マンションの管理形態で大きく変わる快適性と安全性
既存のマンションを購入するにしても建設中のマンションを購入するにしても、そのマンションがどのように管理されているのかを知ることは非常に重要です。
管理形態によって、マンションの快適さや安全性が大きく変わってくるからです。
大家さんによる自主管理
比較的小規模のマンションやアパートの場合、マンションの大家さんが同じマンションに暮らしていて管理業務も行っていることがあります。
このような管理形態を「自主管理」といいますが、これには当然ながらメリットとデメリットがあります。
大家さんによる自主管理のメリット
何といってもメリットは、様々な問題を迅速に解決してくれることでしょう。
ドアの鍵が開かない場合、大家さんに連絡をすればスペアキーを持って来てくれますし、鍵が壊れたのであれば鍵の修理業者を呼んでくれます。
隣の住民の騒音がうるさいなどの苦情があれば、管理人である大家さんに苦情を言えば適切に解決をしてくれることでしょう。
大家さんも万能ではない
デメリットとしては、大家さんが必ずいるとは限らないことでしょうか。
大家さんも買い物や旅行に行っていることもありますので、そんな時はすぐに対応してもらえません。
また、あまり深刻なトラブルは大家さんの手に負えないこともあります。
たとえば、エアコンが壊れてしまったときなどにそれを修理できる大家さんはほとんどいません。
また、その修理費用をどちらが払うかでトラブルになることも多いので、相談しにくいかもしれません。
大家さんも住人の一人と考え、住人はマナーや節度を考えて大家さんに管理業務をしてもらうのが重要です。
管理人を使った管理
大家さんが高齢だったり別に住居を構えていたりする場合には、大家さんが管理業務を兼任することは簡単ではありません。
そこで、多くのマンションでは管理会社を使って管理人を雇って、その管理人にマンションの維持管理を任せています。
管理人の勤務形態によってその管理も異なります。
定期的に巡回
マンションの管理人が、定期的に巡回をしているケースがあります。
この場合、管理人はずっとマンションの管理をしてはいません。
契約によって週何回か決められた時間に来る場合もあれば、ゴミ収集などの決まった日だけ来る場合もあります。
大家さんからすれば、管理人にかかる費用をかなり安く抑えられるメリットがあります。
住人にとっても、それなりに周辺環境はきれいになっているので、快適性はあります。
しかし、管理人に求める理想からすると、この管理形態では不十分な面もあります。
常に管理人さんがいるわけではなく、特に夜間は不在のケースが多いので、防犯面での抑止力はあまりありません。
もし管理人に用があるのなら、あらかじめ巡回する日や時間を聞いておくといいでしょう。
通勤して管理
最も多くのマンションで採用されているのが、管理人を通勤させる業務形態です。
巡回と比べると管理人さんの滞在時間は長くなります。
一般的な管理人さんの勤務時間は、平日でしたら9時から17時までで土曜日は午前中のみ、日曜と祝日はお休みという、公務員のような勤務形態です。
ただし実情は、マンションの物件紹介では「日勤管理」となっているのに実情は巡回と変わりないところも少なくありません。
最もポピュラーな管理形態であるだけに、勤務体系の幅も非常に広いので注意をしましょう。
管理人が住み込み
マンションの住人にとって理想的といえる管理人の形態が、住み込みです。
管理人室に管理人さんが住み込んでいて常駐しています。
管理人室は入口からエレベーターもしくは階段に通じるところに設置されていることが多いので、管理人の目を盗んで入ろうという不心得者にとっては厄介な存在です。
防犯上のメリットはもちろんのこと、トラブルがあったときの対策も迅速で心強いです。
ただし、この形態では家賃にプラスされる管理費が高くつく傾向にあります。
総戸数の多いマンションならば頭数で負担して軽減できますが、そうでないと管理費は高額になりがちです。
それでも、安全性と快適性をお金を出して買っていると考えれば、決して高い買い物ではありません。
管理人がいない
しかし中には、管理人がいないマンションもあります。
清掃のパートタイマーのみ
その場合まず、清掃業務だけをパートタイマーに任せて、その他の管理業務はしないというもの。
防犯面などでは不安が残りますが、マンションの清潔さは保たれます。
警備会社と契約
もうひとつは、警備会社と契約をしてオンラインセキュリティを結ぶ形態です。
通常、通勤や巡回の管理人がいない時は不安ですが、これならば不在時でも警備会社のセキュリティが守ってくれるので安心です。
マンションに住むときには「管理を買え」と言いますが、その管理形態を知ることは非常に重要です。
とくに、管理人の勤務形態や管理方式、そして管理会社はどこなのかを確認しておきましょう。