リノベーション、おすすめの間取り変更プランで効率よい生活
間取り変更する前に明確にしておきたいこと
新築マンション価格の高騰や既存の建物の建替え抑制などの背景から、中古マンションのリノベーションを検討する人が増えています。マンションの構造によっては、内装や間取りを自由に変更できるのがリノベーションの特長です。
間取りによって、同じ面積のマンションでも住み心地が変わります。便利で暮らしやすい間取りにするためには、何に注意すればよいのでしょうか?
まず、設計の前に、リノベーションの目的とリノベーション後のマンションでどのように暮らしたいのか明確にすることが大切です。
リノベーションを考えるということは、現在の住環境に何か不満や不足に思うことがあるはず。それをどう改善したいのか、どう暮らしたいのか新しい住まいへの希望をはっきりさせましょう。
また、家族の中で異なる希望があり、全てを実現できないこともあります。その場合、何を優先させるか家族で話し合っておくことが大切です。
ゾーニングを考えよう
リノベーションの目的や希望するライフスタイルがまとまれば、ゾーニングを考えましょう。ゾーニングとは、建物内の空間を目的や機能別に分け、大まかに部屋の配置を決めることです。
住宅の場合、大きくパブリックゾーンとプライベートゾーン、サニタリーゾーンの3つに分けられます。それらの目的や機能別に部屋を分類すると次のようになります。
パブリックゾーン
- 玄関
- リビングルーム
- ダイニングルーム
- キッチン
サニタリーゾーン(水まわり)
- トイレ
- 浴室
- 洗面所
プライベートゾーン
- 寝室
- 子供部屋
- 書斎
- ホビールーム
家族構成と希望するライフスタイルによって、ゾーニングは大きく変わってきます。こちらのリストを参考に、何を優先させたいのか、どうすれば便利で暮らしやすいか、家族でよく話し合いましょう。
例えば、人を招いてホームパーティーなどしたいのなら、人が集まるリビングダイニングはワンルームにし、玄関近くが良いでしょう。対照的に、在宅勤務で小さいお子さんがいる家庭なら、プライベートゾーンの中で集中できるスペースが必要ですが、子供部屋はその近くに配置したいですね。
最適な間取りプランのために
以上のように、ゾーニングをすると、希望のライフスタイルや家族のニーズに合った間取りプラン作りに役に立ちます。
ゾーニングの次に具体的な間取りプランを考えることになりますが、ここでは、1つの事例をご紹介します。
事例: Kさん夫妻(30代)のケース
Kさん夫妻は共働きで保育園児のお子さんが1人います。ご主人か奥さんどちらか早く仕事が終わった方がお子さんのお迎えをして帰宅。その後、慌ただしく料理などの家事をして、夕飯というのが平日のライフスタイルです。
リノベーションに向けたKさん夫妻の主な希望は次の通り。
- 料理をしながら洗濯やお風呂の用意をすることが多いので、家事をまとめて効率よくできるようにしたい。
- 家事をしながらも、子供に目を配っていたい。
- 家族で過ごす時間を大切にしたい。また、子供が成長してもリビングに家族が自然と集まるようにしたい。
以上のことから、Kさんたちはゾーニングについてこうまとめました
- 洗濯機置き場や浴室を含む水まわりをキッチンに隣接させる。
- キッチン、リビングダイニングをワンルームにまとめ、リビングに子供部屋をつなげる。
そして、Kさん夫妻は設計者と相談し、アイランドキッチンからリビングダイニング全体を見渡せる間取りにしました。
子供部屋はリビングの一部を3枚引き戸で区切るような形です。引き戸を開けておけば、家事をしながら子供の様子を見ることができます。お子さんが成長したら、引き戸2枚を固定して間仕切りにし、プライベート空間にするつもりです。
また、キッチンから水まわりコーナーに直接行き来できるようにしたので、家事の掛け持ちもラクになりました。
ステップバイステップで考える
以上のように、事例のKさん夫妻は効率よく暮らしやすい間取りにすることができました。
こうして、リノベーションで間取り変更を成功させるためには、ステップバイステップでプランを進める必要があります。リノベーションへの家族の希望をまとめ、ゾーニングを考えましょう。その際、将来のライフスタイルの変化も考慮し、家族でよく話し合いながら進めることが大切です。
以上をご参考に、暮らしやすい間取りプランをご検討いただければと思います。