フリーランスでも住宅ローンは組める!審査のポイントを解説

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フリーランスや自営業・個人事業主の方が住宅購入を考えた時、真っ先に気になるのは「ローンが組めるか」ではないでしょうか。

会社員のように収入が一定とは限らない自営業者は「住宅ローンの審査に通りにくい」とはよく言われること。

本当に自営業は住宅ローン審査で不利なのでしょうか。この記事では、自営業者が住宅ローンを利用するにあたり、審査をクリアするために大切なポイント、金融機関の選び方について解説します。
新規の借り入れだけではなく、借り換えでも基本は同じ。ぜひご一読ください。

2017年11月30日初出→2023年1月11日 更新

フリーランス(自営業・個人事業主)でも住宅ローンは組める

会社員の場合、その会社に勤めている限りは毎月給与が支払われます。
一方でフリーランスや個人でお店を経営している自営業者(個人事業主)の場合、業績の変化が個人の所得にダイレクトに影響します。また、景気動向や、けがや病気による休業によって、収入が減ってしまうリスクも。

そのため、銀行は、自営業者の収入の安定性や返済能力を審査するにあたり、会社員とは異なる独自の基準を設けています。

この点をよく理解せず、会社員と同様に考えてしまうと、「自営業者はローンが組みにくい」というイメージが先行してしまうのです。
しかし実際は、自営業向けの審査基準をきちんと満たせば、問題なく融資を受けることができます。

フリーランスの場合の審査のポイント

自営業は住宅ローンが組みにくい、といわれる一方で、「フリーランスだけど家を買った」なんて話はたくさんありますよね。

住宅ローンを組むとき、会社員であれば現在の年収や勤続年数などをもとに審査が行われます。
審査を受けて、クリアすればローンを組めるのは、自営業でも同じ。

しかし、会社員と同じ基準で審査されるわけではありません。
自営業者向けの審査基準があって、複数年分の業績や、事業資金の借入額などの要素から、返済能力を判断します。返済期間や金利について、会社員と異なる条件を課す銀行もあるようです。

提出書類も、会社員なら前年度の源泉徴収票ぐらいでOKなのに対し、自営業者は確定申告書や決算書、納税証明書など、複数の書類を求められます

フリーランスの住宅ローン審査のポイント

  • 収入の安定性~3年分の確定申告書を提出
  • 個人信用情報~税金や保険料、借入返済の滞納はNG
  • 事業割合~オフィス兼住居は「住居部分の広さ」に注意

『収入の安定性』3年分の確定申告書を提出

審査において、収入が最も重要なのはいうまでもありませんが、自営業者の場合、銀行が見るのは「所得」です。

自営業は自分の資金から、事業に必要な経費を捻出するので、かかった経費を、収入から差し引いた額があなたの所得となります。収入イコール所得、とはなりません。
節税のため、経費に計上する科目を多くしている方は要注意です。売上が大きくても、経費が多く所得が少なければ、審査ではマイナス要因となります。
借入可能な額が減ったり、金利の面で不利になる可能性も。

自営業者の所得は、確定申告書でチェックされますが、たいていの銀行では直近3年分の申告書を提出することになります。
(※銀行によっては2期ないし1期でOKという場合もあります。また医師や弁護士といった特殊な国家資格者は、1年でも利益が出ていれば申込可能という場合も)

確定申告書(国税庁HPより)。赤線で囲った部分が「所得」です

確定申告書(国税庁HPより)。赤線で囲った部分が「所得」です

銀行は3年分の所得の平均か、最も低い年から、融資の可否や融資金額を判断します。3期連続で黒字であることが条件の一つで、1年でも赤字の年があると、審査を通らないケースもあるようです。

事業を法人化した経営者の方は、3期分の決算書も求められます。決算内容が悪いと、審査ではマイナス要因になってしまいます。

当然、3年は事業を続けていないと、審査は受けられないことがほとんどです。
法人化した場合は、法人格になってから3年経過していることが必要。個人事業主のときと通算はできないので気を付けましょう。

『個人信用情報』税金や保険料、借入返済の滞納はNG

自営業者は、税金、健康保険や年金も、自分で手続きをして納付しなくてはなりません。
時折、納付するのを忘れてしまったという方も見かけますが、これは審査において大きなマイナスです。

ほとんどの銀行は、審査時に納税証明書の提出を求めます(確定申告書と同様、直近3期分が必要なケースが一般的)。
税金の未納があると、まず審査は通りません。もし滞納しているのなら、必ず納付してから証明書を発行してもらうようにしましょう。
保険料、年金の未納も、審査に通りにくくなる要因になります。
過去に滞納したことがある人は、信用情報機関に自分の信用情報をネットか郵送で取り寄せて確認してみましょう。

また、事業資金を借り入れている方も、過去に返済の滞納履歴があると信用情報にキズがついてしまって、住宅ローンが組みにくくなります。
クレジットカードの支払いやその他のローン(マイカーローンなど)の返済も、信用情報に関わるので、返済には十分な注意を払いましょう。

なお、異動(3カ月以上の滞納)の記録は、支払い後5年で抹消されます。永遠に残るものではないのでご安心を。
個人信用情報は、CICJICCJBAなどの情報機関で確認が可能です。不安な方は一度チェックしてみてはいかがでしょうか。

『事業割合』オフィス兼住居は「住居部分の広さ」に注意

自宅の一部を事務所や店舗にしたい――そうお考えの方もいらっしゃるでしょう。

ですが、住宅ローンはあくまで住居(人の居住用)を購入するためのもの。事業目的の借り入れは、原則として不可です。

最近では、フラット35をはじめとして、店舗・事務所兼住宅への融資もOKとするローンも増えています。
この場合、住居部分が店舗や事務所より大きいことが条件となっています。
一室を仕事部屋にする程度なら問題ありませんが、店舗をつくる場合などは気を付けたいところです。

住宅ローン減税を受けるにも、「床面積の1/2以上が自己の居住用であること」が条件になるので、住居部分が全体の1/2以上になるようにしましょう。

フリーランスが審査に通りやすい金融機関は?

住宅ローン審査の基準は、金融機関によって異なるので、自営業者が審査に通りそうな金融機関・ローンを選ぶのもポイントです。

自営業者でも利用しやすいローンとしておすすめなのが、住宅金融支援機構の「フラット35です。

確定申告書や決算書は、基本的に直近の1期分だけで大丈夫。つまり会社員と同じく、前年度の所得だけで審査されるので、開業してから3年未満でもローンを組むことができるのです。
審査金利も低めですし、事業用の借り入れが、返済負担率の計算からは除外されるのも特徴です。そのためビジネスローンを組んでいても、返済負担率(年収に占める年間返済額の割合)の高さから審査を通らない、ということがありません。

ただし、フラット35で融資を受けるには、耐震性などの住宅金融支援機構が定める技術基準に適合した住宅であることが条件になるため、築年数が経過した中古物件では利用できないことも多々あります。

こうした場合は、民間の金融機関のローンを利用することになります。
事業のメインバンクにしている地方銀行、信用金庫があればそこに相談するのも方法ですが、審査基準を緩和してくれたりするわけではないのでご注意を。

その他、ある程度の頭金を用意する、共働き家庭なら収入合算をする(パートナーが会社員であれば特に有利)、といった手段も有効です。

フリーランスも住宅ローン控除は使える?

自営業でも会社員でも、住宅ローンを利用して「住宅」を購入した人は住宅ローン控除の対象となります。控除を利用するには、物件の耐震性など一定の要件を満たす必要がありますが、自営業と会社員で要件に違いはありません。

住宅の一部を事務所や店舗として使用している場合でも、住宅ローン控除の対象となります。
ただしこの場合、建物の床面積の1/2以上を居住用部分で占める必要があります。事業用の部分が1/2以上の場合には、住宅ローンは適用になりません。

床面積の「90%以上」が自宅

自宅部分が90%以上・事業用部分が10%未満の場合には、(床面積のすべてを自宅として利用している場合と同様に)住宅ローン控除は全額適用になります。

しかも、10%未満の事業用部分については、使用割合に応じて経費計上も可能。10%未満の部分は、ダブルで節税できるのでお得、ということです。

経費として計上できる項目

  • 住宅ローンの利息部分(元本部分は不可)
  • 固定資産税
  • 火災保険料
  • 地震保険料
  • 水道や光熱費
  • 電話代
  • 建物の減価償却費

床面積の「50%以上」が自宅

住宅部分が50%以上・事業用部分が50%未満の場合には、住宅部分の割合に応じて住宅ローンが適用できます。
下記条件で住宅ローン控除を計算してみましょう。

・建物面積:150㎡
・居住用部分:120㎡
・事業用部分:30㎡
・借入金残高を3,000万円

住宅部分の対象金額は
3,000万円×120÷150=2,400万円

住宅部分の0.7%が適用になるので初年度の住宅ローン控除は
2,400万円×0.7%=16万8,000円

居住用部分の120㎡については住宅ローンが適用になりますが、事業用の30㎡については適用になりません。

ただし、事業用部分については、使用割合に応じて経費計上とすることができます。
上記の例でいうと、事業用部分は30㎡。30㎡÷150㎡=20%については、経費計上が可能ということ。

自宅部分は床面積の「50%未満」

自宅部分が50%未満で事業用部分が50%以上の場合には、住宅ローンの適用はありません。
ただし経費については、事業割合に応じて計上することが可能です。

控除を受けるか、経費で落とすか

自営業者の中には事業の割合を高くして、より多くの経費を計上した方が節税になるのではないかとお考えの方もいるでしょう。
しかし住宅ローン控除は、税金そのものを減らせる税額控除なので、節税効果が最も大きい制度です。
また住宅ローン控除の適用されない事業用の部分については、使用割合に応じて経費計算も可能。
したがって、一般的には住宅ローン控除の恩恵を受けた方がお得といえるでしょう。

ただし所得税は累進課税なので、所得が増えるとそれにつれて税率は上がります。
例えば195万円の所得ですと5%の税率で済みますが、4,000万円超の所得の場合には45%(+控除額4,796千円の控除額)の税率が課されます。

したがって高額納税者については、前もってどちらが得なのか計算してみる必要はあるでしょう。

まとめ

金融機関が自営業者に融資をするポイントは、継続して安定した収入を得ているかどうかです。
自営業者は住宅ローンの審査が、一般的に通りにくいといわれます。
しかし返済能力があると判断されれば、給与所得者と同じように融資を受けることが可能です。

フラット35は、人物よりも物件に重点を置き、審査に必要な確定申告書は1期分で良いため、比較的審査に通りやすいのでおすすめです。自営業者は税金や健康保険料・年金保険料は自分で納めなければならないので、特に納付忘れがないように気を付けること。
滞納があり審査をクリアできなかったということがないようにしましょう。

住宅リノベーションのひかリノベでは、物件探しからリノベーション、資金計画までワンストップでお住まいづくりをサポートいたします。
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記事監修

三浦 英樹(宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー)

宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナーの有資格者。中古不動産購入からリノベーションの設計・施工、インテリアコーディネートまでワンストップで理想の住まいを提供する『ひかリノベ』代表。「住宅は立地や景観、環境のよい『場所』で選び、購入と同時にリフォームやリノベーションを施すことで、自分らしい暮らしをリーズナブルに取得することが可能となります。住宅ローンの返済に縛られることのない、豊かなライフプランの実現を、家探し、家づくりを通じてサポートいたします」

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