新築VS中古、マンション買うならどっち?費用・メリデメを比較

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新築or中古

かつては「マイホーム=新築」と考えられていた時代もありましたが、価値観の多様化や価格相場といった要因から、中古マンションが人気を集める時代になりました。

少子化の影響により空き家の増加も社会問題となっているいま、政府も中古市場の活性化に向けた策を打ち出しており、中古を選ばれる方にとっては追い風が吹いている状況です。

しかし「建物の老朽化や、設備の古さが心配……」という方もいらっしゃるでしょう。

中古はいつまで住み続けられるのか不安、昔の仕様だから住みにくそう、やっぱり無理をしても新築の方が良いのでは?――そんな迷いを抱くあなたに。

新築vs中古、永遠の問いともいうべき問題にズバリお答えします。

2018年11月3日初出→2023年1月11日

費用で比較~コスパがいいのは新築? 中古?

購入時にかかるお金や継続的にかかるお金など、長期的な視点でみたとき、新築と中古どちらの方がよいのか?と考える方も多いはず。それぞれの違いを、比較しながらみていきましょう。

物件価格はどれくらい違う?

東日本不動産流通機構のデータによると、2020年度の中古マンションの平均成約価格は3,599万円。面積は63.9㎡となっていますから、平米単価にすると56.3万円です。

一方、不動産経済研究所が発表した2020年の新築マンションの平均価格は6,084万円。こちらは平米単価がデータ化されており、92.6万円ということでした。

したがって同じ広さのマンションに置き換えて計算すると、中古物件は新築物件より4割ほど安く購入できることになります。

中古マンションを購入しそのまま住む人もいますが、リノベーションやリフォームを前提に購入する人が多いです。
リノベーションをする場合、築年数や改修の程度によりますが、一般的に600万円から1,200万円程度の費用が掛かります。

したがって、中古マンションを購入してリノベーションやリフォームをした方が、総費用は安く上がるということになります。
しかも、自分のライフスタイルや好みに合ったマイホームを作ることができるのです。

諸費用・税金はどっちが高い?

新築マンションと中古マンションでは、固定資産税等(日割り)を含めた諸費用や税金の面でかかる費用が異なります。
一般的には新築マンションの場合には購入価格の3%~5%程度、中古マンションでは7%~10%程度と言われます。

それでは、新築マンションと中古マンションの諸費用と税金について一覧表にして比べてみましょう。

  新築マンション 中古マンション
仲介手数料 通常、所有者が直接販売するので不要。 不動産会社を通して販売されるので仲介手数料が発生する。
法定金額は物件価格の3%+6万円(+消費税)。3,500万円のマンションの場合122万円程度。
修繕積立金 大規模修繕に備えて共用部分にかかる費用。管理組合を通して積み立てる。
10,000円程度/1ヵ月が相場。
築年数が古くなると高くなる傾向。
築10年では15,000円程度/月。
管理費 日常の共用部分の管理に必要な費用。管理会社に支払う。
15,000円程度/月が相場。
同左。新築・中古の差はなし。
15,000円程度/月が相場。
住宅ローン控除 ローン残高の0.7%が13年間にわたり控除される。 ローン残高の0.7%が10年間にわたり控除される。100万円以上のリフォーム工事費用にも適用される。ただし次の要件を満たす必要あり。
・耐震基準を満たしていること
・ローン期間が10年以上あること
不動産取得税 建物:評価額×軽減税率3%。
ただし50㎡~240㎡の住宅であれば評価額が1,200万円控除される。その結果0円となる場合もある。

土地:(評価額×1/2)×軽減税率3%。
ただし土地取得から3年以内に建物を新築すれば ①45,000円 ②1㎡あたり評価額の1/2×占有面積の2倍(最大200㎡)×3% の内いずれか多いほうの金額が控除される。その結果0円となる場合もある。

建物:計算式は同左。
控除の要件と控除額が新築と異なり、新耐震基準の物件は建築年月に応じて100万円~1,200万円が控除される。
旧耐震の物件は控除は適用されないが、そもそもの評価額が築年数に応じて下落していく。

土地:計算式は同左。 控除の要件が新築と異なり、土地取得から1年以内にその土地上の建物を取得すれば ①45,000円 ②1㎡あたり評価額の1/2×占有面積の2倍(最大200㎡)×3% の内いずれか多いほうの金額が控除される。

固定資産税 建物:評価額×標準税率1.4%。
ただし新築マンションの場合、新築から5年間は特例が適用され、120㎡迄の部分は1/2に減額となる。

土地:評価額×標準税率1.4%。
ただし住宅用地の場合、特例が適用され、200㎡迄は1/6に減額、200㎡超の部分は1/3に減額。

建物:計算式は同左。中古の場合税額が軽減される特例はないが、そもそもの評価額が築年数に応じて下落していく。

土地:同左。新築・中古の差はなし。

都市計画税 建物:評価額×制限税率0.3%。

土地:評価額×制限税率0.3%。
ただし住宅用地の場合特例が適用され、200㎡迄は1/3に減額、200㎡超の部分は2/3に減額。

同左。新築・中古の差はなし。
登録免許税 建物の所有権保存登記:評価額×税率0.15%(マイホームの軽減特例適用)。

土地の所有権移転登記:評価額×税率1.5%(期限付き軽減税率適用)。

建物の所有権移転登記:評価額 × 税率0.3%(マイホームの軽減特例適用)。

土地の所有権移転登記:評価額×税率1.5%(期限付き軽減税率適用)。

住宅ローン減税はどっちも使える?

住宅ローン減税の利用要件をみてみると、中古住宅の場合は「耐震性能を有していること」という条件が追加されています。
購入時に築25年以内であるか、もしくは築25年以上であっても「耐震基準適合証明書」を取得したり「既存住宅売買瑕疵保険」に加入している場合に、住宅ローン控除を利用することが可能ということです。

耐震基準適合証明書の取得は、新耐震基準のマンションであれば比較的容易です。

旧耐震基準のマンションの場合には、耐震診断をおこない耐震基準を満たしていると確認された物件や、耐震補強がされ新耐震なみの耐震性能をもっていると認められたマンションに発行されます。

資産価値で比較~将来高く売れやすいのは新築? 中古?

マンションの資産価値を決める最も大きな要因は、なんといっても立地です。
人気の高いエリアはすでに街が形成され、マンションを新たに建設する空き地がないことがほとんどです。

新築マンションは、住宅が新しいことが価値であるという面が強いです。
立地条件の良くない場所に建設された場合、急激に価格が下落することがあります。

一方中古マンションは、立地の面で新築にくらべ有利です。
土地が潤沢にあった時代に建設されているため、立地のよい物件が多く、建設して10年以上経つのに全く価格が落ちないという例も珍しくありません。

またマンションは築20年までは一定の率で下落し、それ以降は価格が下がりにくくなるといわれます。
それは、建物は古くなると劣化しますが、土地の価格は下落しないという理由によるもの。
したがってよい立地にある中古マンションの資産価値は、安定して高いといえるでしょう。

新築マンションのメリット・デメリット、物件選びのポイント

ここからは、新築・中古それぞれのメリット・デメリットを一つずつ見ていきましょう。
まずは新築から。購入する際の注意点も合わせてご紹介します。

新築マンションのメリット

    • 外観・内装が新しくてキレイ
    • 10年保証が付いている

新築マンションのデメリット

    • 価格が高い
    • 管理状態が未知数なため不安が多い

メリット①外観・内装が新しくてキレイ

新築はなんといっても、外観や内装が新品でキレイというメリットがあります。
キッチンの設備や、カギの複製が困難な玄関ドアなど、セキュリティ面を含めた住宅設備機器も最新であることが最大の魅力でしょう。

建物の耐震性も、現行の建築基準に基いて建てられているため安心感もあります。

メリット②10年保証が付いている

建物の基礎や外壁といった構造耐力上において主要な部分や、雨水の侵入を防止する部分について、品確法または住宅瑕疵担保履行法という10年間の保証がついていることも新築のメリットといえるでしょう。

万が一、入居後に瑕疵(欠陥)が見つかった場合には、無料で補修等の対応を受けることができます。

デメリット①価格が高い

一般的に新築マンションは、中古物件よりも価格が高いことがほとんどです。

新築の場合、売主である不動産会社の事業利益・広告宣伝費・人件費などのコストが価格に上乗せされるため、中古よりも割高になっている可能性があります。

デメリット②管理状態が未知数なため不安が多い

新築マンションを購入する際、完成した状態で販売されることは稀です。
そのため、モデルルームだけを見て購入することになるので「実物を見てから購入できない」というデメリットも。

また、中古と違って、どんな人が入居しているか・どのようなコミュニティが形成されているか・どのように維持管理されていくのか……といった、購入の時点ではまだ分からないことが多いという不安もあります。

内見でのチェックポイント

新築マンションを購入する場合には、修繕などは考えずほとんどの人はそのまま入居します。したがって新築での内見では、モデルルームや図面との違いがないか・室内の傷がないか・設備等に瑕疵がないかなど現状を確認します。

新築マンションの主なチェックポイントは次の通りです。

新築マンションチェックポイント

  • 間取り
  • 床の水平制度・壁垂直精度
  • 設備の設置状況
  • 調度品などの取り付け具合
  • 建具や水栓などの動作
  • 水給排水設備などから水漏
  • 換気扇などの動作
  • 室内の傷や汚れ

中古マンションのメリット・デメリット、物件選びのポイント

続いて中古マンションのメリット・デメリットを見ていきましょう。
あえて中古を選ぶメリットは無いと思いこんでいる方も少なくありませんが、価格、立地、そして管理の面でも有利さがあります。

中古マンションのメリット

    • 価格がリーズナブル
    • 立地の良い物件が豊富
    • 実物を見て購入を決められる

中古マンションのデメリット

    • 間取りが現代のライフスタイルにそぐわない
    • 防音性能や断熱性能に劣る

メリット①価格がリーズナブル

中古には、購入の決め手ともなる「価格が安い」というメリットがあります。
新築に比べて物件自体の価格が安い分、予算をリフォームやリノベーションにまわして、理想の家をつくることも可能です。

また、物件における購入時の価値が極端に下がることも少ないため、将来もし売却することになったときも損が出にくく、資産性の安定も大きなメリットといえます。

メリット②立地の良い物件が豊富

都心部にアクセスのよいエリアや駅から近い場所は、すでに住宅や商業施設で埋まっており、新築を建てられる余地がほとんどありません。

そのため立地を重視するなら、新築よりも中古の方が選択肢が多いのです。
日当たりや風通しが良好である、という条件がそろっている物件も中古物件には多くあります。

メリット③実物を見て購入を決められる

建物の現況はもちろん、住民のコミュニティ・管理の実態・周辺の治安もすべて確認することができます。
様々な条件に納得したうえで購入することができるのは、この先そこに住むうえで大きな安心につながります。

デメリット①間取りが現代のライフスタイルにそぐわない

中には一昔前のライフスタイルに合わせた間取りになっている中古マンションもあります。
暮らしづらい間取りや、古くなった設備機器が気になる……という方は、リフォームやリノベーションで変更することも検討してみましょう。

ただし、中には構造上壊すことのできない壁が存在したり、マンションの規約によってはできないリノベーションもあります。まずは、不動産会社かリノベーション会社に確認しましょう。

デメリット②防音性能や断熱性能に劣る

物件によっては老朽化が進んでいるおそれがあるので、注意が必要です。

内壁の防音性能や断熱性能はリノベーションで解決することが可能です。

内見でのチェックポイント

中古マンションは買ってそのまま住む人もいますが、リフォームやリノベーションを前提として購入する場合も多いですね。
この場合、内装や外装・設備の傷みはあまり問題になりません。
環境や共有部分など、リフォームやリノベーションによって変えられないところを確認することが重要です。

中古マンションでチェックすべきポイントは次の通りです。

中古マンションチェックポイント

  • 日当たりや風通し
  • 駅までの距離などの立地
  • 眺望の良さ
  • 周辺の環境
  • どんな人がマンションに住んでいるか
  • 大規模修繕の履歴
  • 共用部分の管理が行き届いているか
  • 管理組合がきちんと運営されているか
  • 管理費・修繕積立金の状況
  • 駐車スペースの数、サイズ
  • 床の種類(直床か2重床か)、梁の高さ、ダクトの方向(←キッチンを移動したい場合確認必要)

本当に価値あるマンションの選び方とは?

かつては「新築信仰」といわれたほど、マイホームといえば新築を買うことが常識でした。
しかし、実際は新築でなければ得られないものは多くありません。
資産性や立地、管理状態を重視するなら、むしろ中古を選ぶ方がメリットが大きいといえるでしょう。

反対に、新築の方がマッチするのは「新しいまっさらの家に住みたい」「10年保証があるとやっぱり安心」という方。
この2点について「販売価格が高いだけの価値はある」という考えをもつかどうかです。

新築・中古に関係なく、住まい選びは多角的な視点が必要です。

近年は中古を選ぶ人が増加中

資産性・立地・管理状態……自分のライフスタイルにマッチする物件を選ぶためには、はじめから新築に限定してしまうのではなく、中古も選択肢の一つとして検討することをおすすめします。

新築のような10年保証も、中古住宅にないわけではありません。
「既存住宅売買瑕疵保険」といって、新築の保証と同様に、建物の基礎や外壁といった構造耐力上における主要な部分や、雨水の侵入を防止する部分に、もし瑕疵が見つかった場合は、無料で補修等の対応が受けられる保険があります。
ただし保険期間は新築より短く、1~5年。また保険に加入するためには、耐震性など一定の要件をクリアした物件でなくてはいけないため、確認が必要です。

「新しいキレイな家に住みたい」という希望も、リノベーションによって中古でも実現可能です。
新築は新しくはあっても既成の部屋から選ぶ形になりますが、中古を買ってリノベーションは、自分の好きなデザインや間取りを自由に取り入れることができます。

コスト面においても、新築価格が高騰しているいま、リノベーション費用を上乗せしても中古のほうが割安です。
また長期的に見た場合、中古のほうが資産価値としての安定性もあります。

住まいという大きな買い物。新築にこだわる理由や事情がとくべつ無い場合には、ぜひ中古物件も視野に入れてみてください。

住宅リノベーションのひかリノベでは、物件探しからリノベーション、資金計画までワンストップでお住まいづくりをサポートいたします。
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記事監修

櫨元 宏(宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー)

宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザーの有資格者。中古リノベから注文住宅まで、13年間におよぶ建築業界での営業経験をもつ。プライベートでは料理をこよなく愛する一面も(クックパッドにてレシピ公開中!)「食と住は生活の“根っこ”だと思います。キッチンへのこだわりを口にされるお客様は非常に多いです。一方で水廻りのリフォームは、物件によって制約も生じやすい部分。知識と経験をもとに『リノベ向き物件』をご紹介します」<

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