マンションの固定資産税っていくら?5分で簡単計算法(2018)


マンション固定資産税

マンションを購入した方は、毎年固定資産税を納めていくことになります。
予算を考える際はローンの支払いにばかり目が向きがちですが、資金計画はこうしたランニングコストも押さえておかないと、あとで家計に響いてきます。

また近年、固定資産税の課税ミスが相次いで報道されています。納税通知書に記された金額を鵜呑みにしていたら、実は過払いだったというおそれもあるのです。
過払いを防ぐためにも、自分でも正しい固定資産税の課税額を計算できるようにしておくことが大切。

本日は購入予定のマンションの固定資産税額を調べる方法と、適正な課税額の計算方法、そして納税通知書の読み方をお伝えします。
これからマンション購入を予定されている方はもちろん、すでに購入してお住まいの方もぜひ納税通知書を片手にご覧ください!

2016/6/23初出⇒2017/12/11更新⇒2018/11/11更新

1.購入予定のマンションの固定資産税額を調べるには

固定資産税は、土地や家屋といった不動産を所有している人に課税される税金です。
ここでいう「所有している人」とは、「毎年1月1日時点で所有者として登記簿に載っている人」のこと。
毎年4月になると、市町村または都から納税通知書が送られてくるので、4月・7月・12月・2月と4回に分けて支払います(4期分まとめて支払うことも可能です)

ではまだ所有していない方――これから購入する予定の方は、自分が買おうと思っている物件の固定資産税額を知ることはできないのでしょうか?
それでは資金計画を考えるうえで不安がありますね。

実は売買契約を交わす前でも、不動産会社に問い合わせれば、固定資産税額の目安を知ることができます。

新築マンションの固定資産税額を確認するには……

固定資産税は土地や建物の評価額によって課税額が決まります。
ところが新築マンションはたいてい建物が完成する前に売買契約を結ぶので、契約の時点ではまだ評価額が定まっていません。

しかし建物の評価額は、国税庁が標準的な基準を定めており、そこからおおよそいくらになるか、物件のグレードに応じて予測が可能です。
不動産会社に問い合わせれば、その予測に基づいて課税額を試算してもらえますから、内覧の際に営業マンにお尋ねになってみて下さい。

中古マンションの固定資産税額を確認するには……

中古マンションの場合、売主さんは実際に固定資産税を払っています。
直近の課税額はいくらだったか、不動産会社を通じて確認できます。
売主さんが「通知書を捨ててしまって、正確な金額は分からない」というような場合もありますが、おおよその目安は試算可能です。
ひかリノベでも、もちろんお調べいたしますので、担当コーディネーターにお気軽にお尋ねくださいませ。

よくある質問-1

購入した年の固定資産税は売主さんと私、どっちが払うの?

固定資産税は1月1日時点の所有者に課税されるので、今年の分の税金はすでに売主さんのもとに請求が行っています。
しかし、すでにマンションを売ってしまったあとも売主さんが支払いを続け、実際にそこに居住している当人が支払わなくていいというのは、フェアではありません。
そこで購入した当年の固定資産税・都市計画税は、引き渡しの日を境に売主と買主で折半します。
具体的には、決済の日に日割りの金額を現金で買主から売主へ受け渡す方法が一般的です。

この日割り計算の起算日は、関東では1月1日・関西では4月1日とするケースが多いです。
法律で決まっているわけではないので、売主・買主の合意があれば、いつを起算日にしてもかまいません。
引き渡しの当日分は、買主の負担とするケースが大半です。とはいえ、こちらも売主がそれで良いといえば、売主の負担にしてもかまいません。

よくある質問-2

もし売主さんが納税を滞納していたら、私が支払わなくちゃいけないの?

固定資産税は、不動産という資産をもっている『人』に課される税金であって、土地や建物それ自体に紐づいているわけではありません。
ですから、もし前オーナーが納税を滞納していたとしても、あなたに請求がくることはありません。
税金の未納が続けば前オーナーは資産を差し押さえられることになりますが、あなたが買ったマンションはすでに彼の手を離れていますから、差し押さえ対象にはなり得ません。

もし購入前からすでに差し押さえられている物件であっても、取引に影響はまずありません。
この場合、滞納した税金は契約の席で交わされる手付金から支払うか、あるいは決済時に交わされる売買代金から支払うケースが一般的です。
滞納した税金が支払われれば、差し押さえは解除されます。

2. 課税額を自分で計算してみよう!

固定資産税は所得税と違い、納税者が自分で申告するのではなく、各自治体が課税額を計算しています(賦課課税方式)
ところが近年、自治体の課税ミスが相次いで報道されています。
2018年5月には、岡山市が市内のマンションの所有者に対して、2017年度まで24年間にわたり過大課税していた、というニュースがありました。

残念ながら自治体から送られてくる納税通知書を鵜呑みにしていては、過払いのリスクは否定できません。
自分でも正しい課税額を計算できるよう、計算式をおさらいしておきましょう。

固定資産税の計算式

固定資産税は地方税ですから、税率はお住まいの地域によって異なりますが、国は標準税率を1.4%と定めています。

固定資産税の計算式

固定資産税評価額 × 1.4%

固定資産税評価額とは、国が認めたその土地や家屋の税法上の価値です。

土地の固定資産税評価額は、市町村が毎年4月に発表する路線価をもとに決定されます。
具体的には、路線価×土地面積(㎡)をベースに、道路より奥まったところにあるとか、間口が狭いとかいう場合は補正率を掛けて調整します。

たとえば、路線価が20万円/㎡、土地面積が100㎡、道路に面した立地だとすると……

評価額は、20万円×100㎡=2,000万円が相場ということになります。

路線価は、お住まいの地域の税務署のHPで公開されています。
路線価には固定資産税用と相続税用がありますのでご注意を。ここでは固定資産税用を確認します。

家屋・建物の固定資産税評価額は、「いま同等の建物をイチからつくると、いくらかかるか(再建築価格)」をもとに決定されます。
具体的には、新しくマンションが建つと都道府県税事務所の職員が家屋調査に来ます。そして建築資材や内装・住宅設備を見て、建物の価値を評価するのです。
その後は築年数の経過や物価の変動に応じて、価値を見直していきます(減価償却

再建築価格はマンションのグレードによって変わるので、正確な金額は家屋調査をしてみなければわかりませんが、参考値として「標準的な建物はいくらかかるか」を見てみましょう。

標準的な建物の建築価額(国交省)

参照:標準的な建物の建築価額(国交省)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki2017/kisairei/joto/pdf/013.pdf

ここから築年数に応じて減額していきます。
どれだけ減額するかは、経年減点補正率によって全国一律で決まっています。
RC造マンションの場合、減価率は築10年で63.86%、築20年で55.09%、築30年で46.32%となっています。

たとえば築20年(平成8年に建築)で床面積70㎡のマンションだとすると……

評価額は、223,000円×70㎡×55.09%=おおよそ860万円が相場ということになります。

土地の評価額は地価の変動によって、建物の評価額は経年劣化によって、金額は変わっていきます。
そこで、土地も建物も3年ごとに評価額の見直しが行われます。
したがって建物の場合、だんだん固定資産税額は安くなっていくわけです。

住宅用地と新築住宅には減税が認められている

住宅用の土地や、新築住宅の建物については、特例によって軽減の特例が用意されています。

住宅用地の減税特例

要件:

    • 住宅用家屋(戸建て・マンション)の敷地であること

減税:

    • 200㎡以下の部分………評価額が1/6になる
    • 200㎡を超える部分……評価額が1/3になる

つまり敷地面積が300㎡だとしたら、200㎡分にかかる税金が1/6となり、残り100㎡分が1/3となるわけです。

たとえば敷地面積100㎡・評価額2,000万円の土地の固定資産税額は……

2,000万円×1/6×1.4%=4万6,000円ということになりますね。

なおマンションの場合、敷地面積や床面積は住戸の中(専有部分)だけでなく、共用部分の持分も足して考えます。
具体的には、まずマンションの敷地面積と、建物全体の床面積にかかる課税額を算出し、そのうちあなたの持分割合に応じた金額が課税される――ということになります。

新築住宅の減税特例

要件:

    • 床面積が50~280㎡であること
    • 2020年3月31日までに新築された住宅であること

減税:

    • 120㎡以下の部分………評価額が1/2になる

※ただし、減税される期間は購入後5年間。その後は満額課税される。
(長期優良住宅と認められれば、7年間)

新築は減税が効きますが、中古はそのままなのですね。
とはいえ、中古は築年数に応じて評価額が下落していきますから、課税額は築古ほどお安くなります。

たとえば評価額1,800万円の新築マンションの、建物の固定資産税額は……

1,800万円×1/2×1.4%=12万6,000円が課税されることになります。

一方で築20年・評価額860万円の中古マンションの、建物の固定資産税額は……

新築ではないので軽減措置は適用されず、860万円×1.4%=約12万円が課税されることになります。

都市計画税もセットで課税される

固定資産税とセットで課税されるのが都市計画税です。
都市計画税も地方税なので、税率はお住まいの地域によって異なりますが、国は最高税率を0.3%と定めています。つまり、どの地域も0.3%より高い税率はかけられないのです。

都市計画税の計算式

固定資産税評価額 × 0.3%

ただし、都市計画税も住宅用地について減税が認められています。

住宅用地の減税特例(土地計画税)

要件:

    • 住宅用家屋(戸建て・マンション)の敷地であること

減税:

    • 200㎡以下の部分………評価額が1/3になる
    • 200㎡を超える部分……評価額が2/3になる

都市計画税は、減税が効くのは土地だけです。建物については新築・中古に関わらず、減税はありません。

たとえば敷地面積100㎡・評価額2,000万円の土地の都市計画税額は……

2,000万×1/3×0.3%=1万9,000円

建物は築20年・評価額860万円の中古マンションだとすると……

建物には減税がないので、860万円×0.3%=2万5,800円

3.その課税額、過払いじゃない?納税通知書はここをチェック!

2章でご紹介した岡山市の過大課税問題は、住宅用地の減税特例の適用ミスによるものでした。
本来、200㎡以下の部分については評価額を1/6にすべきところ、1/3として計算していたのです。

課税ミスが起こりやすいポイント

岡山市の事件をはじめとする報道によると、課税ミスのパターンは次の二つが多いようです。

  • 減税特例の適用ミス
  • 土地・建物の評価額が不適切

特例が適用されているかどうかは、納税通知書と同封の課税明細書を見ればすぐにわかります。
課税明細書の摘要欄に『住宅用地』または『小規模住宅用地』といった記載があれば、「マイホームの敷地は評価額が1/6になる」という軽減措置が適用されています。

東京都の課税証明書見本(東京都主税局)

参照:東京都の課税証明書見本(東京都主税局)http://www.tax.metro.tokyo.jp/shisan/info/meisai_mikata.pdf

あるいは、評価額と課税標準額を見比べてみてください。
課税標準額とは、評価額に軽減措置を適用したもの。課税標準額が評価額の1/6程度になっていれば、「軽減措置が適用されている」とわかります。

東京都の課税証明書見本(東京都主税局)

東京都の課税証明書見本(東京都主税局)http://www.tax.metro.tokyo.jp/shisan/info/meisai_mikata.pdf

「土地・建物の評価額がそもそも高すぎるのでは」と感じる方は、まずは周辺相場と比べてみましょう。
毎年4月1日~20日の間は、市区町村役場で地域の固定資産税台帳を縦覧できます。そこで周辺地域の土地・建物の評価額をざっと把握し、あなたの住まいの評価額と比較してみて下さい。もし「不当に高すぎる」という場合は、評価のやり直しを求めることができます。

固定資産税台帳の閲覧申請書(東京都主税局)

固定資産税台帳の閲覧申請書(東京都主税局)http://www.tax.metro.tokyo.jp/shomei/index.html

「過払いかも!」と思ったら……

課税額の計算にミスを発見したり、評価額が高すぎると感じたときは、まずは市町村区役所に問い合わせてみましょう。
それで修正がなされなかったときは、行政に不服申し立てをすることができます。

不服申し立ては、不服の内容によって制度が分かれています。
「評価額が高すぎる!」という方は固定資産評価審査委員会に審査の申出をおこないます。
「課税ミスでは?」という方は、各自治体の長に審査請求をおこないます。

注意しなくてはいけないのは、申し立てには「納税通知書の受け取りから3ケ月間」と期限があることです。
とくに評価額に不服がある方は、原則として評価替えがあった年(基準年度)でなくては申し出ることができません。したがって、審査の申出ができるのは3年おきということになります。
直近の基準年度は平成30年度ですから、次回のチャンスは平成33年度ということになります。

制度 不服の内容 申出先 期限
審査の申出 評価額 固定資産評価審査委員会 納税通知書を受け取った日~3か月間
審査請求 課税額 市町村長または都知事

審査によって課税額が見直されると、今まで払いすぎていた分の還付も求めることができます
ただし、還付の申告も5年以内と期限が決まっています。5年より前の過払い分は戻ってこないのです。
ですから、もし課税額に疑問をもったら、速やかに行動することが大切です。

固定資産税は毎年必ず払うものですから、家計への影響は決して小さくありません。
このようなランニングコストも含めた資金計画のご相談も、ひかリノベにおまかせください。
住まいとお金に精通したコーディネーターが、無理のない資金計画をサポートいたします。

【執筆】高橋 千晶(ひかリノベ 広報)
【監修】三浦 英樹(ファイナンシャルプランナー)

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