いよいよゴールデンウィークが始まり、 すっかり初夏の陽気です。
過ごしやすい季節は気持ちも弾みますよね。屋外で楽しめるイベントが多かったり、新生活に向けて引っ越しをして、これから住む街を散策してみたり――何かと活動的になるシーズンです。
しかし、活動的になるのは人間だけではありません。夏に向けてゴキブリやコバエなど、害虫もまた活発に動き出す季節でもあります。
不快なだけではなく、衛生面でも悪影響をもたらします。何かと厄介な「やつら」が、本格的に動き出すその前に、できる限りの対策をしておきましょう。
目次
健康被害を引き起こすゴキブリ
ゴキブリは夜行性で、暗くて暖かい、狭い場所を好み、かつ湿気の多いところに生息します。
大変な雑食性で、人間が食べるものはもちろん、人間の髪の毛や垢、仲間の糞まで自分の餌として食べてしまう上、繁殖力も強いので、放っておくと一気に増えてしまいます。
「ゴキブリが1匹いたら実は100匹いる」というのも、あながち嘘とは言えないそうです。
ゴキブリはサルモネラ菌や赤痢菌、小児まひウイルスなどさまざまな病原菌を体に付着させて動き回り、病原菌をあちこちにまき散らします。
また、糞や死骸に対して、アレルギー症状を引き起こす人もいるなど、わたしたちの健康にとってはまさに「歓迎されないお客様」なのです。
人家に出没するのは4~5種類
日本には、50種類以上のゴキブリが生息しており、なんと絶滅危惧種に指定されている種類もいるそうです。
しかし、大部分は森林などに生息しており、人間が住んでいる家の中に出没し、害虫となるのはその1割ほどだと言われています。
わたしたちの家によく出没するのは、次のような種類です。
クロゴキブリ
体長30㎜程度で、つやのある黒褐色の体が特徴。関東地方以南の西日本でよく見かけられる。
チャバネゴキブリ
体長は15㎜ほどと小さめで、体は黄褐色。ゴキブリの中でも特に寒さに弱い種類で、ビルのように温度の安定した場所を好む
ヤマトゴキブリ
本州東部でよく見られる、日本古来の種類。体長は20~30㎜程度。本来は森林に生息しているが、オスは人が住む家まで飛んできて侵入する
ワモンゴキブリ
日本に生息する屋内性のゴキブリとしては最も大きい種類(体長40㎜以上)。胸に黄色い輪のような模様があり、活発で攻撃的な性格。沖縄を中心に生息
ゴキブリはもはや全国区の悩み
日本最大級のライフサービスプラットフォームを展開するシェアリングテクノロジー㈱の調査によると、ゴキブリ駆除に関する相談が多い都道府県のトップは東京都。沖縄、富山がそれに続きます。
東京や、トップ10にランクインしている愛知や神奈川、大阪などは人口密度が高く、ゴミの排出量も多いことがゴキブリの多さにつながっているようです。沖縄は、ゴキブリが生息しやすい、温暖な気候な地域であるのがその多さの理由ですね。
3位の富山県は、実は年間の相対湿度がとても高いのがその理由だと見られています。
富山県の年間相対湿度(1981年から2010年の平均)は77%。なんと、沖縄(74%)以上の数値です。湿度の高いところを好むゴキブリにとっては、とても快適なところなのでしょう。
一方、東北以北の寒い地域では、さすがに件数は少なくなっていますが、それなりにゴキブリは出現しています。「ゴキブリはいない」というのが通説になっている北海道でさえ、本当はゴキブリに悩む人がいるのです。
人家に出没するゴキブリは寒さに弱い種類が多いのですが、近年は地球温暖化が進んだり、暖房設備が発展したことによって、寒冷地にもゴキブリの生息エリアが拡大していると言われています。
水まわりは要注意ポイント
「絶対に家の中に入れたくない!」と思っても、いつの間にか室内を走り回っているゴキブリ。
発見場所としては、やっぱりキッチンが圧倒的に多く、お風呂場やトイレなど、いわゆる水まわりが半分近くを占めています。
食べ残しや人間の髪の毛、垢など、餌が豊富なのに加え、水分が豊富なのがその理由です。なんでも食べてしまうゴキブリですが、水がないとすぐに脱水症状を起こして死んでしまうのです。
エアコンやテレビなど、家電の中に潜んでいるケースもあります。狭くて暗い場所を好む習性によるものですが、放っておくと家電の故障につながることも考えられます。
こまめな掃除でゴキブリを寄せ付けない
ゴキブリ対策でまず大切なのは、部屋を清潔にすること。餌になるものがなければ、ゴキブリも寄り付きにくくなります。
キッチンやお風呂場はもちろんですが、リビングにもお菓子のかけらなどが意外と散らばっていたりするもの。
また、コンロや冷蔵庫の下も、食べ物のくずなどがたまりやすいので、こまめな掃除を心がけましょう。
汚れた食器や、生ゴミを放置しておくのは、ゴキブリを呼び寄せているようなものです。
食べたら食器はすぐ洗い、三角コーナーや排水口のごみかごにたまった生ゴミはすぐに捨ててください。
また、ゴキブリは配管を伝って、キッチン、お風呂などから室内に侵入してくることも多いです。
排水溝はゴキブリの餌になるものがたくさん。定期的にパイプクリーナーや洗浄剤を使い、排水溝の汚れを取るのもいいでしょう。
外からの侵入ルートをなくそう
ゴキブリは、わずかなすき間から室内へと入ってきます。
ドアと床の間、歪んで建て付けが悪くなったサッシや網戸、エアコンを取り付けるために壁に開けた穴のすき間――意外と家の中にはゴキブリの侵入経路になる部分があるものです。
リフォームやリノベーションをするなら、こうした部分も徹底的に補修してもらいましょう。
また、エアコンのホースや換気扇も、侵入経路になりやすい部分です。
フィルターを付けたり、ホースの先端をストッキングで覆っておきましょう。
屋外、自然の中にもゴキブリはたくさん生息しているので、1階の部屋は2階以上の部屋に比べ、どうしても外から侵入されやすくなります。
1階で庭に面しているような部屋や、付近に飲食店が多いところに住んでいる人などは要注意です。
加えてベランダなどに置き型の駆除剤を置いたり、ゴキブリを寄せ付けない薬剤を含んだスプレーなどを撒いておきましょう。
マンションの1階には、ゴミ捨て場が設けられていることも多いですよね。ゴミ出しのルールを守り、きれいにしておくことは、住民のマナーとしても大切ですが、ゴキブリ対策としてもおすすめです。
「コバエ」は1種類じゃない?
これからの季節、ゴキブリと並んで厄介なのが「コバエ」。
あちこちを飛び回るコバエに辟易する人も多いでしょう。
コバエもまた、室内に入れたくないと思っても、いつの間にか室内を飛び回っているもの。ここからは、コバエ対策について見ていきます。
「コバエ」は、小さなハエ類をまとめて表す言葉。さまざまな種類がおり、生態も微妙に異なります。ここでは代表的な4種を紹介しましょう。
ショウジョウバエ
黄赤色で2㎜ほどの大きさ。目が赤い。生ゴミにたかることが多く、キッチンで見かけやすい
ノミバエ
黒褐色で2㎜ほどの大きさ。腐った植物やゴミ、ペットの排泄物などが発生源になる。動きが俊敏で、肉など食品に潜り込んで産卵することもある
キノコバエ
灰黒色で大きさは2㎜ほど。湿気が多く薄暗いところ、腐った植物のまわりを好む。観葉植物用の腐葉土に卵が混ざっていたりすると、そこから成虫が室内に発生する
チョウバエ
黒で5㎜程度の大きさと、コバエの中では大柄。キッチンや浴室の排水、下水溝などから発生しやすい。夜行性なので、昼間はじっとしている
コバエ自体が病原菌を媒介することはありませんが、生ゴミや腐った植物にたかるものが多いので、衛生的によくないのは言うまでもありません。
コバエ対策も掃除が基本
コバエ対策も、清潔にすることが最も大切です。
生ゴミや観葉植物、水まわりの排水、ペットを飼育しているならペットのトイレ――とにかく発生源になるものはさっさと片づけ、まめに掃除してコバエが発生しにくい状況を作りましょう。
コバエは臭いにも敏感なので、食べ残しや調理くずを捨てるときは、臭いが漏れないよう密封しておくことも忘れずに。
また、ショウジョウバエはアルコールを好むので、ビールの空き缶や酒瓶を捨てるときは、一度水ですすぐといいでしょう。
網戸ではコバエを防げない?
コバエは大きいものでも5㎜ほどの大きさなので、網戸の目が荒い(大きい)と、網戸を閉めていても室内に入ってくる可能性があります。
外の空気も気持ちいいこの季節、風を通すために窓を開けたいという人も多いでしょうが、その前にご自宅の網戸を一度チェックしてみましょう。
網戸の網の目の細かさは、「メッシュ」という単位で表します。1インチ(25.4㎜)四方の中に網目が何個あるかを表す数値で、市販されているものでは18メッシュ(網目ひとつの大きさが1.15㎜)、20メッシュ(10.3㎜)、24メッシュ(0.84㎜)、26メッシュ(0.78mm)、30メッシュ(0.64㎜)の5種が代表的です。
例えば18メッシュや20メッシュだと、小さなコバエは網目を通り抜けてしまいますね。とはいえ、網目が細かすぎるものは通風を妨げたり、窓からの眺望を損なってしまう原因にもなるので、何を重視するか、バランスを考えて選びましょう。
もし出てしまったら……
ゴキブリもコバエも、出現したらその場で駆除するしかありません。薬局やディスカウントストアで、多種多様の殺虫剤、対策グッズが売られています。
しかし、人間やペットにとっても有害な物質を含むものもあるので、お住まいや家族の状況に合わせたものを購入し、説明書をちゃんと読んで、正しく使いましょう。
ゴキブリは、1匹を退治しても他の場所に隠れていたりすることが多いので、家じゅうを一気に殺虫できるくん煙剤・くん蒸剤(マンションの場合は煙の出ないタイプがおすすめ)や、巣をまるごと壊滅させるタイプの薬剤を有効に使いましょう。
ゴキブリ・コバエ対策知恵袋
ゴキブリは、人間ならさわやかに感じる、ミントや柑橘系の香りを嫌います。
柑橘系の消臭剤や、アロマオイル、ハーブなどを置くと、化学的な薬剤ほどではないにしてもゴキブリを寄せ付けにくくなります。
殺虫剤メーカーからも、天然成分由来の対策グッズが商品化されているので、赤ちゃんやペットがいて、殺虫剤を使うのは不安――そんな方は一度試してみましょう。
コバエ対策では、すでにご存じの方も多いと思いますが、どの家庭にもある「めんつゆ」が活躍します。
水とめんつゆを混ぜ、食器用洗剤を少し(入れすぎは逆効果)入れておくと、匂いにつられて集まったコバエが、洗剤によって動けなくなるので、家庭にあるものでできる、簡単な対策としておすすめです。
ただし、アルコールやお酢などの匂いを好む種類のコバエは、めんつゆでは駆除できないという意見もあります。その場合は、まずめんつゆ・お酢・お酒など複数のトラップを仕掛けておき、どれが一番効果があるかを確かめてみましょう。
ゴキブリもコバエも、最盛期は夏の暑い時期。
春のうちから入念に対策しておけば、今年の夏はゴキブリ、コバエ知らずで過ごせるかもしれません。何事も、早めが肝心、です。
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