マンションの「理事会」って?管理組合との違いは?


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「マンションの理事会の役員になった」。ご友人やご親戚の方から、そんなお話を聞いたことはありませんか?

中古でも新築でも、マンションライフとは切っても切れない存在なのが理事会。まだマンションに住んだことがない、という方でも、理事会の存在ぐらいはご存知だと思います。

しかし、具体的に何をしているのか、詳しくは知らないという方も多いはず。役員なんて面倒くさそう、できればやらずに済ませたい――そんなイメージを抱いている方も少なくないでしょう。

しかし、多くの家族がひとつの建物内で暮らすのがマンションです。
理事会は、マンションの住民全員が快適に生活するために必要な存在であり、面倒だから参加しないというわけにはいきません。
マンションを購入する前には、理事会のこともよく知っておきたいものです。

理事会は管理組合の代表

マンションの一住戸を購入しても、当然ながらマンション全体があなたのものになるわけではありませんね。

廊下やエレベーター、駐車場・駐車場、ごみ捨て場など、住民全員が利用する「共用部」(みなさんが購入した住戸は「専有部」)はどんなマンションにもあり、マンション全体で管理していく必要があります。

そのため、マンションの各住戸の所有者は、「区分所有法」第3条によって、マンションの管理組合の構成員になると定められています。管理組合でマンション全体の維持管理を行っていく、という仕組みで、簡単に言うと「住民全員でマンションを管理する」ことが義務づけられているということですね。

とはいえ、大規模なマンションでは100を超える世帯が住んでいることも珍しくはありません。何かを決めるために話し合うにも、いつも全ての世帯が集まるということは現実的ではないですよね。

ここで登場するのが「理事会」です。

理事会は、管理組合の構成者から代表となる人(役員)を選んで組織されます。
役員が管理組合の代表者として、大規模修繕の計画を立てて費用を積み立てる、管理費を徴収する、共用部のルールを決めるなど、維持管理や運営に関するさまざまな事項を話し合って決めていくのです。

管理会社は委託されているだけ

今は、管理会社が入っているマンションも少なくありません。
「マンションの管理は管理会社がやっている」と思っている方もいるのではないでしょうか?

実は、管理会社は、管理組合からの委託で管理を代行している存在です。
管理を行う主体は、あくまでも管理組合。管理組合が指示して初めて、管理会社が行う実際の管理にも反映されることになります。

管理会社に委託せず、管理組合のみで管理するやり方もありますが、住民の負担も大きくなるため、プロの力を借りているマンションが多いというわけなのです。

マンションを管理するのは管理組合、つまり住民。これからマンションを購入する方は、この点をしっかり自覚しておくことが大切です。

理事会、普段は何をしているの?

続いて、理事会の具体的な活動を説明しましょう。

理事会は多くの場合、月に1度のペースで開かれます。
管理会社(委託している場合)から修繕費積立や管理費の会計の月次報告を受けたり、マンション内で起こった問題の解決策を話し合ったりします。

近年は、マンション内のトラブルは専門家(マンション管理士)に相談して解決しようとするケースも増えていますが、依然として管理組合内での話し合いで解決しようとするマンションは多いです。

国土交通省「平成30年度 マンション総合調査」トラブルの処理方法

出典:国土交通省「平成30年度 マンション総合調査」 (http://www.mlit.go.jp/common/001287570.pdf

 

件数が多いトラブル、つまり理事会の議案になりやすい事項としては、「違法駐車・違法駐輪」や「ペット飼育」、「生活音」などがあります。

国土交通省「平成30年度 マンション総合調査」居住者間のマナーをめぐるトラブルの内容

出典:国土交通省「平成30年度 マンション総合調査」 (http://www.mlit.go.jp/common/001287570.pdf

また、年に1度、管理組合の総会(通常総会)を開催する必要があります。
総会では、1年間の管理費、修繕積立金の会計報告、次年度予算案などの承認、役員の選任・任命などが行われます。

管理費や修繕積立金の値上げのように、マンション全体に影響を及ぼす事項は総会で決議しなくてはなりません。
急を要するときは、臨時総会を開いて決議を取ることもあります。

なお、総会での議決は通常、「区分所有者」および「議決権」の過半数の賛成で決議されます。

管理規約の変更など、重要な議案は「特別決議」といって、4分の3以上の賛成がなくては決められません(いずれも区分所有法で決められているので、変更はできません)。
建て替えはさらに、5分の4以上の賛成が必要です。

ひとつ注意してほしいのが、「議決権」という言葉。たいていは、1住戸に1議決権となっていますが、専有部の面積に応じて議決権を配分している(1住戸が2以上の議決権を持つ)マンションもあります。

役員一人ひとりにも役目がある

理事会を構成する役員にも、それぞれ役割があります。

理事長は、管理組合の代表者。区分所有法上の「管理者」にもあたり、総会で決まったことや、管理規約に定められていることを実行する権限を持つとともに、義務も負います。総会への招集も、理事長の名前で行わなくてはなりません。

理事長をサポートしたり、何らかの事情で理事長が活動できないときに職務を代行するのが副理事長です。
さらに複数名の理事が配され、理事会で議題について話し合って管理、運営に関する事項を決めていきます。
管理組合によっては、「会計担当」「防災担当」など、特定の事項担当の理事が決められるところもあるようです。

また、厳密にいうと理事会のメンバーとはなりませんが、監事という役職もあります。
理事会の運営や、会計におかしな点がないかを監視するのがその役目。
総会の前には、理事会がまとめた報告書をチェックして、総会の席上でその結果を報告します。

ちなみに、役員は基本的にボランティアです。
管理規約に役員報酬を払う規定を盛り込んでいるところもありますが、多くても月5000円といったところです。報酬は理事長だけ、なんてマンションも。

出典:国土交通省「平成30年度 マンション総合調査」役員報酬の有無

出典:国土交通省「平成30年度 マンション総合調査」 (http://www.mlit.go.jp/common/001287645.pdf

いずれは役員になる日が来る

繰り返しになりますが、理事会は管理組合の代表になる組織です。

そして、管理組合はマンションの住民全員で構成されることも、前に述べたとおり。つまり、あなたがマンションを購入したら、自動的に管理組合のメンバーになります。
そのため、あなたもいずれは理事会の役員を引き受けなくてはいけないときが必ずやってくるのです。

役員の選任は、次のような方法で行われることが多いようです。

  • 立候補(希望者を公募する)
  • 推薦(住民同士で適任者を挙げる)
  • 輪番制(持ち回り)

輪番制で順番に……というところもあれば、まず立候補者を募るというところもあります。
立候補や推薦がなければ、最終的には持ち回りで役員を務めるということになります。

やりたくなかったら断れる?

実際の業務は管理会社が行うところが多いとはいえ、毎月の会合をはじめとして、理事会役員の負担は小さくはありません。
できればやりたくない――そう思う方もいることでしょう。

役員の任務が回ってきても、断ることはできます。
ただし、「転勤のため一定期間不在にすする」といった理由ならOKですが、単に「面倒だから」などの理由で断ることはやめましょう。
あなたが断ったら、誰かがその役割を引き受けることになります。役員になった人はもちろん、他の住民からも反感を持たれかねません。

長期間暮らすところなのですから、できるだけ周囲の人々とは良好な関係を作っておきたいもの。
役員に任命されたときはもちろん、普段からマンションの管理に積極的な姿勢を見せれば、住民としてのあなたの評価も上がるのではないでしょうか。

良い理事会が良いマンションを作る

しつこいようですが、マンションを管理するのは管理組合、つまり住民自身です。
管理会社も、理事会の意向を無視することはできません。

役員の任務を負うことは、決して楽だとは言えませんが、マンションの環境を良くするには、住民の代表である理事会の働きがとても重要になってきます。
管理が行き届いておらず、共用部が汚れていたり、ルール違反が常態化しているようなマンションには、みなさんだって住みたくはないはず。
逆に、管理がきちんとしていて住民の意識が高いマンションは、きれいで安心して暮らせる環境になっています。

マンション購入者にとっても、管理状況は気になる要素のひとつ。
国土交通省の平成30年度「マンション総合調査」によると、立地や間取りに次いで、管理に関する事柄(「共用部の維持管理状況」や「共用施設・サービスの充実度」、「地域やマンション内のコミュニティ活動」)が「購入時に考慮した項目」として挙がっています。

国土交通省「平成30年度 マンション総合調査」マンション購入の際に考慮した項目

出典:国土交通省「平成30年度 マンション総合調査」 (http://www.mlit.go.jp/common/001287646.pdf

つまり、あなたが住む(ことになる)マンションの価値が、管理の面でも判断されているということです。
マンションの資産価値という観点からも、管理がしっかりなされているかどうかが重要になるのです。

中古マンションは「管理」を買う

中古マンションを購入するときは、新築マンション以上に管理組合、理事会の良し悪しを判断することが鍵になります。建てられてからいままでの管理状態によって、物件の価値も変わってくるからです。

とはいえ中古マンションは、理事会が存在して機能しているはずですから、新築よりも判断はしやすいと言えますね。

第一にチェックしておきたいのが、管理組合の会計状況です。例えば、何年も赤字が続いているような状況であれば、将来管理費が値上げされる可能性も高い――そう予測することができます。
大幅な管理費の値上げは、あなたの資金計画やライフプランにも影響を及ぼしますし、売却する場合も妨げになります。

“滞納”は要注意

また、管理費や修繕積立金を滞納している世帯の有無も、マンションの管理状況への影響が大きいと言われます。

誰しも、ついうっかりして納め忘れた、なんてこともあるでしょうから、滞納者が少なく額も少額ならばさほど問題はないでしょう。
しかし、滞納が慢性化していてしかも回収もできていないようなマンションは要注意。住民に管理の意識が欠けており、理事会が正常に機能していない可能性もあります。

中古マンションの管理状況は、物件を取り扱う不動産事業者が契約前の重要事項説明で買主に説明することが義務付けられています。
早く契約したいという思いもわかりますが、はやる気持ちを抑えて、注意深く説明を聞きましょう。もし疑問があれば、遠慮なく質問してください。

立地や間取り、築年数ももちろん大切ですが、住民が作り出す環境の質にも目を向けることが、中古マンション選びを成功に導きます。
ひかリノベは中古リノベーションの専門家として、管理状態をよく調べ、安心して住める物件を選ぶサポートをいたします。購入前に気になることは何でも、担当コーディネーターにお尋ねください。

 

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【執筆】荒井 隆大(ライター)
【監修】柴田 朝子 (宅地建物取引士)

 

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