本年2024年は、省エネ関連のリフォーム補助金制度が非常に充実しています。
中でも「子育てエコホーム支援事業」は対象となる工事の幅も広く、注目の補助金制度。
昨年実施された「こどもエコすまい支援事業」の後継事業で、省エネ性能の高い住宅の購入やリフォームを支援する制度です。
この記事では、「子育てエコホーム支援事業」のうち、とくにリフォームやリノベーションに関する内容について詳しく解説します。今年リフォームをしたいとお考えの方は、ぜひ参考になさってくださいね。
目次
子育てエコホーム支援事業とは?リフォームでも使える?
「子育てエコホーム支援事業」とは、省エネ性能の高い住宅の購入やリフォームを支援するための公的な支援事業です。
新築住宅の購入だけでなく、中古住宅を購入してのリノベーションや、いま住んでいる自宅のリフォーム・リノベーションにも適用されます。
新築住宅の購入の場合の補助対象は子育て世帯や若者世帯に限られますが、リフォーム・リノベーションの場合は、要件を満たせば子育て世帯や若者世帯以外でも利用できます。
2023年の「こどもエコすまい支援事業」との違い
2023年の「こどもエコすまい支援事業」との主な違いは、新築の場合の補助対象が広がったこと。
2023年はZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)住宅のみだった対象が、2024年にはZEH住宅に加え、長期優良住宅も補助対象となりました。
リフォームやリノベーションについては、基本的には2023年の「こどもエコすまい支援事業」を踏襲した内容となっています。
ただし補助金額の上限や、補助対象となる費用に多少の違いがあります。
利用するための条件は?
「子育てエコホーム支援事業」を利用するには、一定の要件を満たす必要があります。ここではリフォームで利用する場合の要件についてまとめてご紹介していきます。
対象となる人
新築の場合は「子育て世帯」「若者夫婦世帯」のみ補助対象ですが、リフォームやリノベーションでの利用の場合は子育て世帯や若者夫婦世帯でなくても利用可能です。
利用するための主要な要件は以下の二点となります。
- エコホーム支援事業者と工事請負契約等を締結し、リフォーム工事をする方
- リフォームする住宅の所有者(またはその家族)であること
「エコホーム支援事業者」とは、この事業に参加登録済みの工事施工業者のこと。未登録の業者に依頼してしまうと、補助金をもらうことができません。
当社ひかリノベはもちろん、エコホーム支援事業者の登録事業者です。
対象となる工事
子育てエコホーム支援事業の対象となるリフォーム工事は、窓や躯体の断熱工事のほか、太陽熱利用システムの導入や節水トイレへの交換といった省エネ設備の導入など。
他にも、床の段差解消や廊下幅の拡張などのバリアフリー改修も支援の対象です。「エコホーム」という名前以上に、幅広い工事がカバーされていることがポイント。
ただし、申請する補助額の合計が5万円未満の工事は補助対象となりません。
対象となる工事とそれぞれの補助額を下表にまとめました。
補助額は、「開口部の断熱改修」「外壁・屋根・天井・床の断熱改修」については、リフォーム工事によって実現される省エネレベルによって金額が異なります。通常の「省エネ基準」レベルに比べ、より省エネ性能の高い「ZEH」レベルのほうが補助額が高めに設定されています。
工事内容 | 補助額 | |
開口部の断熱改修 ★ | ガラス交換 | 省エネ:3,000~11,000円/箇所 ZEH:4,000~14,000円/箇所 |
内窓設置・外窓交換 | 省エネ:17,000~25,000円/箇所 ZEH:22,000~34,000円/箇所 |
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ドア交換 | 省エネ:32,000~37,000円/箇所 ZEH:43,000~49,000円/箇所 |
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外壁・屋根・天井・床の断熱改修 ★ ※()内は部分改修の場合 |
外壁 | 省エネ:112,000円(56,000円)/戸 ZEH:151,000円(75,000円)/戸 |
屋根・天井 | 省エネ:40,000円(20,000円)/戸 ZEH:54,000円(27,000円)/戸 |
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床 | 省エネ:72,000円(36,000円)/戸 ZEH:96,000円(48,000円)/戸 |
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エコ住宅設備の設置 ★ | 太陽熱利用システム | 30,000円/戸 |
高断熱浴槽 | ||
高効率給湯器 | ||
蓄電池 | 64,000円/戸 | |
節水型トイレ | 20,000~22,000円/台 | |
節湯水栓 | 5,000円/台 | |
子育て対応改修 | 家事負担を軽減する設備 | 13,000~23,000円/戸 宅配BOXの設置:11,000円/個 |
防犯性を向上する開口改修 | 35,000~49,000円/箇所 | |
生活騒音に配慮した開口改修 | 30,000~34,000円/箇所 | |
キッチン設備を交換し対面化 | 89,000円/戸 | |
防災性向上改修 | 窓 | 16,000円~41,000円/箇所 |
バリアフリー改修 | 手すりの設置 | 5,000円/戸 |
段差解消 | 7,000円/戸 | |
廊下幅等の拡張 | 28,000円/戸 | |
衝撃緩和畳の設置 | 20,000円/戸 | |
空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置 | 19,000~26,000円/台 | |
リフォーム瑕疵保険への加入 | 7,000円/契約 |
出典: 国土交通省「子育てエコホーム支援事業 リフォーム 対象要件の詳細」
★マークの工事(開口部の断熱改修、外壁・屋根・天井又は床の断熱改修、エコ住宅設備)が必須工事。このうちいずれかの工事を行うことが、申請の要件となっています。
★のない工事(子育て対応改修、防災性向上改修、バリアフリー改修)は、★と同時に行う場合のみ補助が受けられる工事です。単体では補助対象とならないのでご注意を。
工事によっては対象製品が決まっている場合も。対象製品の一覧は、子育てエコホーム支援事業のHPに掲載されています。
なお、施主支給の形をとった場合には補助対象となりません。材の仕入れから設置、補助金の申請までを、一貫して登録業者が行う必要があります。
対象となる期間
対象期間は、着工日は2023年11月2日以降。
工事請負契約は、着工までに締結されていればいつでも構いません。
交付申請の開始は、2024年3月中下旬から。予算上限に達し次第終了します。
予算が早めに上限に達したらそこで申請が打ち切られることになりますから、リフォームやリノベーションをお考えの方は早めに動き出すことをおすすめします。
補助金額は最大いくら?
子育てエコホーム支援事業のリフォームに関する補助金額の上限は、原則として「一戸当たり20万円」です。
ただし子育て世帯(申請時点において、2005年4月2日以降に出生した子を有する世帯)や、若者夫婦世帯(申請時点において夫婦であり、いずれかが1983年4月2日以降に生まれた世帯)の場合、また長期優良住宅の認定を受けた住宅の場合は、補助上限の引き上げがあります。
世帯要件 | リフォーム種別 | 上限補助額 |
子育て世帯または若者夫婦世帯 | 既存住宅を購入しリフォーム | 60万円/戸 |
長期優良住宅の認定(増築・改築)を受ける場合 | 45万円/戸 | |
上記以外のリフォーム | 30万円/戸 | |
その他世帯 | 長期優良住宅の認定(増築・改築)を受ける場合 | 30万円/戸 |
上記以外のリフォーム | 20万円/戸 |
出典: 国土交通省「子育てエコホーム支援事業 リフォーム 対象要件の詳細」
対象工事ごとの補助金額については、2章の「対象となる工事」の表の通りです。
同一の住宅で複数の工事を行う場合は、上限金額の範囲内で申請をすることができます。
他の補助金との併用は可能?
「子育てエコホーム支援事業」と国の他の補助制度、両方の補助金を同一の工事で受けとることはできません。
同じ「住宅省エネ2024キャンペーン」内の事業、「先進的窓リノベ事業」「給湯省エネ事業」については同一の工事でも併用可能ですが、「子供エコホーム支援事業」で交付を受けた工事部分については、重複して補助金を受け取ることはできません。
一方で地方自治体の補助制度の補助制度は、国費が充当されている制度を除き、同一工事での併用も認められています。
補助金の申請方法
子育てエコホーム支援事業の申請手続きは、工事施工業者が行います。工事発注者であるお施主様が、自ら申請を行う必要はありません。
申請の流れは下図の通りです。
ポイントは工事着工前に「共同事業実施規約」を結ぶことと、工事着工後に「申請の予約」を行い、完工引渡し後に「交付申請」を行うこと。
補助金はいったん事業者に支払われ、その後事業者からお施主様に還付される形になります。
支払われた補助金を工事費用に充当するか、それとも現金還元(振込)にするか、還付方法については事業者とお施主様の間で取り決めを行います。この取り決めが「共同事業実施規約」です。
おわりに
子育てエコホーム支援事業は、昨年実施されたこどもエコ住まい支援事業を踏襲する形で行われる補助金事業。新築住宅の購入だけでなく、リフォームやリノベーションに対しても利用可能です。対象となる工事は、断熱リフォームやエコ住宅設備機器の設置、バリアフリー改修や防災性向上改修など、「子育てエコホーム」という名前以上に対象となる工事が幅広いのが特徴。
子育てエコホーム支援事業の補助を受けるには、本事業の登録業者に工事を依頼しなければならないので注意が必要です。もちろん、当社ひかリノベも当該事業の支援事業者となっています。
今回紹介した以外にも利用できる補助金制度や減税制度など、もっとお得にリフォームできる制度のご提案や、利用手続きのサポートを行っています。中古住宅を購入してリフォームをお考えの方や、今住んでいる自宅のリノベーションをお得にしたいという方は、ぜひひかリノベにご相談ください。
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