自営業の住宅ローン審査のポイント~会社員とはココが違う!

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自営業は住宅ローンが組みづらい」といわれています。
しかし、実際はフリーランスだからといって、住宅ローンが組めない、ということは決してありません。

フリーランスで働く方は、事業の好調・不調によって収入が変化します。そのため、サラリーマンの方とは審査でチェックされるポイントが異なります。
サラリーマンの方と同じように考えてしまうとなかなか融資が認められないように感じますが、実は自営業向けに決められた条件を満たしさえすれば良いのです。

本日はのテーマは「自営業と住宅ローン」。審査でチェックされるポイントと、合否の判断基準を解説します!
新規借入の方はもちろん、借り換えをお考えの方も、基本の考え方は同じです。いずれの場合もぜひ、ご一読くださいませ。

2017/11/30初出→2018/12/1更新

1.自営業向けの審査基準はサラリーマンと異なる

フリーのエンジニアやデザイナー、個人でお店を経営しているなど、自営業の方は一般に住宅ローン審査が厳しいといわれています。
しかし、本当のところはサラリーマンの方と審査でチェックされるポイントが違っているというだけで、自営業だから住宅ローンが組めないということは決してありません。

審査で銀行(あるいは信金・労金・ネット銀行などの金融機関)が知りたいのは返済能力です。
何千万円というお金を20年、30年かけて返済するローンですから、安定した収入が継続的にあることが非常に重視されます。
給与所得者(会社員、サラリーマン)であれば会社を辞めない限り収入は安定していますが、自営業の場合は事業の好調・不調によって収入が大きく変動しますし、病気や怪我で仕事を休むと収入が途切れてしまいます。

そのため自営業の方には、給与所得者とは異なる審査基準が用意されているのです。
審査基準を満たしていれば融資は認められますし、住宅ローン控除も、要件を満たしていれば問題なく利用できます。

住宅ローン控除とは

住宅ローンを借入してマイホームを購入したに適用される優遇税制で、購入後10年間にわたって所得税・住民税が減税されます。控除額は毎年末の住宅ローン残高×1%。くわしい仕組みや要件は、下記の記事をご覧ください!

2.ポイントは収入の安定性

ローン審査でまずチェックされるのが年収です。
会社員の方は前年度分の源泉徴収票を提出すればOKですが、個人事業主の方は直近3期分の確定申告書を提出し、過去3年間の所得がチェックされます。
融資の可否や融資金額は、3期の平均所得、もしくは一番低い年の所得をもとに決められます。

事業を法人化して会社経営者となった方は、3期分の決算書も提出します。
報酬がいくら多くても、会社の決算内容が悪ければ、審査ではマイナスに働きます。

したがって事業年数3年以上経過していることが前提です。3年ぐらい経たないうちは、継続性が充分でないというのですね。
個人事業主から事業を法人化された方は、法人格になってから3年以上経過していなくてはいけません。個人事業主のときと通算はできませんのでご注意を。

※銀行によっては2期ないし1期でOKという場合もあります。また医師や弁護士といった特殊な国家資格者は、1年でも利益が出ていれば申込可能という場合もあります。

自営業の方は事業に必要な経費もお手持ちの資金から持ち出しになりますから、審査では「収入」から経費を差し引いた「所得」を見て年収を判定します。
所得は事業所得のほか、不動産運用によって得た不動産所得・株式投資によって得た配当所得等も含まれます。

※銀行によっては専従者給与(家族で事業を営んでいる場合に、家族に支払っている給与)や減価償却費も所得に含むとしているケースもあります。

多くの銀行では、所得が300万円以上であることを融資の条件としています。
あとは「3,000万円の借入を希望するなら、所得が400万円では厳しい」というように、借入額との兼ね合いで判断します。
年収に対する借入可能額の比率は、給与所得者と違いはありません。

借入可能額は、ローンの返済額が年収の何%を占めるか(返済負担率)によって決まります。
合格ラインは銀行によって多少異なりますが、おおむね35%以下(年収400万円未満の方は30%以下)というケースが一般的です。

ここで注意したいのは、事業用融資やマイカーローンなど住宅ローン以外の借入がある方は、その返済も加味して負担率が算出される、ということです。
住宅ローンだけなら負担率35%以内に収まっていても、ビジネスローンを足すとオーバーしてしまう、というケースは珍しくありません。
自営業は審査に通りにくいといわれる理由は、このように事業に関するお金が自分の持ち出しであるために、所得と借入のバランスがとりづらい、という事情があるのです。

また節税のためになるべく経費を多く、所得が少なくなるよう、積極的に設備投資を行う等の対策をなさっている方は、住宅購入前の3年間は控えめにして、所得を多めに残しておかれることをおすすめします。
所得や事業利益が少ないと、借入可能額が減ってしまうほか、金利優遇で不利になる等のリスクもあります。
3年計画で節税を控えることで、一時的に納税額が増えてしまうとしても、長い目で見れば却って大きな恩恵を受けることができるのです。

3.融資の返済や納税の滞納は厳禁

住宅ローンは借入額が何千万円にも上るので、必ず返してくれるという信用のある人でなければ、銀行も安心して貸せません。
そのため、過去の借入や、現在ほかに組んでいるビジネスローン・車のローン・カードキャッシングなどの支払い状況が厳しくチェックされます。

これらの融資の返済状況は、個人信用情報としてCICJICCJBAといった情報機関に登録されます。
携帯電話の割賦の支払いが数日遅延した、といった小さな信用情報のキズも、審査では大きな減点となります。

とはいえ信用情報に何らかのキズがある方も、記録には記載期限がありますのでご安心ください。
異動(返済が3ヶ月以上滞納した)の記録は支払い後5年間で抹消します。ですからもし異動の記録が付いてしまった方も、5年後はまっさらな状態で審査に再挑戦できるというわけです。

個人信用情報は本人開示が可能です。Web や電話で開示の手続きができますから、心配な方は一度ご覧になってみてもよろしいでしょう。

税金の支払いについても個人情報と同様、厳しくチェックされます。
こちらは未納があれば、納税証明書に記載されます(審査では確定申告書と同様、直近3期分の納税証明書の提出を求められるケースが一般的です)

自営業の方は自分で確定申告をして、税金の支払い手続きをしなくてはいけません。
そのためつい申告が遅れた、申告内容に間違いがあった、というケースがしばしば見られますが、税金の未納がある方はまず審査に受かりません! とくにご注意くださいませ。

というのは万一ローンの支払いが滞り、物件が差し押さえられたとき、もし税金の未納があると、ローンの残債の精算よりも納税の方が優先されるためです。
銀行としては貸したお金は確実に回収したいので、税金の未納がある方への融資を非常に嫌うのです。
ですからもし未納がある方は、必ず支払いを済ませて納税証明書を取得しましょう。

4.店舗・事務所兼用は、1/2以上を住宅に

自宅をオフィスと兼用したいという方は、一室をワーキングスペースにしたいという程度なら、設計も通常の居室とほとんど変わりありませんが、たとえばネイルサロンを開きたい、飲食店を開きたいという場合、設計も居住用の家とは大きく変わります。

住宅ローンは飽くまで住まいの購入を目的としたローンなので、事業目的の借入は原則的に認められません。
ただし、この頃は店舗兼住宅への融資を認めている銀行も増えてきました。
その場合も、店舗部分が住宅部分より大きくなってはいけません。
つまり、床面積の1/2以上が住宅用でなければ、融資は認めれられないのが一般的です。

5.審査基準は金融機関によっても違いがある

金融機関によっては、独自の審査基準を採っているケースもあります。
たとえば住宅金融支援機構のフラット35は、直近3期分の確定申告書や決算書を提出する必要がなく、直近1期分でOKです。
つまり審査で見られる年収は、会社員と同様、前年度分のみ。
事業年数が短い方、あるいは法人化してまだ2年目といった方でもお申し込みが可能です。

また事業用融資は返済負担率の計算に含まれません。
したがってビジネスローンをご利用の方も、審査で不利にはたらくことがない、という利点があります。

一方でフラット35は耐震性等の技術基準があり、とくに築年数が古い中古マンションでは利用できないこともあります。
この場合は必然的に民間金融機関のローン商品を選ぶことになります。
事業でメインバンクとして利用している金融機関に相談してみるのも良いですが、飽くまで今後も事業を展開していく上で信頼関係が築きやすいというお話で、審査基準を特別に緩和してもらえるという意味ではない、と念頭に置いておきましょう。

所得に対して借入金額が大きい方は、共働きのご家庭でしたら夫婦の収入合算をすることで、満額の借入が認められる場合があります。
とくにパートナーが会社員で、収入が安定している方は、審査で有利にはたらくケースが多いです。

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夫婦や親子が共同で組むローン(ペアローン、連帯保証、連帯債務)について詳しく解説した記事です。審査や債務の扱いなど、基本知識をコンパクトにまとめていますので、ご家族と収入合算をお考えの方は、こちらも併せてご覧くださいませ。

このように審査のポイントを押さえておけば「自営業者だから住宅ローンが組めない」ということは決してありません。
ひかリノベではお客様お一人ひとりの働き方に合わせて最適な住宅ローンをご紹介しております。
住宅を購入したいけれどローン選びや資金計画に不安を抱いていらっしゃる方には、住まいとお金に関するセミナーを随時開催しております。
また個別相談も承っておりますので、ぜひお気軽にお問合せくださいませ。

 

【執筆】高橋 千晶(ひかリノベ 広報)

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