【2022年版】住宅取得資金の贈与は最大1,000万円が非課税! 中古も利用可?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る
shutterstock_726968182 (1)

住宅を購入するとき、ご両親から資金の援助を受ける予定の方もいらっしゃるかもしれません。普通、親から贈与を受けた財産には、贈与税がかかります。

しかし、住宅の購入資金については、一定の条件を満たせば贈与税が非課税になる「住宅取得等資金非課税の非課税特例」があります。2022年度の税制改正で、2年間の延長が決定しました。
うまく利用すれば金銭的な負担を軽くできる一方、実は使わないほうがベター、というケースも存在します。

この記事では、贈与税の非課税特例のあらましと、利用時の注意点を解説します。住宅購入にあたり、親などから資金援助を受ける予定のある方はぜひご一読ください!

2020年4月29日初出→2021年4月27日更新→2022年9月12日更新

住宅取得資金の贈与には非課税枠がある!

相手が親だとしても、個人から一定以上のお金や財産をもらった場合には、贈与税が課されます。

1年間に受けた贈与の合計額から、基礎控除額の110万円を差し引いた額に対して課税され(110万円以下は非課税)、その額が大きくなるほど、税率は高くなります。

しかし、住宅を購入するために援助を受ける場合は、金額の大きさゆえ、贈与税の負担も大きなものに……。そのため、親などから住宅取得資金として贈与を受けた場合、贈与の一定額までは贈与税が免除される特例が設けられています。

特例が適用される期間は、2022年(令和4年)1月1日から2023年(令和5年)12月31日の間です。

相続時精算課税との違い

同じく、贈与税を軽減するのが「相続時精算課税制度」です。

被相続人が亡くなって、その他の財産を相続したとき、生前の贈与もまとめて相続税を支払う制度で、贈与は2500万円まで非課税になります。
住宅取得等資金贈与の非課税特例とも併用はできますが、最終的に多額の相続税を支払わなくてはいけません。

被相続人の遺産が、相続税の基礎控除額(3000万円+600万円×法定相続人の人数)を上回るような場合、相続時精算課税制度を利用する方法だと、損をするリスクもあります。

非課税枠の金額は購入のタイミングで変わる

非課税枠は、住宅の性能によって限度額が異なります。

質の高い住宅(省エネ等住宅)

一般住宅

1000万円

500万円

なお、「質の高い(省エネ等)住宅」は、省エネ性・耐震性・バリアフリー性について、以下の3点のいずれかの条件を満たす住宅を指します。

  • 断熱等性能等級4、または一次エネルギー消費量等級4以上
  • 耐震等級2以上、または免震建築物であること
  • 高齢者等配慮対策等級(専用部分)3以上であること

2021年までの制度では、売買・請負契約締結のタイミング(消費税が8%または中古住宅・土地など非課税の場合か、10%の場合か)によっても非課税限度額が異なっていましたが、今年度からは消費税率を問わず一律で限度額を決める制度に変更されました。

また、既存住宅には築年数の要件(木造20年以内・RC造25年以内)は「昭和57年以降に建築された住宅(新耐震適合住宅)」に緩和されました。

なお、110万円の基礎控除と、住宅取得等資金贈与の非課税枠は併用が可能です。住宅取得資金等贈与の非課税枠が1000万円だとすると、トータルの非課税枠は1110万円となります。

非課税特例を利用するための要件

資金援助を受けたら、どんな場合でも非課税の特例を受けられるわけではありません。

「贈与を受ける人」「購入する物件」がそれぞれ要件を満たしている必要があります。まず、贈与を受ける人(受贈者)の条件を見てみましょう。

非課税特例を受けられる人の要件

  • 贈与を受けた時点で、贈与者が受贈者の直系尊属(父母・祖父母)である
  • 贈与を受けた年の1月1日において18歳以上※2022年4月1日以降。3月31日以前に贈与を受けた場合は20歳以上
  • 贈与を受けた年の所得税にかかる合計所得金額が2000万円以下※新築住宅の床面積が40㎡~50㎡未満の場合1000万円以下
  • 2009年(平成21年)~2021年(令和3年)の間、贈与税の申告で「住宅取得等資金の非課税」の適用を受けたことがない(一定の場合を除く)
  • 自分の配偶者や親族など特別の関係がある人からの住宅取得、あるいは請負契約を結んでの新築・増改築ではない
  • 贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅取得等資金の全額の全額を当てて、家屋の新築などを行う
  • 贈与を受けたとき、日本国内に住所がある(一定の場合を除く)
  • 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、その家屋に居住する、もしくは同日後延滞なくその家屋に居住することが確実だと見込まれる

例えば、配偶者の両親は直径尊属ではないので、資金援助を受けても特例は受けられませんが、養子縁組をした場合は適用されます

とくに落とし穴となりやすいのが、「贈与を受けた瞬間から、購入した住居に実際に住むまでの期間」です。贈与を受けた年の翌年12月31日までにその家屋に居住していなかった場合、特例は適用されず、修正申告をしなくてはいけません。

非課税特例が適用される物件の要件

続いて、物件(建物)の要件を見ていきましょう。

  • 日本国内にある家屋
  • 家屋の登記簿上の床面積(マンションなどの場合は専有部分の床面積)が40㎡以上240㎡以下で、床面積の2分の1以上が受贈者の居住の用に供される

店舗などとの併用住宅でも、床面積の半分以上が居住スペースになっていれば、非課税特例を受けられるということになります。

中古の場合

中古住宅でも、上記の条件に加えて次にあげる条件のいずれかを満たせば、特例の適用対象になります。

  • 1982年(昭和57年)1月1日以後に建築されている
  • 新耐震基準に適合している(証明書類が必要)
  • 取得の日までに耐震改修を行う(改修前に都道府県等に申請し、贈与を受けた翌年3月15日までに新耐震基準への適合が、証明書等で証明できる)

リフォームの場合

リフォーム(増改築等)資金の援助を受ける場合も、特例を受けることができます。

  • リフォーム後の家屋の登記簿上の床面積(マンションなどの場合は専有部分の床面積)が50㎡以上240㎡以下で、床面積の2分の1以上が受贈者の居住の用に供される
  • リフォーム工事が、自分が所有、かつ居住している家屋に対して行われており、一定の工事に該当することが書類(確認済証や検査済証の写し、増改築等工事証明書)で証明されている
  • 工事費用が100万円以上

非課税特例を受けるための申告手続きと必要書類

住宅取得等資金の非課税特例の適用を受けるためには、確定申告が必要です。税務署に申告しなければ特例を受けることはできません。

申請には、所定の書類が必要です。新築・中古・リフォームのいずれも、次の3つについては共通となっています。

  • 贈与税の申告書
  • 戸籍謄本など(氏名や生年月日、直系尊属かどうかを確認できるもの)
  • 源泉徴収票または確定申告書など(所得税に係る合計所得金額を明らかにするもの)

さらに、新築・取得(中古購入も含む)の場合は、次の書類が必要です。

    • 請負契約書や売買契約書の写し
    • 家屋の登記事項証明書(贈与税の申告書に不動産番号を記載すれば不要)
    • 耐震基準適合証明書、建設住宅性能評価書の写し、既存住宅売買かし保険の保険付保証明書(中古住宅の場合)※中古で築年数や床面積が記載されていない場合は、それらを明らかにする書類も    
    • 住宅性能証明書(「質の高い住宅」を取得する場合。指定確認検査機関、登録住宅性能評価機関などが発行)   
    • 耐震基準適合証明書、建設住宅性能評価書の写し、既存住宅売買かし保険の保険付保証明書(中古住宅の場合)
    • 耐震改修の申請書および証明書(中古住宅で耐震改修を行う場合。詳細は以下表を参照)

出典:国税庁「〈令和3年分〉住宅取得等資金の特例に係る「チェックシート」及び「添付書類」の区分」 (https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/shinkoku/zoyo/tebiki2021/pdf/013.pdf)

出典:国税庁「〈令和3年分〉住宅取得等資金の特例に係る「チェックシート」及び「添付書類」の区分」 (https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/shinkoku/zoyo/tebiki2021/pdf/013.pdf

リフォームの場合は、次の書類を用意する必要があります。

  • 工事の請負契約書の写しなど
  • 家屋の登記事項証明書
  • 確認済証、検査済証の写し、または増改築等工事証明書
  • リフォームかし保険の保険付保証明書(給排水管や、雨水の侵入防止に係る部分を公示するとき)

申請期間は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日の間となっています。期間内に申請しないと、特例は受けられませんのでご注意を。

非課税特例を使わない方がお得な場合もある!?

最大で1000万円まで贈与税が非課税になる住宅取得等資金贈与の非課税特例ですが、デメリットがないわけではありません。

例えば、次のような2つのケースは、非課税特例利用時には注意が必要です。

ケース①住宅ローン控除制度と併用する場合

毎年、ローン残高の0.7%を所得税・住民税から控除する住宅ローン控除。

贈与税の非課税特例とも併用可能な制度ですが、住宅ローンの借入額と、贈与を受けた金額の合計が住宅の購入費用を上回ると、ローン借入額の一部が減税の対象外になります。

例えば、ローンの借入額3200万円・贈与額500万円で3500万円の住宅を購入したとしましょう。この場合、ローン控除の対象になるのは、住宅の購入費用3200万円から贈与の500万円を引いた2700万円分となります。

贈与税の非課税特例を利用するより、住宅ローン控除による控除額のほうが大きければ、ローン控除だけに絞ったほうがお得といえます。
長期優良住宅や省エネ住宅は借入限度額も引き上げられているので(下表参照)、こうした住宅を購入するのであれば、住宅ローン控除をフルに使うことも検討してみましょう。

出典:国土交通省「住宅ローン減税」 (https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html)

出典:国土交通省「住宅ローン減税」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html


ケース②親の住宅を相続する予定がある場合

親の住宅を相続すると、「小規模宅地等の特例」を受けられる場合があります。

小規模宅地等の特例は、被相続人が亡くなったときに、原則として同居していた親族がその住宅を相続する際、相続税を計算するための土地の評価額を、最大で8割減額してくれる制度です。

「原則として同居」と書きましたが、被相続人の子どもで住宅を所有していなければ、例外として同居していなくてもこの特例が受けられます。

ですが、贈与を受けて住宅を取得すると、「住宅を所有していない」という条件を満たさなくなってしまいます。
特に、地価の高いエリアでは相続税も高くなるので、贈与税が軽減されても相続税の負担のほうがはるかに大きいことも考えられます。

住宅は、一生でもっとも高価な買い物。当然、かかる税金も高額になるため、しっかり節税してよりお得な住宅購入を目指しましょう。


【記事監修】尾高 等(住宅ローンアドバイザー)

住宅ローンアドバイザーの有資格者。住宅購入が目的ではなく、その後も続く人生のファイナンシャルプランを、長期的な視点から提案する。「かつては頭金が2割ないと住宅購入は難しく、多額の現金投資をしなければ理想の住まいはつくれませんでした。しかし歴史的な低金利や、100%融資も可能となった現在、マイホーム購入のあり方は多様化しています。新築、中古、マンション、戸建、いろいろな住居の選択肢がある中から本当に満足できる空間とは何なのか。一緒に探していきましょう」


パンフレットDLバナー_PC用 パンフレットDLバナー_SP用

おすすめの関連記事

  • 中古マンションの「火災保険」最適な選び方教えます中古マンションの「火災保険」最適な選び方教えます 中古マンションを購入する際、たいていの場合、不動産会社や金融機関から火災保険の加入をすすめられます。でも、「保険料も安くないし、こんなにいろいろ補償が必要なの?」と契約に悩まれている方も多いのではないでしょうか? 「 […]
  • 住宅購入はあえての増税後がお得?支援策を総ざらい住宅購入はあえての増税後がお得?支援策を総ざらい 消費税の10%への増税が、いよいよ10月1日に迫ってきました。 まさに今、住宅購入を検討している方の中には、増税前に思い切って買うか、増税後まで待つかのどちらにするか、迷っている方も多いでしょう。 住宅は非常に高額 […]
  • リフォームで使える控除って?住宅ローン控除は使える?【2022年最新】リフォームで使える控除って?住宅ローン控除は使える?【2022年最新】 リフォームでも、ローンを利用して資金を用意することがあります。住宅ローンを組んで住宅を購入すると、所得税の控除を受けられる「住宅ローン控除(住宅ローン減税)」を利用できますが、実はリフォームでも控除を受けることができる […]
  • 中古マンションの購入で住宅ローンは組める? 控除は使える?中古マンションの購入で住宅ローンは組める? 控除は使える? 中古マンションの購入を検討するとき、「新築と同様に住宅ローンを使いたいけど、利用できるのだろうか」と心配される方も多いでしょう。また同時に、「住宅ローン控除も利用できるのだろうか」と疑問を抱く方もいらっしゃるかもしれま […]
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る
リノベーション事例
お客様の声

お問い合わせCONTACT

  • 0120-818-250 営業時間:10:00~18:00 (水曜定休)
  • カンタン入力!無料で資料請求!
  • オンライン相談
資料請求 物件を探す