アイランドキッチンのデメリットとは?どんな人が向いてるの?

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アイランドキッチンは、オープンで開放的なスタイルのキッチンです。料理をしながら家族や友人とコミュニケーションを取りやすく、インテリアとしてもおしゃれで魅力的ですよね。

しかし、アイランドキッチンにはスペースの必要性や整理整頓の難しさ、臭いや煙、油はねや油煙などのデメリットもあります。後悔しないよう、メリットだけでなく、どのようなデメリットがあるのかもしっかりと把握しておくことが大切です。

この記事ではアイランドキッチンのデメリットを踏まえた上で、どんな人が向いているのか、アイランドキッチンを計画する際の注意点、参考にしたいアイランドキッチンの導入事例を紹介します。キッチンを導入予定の方、キッチンリフォームをご検討中の方、ぜひ参考になさってくださいね。

アイランドキッチンのデメリット

アイランドキッチンとは、壁に接する面のない、海に浮かぶ島(アイランド)のように独立しているタイプのキッチンです。開放的でデザイン性が高く、また回遊性があり、複数人でキッチンを囲みやすいという特長があります。

しかしその一方で油はねや水はね、においや油煙が気になったり、広いスペースが必要になるといったデメリットもあります。

ここではアイランドキッチンを採用した場合に懸念されるデメリットについて具体的に解説します。

アイランドキッチン(事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0099/)

アイランドキッチン(事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0099/


油はね、水はね

キッチンが壁に接している場合、コンロ周りの壁はキッチンパネルやタイル等で覆われます。特にキッチンパネルは掃除がしやすく、商品によっては価格も抑えられます。

このようにキッチンの周りに遮るものがあれば、調理中の油はねや水はねを防ぐことができます。しかし、接する壁がないアイランドキッチンの場合は、周囲の床に飛び散りやすくなります。

そのため、コンロやシンクまわりに充分な幅をもたせたり、コンロ前に油跳ね防止パネルを取り付けるなどの工夫が必要になります。

におい、油煙が広がりやすい

壁がないということは、料理のにおいや煙も遮られることなくリビングまで広がってしまいやすいということ。

調理中の煙には油汚れが含まれていて、煙にのって床や壁に油汚れがつく可能性があります。

そのため、油煙の広がりを防ぐためには高性能な換気システムの導入が必須になります。

生活感がリビングから見えやすい

キッチンは毎日使用するため、どうしても物が集まりやすく雑然としがち。

アイランドキッチンは360度目隠しのない形状のため、キッチンの様子がリビングから常に丸見えになってしまいます。そのため、少しでも汚れていたり散らかっているだけで、片付づいていない印象になってしまいます。

整理整頓、掃除をこまめに行い、常に綺麗な状態をキープしなくてはいけない点は、アイランドキッチンのデメリットと言えるでしょう。

広いスペースが必要

アイランドキッチンは、左右両側に通路となる空間を確保しなくてはいけません。つまりスペースに余裕がない住宅には、そもそもアイランドキッチンを導入することができないのです。

通常のI型キッチンの場合、4.5畳ほどのスペースが必要になりますが、アイランドキッチンの場合は最低でも6畳ほどのスペースが必要になります。

充分なスパースが確保できない住宅に無理にアイランドキッチンを設置すると、キッチンにリビングの大部分が占められてしまい、窮屈になったり、キッチンの通路幅が足りず調理がしづらくなる可能性もあります。

アイランドキッチンが向いている人とは?

アイランドキッチンのメリットは、開放的で、一体感のあるLDK空間となることです。
四方に壁がないため、キッチンが家具のようにリビングの一要素となるのです。

壁がないということは、コミュニケーションの障壁もないということでもあります。調理中も家族や友人と会話を楽しめ、複数人で料理しやすいキッチンです。またキッチンの周囲を回遊できることから、動線が効率的である点もメリットとなります。

これらのメリットに価値を感じている人には、アイランドキッチンがおすすめです。
キッチンに開放感やLDK空間との一体感を求めている人、コミュニケーションをとりながら料理をしたい人、また動線を効率的にしたい人が、アイランドキッチンが向いている人と言えるでしょう。

一方でアイランドキッチンには、水はねや油はね、においや油煙が広がりやすい、散らかりやすい、また生活感がリビングから丸見えになる、といったデメリットがあります。こまめな掃除や片付けが必要になるので、掃除が苦手な人は向きません。逆にいえば、掃除が得意な人・負担に感じない人は、アイランドキッチンが向いていると言えるでしょう。

アイランドキッチンを計画する際の注意点

これまで、アイランドキッチンの特徴について解説し、メリット・デメリットを踏まえた上で、どんな人にアイランドキッチンが向いているのかを解説しました。ここからは、アイランドキッチンを計画する場合、どんなことに気をつけたらよいのかを解説していきます。

通路幅

アイランドキッチンを計画する場合、キッチン本体に対して、前後左右すべてに通路が必要となります。
キッチンで調理をするときにはかがんで物を取り出したり、奥行きの深い引き出しを開けたりと、キッチンの通路は歩き回るだけではありません。通路幅は、最低でも70~80㎝以上必要になります。壁や収納との間は、90~100㎝は確保したいところです。

アイランドキッチンを希望する人は、複数人でキッチンに立ちたいという人も多いかと思います。複数人でキッチンを使う場合、通路幅が狭いと対向がしづらくなるので、充分な広さを確保する必要があります。大人二人でキッチンに立つことが多いようなら、100~120cmが目安となります。こちらは人がすれ違ってぶつからない幅の目安です。

適切な高さとサイズ

一般的なシステムキッチンは、JIS規格で標準的な高さ(80/85/90/95㎝)が定められていますが、メーカーによっては高さ指定を細かく設定できるタイプもあります。長身の方、小柄な方は指定できるメーカーの製品がおすすめ。毎日使う場所なので、自分の背丈に合った高さを選ぶことが大切です。

楽な姿勢で作業できる高さは、身長÷2+5cmが目安。
シンクの深さは、18.5〜20cmほどが手が届きやすく、水跳ねしにくいとされています。
とはいえ感じ方には個人差があるので、ショールームで使用感を確かめて決めると良いでしょう。

キッチン設備の間口サイズは、I型の場合215〜255cm程度が目安です。シンク・コンロのサイズはある程度規格が決まっているため、作業スペースをどれだけ取るかで間口のサイズが決まります。

作業スペースは広ければ広いほど良いと思うかもしれませんが、広すぎると動線が長くなり、かえって使いづらい場合も出てきます。その場合はコンロと流し台を二列に分けた「Ⅱ型レイアウト」を検討するとよいでしょう。対面側を回遊動線とすれば、スペース確保と動線短縮を両立できます。

家事動線

コンロ・シンク・冷蔵庫の3点を結んだワークトライアングルを意識することで、家事動線が良くなります。食材を取り出し、洗い、調理をするまで最短動線で移動できるようにするためには、「3つを結ぶ線が合計3.6〜6m以内」かつ「なるべく正三角形に近い配置」にするとよいとされています。

ワークトライアングル(出典:LIXIL)

ワークトライアングル(出典:LIXIL

また細かいポイントとなりますが、コンセントの数と位置も重要です。

各家庭によって使っている調理家電は異なります。冷蔵庫や電子レンジのように常時繋いでおく機器や、トースターや炊飯器のように使用頻度の高い機器、ホットプレートやフライヤーのように必要に応じて取り出す機器等が考えられます。調理内容によっては、ワークトップで2つ以上の調理機器を使用することもあるでしょう。

どこで使うのか、一度にいくつ使う可能性があるのか、実際の暮らしをイメージして、充分な数を用意しておきましょう。

収納計画

リビングからの視線を遮るものがないアイランドキッチンでは、充分な収納スペースとこまめに片づけられる動線を工夫することが重要となります。背面にキャビネットや棚を設けたり、天井に吊戸棚を設置したり、キッチン前面も収納に利用するなどがあります。

スペースが許すのであれば、パントリーを設けるのもおすすめです。パントリーとは、ストック食品やキッチン用品の収納庫のことで、キッチンから直接行き来できるところに設置できるとよいでしょう。パントリーを設けることでかさばる調理器具から生活感の出やすいストック食品まで、一箇所に集約して収納できますし、動線がシンプルになります。

冷蔵庫などの大型家電がリビングに置くことに抵抗があるという人は、パントリー内に家電置き場をつくることもおすすめです。

アイランドキッチンと似た長所をもつキッチン

アイランドと似たレイアウトにペニンシュラ型キッチンがあります。
対面である点は同じですが、一方が壁に接しているタイプです。コンロ前に袖壁を立てたり、腰壁の立ち上がりを付けたりすることで水はねや油はねを防ぐことができます。
片面が壁に接するため、アイランドキッチンのように両側から回り込むことはできませんが、回遊性よりも対面にメリットを感じているのであれば選択肢になります。

ペニンシュラキッチン(事例: https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0117/)

ペニンシュラキッチン(事例: https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0117/

壁付けI型キッチンのまわりに腰壁を立て、アイランド風の回遊レイアウトとする方法もあります。
腰壁の立ち上がりで水はねや油はねを防ぐことができ、腰壁まわりにカウンターを造作することも可能です。ひかリノベではキッチン本体と横並びになるよう大きなカウンターを造作し、ダイニングテーブルを兼ねたカウンターとするのが人気です。
キッチンの周囲を回遊できればフルフラットにはこだわらないという人におすすめです。

I型キッチンのまわりに腰壁を立て、アイランド風の回遊レイアウトに(事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0082/)

I型キッチンのまわりに腰壁を立て、アイランド風の回遊レイアウトに(事例:https://hikarinobe.com/constructioncase/case_0082/


アイランドキッチンの施工事例

ひかリノベでリノベーションしたお客様の中から、アイランドキッチンを導入した事例を紹介します。アイランドキッチンの導入を検討中の方はぜひキッチン計画の参考にご覧ください。

最新設備のアイランドキッチン

バーカウンターを兼ねた、スタイリッシュなアイランドキッチン。
ゲストが座っても足が邪魔にならないような設計となっています。
天板裏と背面のワインセラーには間接照明をしつらえました。

ルックスだけでなく機能性も最新仕様。
IHヒーターはガゲナウ社のものを採用。スイッチがなく、タッチパネル操作で細かな温度設定やタイマー設定ができます。コンロも設定に応じて口数を増減でき、多口にして複数の鍋を一度に加熱したり、一つの大きなコンロにして幅広のプレートで調理をしたりと、料理の幅が広がります。
食洗器はミーレ社のものを採用。大容量で下洗い不要です。

スタイリッシュなステンレスキッチン

オールステンレスのアイランドキッチンをLDKの中心に。
ダイニングテーブルは横付けに配置しました。このレイアウトは最近の流行ですね。

こちらの事例、じつは既存のキッチンは壁付け型でした。
水廻りの大移動は配管経路・排気経路が課題となりがちですが、本件では浴室・洗面室とキッチンとを交換する形で間取りを変更。ユニットバスの排気・排水はキッチンの経路として、キッチンの排気・排水はユニットバスの経路として利用することで、床高の上げ幅を最小限に抑え、天井高を損なうことなくアイランドキッチンを実現しました。

壁付けキッチンに腰壁を立て回遊動線に

こちらは厳密にはアイランドキッチンではなく、壁付け型のキッチンのまわりに腰壁を立てることで「アイランド風」の回遊レイアウトを実現した事例です。

造作したカウンターとダイニングテーブルは一体型で、キッチンと横並びにレイアウト。キッチンと垂直に置くよりも距離が近くなり、リビングのスペースも確保できます。

また細かい部分ですが、カウンター裏に金具が見えない点もポイント。リビングの主役となるキッチンだから、細部まで見せ方にこだわりたいですね。

二列型キッチンの回遊プラン

こちらも壁付け型キッチンの周りに腰壁を立て、回遊レイアウトとした事例。
シンクを対面側に、コンロを壁に面してレイアウトした二列型キッチンです。二列型とすることで、作業スペースの確保と動線短縮を両立できます。収納量も二倍に。

対面側の腰壁にはL字型のカウンターを設え、カフェのようにキッチンを囲むレイアウトとしました。ダイニングテーブルを置かない分、リビングスペースも圧迫しません。

おわりに

キッチンは多くの方がこだわりをもってプランニングされる空間です。
暮らしをイメージして、快適なキッチンにしたいですね。

当社ひかリノベのリノベーション事例をご覧いただくとわかるとおり、ご要望はお施主様ごとに千差万別。リノベーションのひかリノベでは、お施主様お一人おひとりの使い方やご要望に応じて、ベストなプランをご提案いたします。

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記事監修

藤井 奈緒美(インテリアコーディネーター)

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