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エレベーターは住み心地を大きく左右するポイント

パリのアパルトマンを見てみると、地上7階建てや8階建てなのにもかかわらず、エレベーターが設置されていない物件が多いです。
設置スペースが限られているのと、設置工事が容易でないことがその主な理由ですが、それに対して日本のマンションはエレベーターの設置率が高いように感じます。
エレベーターは、日本のマンションの住み心地を大きく左右する要素なのです。

エレベーターは何基あるか

マンションのエレベーターが何基あるか、これは住み心地を左右する大きな問題です。
公営住宅や団地などでは、5階くらいの階数のマンションであってもエレベーターは設置されていないことが多いです。
エレベーターの設置、そしてその維持管理には莫大なコストがかかるため、公営のマンションではあまり設置されていません。

一般的なマンションではエレベーターは1基設置されておりますが、タワーマンションでは複数のエレベーターが設置されているのも珍しくはありません。
タワーマンションはそれだけ戸数が多いことの証左でもあるわけですが、エレベーターの基数が多ければそれだけ利便性も増すものです。

低層階用と高層階用エレベーター

タワーマンションには複数のエレベーターが設置されていると言いましたが、その全てが同じ役割ではありません。
あるエレベーターは低層階用で別のエレベーターは高層階用と、階数によって役割を分けているのが現状です。

2基以上あるタワーマンションのエレベーター

階数によって役割を分けているタワーマンションのエレベーターですが、完全に役割を分けている場合とそうでない場合とがあります。
例えばある40階建てのタワーマンションにエレベーターが2基あるとしましょう。
1基は20階までは止まらず21階以上は止まってくれるエレベーター、もう1基は各階に止まってくれるエレベーターとなれば、前者のエレベーターは高層階用、後者は低層階用と役割を分けていることとなります。

一方で、2基両方とも各階に止まることができるようになっているエレベーターは、その役割を分けていることにはなりません。

高層階住民からの不満

ここで問題となってくるのが、高層階の住民の不満です。
自分たちは高いお金を出して高層階に住んでいるのに、低層階の人たちが自分たちのエレベーターを使っているため、下に着くのが遅れると不満が出るのです。
2基とも各階に止まるエレベーターを設置しているタワーマンションで、特にこういった不満は多いようです。
ただし、高層階用のエレベーターを低層階の住民が使ってはいけない規約はないので、特に混雑する時間帯には互いに気を使って利用したいものです。

エレベーターからの動線

ここまでは、マンションのエレベーターそのものにスポットを当ててきましたが、マンションはエレベーターだけで完結するものではありません。 自分の部屋からエレベーターに着くまでの動線、そしてエレベーターから外に出るまでの動線も問題となります。

エレベーターからの距離が遠い

エレベーターを降りてからメインエントランスを出るまでの動線、これは大規模マンションになればなるほど長くなる傾向にあります。
エレベーターまでにロビーやコンシェルジュデスクなどがありますと、その分空間を設けなければなりませんので、すぐに外に出たくてもなかなか出られません。
特に朝の通勤で時間がない人にとって、これが意外なタイムロスになります。

エレベーターからメインエントランスの距離は誰でも等しい距離ですが、エレベーターから各部屋の距離は住民によって差が出てきます。
マンションのエレベーターは、内廊下式で設置されるものと外廊下式で設置されるものがあります。
内廊下式ですと、エレベーターはマンションの中央部分に設置されることが多く、どの住民も部屋からエレベーターまでの動線は大して長くなりません。
しかし、外廊下式で設置されますとエレベーターは中央ではなく端に設置されるケースが多くなります。
そうなると、エレベーターと真逆に住んでいる住民は、エレベーターまで行くのに長い廊下を歩かなければなりません。

エレベーターの騒音問題

どうしても部屋からエレベーターまでの距離を短くしたいのであれば、エレベーターの前のマンションに住むことがベストです。
しかし、それはそれで別の問題が浮上してきます。
それは騒音問題です。

エレベーターが動く際の「ガタンゴトン」という音はもちろんのこと、エレベーターが到着したときの「チーン」の音、最近はご丁寧に到着したことを知らせる音声アナウンスもあったりしますので、それも騒音ですね。
そして、廊下を歩く住人の足音や声などももちろん騒音となります。
そんな音も日中でしたら大して気にならないものですが、深夜にその音がして目が覚めてしまうこともあります。
だからといって、深夜にエレベーターを稼動させないわけにもいきません。
利便性をとるか、静けさを求めるか、究極の選択ともいえそうですね。

マンションの住民がみんなで使う「共有財産」ともいえるエレベーター。
共有設備の中でも最も大規模で、かつ最もコストのかかる設備でもあります。
一度設置すれば半永久的に換えることはないので、マンション選びではエレベーターもじっくりと見ておきたいものです。