マンションの固定資産税はいくらが相場?5分でカンタン計算法

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マンション固定資産税

マンションを購入した方は、毎年固定資産税を収めていくことになります。予算を考える際はローンの支払いにばかり目が向きがちですが、資金計画はこうしたランニングコストも考慮しないと、あとで家計に響いてきます。

また、近年とくに固定資産税の課税ミスが相次いで報道されています。納税通知書に記された金額を鵜呑みにしていたら、実は過払いだったというおそれもあるのです。
過払いを防ぐためには、自分でも正しい固定資産税の金額の目安を計算できるようにしておくことが大切です。

そこで、今回の記事では、固定資産税の『相場』の出し方と、納税通知書の見方・過払いの確かめ方についてお話します。これから「マンションを買うので、資金計画の参考にしたい」という方はもちろん、すでに購入してお住まいの方も、ぜひ納税通知書を片手にご覧ください!

1. 固定資産税はいくらかかる?計算方法と相場

固定資産税は、土地や家屋といった不動産を所有している人に課税される税金です。ここでいう「所有している人」とは、「毎年1月1日時点で所有者として登記簿に載っている人」のこと。毎年4月になると、市町村または都から納税通知書が送られてくるので、4月・7月・12月・2月と4回に分けて支払います(4期分まとめて支払うことも可能です)

固定資産税の求め方

固定資産税は地方税ですから、税率はお住まいの地域によって異なりますが、国として大体の目安・標準税率を1.4%と定めています。

固定資産税の計算式

固定資産税評価額 × 1.4%

固定資産税評価額とは、国が認めたその土地や家屋の価値です。
土地の固定資産税評価額は、市町村が毎年4月に発表する路線価をもとに決定されます。具体的には、路線価×敷地面積(㎡)をベースに、道路より奥まったところにあるとか、間口が狭いとかいう場合は補正率を掛けて調整します。
たとえば路線価が20万円/㎡・敷地面積が100㎡・道路に面した立地だとすると、評価額は20万円×100㎡=2,000万円程度が相場ということになります。

tokyo-tax
▲東京都の路線価は東京都主税局HPで公開している

家屋・建物の固定資産税評価額は、「いま同等の建物をイチからつくると、いくらかかるか(再建築価格)」をもとに決定されます。具体的には、新しくマンションが建つと都道府県税事務所の職員が家屋調査に来ます。そして建築資材や内装・住宅設備を見て、建物の価値を評価するのです。その後は築年数の経過や物価の変動に応じて、価値を見直していきます(減価償却

再建築価格はマンションのグレードで決まるので、正確な金額は家屋調査をしてみなければわかりませんが、参考値として「標準的な建物をつくると、いくらかかるか」を見てみましょう。

Building-value
▲国交省が公表している標準的な建物の建築価額(国税庁HP

ここから築年数に応じて減額していきます。どれだけ減額するかは、経年減点補正率によって全国一律で決まっています。SRC造マンションの場合、減価率は築10年で63.86%、築20年で55.09%、築30年で46.32%となっています。
たとえば築20年(平成8年に建築)で床面積70㎡のマンションなら、評価額は223,000円×70㎡×55.09%=おおよそ860万円程度が相場ということになります。

評価額の更新は毎年行われるわけではなく、土地も建物も3年おきと決まっています。したがって、固定資産税の課税額も3年おきに変わっていきます。

なお、固定資産税は一定の要件で減税が認められています。

土地についての課税軽減措置

要件:

    • マイホームの敷地であること

減税:

    • 200㎡以下の部分………評価額が1/6になる
    • 200㎡を超える部分……評価額が1/3になる

つまり敷地面積が300㎡だとしたら、200㎡分にかかる税金が1/6となり、残り100㎡分が1/3となるわけです。

先ほどの例(敷地面積100㎡・評価額2,000万円の土地)でいうと、課税額は2,000万円×1/6×1.4%=4万6,000円ということになりますね。

建物についての課税軽減措置

要件:

    • 本人が住んでいること
    • 新築であること
    • 床面積が50~280㎡であること

減税:

    • 120㎡以下の部分………評価額が1/2になる

※ただし、減税は購入から5年間限定(長期優良住宅と認められれば、7年間

新築は減税が効きますが、中古はそのままなのですね。とはいえ、中古は築年数に応じて評価額が下落するため、課税額は年々安くなっていきます。

先ほどの例(築20年・評価額860万円のマンション)でいうと、新築ではないので軽減措置は適用されず、860万円×1.4%=約12万円が課税されることになります。
一方、新築で評価額1,800万円のマンションなら、1,800万円×1/2×1.4%=12万6,000円が課税されることになります。

なお、マンションの場合、敷地面積や床面積は住戸の中(専有部分)だけでなく、共用部分の持分も足して考えます。具体的には、まずマンションの敷地面積と、建物の床面積全体にかかる課税額を算出し、そのうちあなたの持分割合に応じた金額が課税されるということになります。

都市計画税の求め方

固定資産税とセットで課税されるのが都市計画税です。もしあなたのマンションが都市計画上の市街化区域内にある場合、固定資産税と併せて納税通知書に載ってきます。
都市計画税も地方税なので、税率はお住まいの地域によって異なりますが、国は最高税率を0.3%と定めています。つまり、どの地域も0.3%より高い税率はかけられないのです。

都市計画税の計算式

固定資産税評価額 × 0.3%

なお、都市計画税も固定資産税と同様、減税が認められています。

土地についての課税軽減措置

要件:

    • マイホームの敷地であること

減税:

    • 200㎡以下の部分………評価額が1/3になる
    • 200㎡を超える部分……評価額が2/3になる

都市計画税は、減税が効くのは土地だけです。建物については新築・中古に関わらず、減税はありません。

2.マンション購入前に、現状の課税額を調べる

計算方法とだいたいの相場感はわかりましたが、とくに建物の固定資産税評価額は資材や設備のグレードによって変わってきます。実際の建物のグレードを加味した評価額と、それに基づく課税額を把握するためには、契約書を交わす前に不動産会社に確認する必要があります。

新築マンションの固定資産税額を確認する

新築マンションは、たいてい建物の完成前に売買契約を結ぶことになります。したがって、家屋調査がまだ入っておらず、評価額が定まっていません。
しかし、不動産会社はさきほどの標準的な建物の建築価額と、資材や設備のグレードから、おおよその評価額を予測しています。不動産会社に言えば、その予測に基づいて、課税額はおおよそいくらになるかを試算してもらえます。内覧会で案内楽のスタッフに確認するか、あらかじめ担当営業マンに聞いておきましょう。

中古マンションの固定資産税額を確認する

中古マンションの場合、前オーナーが実際に税金を課されています。直近の課税額はいくらだったか、内覧の前に不動産会社を通じて確認しておきましょう。

あるいは、自分で市役所へ行って調べることもできます。4月1日~20日の間は固定資産税台帳が縦覧できるので、そこで購入予定の物件の評価額を知ることができます。あとは1章の計算式に当てはめれば、カンタンに課税額が算出できます。

Application
▲固定資産税台帳の閲覧申請書(東京都主税局

Q1

1年目の固定資産税は前オーナーと私、どっちが払うの?

固定資産税は1月1日時点の所有者に課税されるので、今年の分の税金はすでに前オーナーのもとに請求が行っています。しかし、すでにマンションを売ってしまったあとも前オーナーが支払いを続け、実際にそこに住んでいる新オーナーが支払わなくていいというのは、フェアではありません。
そこで、1年目の固定資産税・都市計画税は引き渡しの日を境に売主と買主で折半します。具体的には、決済の日に日割りの金額を現金で買主から売主へ受け渡す方法が一般的です。

この日割り計算の起算日は、関東では1月1日・関西では4月1日とするケースが多いです。法律で決まっているわけではないので、売主・買主の合意があれば、いつを起算日にしてもかまいません。
引き渡しの当日分は、買主の負担とするケースが大半です。とはいえ、こちらも売主がそれで良いといえば、売主の負担にしてもかまいません。

Q2

前オーナーが納税を滞納していた! 私に支払い義務はある?

固定資産税は、不動産という資産をもっている『人』に課される税金であって、土地や建物それ自体に紐づいているわけではありません。ですから、もし前オーナーが納税を滞納していたとしても、あなたに請求がくることはありません。
税金の未納が続けば前オーナーは資産を差し押さえられることになりますが、あなたが買ったマンションはすでに彼の手を離れていますから、差し押さえ対象にはなり得ません。

もし購入前からすでに差し押さえられている物件であっても、取引に影響はまずありません。この場合、滞納した税金は契約の席で交わされる手付金から支払うか、あるいは決済時に交わされる売買代金から支払うケースが一般的です。滞納した税金が支払われれば、差し押さえは解除されます。

3.その課税額、過払いじゃない?

固定資産税は所得税と違い、納税者が自分で申告するのではなく、各自治体が課税額を計算しています(賦課課税方式)ところが近年、自治体の課税ミスが相次いで報道されています。
たとえば2015年1月には、茨城県つくばみらい市で123件の課税ミスがあったことが発覚しました。「マイホームの敷地は評価額が1/6になる」という軽減措置が適用されていなかったのです。

毎年送られてくる納税通知書を鵜呑みにしているだけでは、本来払わなくていいお金を払うことになるリスクがあるということです。納税通知書が届いたら、金額が合っているかどうか、自分でもよくチェックすることが大切です。

課税ミスが起こりやすいポイントは?

つくばみらい市の事件をはじめとする報道を見ると、課税ミスは主に土地や建物の評価額の間違いから生じています。間違いのパターンは二つ。

ありがちな課税ミス

  • 軽減措置が適用されていない
  • 土地・建物の評価が妥当でない
  • 軽減措置が適用されているかどうかは、納税通知書と同封の課税明細書を見ればすぐにわかります。
    課税明細書の摘要欄に『住宅用地』または『小規模住宅用地』といった記載があれば、「マイホームの敷地は評価額が1/6になる」という軽減措置が適用されています。

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    ▲東京都の課税証明書・見本(東京都主税局HP

    あるいは、評価額と課税標準額を見比べてみてください。
    課税標準額とは、評価額に軽減措置を適用したもの。課税標準額が評価額の1/6程度になっていれば、「軽減措置が適用されている」とわかります。

    Tax-statement2
    ▲東京都の課税証明書・見本(東京都主税局HP

    「土地・建物の評価額がそもそも高すぎるのでは」と感じる方は、まずは周辺相場と比べてみましょう。
    2章でもお話ししましたが、毎年4月1日~20日の間は、市区町村役場で地域の固定資産税台帳を縦覧できます。そこで周辺地域の土地・建物の評価額をざっと把握し、あなたの住まいの評価額と比較してみて下さい。もし「不当に高すぎる」という場合は、評価のやり直しを求めることができます。

    「過払いかも!」と思ったら……

    課税額の計算にミスを発見したり、評価額が高すぎると感じたときは、まずは市区町村役場に問い合わせてみましょう。それで修正がなされなかったときは、行政に不服申し立てをすることができます。

    制度 不服の内容 申出先 期限
    審査の申出 評価額 固定資産評価
    審査委員会
    納税通知書を受け取った日
    ~3ヶ月間
    審査請求 課税額 市町村長
    または都知事

    不服申し立ては、不服の内容によって制度が分かれています。
    「評価額が高すぎる!」という方は固定資産評価審査委員会に審査の申出をおこないます。
    「課税ミスでは?」という方は、各自治体の長に審査請求をおこないます。

    注意しなくてはいけないのは、申し立てには「納税通知書の受け取りから3ケ月間」と期限があることです。
    とくに評価額に不服がある方は、原則として評価替えがあった年(基準年度)でなくては申し出ることができません。したがって、審査の申出ができるのは3年おきということになります。
    直近の基準年度は平成27年度でした。ですから、次に審査の申出が可能になるのは平成30年度ということになります。

    審査によって課税額が見直されると、今まで払いすぎていた分の還付も求めることができます。
    ただし、還付の申告も5年以内と期限が決まっています。5年より前の過払い分は戻ってこないのです。ですから、もし課税額に疑問をもったら、速やかに行動することが大切です。

     

    以上のように、マンションの固定資産税の相場について見てきましたが、いかがでしたでしょうか?

    固定資産税はマンションを所有している限りずっと収めていかねばならない税金です。マンションを購入する際は物件価格だけでなく、毎月の管理費や修繕積立金、固定資産税・都市計画税といったランニングコストも含めて予算を立てることが大切です。

    マイホームは人生で一番大きな買い物といわれます。
    「資金計画が甘くて、ローンの支払いだけで生活がカツカツ!」という事態は絶対に避けたいもの。
    ランニングコストも含めて「本当に無理なく払える」予算を知りたい、またその予算内で立地や広さ・明るさといった条件をクリアした物件を探したいという方に、リノベーションのひかリノベをオススメします!

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    この記事のまとめ

    「マンションを買おう!」というとき、無理なく払える予算はいくらか、誰もが考えますが、その際つい忘れがちなのが固定資産税です。しかし、固定資産税はマンションを所有している限りずっと支払っていかねばならないランニングコストですから、購入前に現状の課税額(新築の場合は見込み額)を必ず不動産会社に確認しておきましょう。

    また、近年とくに固定資産税の課税ミスの報道が相次いでいます。過払いを防ぐためには、納税通知書を鵜呑みにせず、高すぎると感じたらすぐ市区町村役場に問い合わせることが大切です。

    固定資産税の金額は、土地や建物の評価額×1.4%と決まっています。
    土地の評価額は区画ごとに価格が決まっています(路線価)
    建物の評価額は、新築時に家屋調査をして、建築資材や設備のグレードに応じて妥当な価格を判断します。その後は築年数に応じて価格が下がっていきます。評価替えのスパンは3年おきです。

    固定資産税には軽減措置があります。マイホームの敷地は土地の評価額を1/6として計算する・新築の建物は5年間、評価額を1/2として計算するといった措置です。
    課税ミスで多いのは、この軽減措置が摘要されていなかったというケースです。課税額が高すぎるという場合は、まず納税通知書の摘要欄をご覧ください。ここに「住宅用地」と記載がない場合は摘要漏れの可能性がありますがら、地区町村役場にすぐ問い合わせましょう。

    固定資産税は毎年必ず払わねばならないと考えると、家計への影響は決して小さくありません。このようなランニングコストも含めた資金計画のご相談は、ぜひひかリノベに!『住まいとお金』のプロが、無理のない資金計画をサポートいたします。

    執筆は、ひかリノベのコーディネーター、三好でした。

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    三好 海斗

    リノベーション専門会社「ひかリノベ」コーディネーター

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