激増するゲリラ豪雨、水害に強いマンションの条件は?
- 水害に強いマンションは、どのようにして選べばよいのでしょうか?
- まずは地域特性を見て、その次にマンションの水害に対する備えができているかを見るといいでしょう
「水害」というと、海沿いや川沿いのエリアだけの話と思っている人も多いですが、他人事ではありません。
近年は、地面がアスファルトで舗装されているため、また都会のヒートアイランド現象の影響もあり、ゲリラ豪雨が頻発しております。
それに伴い、浸水するマンションも増えてきておりますので、川沿いや海沿いでなくても水害には気をつける必要性があるのです。
地域特性を見極める
水害に強いマンションを選ぶためには、まずは立地場所の地域特性を見極める必要があります。
つまり、マンションの立地地域は水害のリスクがどの程度あるのかです。
ハザードマップ
それを見極めるために有効なものが、ハザードマップです。
東京でしたら、東京都の建設局のホームページでハザードマップを確認できます。
水害の際に水の深さが5メートル以上になるところはピンク、水の深さが2メートルから5メートルになる地域は青、などの色分けがされています。
それ以外にも避難所や避難方向、河川の位置や立体交差車道など、水害において重要となるポイントも地図上に記されています。
水害のリスクが高いエリアの傾向
ハザードマップを分析すると、やはり海沿いや河川の流域は、水害の被害が深刻化する傾向にあります。
さらに、低い土地や平らな土地、「谷」の位置にある地域なども水害のリスクは高いです。
逆に、高台に位置している地域は水害による被害はさほどではありません。
マンションの構造
マンションの建設業者によっては、水害リスクが高い地域に建設するマンションには、特別な対策を施しているところもあります。
勾配をつける
水は高いところから低いところに流れます。
これを考慮して、マンションの建物部分を敷地で最も高く設計して、そこから道路側に向けて下り勾配をつけており、これによって水が建物側に浸入するリスクが軽減されます。
建物側は道路側に比べて1メートルほど高く設計されているのです。
倉庫を設置
日ごろからの備蓄も重要となってきますので、設計段階で防災用品を備蓄する倉庫もつくってあります。
カラーコーンやラジオ、ブルーシートにガス型発電機、簡易トイレなどが備蓄されています。
デベロッパーの社員が出動
デベロッパーやその協力会社の社員が、水害にあったマンションに駆けつけ、救護活動を行う、そんな会社もあります。
救援物資を住人に配布したり、ゴムボートで物資を運んだりしてくれます。
管理組合でできる水害対策
マンションの管理組合では、万が一に備えて様々な備えをしており、これも物件選びの大きな参考となります。
土嚢
最も基本的な対策は、土嚢を常備しておくことです。
しかし、都会ですと中に入れる土をなかなか入手できないため、普段から土嚢を準備している管理組合は多くありません。
そこで有効なのが、水に浸すだけで膨らむタイプの土嚢です。
普段はぺらぺらの袋ですので、保管していても邪魔になりません。
止水板
また、止水板を準備している管理組合もあります。
土嚢よりも軽いので、女性でも設置しやすいメリットがあります。
駐車スペースやマンションのエントランスなど、水が浸入しては困る場所に立てておけば、水は入ってきません。
普段からの心がけ
上記のようなグッズを入手するのも効果的ですが、日ごろから水害の備えをしている管理組合のマンションはおすすめです。
例えば、マンション周辺の側溝を平時に清掃しておくと、水害のときの排水能力が格段に違ってきます。
また、管理組合の役員で「住人の避難誘導係」「土嚢の積み上げ係」「備品の移動係」など、水害時の役割分担を明確にしていると、さらに効果的です。
あらかじめ「災害マニュアル」のようなものを作成しておけば、係の人がいなくてもスムーズに行動可能です。
地震や津波とは異なり、大雨による水害には時間的猶予があります。
その間に、災害マニュアルを確認して、各自迅速かつ的確に行動できるよう、定期的に訓練しておくといいでしょう。
そのようなことを徹底しているマンションは、平時でも住み心地がよいものです。