕組みです。保証会社は、担保の住宅を競売にかけて代金を回収することになります。

しかし、全額回収できるかどうかは、実際に競売にかけてみないとわかりません。単身世帯の場合、収入が減ったときパートナーによるフォローが期待できない分、保証会社はいわゆる「貸し倒れ」を心配しています。

そこで、ときには保証会社が連帯保証人を求めてくる場合があります。
「ひとりで住宅ローンを組む場合は、必ず連帯保証人をつけなければならない」というわけではなく、「保証会社の判断による」ということです。

保証人を求められるかどうかは、本人の属性(年収や勤務先・貯蓄の有無など)や借入金額も関係してきます。N銀行の審査では連帯保証人を求められたが、R銀行では必要ないといわれた……ということも十分あり得ますので、事前審査は2~3社受けてみることをオススメします。

ローンを組めるのは何歳まで?

まず、住宅ローンのシステムとして「(最長期間である)35年ローンを組める上限は、44歳」ということを押さえておく必要があります。住宅ローンの完済予定は、80歳の誕生日までしか設定できないのです。

ただし実際には、「繰り上げ返済で定年退職までに完済する」、あるいは「定年時点で残債があっても、退職金や年金でムリなく完済できる範囲であること」が望ましいとされています。そのため、40代になると年収の審査が厳しくなってきます。

この場合、頭金をいくら入れるかが重要になってきます。頭金が多ければ、その分、借入金額が小さくなって返済が容易になるためです。

既婚者との違い

これまで見てきたとおり、ローンの組みやすさや審査においては、独身者と既婚者の間に大きな違いはありません。

一方で、単身世帯で住宅ローンを組むとき注意しなくてはいけないのは、「自分の力で完済まで払い続けることができるか」ということ。単身世帯の場合、支払いが苦しくなったときにパートナーに頼れないという点がネックになります。

そのため、夫婦世帯以上に「計画的に返済していけるか」をよくシミュレーションすることが重要になってきます。

もしもの場合に備える保険

どんなに綿密に資金計画を立てても、生きていく上ではなにが起こるかわかりません。支払い中にもしものことがあった場合、「住宅ローンの残りが相殺される」という保険が、団信(団体信用生命保険)です。

夫婦やファミリー世帯における団信の利用は、残されたパートナーが残りの返済責任を負うことなく住み続けられることがメリットになります。

しかし、「シングルだから必要ない」とはいえません。たとえ一人暮らしでも、離れて暮らす家族がいれば財産が相続されます。そのとき、ローンというマイナスの相続を、残された家族が負う心配がなくなることは、大きなメリットです。

さらに近年は、病気で働けなくなった場合も残りの返済が免除される疾病保証や、将来出産した場合に金利優遇を受けられる……などのサービスが用意されているローン商品もあります。

ひとりで組むローンだからこそ、万が一の備えは万全にしておきたいですね。

結婚したらどうなる?

住宅ローンを組んで家を買ったあと、結婚して生活が変わることもあり得ます。
実際に、「独身時代に買ったマンションを売却したい」あるいは「賃貸で運用したい」といった声はよく聞かれます。
ここからは、結婚した場合に残りの住宅ローンはどうなるのかを確認していきましょう。

結婚後の名義は?

生計を同じくしている家族ですから、協力して支払いをしていたとしても、名義はどちらか一人のままで問題ありません。銀行側としては、滞りなく返済してくれればいいので、実際にどちらの収入から出たお金なのかは関係ないのです。

ただし、マンションの名義(所有権)を配偶者と共有にする場合は、贈与税の問題が絡んでくるのでご注意ください。

たとえば、ローンの名義は夫単独のまま、マンションの所有権は夫の持ち分50%・妻の持ち分50%とした場合、「妻の持ち分は夫からの贈与」とみなされます。

したがって、ローンの名義は、マンションの持ち分と合わせて考える必要があります。

結婚後、ローンを借り換えたいと思ったら?

独身時代に購入した物件のローンを、結婚後に借り換えたいという場合もあるでしょう。
「当時はいまより金利が高かったから、もっと安いローンに借り換えたい」……といった場合、自分ではなく配偶者の名義で借り換えることはできるのでしょうか?

借り換え自体は銀行の審査に通れば可能ですが、ここでもやはり贈与税の問題が絡んできます。

マンションの名義は妻、ローンの名義は夫となることで、「マンションは夫から妻への贈与」とみなされるのです。そのため、借り換えと同時にマンションの所有権も夫に移す必要があります(負担付き贈与)。

ところが、このような名義変更をともなう借り換えは、ほとんどの銀行が消極的。実際にはなかなか審査に通らない、あるいはそもそも審査を受け付けてもらえないケースが多いです。

結婚後に住み替えたら?

結婚後も自分が購入した物件に住み続けるのではなく、パートナーの通勤に便利な物件や、ファミリー向けの物件に「住み替える」というパターンも考えられます。
このような場合には、売却するか・賃貸に出すかを考えることになります。

まず売却の場合ですが、ローンが残っていても売りに出すことに問題はありません。ローンの残債は、売却代金からまとめて支払うことになります。

ただし、もし売却価格がローンの残債に満たないときは、足りない分を現金で埋め合わせることになります。そのため、「残債をすべて賄えるほどの高い値段がつきそうにない…」という理由から、賃貸を希望する方も少なくありません。

しかし、基本的にローンが残っているうちは賃貸に出すことはできません。住宅ローン契約は、「自分が住むための家を買う資金を融資する」という契約だからです。

「銀行に言わなきゃバレないだろう」という人もいますが、もし何かのきっかけで露見した場合には一括返済を迫られたり、金利の優遇が受けられなくなったりといったペナルティがあります。

とはいえ、最近では「急な転勤で、数年以内に戻ってくる予定がある場合はOK」という銀行も出てきました。あるいは、はじめから「返済に滞りさえなければ賃貸に出してOK」というフラット35のようなローン商品もあります。

シングルの男女が住宅ローンを組む場合、あらかじめ生活の変化を見越してこうしたローンを選択しておくことも重要な視点といえます。

ライフステージの変化を見込んだ資金計画を

かつては夫婦やファミリー向けだと考えられていた住宅ローンですが、現在は「ひとりではローンが組みにくい」ということは決してありません。

とはいえ、収入が減ったときに頼れるパートナーがいないという点は気に留めておく必要があります。
結婚や出産・親の介護・転職・突然の病気などの可能性もあるでしょう。
完済まで自分の力で支払い続けていくためには、将来の生活の変化も見込んで、資金計画を立てておくことが重要です。

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