床暖房リフォーム、費用の相場は?温水式と電気式どちらが良い?

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Floor heating

寒い冬でも足元から温めてくれる快適な床暖房へのリフォームにはどの位の費用がかかるのかご存知ですか?
今回は床暖房のメリット・デメリットや床暖房の種類、施工方法の違いによるリフォーム費用について詳しくご紹介していきます。

施工の際の注意点や施工費用をおさえる秘訣もお教えしますので、床暖房リフォームをご検討の方は参考にしてみてはいかがでしょうか。

床暖房って必要? メリット・デメリットを比較

床暖房とは床下にヒーターや温水が流れるパイプを敷設して、その上から床材を張る暖房設備のこと。エアコンやファンヒーターのような直接温風で暖める暖房器具とは異なり、床から直接伝わる「伝導熱」と床から空間に広がる「輻射熱」との組み合わせで部屋を暖めています。

まずは床暖房についてメリット・デメリットという切り口から、その特徴を見ていきましょう。

床暖房のメリット

床暖房のメリットは何といっても冷えやすい足元から暖めてくれるということ。真冬でもスリッパいらずで裸足で歩け、火を使わないので小さなお子さんやペットがいても安心です。

また風が発生しないのでホコリが舞ったりせず、掃除がしやすいメリットがあります。空気が汚れないためファンヒータ―のように換気の必要もありません。

特に冬は乾燥しやすい季節。ドライアイやお肌の乾燥が気になりますが、床暖房なら部屋の空気が乾燥しません。さらに水蒸気が発生することが無いため、結露が出来ずカビやダニの発生を防げます。

床暖房のデメリット

床暖房のデメリットは初期費用が高く、メンテナンス費用がかかるということ。温水式の床暖房では数十年に一度、熱源機や温水パイプの交換が必要となりますし、寒冷地では不凍液の入れ替えメンテナンスが必須です。

修理に関しても注意が必要で、床下に敷設しているタイプの床暖房では床材を一度剥がして修理する手間やコストがかかります。

また立ち上がりに時間がかかるため、すぐに部屋を暖めたい場合や短時間しか使わない部屋に施工するのに向いていません。

床にカーペットなどを敷く場合もご注意ください。化学繊維で作られているカーペットは床暖房の熱で溶けてしまったり、下のフローリングを傷めるというトラブルにも気を付けましょう。

床暖房リフォームはどんな家でも可能?

床暖房リフォームはどんな種類の家でも設置はできるのでしょうか?

戸建の場合、マンションの場合

木造の戸建て住宅でも鉄筋コンクリートのマンションでも、住居の種類を選ばず床暖房を後付けすることは可能です。また1階でも2階以上の部屋でも問題なく設置できますが、設置方法によってはリフォーム費用が割高になることがあります。

特に築年数が経過したマンションでは、床暖房は人気のリフォームです。安全性の高い設備ということで、マンションの資産価値を高める目的で設置する方もいます。

床暖房と相性の悪い床材の種類

床暖房はどんな床材にも施工できる訳ではありません。

クッションフロアやコルクタイル、はめ込み式のフローリングなどは、床暖房の上に敷いてしまうと熱伝導効率が悪くなるだけでなく、変形や変質といったトラブルの恐れがあります。

また一般的なフローリングであっても、中には床暖房に対応していない種類があります。熱による反りやひび割れの原因となりますので、必ず床暖房対応のフローリングを選ぶようにしてください。

無垢フローリングは床暖房に使用できる種類もありますが、業者によっては施工できない場合があります。床暖房に無垢フローリングを使いたい場合は、事前に業者に確認が必要です。

電気ヒーター式と温水式

床暖房は暖め方によって「電気ヒーター式」と「温水式」に分けられます。それぞれの比較や注意点を見ていきましょう。

電気ヒーター式は電気を熱源として放熱し、部屋を暖める床暖房のこと。「PTCヒーター式」や「電熱線ヒーター式」などの種類があり、工事が簡単なのでリフォームでも導入しやすい床暖房です。

定期的なメンテナンスは基本的に不要ですが、電気料金としてランニングコストがかかります。
また電気を使用して暖めるため、アンペア容量の増設や電気料金の契約内容を変更しなければいけない場合があります。

電熱線の結合部分は暖かくならないので、場所によって暖まりにムラが生じます。逆に接触面は43~45度と高温になることがあるため、長時間同じ体勢で寝転んでいると低温やけどを引き起こす心配も。お年寄りや小さいお子さんの使用には十分な注意が必要です。

電気ヒーター式の床暖房は洗面所や脱衣所といった比較的狭い場所で、一日の使用頻度がそれほど高くない部屋におすすめです。

温水式床暖房は電気を利用する電気ヒーター式とは異なり、床下に這わせたパイプに温水を循環させることで空間を暖めています。燃料にはガスや灯油、電気を単独もしくは複数を組み合わせて使用しています。

ガスや灯油が使えれば電気料金よりもランニングコストは安くなり、光熱費が抑えられます。電気ヒーター式と比べると立ち上がりが早いのもメリットです。

一方で床下の配管工事や熱源機、お湯を沸かすための給湯器の設置が必要となりますので、リフォーム費用は高めになります。また配管や給湯器のメンテナンス費用がかかることも覚えておきましょう。

とはいえ帰宅後にすぐに部屋を暖めたい方におすすめの床暖房で、リビングやキッチン等の使用頻度が高くある程度の広さがある場所にはピッタリです。

施工方法と工事にかかる期間

床暖房の施工方法は既存の床材の上から施工する「直張り」と、床材を剥がして床下に設置し、再び床材を張り直す「全面張替え」の二種類があります。
それぞれの施工方法の特徴と共に、どの位の工事期間がかかるのかについて解説していきます。

直張り

直張りでの施工は、既存の床材の上からヒーターが内蔵されたパネル式の床暖房を付ける工事となりますので、リフォーム費用は安く抑えられます。工期も短めで1日~2日程度です。

ただし今までの床の上から施工することになりますので、床暖房の部分だけ一段高くなり、床に段差が出来てしまいます。足腰の悪いお年寄りがいる家庭では、よく通る場所に施工すると段差でつまずいて転倒してしまうことも。
段差を解消する追加工事が必要となるケースがありますので、ご注意ください。

床全面張替え

既存の床材を剥がして床下に床暖房を敷設するリフォーム方法は、床の解体費用や新しい床材の張り替えに1畳当たり3万円ほど追加で費用がかかるでしょう。
また床下に断熱材が入っていない場合、断熱性をアップさせる目的で断熱工事を行うこともあります。

リフォームにかかる日数は直張りよりも長めの2日~4日前後。
床のバリアフリーリフォームや、床板交換工事と同じタイミングで行うことで費用や工期を抑えることができますので、検討してみては?

全面張替えによる施工は直張りの際に生じる段差はなくなりますので、住宅のバリアフリー化にも適しています。

床暖房のリフォーム費用相場

実際に床暖房を設置する場合、どの位の費用がかかるのでしょうか?ランニングコストやエアコンとの光熱費の比較についても見ていきましょう。

工事費用のめやす

床暖房のリフォーム費用は、床暖房の種類が電気式か温水式か?施工方法が直張りか全面張替えか?で相場が異なってきます。

一般的に電気式の方が温水式よりも本体価格が安く施工費がかかりません。
電気式は1畳当たり6万円~10万円が相場ですが、温水式は1畳当たり8万円~12万円ほど。ここにさらに給湯器や熱源機本体の価格30万円~80万円がプラスされます。

床暖房のリフォーム費用は施工方法の違いでも変わってきます。
既存の床を撤去しない直張りでは1畳当たり5万円~8万円になるのに対し、全面張替えでは8万円~11万円となります。

もちろん施工する範囲が広ければリフォーム費用は高くなりますし、断熱工事や下地補修工事といった追加工事が発生することがあります。
床暖房のリフォーム費用については、詳しくは現場を見てもらって見積もりを確認することをおすすめします。

ランニングコストは?

床暖房を設置するのに当たって気になるのは、毎月の光熱費やメンテナンス費用といったランニングコストです。

床暖房の面積や熱源の種類によってランニングコストは異なりますが、温水式の床暖房では一か月およそ8,000円、電気ヒーター式では10,000円前後となります。
光熱費は一般的に電気よりもガスや灯油の方が光熱費を抑えられます。

また温水式の場合、効率の良い給湯器や熱源機を使用すると光熱費はかなり抑えられます。しかし高グレードの熱源機だと本体価格が高いため初期費用がかかるというデメリットが。
費用の面から床暖房を選ぶ際は、初期費用とランニングコストをそれぞれ比較することが重要となります。

エアコンと比較すると…

暖房器具としても全国的に普及しているエアコンと床暖房を比較してみましょう。

エアコンの初期費用は施工費込みで10万円~15万円程度、1日8時間程度の運転だと1カ月あたり5,000円~8,000円の電気料金となります。
一方の床暖房はどんなに安い機種でも50万~60万円前後、ランニングコストは8,000円~10,000円となり初期費用、ランニングコストともに床暖房の方が高くなります。

とはいえ床暖房にはエアコンにないメリットがたくさんあります。費用対効果を考えながら、ご自宅に合った床暖房を設置してみてはいかがでしょうか。

コストを削減するには

床暖房はエアコンや他の暖房器具に比べると、初期費用やランニングコストがかかることが分かりました。少しでもコストを削減するためのポイントをご紹介していきます。

まずは床暖房の種類や施工方法をなるべく抑えるという方法です。温水式よりも電気ヒーター式の方が本体価格は安く、施工方法では全面張替えよりも直張りの方が費用をおさえられます。

また施工する範囲が広ければ広いほど費用もかかりますので、リビングでは人が移動する動線上や足が直接床に触れている時間の多い場所をメインに施工するとコストを下げられます。
一般的に部屋面積の7割程度床暖房を敷設してあれば、普段の暖房は床暖房だけで賄えます。

もしリフォームで床暖房を設置するなら、床板の張り替え工事や床のバリアフリー工事と一緒に行うとトータルの施工費を節約できます。また畳敷きからフローリングへリフォームする際に一緒に床暖房工事をすると床材を撤去して張り替える費用が一度で済んでお得になります。

床暖房リフォームのよくある質問Q&A

床暖房リフォームをする際に気になる点や疑問点をQ&A方式でご紹介していきます。

床に段差ができちゃうの?

床暖房の施工方法が直張りの場合は、10~20mmほど床に段差が生じてしまいます。部屋の中央部分だけなど部分的に床暖房を設置する際には、つまずいて転倒するのを避けるため、段差解消工事が追加で必要となります。

具体的には段差部分に「見切り材」という部材を設置してなだらかにする対策を取ります。いずれにせよ全く段差をなくすことはできませんので、どうしても段差が気になるなら全面張替えで施工することをおすすめします。

太陽光発電でも問題なく動く?

最近では太陽光パネルを屋根に設置して、使用する電気を発電したり売電したりするお宅も増えてきました。もちろん太陽光発電でも床暖房は問題なく稼働できます。

太陽光パネルは夜間に発電できません。また雨や曇りの日は発電量が低くなり、太陽光発電だけで使用電力すべてを賄うことは不可能です。
もともと太陽光発電には電気を蓄える機能はありませんので、他の家庭のように電力会社と契約して電力を購入し、太陽光による発電量が少ない時はそちらから使用する電力を持ってくることになります。

しかし太陽光発電を利用することで毎月のランニングコストが安くなることが期待できます。光熱費の高さがネックとなる床暖房は太陽熱を利用してお湯を沸かしたり、太陽が出ている日中の使用量を多くすることで、より電気代を削減できます。

床暖房リフォームはDIYで出来る?

床暖房メーカーでは、業者に依頼しなくても自分で設置できる床暖房のDIYパックを販売しています。価格は6畳で15万円~10畳では23万円ほど。
ただし電動工具やCUプレス機といった専用工具を購入もしくはレンタルする必要があります。さらに熱源機は別途準備しなければなりません。

また施工がスムーズにいかないとその期間はずっと部屋が使えなくなります。場合によっては想定外の事態が発生する場合も考えられますので、よっぽどDIYの腕に自信がある方以外はおすすめめできません。

通常のフローリング張り替え工事と比べても、床暖房工事は専門の知識や複雑な配管工事が必要となります。床暖房工事の経験が豊富なリフォーム業者に依頼した方が施工のトラブルが起きず仕上がりもキレイになるでしょう。

床暖房リフォームは施工方法や床暖房の種類によって工事費用が変わります。エアコンや他の暖房器具と比べると費用はかかりますが、足元から暖めてくれ空気が汚れることもないので寒い時期でも健康的かつ快適に過ごせます。

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記事監修

宇津木 和子(一級建築士、インテリアコーディネーター)

一級建築士、インテリアコーディネーター、カラーコーディネーターの有資格者。家族一人ひとりの生活時間や動線を考え抜き、細部まで暮らしやすさにこだわったプランを提案する。「人の暮らしは十人十色。ありきたりの間取りに自分を合わせるのではなく、自分のライフスタイルに合わせた間取りを。リノベーションで”自分らしく楽しく暮らせる家”を目指していきましょう」

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