住宅ローンの団信に三大疾病保障はつけるべき?

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住宅ローンの返済は、最長で35年と長期間にわたります。返済中、思いもよらぬ病気やけがで、働けなくなってしまうこともあるかもしれません。

ローンを組むときは、万が一に備えて団体信用生命保険(以下、団信)に加入しなくてはなりませんが、団信がカバーしてくれるのは死亡、または高度障害状態だけ。
病気で働くことができない状態になっても、団信では保障してくれないのが一般的です。

しかし、高齢化に伴いがんや脳・心臓の疾病が増加する中、病気が原因で収入がなくなったときの備えとして、がん保障や三大疾病、八大疾病保障などの特約を、住宅ローンにつける人も増えています。
保障付きのローンにすべきか、選ぶとすればどれがいいのか――今回は、迷える方々のために、保険付きローンのいろはをお伝えしましょう。

2018/3/2初出→2020/3/2更新

「三大疾病」「八大疾病」とは?

がんや三大疾病、八大疾病の保障は、団信に付帯できる特約のこと。保障対象の病気になったり、病気が原因で働けなくなった場合に保険金が下り、住宅ローンの残債が完済される仕組みです。

がん保障はその名の通り、がん(悪性新生物)になった場合が対象ですが、三大疾病や八大疾病は、名前だけではわかりにくいですよね。具体的には、次の病気が該当します。

三大疾病

がん、急性心筋梗塞、脳卒中

八大疾病

がん、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病、高血圧症、肝硬変、慢性腎不全、慢性膵炎

健康リスクは年齢とともに上昇

今や、日本人の2人に1人はがんになると言われています。
医療も進歩していますが、国立がん研究センターによると統計上、男性の25%、女性の15%ががんで亡くなっています。

がんにかかるリスク、がんで亡くなるリスクは、歳を重ねるほど高くなります。50歳を超えると、がんの罹患率はぐっと高まり、60歳以上になるとなくなる方の割合は高まる一方です。

出典:国立がん研究センター「最新がん統計」
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html

また、脳や心臓疾患も同様に、高齢になるほど罹患率は高まります。今は元気でも、将来そうした病気にかかる可能性は、誰もが等しく持っているのです。

適用される条件は?

保障付きのローンは、病気になったら無条件でもらえるものではありません。保険金が支払われる条件というものがあります。

三大疾病保障の場合、以下の状況になった場合、住宅ローンの残債が0円になります。

がん

医師によってがん(上皮内がんや、悪性黒色腫以外の皮膚がんは除く)だと診断された場合

急性心筋梗塞

発病によって、初診日から60日間以上労働が制限された場合

脳卒中

発病によって、初診日から60日以上後遺症(まひ、言語障害など)が残った場合

上記3つのうちがん以外は、60日間以上仕事ができない、症状が続くか、がポイント。また、心筋梗塞や脳卒中は、入院や手術を適用条件に含める銀行もあります。

八大疾病保障で、三大疾病以外の病気(糖尿病、高血圧症、肝硬変、慢性腎不全、慢性膵炎)は、病状によって保障内容も変わります。

  • 1カ月間、労働が制限される状態:最長12カ月間、毎月の返済を肩代わりする
  • 13カ月以上、労働が制限される状態:住宅ローンの残債が0円になる

どの病気も、保険期間内でないと保障の対象にはなりません(開始前に発症していると、開始後に症状が現れても保障が受けられない)。
さらに、がんの場合、保障開始から90日間は免責期間となるため、開始90日以内にがんと診断されても対象外になります。

保険会社や商品によって条件は異なるので、契約時には保障内容とあわせて確認、内容を把握しておくことを忘れずに。

また、特約をつけると、告知や審査は通常の団信より厳しくなる傾向があります。一定額以上の借入には健康診断書の提出が必要だったり、がんになったことがある人はNG、という金融機関も。

上乗せになる金利はどれくらい?

特約をつけると保障の範囲が広くなるので、当然ながら保険料もアップします。

通常の団信は、銀行が保険料の支払いを負担するか、金利に含むのが一般的ですが、特約付きは保険料を金利に上乗せすることが多いです。
上乗せ分は、銀行によって多少の違いがありますが、がん保障で0.1~0.2%、三大疾病保障で0.2~0.3%、八大疾病保障では0.3~0.4%といったところが多いです。

特約をつけると、金額にしてどれくらい返済額が増えるのでしょうか。
35年間の固定金利で借入金額は3000万円、金利は1.280%(フラット35の2020年2月適用金利)。元利均等でボーナス払いなしとします。

通常の団信に加入した場合、総返済額は3724万円で、月々の返済額にして8万9000円となります。
これに、三大疾病保障の特約を0.3%上乗せしてつけたとすると、総返済額は約200万円プラスの3908万円。月の返済額も5000円アップの9万4000円です。

生命保険・医療保険を見直そう

特約付きの住宅ローンを利用するなら、生命保険や医療保険の見直しも一緒に行いたいものです。

生命保険・医療保険とローンの特約、保障内容が被ってしまうこともあり得ます。
一般的な団信の保障(死亡または高度障害状態)プラス特約の保障内容と、加入している生命保険・医療保険の保障内容をよく比較してみましょう。

被っていたらだめ、というわけではなく、団信はローンを完済すれば保障期間も終わりますが、終身型の保険に入っていれば、ローン完済後も保障が受けられます。
生涯にわたる保障が欲しいなら、終身型保険の契約は継続するというのも「あり」です。

一方で、三大疾病・八大疾病以外の病気やけがの場合に、ローンの返済をどうするかも考えておきたいものです。通常の医療保険は治療費を賄うためのものなので、ローンの返済まで考えるとちょっと金額が足りません。
仕事ができなくなった場合、生活費を補填するための保険(所得補償保険、就業不能保険)に加入するなどの対策を取っておくと安心です。

特約をつける・つけない、どう判断する?

疾病保障付き住宅ローンは、将来のリスクヘッジとしては有効ではあるのですが、金利が上乗せされるので、どうしても返済の負担が大きくなってしまいます。
借入額が大きかったり、返済期間が長い人は、特に負担が増えます。特約は途中解約できないので、特約を付けても無理なく返済していけるかどうか、加入時に見極めなくてはなりません。

特約で保障される疾病は、60~65歳を超えると罹患率が上昇し、入院の期間なども長くなっていきます。つまり、特約がその効果を発揮するのは、60歳を過ぎてから、といってもいいでしょう。
65歳ぐらいまでに完済できる返済計画を立てているなら、特約よりも、民間の保険に加入して、住宅ローンは団信、生活費は医療保険で、という方が、トータルでお得という可能性もあります。

逆に、65歳を超えてもある程度残債があることが見込まれる人は、疾病保障付きの住宅ローンを検討してみてもいいかもしれません。

若くても病気にかかるリスクはありますし、がんになりやすい体質などは遺伝する可能性もあると言われているので、自分が病気になるリスクと、返済の負担増を天秤にかけ、ご自身が納得できる選択肢を選びましょう。


【記事監修】尾高 等(ひかリノベ両国コーディネーター)

住宅ローンアドバイザー。住宅購入が目的ではなく、その後も続く人生のファイナンシャルプランを、長期的な視点から提案する。「かつては頭金が2割ないと住宅購入は難しく、多額の現金投資をしなければ理想の住まいはつくれませんでした。しかし歴史的な低金利や、100%融資も可能となった現在、マイホーム購入のあり方は多様化しています。新築、中古、マンション、戸建、いろいろな住居の選択肢がある中から本当に満足できる空間とは何なのか。一緒に探していきましょう。」


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