冬の寒い時期に気になる結露ですが、実は使用するサッシの材質や工法によっては、リフォームしても結露問題が解決できない可能性があるのをご存知ですか?こちらの記事ではアルミサッシ・樹脂サッシ・アルミ樹脂サッシそれぞれの特徴を紹介しながら、分譲マンションに特化した窓リフォームに最適な材質や工法をご紹介。
マンションでは窓枠は交換できないと思っている方も多いと思いますが、カバー工法で施工すれば築30年以上のマンションでも窓の断熱性をアップさせることが可能です。最後にご紹介する『アルミ樹脂カバー工法』で窓リフォームして、結露のない快適な室内空間にしていきましょう。
結露が発生する仕組み
そもそも結露とは、室内側の窓の表面や内部で空気中の水蒸気が液体となって付着する現象のこと。
結露の原因は水蒸気を含んだ湿った空気と温度差にあります。室内の空気には調理中の湯気や人の吐いた息、お風呂場からの水蒸気など、意外にも多くの水蒸気が含まれています。
とくに冬場は窓を開けて換気することも少ないので、室内の空気に水蒸気が溜まりがち。
また冬場は人のいる室内をエアコンやヒーターなどで温めていることが多く、冷たい外気によって冷たくなった窓ガラス付近の水蒸気が冷やされ、液体となってガラス表面に付着するのです。
よく氷の入ったコップを置いておくと、コップの外側が曇って水滴が付いているのを目にすることがありますが、これも結露の一種です。
結露は気温差と空気中の湿度の関係で発生します。こちらは温度と相対湿度から見る露点温度(結露が発生する温度)です。
温度/相対湿度 | 50% | 60% | 70% | 80% | 90% |
10度 | 0.1 | 2.7 | 4.8 | 6.8 | 8.5 |
15度 | 4.7 | 7.4 | 9.6 | 11.6 | 13.4 |
9.3 | 12.1 | 14.4 | 16.5 | 18.4 | |
25度 | 13.9 | 16.8 | 19.2 | 21.4 | 23.3 |
30度 | 18.5 | 21.4 | 24.0 | 26.2 | 28.2 |
参考:技術資料(結露と防露)
上の表によると、室温20度の状況で湿度が60%ある場合、ガラス窓の表面が12.1度だと結露が発生することになります。同じ室温でも湿度が高ければ高いほどガラス窓との温度差がなくても結露が出来やすくなるという訳です。
結露が発生するとしたたり落ちた水滴で、木製の窓枠部分やカーテンにカビが生えたりシミになります。また窓廻りのカビを放置しておくと、窓を開けた時に風と一緒にカビが室内に飛散して様々なものに付着します。
カビやダニはアレルギー性鼻炎や子どもの喘息、アトピー性皮膚炎の原因となり、住む人の健康にも被害を及ぼします。ダニやカビは湿度70%前後で最も繁殖しやすいため、窓ガラスに結露を発生させず、適切な湿度環境に保つことが重要。
窓廻りは特に結露が発生しやすい場所です。健康に重大な影響を及ぼさないためにも、窓に結露を発生させないようにすることがポイントになります。
結露しにくい窓サッシは?
窓に使用されるサッシには大きく分けて3種類あります。アルミニウム合金製のアルミサッシと塩化ビニル樹脂を使用した樹脂サッシ、外側はアルミで内側に樹脂を使用したアルミと樹脂の複合サッシです。
日本では軽くて耐久性に優れたアルミニウム合金製のサッシが主流で、加工が簡単で比較的安価なことから日本の住宅のほとんどで使用されてきました。ただアルミ部分の熱伝導率が高く外気に影響されやすいということで冬場は結露の心配がありました。
樹脂サッシは最近の戸建て住宅に多く採用されているサッシで、樹脂はアルミに比べて熱伝導率がはるかに低いことから結露ができにくいというメリットがあります。
ただ分譲マンションでは共用部分である窓サッシは、他の部屋と材質や色などを統一しなければならないという決まりがあります。築年数の経った分譲マンションの多くではアルミサッシを使用しているため、材質や色の異なる樹脂サッシは使用できないことに。
その点アルミ樹脂サッシなら、上記のような問題を解決してくれます。分譲マンションでネックとなる外観はアルミということで既存のサッシと同じにでき、内側は樹脂を使用しているため結露ができにくく、結露によるカビやダニも予防できます。
また樹脂部分はカラーバリエーションが豊富で、内装やインテリアに合わせて白やナチュラル色のサッシにすることも可能です。
二重サッシは万能ではない?
マンションの窓リフォーム方法には、既存の窓の内側に新しいサッシ窓を取り付ける「二重サッシ」という工法があります。工期が短くて済み費用も掛からないので、結露対策として多くのマンションで取り入れられていますが、この工法も実は万能ではありません。
築年数が25年を超えたマンションでは、たとえ内窓を断熱性の高い樹脂サッシにしても外窓が古いアルミサッシのままだと、外窓の不具合が改善されず断熱効果や防露性能が半減してしまうからです。
また窓が二重になることで開閉の手間が増え、窓の見込み寸法が大きくなるというデメリットも発生します。
築年数の浅いマンションなら、二重サッシでも十分に結露を予防する効果を期待できます。しかし築年数が25年~30年を超えるマンションでは、窓の経年劣化によって既に気密性が低くなっていることも考えられ、そのような状態で内窓だけを設置しても、今度は内窓との間に結露が発生したり、思ったほど断熱性が得られない可能性があります。
よって築年数が30年を超えるようなマンションでは、外窓ごと交換できるカバー工法がおすすめです。
『アルミ樹脂カバー工法』はこれからの新しい結露対策
上のような原因による結露や隙間風を予防する対策として期待できるのが、今回ご紹介する「アルミ樹脂カバー工法」による窓リフォームです。
そもそもカバー工法というのは、既存のサッシ枠の上から新しいサッシ枠を被せて窓をリフォームする方法のこと。費用や工期を抑えられて手軽に窓廻りをリフォームできると人気の施工方法です。
鉄筋コンクリート造のマンションでは、コンクリートに埋め込まれたサッシ枠を取り壊すのは難しく、窓サッシは共用部分に該当するため、所有者が勝手にリフォームできませんでした。
しかし2011年に国交省の出す「マンション基準管理規約」の改正に伴い、マンション理事会の承認が得られれば、所有者の負担で窓サッシを交換できるようになりました。
このことにより徐々に窓サッシのリフォームをOKするマンションが増え、RC造マンションでも簡単にリフォームできるカバー工法が用いられるようになったのです。
現在分譲マンションでは、アルミサッシにアルミサッシを被せるカバー工法が主流です。
ただアルミサッシを使うカバー工法では、アルミの熱伝導率の高さによって、サッシ部分にどうしても結露が発生してしまいます。
しかし究極のカバー工法と呼ばれている「アルミ樹脂カバー工法」では、アルミ樹脂サッシを使用するためこうした現象が起こりません。
また使用するのも通常のペアガラスではなく、LOW-E複層ガラスという断熱性の高いガラスを標準採用しています。
LOW-E複層ガラスとは二枚の窓の内側にLOW-E膜という特殊な膜を付着させたペアガラスのこと。熱伝導を抑える役目のあるLOW-E膜と2枚のガラスが複合的に組み合わさり、外の寒さに影響されず室内の暖かい空気がガラスによって冷やされることも防いでくれます。
LOW-E複層ガラスガラスを使用したアルミ樹脂カバー工法でリフォームすると、結露の発生だけでなく冷暖房費を抑えられるというメリットがあります。
こちらは単板(一枚)ガラスのアルミサッシ・複層ガラスのアルミサッシ・LOW-E複層ガラスの樹脂サッシの3種類の冷暖房費を比較した表です。
このグラフから分かる通り、一般的な単板ガラスのアルミサッシでは年間45,000円近く冷暖房費がかかっています。複層ガラスのアルミサッシでは25,000円弱ですが、LOW-E複層ガラスの樹脂サッシは何と15,000円ほど。単板ガラスと比べると冷暖房費を65%も節約できるという訳です。
画期的だと話題のアルミ樹脂カバー工法は、ひかリノベの協力会社である有限会社アドオフィスによって5年前に開発されました。
上で説明した通り、マンション窓のカバー工法にはアルミサッシを使うのが一般的です。一部の建材メーカーではアルミ樹脂サッシを使用したカバー工法を行っていますが、マンション1棟丸ごとなど大規模な工事しか請け負っていないのが現状です。
しかしひかリノベとタッグを組んだ有限会社アドオフィスなら、独自で考案した取付方法や部材の使い方、雨仕舞の方法を採用しているため、マンション一戸だけのカバー工法でもアルミ樹脂サッシを使用して施工可能です。
有限会社アドオフィスでは主に15階建て以下の中古マンションに施工しており、施工実績は首都圏だけでもすでに300窓以上。
独自の工法により窓の断熱性や防露性はバッチリ。断熱住宅は健康寿命を4歳も若返らせることが可能として、これからの住環境のテーマとなるはずです。
マンションのリノベーションを通してお客様へ付加価値を提供し続けているひかリノベでは、有限会社アドオフィスの提供するアルミ樹脂カバー工法をこのほど採用。
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