我が家のシンボルとなる庭木、「シンボルツリー」。
家や庭の外観を見栄えよく見せる効果があるのはもちろんのこと、プライバシー保護や日差しをよける効果も期待できます。
この記事では、シンボルツリーのメリットと、おすすめの樹種をご紹介。
庭にシンボルツリーを植えたい方、庭づくりに迷われている方は、ぜひ参考になさってくださいね。
目次
「シンボルツリー」とは
シンボルツリーとはその名前の通り、住宅や建築物、庭や庭園を象徴する背の高い樹木のことです。
家の庭にシンボルツリーを植えれば、住まいの象徴として家族を見守る存在になるでしょう。
最近では新築祝いや家族の誕生など、お祝い事の記念樹として植えられることも多くあります。
もちろん記念樹である必要はなく、いつ植えてもいいもの。シンボルツリーには特に決まったルールはありません。
とはいえシンボルツリーは、お庭のシンボルとなる存在。一年草とは違い、一度庭に植えると長いお付き合いになる樹木です。住んでいる地域や庭の立地、日の当たり具合やお手入れのしやすさなどによって選ぶといいでしょう。
シンボルツリーに適した樹木には、一年中緑が見られる常緑樹か紅葉が楽しめる落葉樹か、一本立ちか株立ちかなど、さまざまな種類の違いがあります。
建物の外観の色や、庭のテイストに合うシンボルツリーを選ぶのも重要です。
シンボルツリーを植えるメリット
シンボルツリーを植えるメリットは、主にこちらで紹介する3点です。
お庭をより魅力的に見せたい、機能性を高めたいという方は、ぜひ取り入れてみましょう。
外観のポイントになる
シンボルツリーは、建物の外観のポイントになり、庭全体の雰囲気に統一感を持たせるのに役立ちます。
庭をデザインするときは、「どこに視線を集めるか」というフォーカルポイント(focal point)が重要に。
シンボルツリーはまさに、庭のフォーカルポイントとしての役割があります。シンボルなる樹木が庭にあることで、建物をより美しく見せる効果が期待できるでしょう。
またその庭を起点として、周囲に自然が美しい景観をつくれるという利点も。
フォーカルポイントになるシンボルツリーを植えることは、庭をデザインする上でとても重要です。庭の魅力を象徴するまさに「シンボル」となる樹木を、ぜひ植えてみましょう。
プライバシーや防犯性の確保
シンボルツリーは外からの視線を遮り、住む人のプライバシーを守る効果が期待できます。とくに玄関先やアプローチに植えることで、住宅につながる道路からの目隠しになり、敷地内や住宅内部を外から見えにくくできます。
住宅を建てる場合、建築基準法に則って敷地が道路に接する必要があります。
門や塀がない住宅の場合は、道路から敷地内や住宅内部が丸見えになる恐れも。そのままにしておくとプライバシーが確保できなかったり、防犯性が低くなってしまいます。
そのようなときに庭にシンボルツリーを植え、道路からの目隠しにできるという訳です。
日差し・風を遮ってくれる
シンボルツリーは夏の暑い日差しや、強い風を遮ってくれる効果も期待できます。葉が生い茂る樹木の種類を選べば、天然の日傘やカーテン代わりに。住宅内に降り注ぐ日差しの量を軽減できます。
また強い風が起きやすい地域に住んでいる場合は、防風効果もあるのがメリットです。
さらに、耐火性の高い樹木をシンボルツリーに選ぶことで、火災の延焼予防に役立つ効果も。住宅の周辺で火災が発生したときなどは、住んでいる家にまで火が燃え移ることを防いでくれるでしょう。
ただし台風時期や暴風時には、倒木や枝が折れる危険が。季節ごとの適切な剪定を行うようにしましょう。
シンボルツリーにおすすめの樹種
こちらでは、シンボルツリーにおすすめの樹木を7種類紹介します。シンボルツリーを選ぶときの参考にしましょう。
シマトネリコ
シマトネリコは、シンボルツリーとしても人気の常緑高木です。一年を通して、美しい小さな葉が規則的に並ぶ羽状複葉が茂り、涼し気でさわやかな印象を庭にもたらしてくれます。
幾本かの株立ちにすることで、ふんわりとした樹形をつくれます。洋風の庭はもちろん、和風の庭にも良くなじみ、スモールガーデンにもおすすめ。
元々暖かい地方が原産の種類なので、放置すると数十メートル以上に成長することも。美しい樹形を保つには、定期的な剪定が欠かせません。
ある程度の耐寒性や耐陰性もあるので、最低気温がマイナス3度以上の地域や、日陰ができやすい環境で地植えも可能です。
常緑ヤマボウシ(ホンコンエンシス)
一年中つやつやとした鮮やかな緑の葉が茂り、初夏の可憐な白い花、秋に取れる赤く熟した実など、常緑ヤマボウシは庭のシンボルツリーとしておすすめの常緑高木です。
初夏(6月ごろ)になると、木の全体を覆いつくすように白い花が咲きます。
9月~10月にかけては、球形でツブツブとした突起のある赤い実をつけます。赤く熟した実は生食やジャムとして楽しむこともできます。
いわゆるヤマボウシは落葉樹となりますが、常緑ヤマボウシはより耐寒性が高い品種で、関東以西では冬でも葉を落としません。
比較的日当たりがよく、程よい湿気のある土を好みます。乾燥の激しい場所では枯れやすくなるため、植え付ける場所や用土の調合に注意が必要です。
オリーブ
オリーブオイルやピクルスなど、食用のイメージがあるオリーブですが、実は観葉植物としてもおすすめの常緑高木です。
濃緑色の細長い楕円形の葉はどことなく涼し気で、葉の裏側が白っぽくなっているため日差しを受けて銀色にきらきらと輝きます。
目隠しとして植えるには葉の密度がそれほどないいですが、あまり高さが出ず樹形が美しいのでコンパクトなお庭のシンボルツリーにピッタリ。
強い日差しや乾燥にも強く虫がつきにくいため、初心者でも育てやすく、丈夫である点も魅力。
開花時期が近い異なる品種を2種以上近くに植えると、結実しやすいでしょう。採れた実は塩漬けやマリネなどにして食べられます。
モクレン
モクレンは中国から薬用として持ち込まれ、平安中期にはすでに日本にあった、大変なじみ深い歴史の古い樹木です。
マグノリアともいい、春に紫色の花を咲かせる「シモクレン」や、白色の花をつける「ハクモクレン」などの種類があります。
春になると大きな卵型のつぼみを樹冠いっぱいにつけ、花が上向きに咲くと、甘く上品な香りが周囲に漂います。
樹高はあまり高くならないものの、横枝が張るので、周囲3mほどのスペースを確保できる場所に植えましょう。
成長スピードが速いので定期的な剪定が欠かせませんが、寒さや暑さにも強いので、ガーデニング初心者でも比較的育てやすい樹種です。
アカシア
ふわふわして丸い小さな黄色い花をたくさんつけるアカシアは、「ミモザ」と呼ばれることもありますが、正式名称は「○○アカシア」となっています。シルバーがかった葉と、春から秋にかけて咲くオレンジや黄色の花が魅力の、日本でも人気の庭木です。
オーストラリアやアフリカなど温かい地域が原産なので、日当たりがよく水はけのよい場所で乾燥気味で育てるようにしましょう。
大きくなりすぎると困る場合は、開花後1~2カ月をめどに剪定するのがコツ。剪定した枝は、花瓶や給水スポンジなどを利用して飾ると無駄になりません。
こまめに剪定ができないという場合は、あまり大きくなりにくい低木種のアカシアを植えるといいでしょう。
ユーカリ
ユーカリは、オーストラリアをはじめとする南半球原産の常緑高木です。
一口にユーカリといってもその種類は何百もあり、葉の形が異なります。庭の雰囲気や他の庭木とのバランスを考えて選ぶといいでしょう。
またユーカリにはレモンやシトラスのような香りがする種類もあります。そうした葉の香りによって選ぶのもおすすめ。
温暖な地域が原産の樹種なので、成長が速く、形よく育てるには適切な方法による剪定の必要があります。植える場所はある程度スペースを確保し、風通しの良い場所に植えてあげましょう。
インディビサ
コルディリネ・インディビザは、赤茶色の細長い葉が特徴の庭木です。中心の成長点から放射状にシャープな葉を伸ばし、さわやかな樹形をしています。グリーンが多い庭のアクセントやドライガーデンにもおすすめですが、シンボルツリーとしてしても人気の品種。
他にグリーンのインディビザや、クリーム色の斑が入ったダズラーなどの種類があります。
ニュージーランド原産の観葉植物ですが、冬の寒さにも比較的強いので、関東以西では戸外で越冬も可能です。
成長が非常に遅く、剪定は特に必要ないものの、外側の古い葉を切り落とした方が見た目をきれいに保てます。
まとめ
シンボルツリーとはその言葉通り、庭や家のシンボルとなる庭木のこと。外観のポイントになるだけでなく、プライバシーや防犯の確保、日差しや強風を遮ってくれるといったメリットも。
シンボルツリーを選ぶ際は、住宅の外観や庭のテイストに合う樹種を見つけましょう。
どのような種類が自宅のシンボルツリーにピッタリか分からない、自分の好きな樹種が見つけられないという方は、植物のプロに相談するのがおすすめです。
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