マンションの火災対策。リノベーションでできることって?

マンションの火災対策のポイント

中古マンションを購入してリノベーションすれば、新築マンションを購入するよりも割安な予算でマイホームが取得できます。とはいえ、大きな買物であることに変わりありません。せっかく多額の費用をかけてリノベーションをするのですから、災害に強い住宅にしたいですね。
災害といえば、地震や台風と並んで怖いのが火災。
今回は、リノベーションと火災に強い住まい作りについて考えたいと思います。

リノベーションで火災に強い住宅を作るには、2つの大きなポイントがあります。
1つめのポイントは、火災に強いマンションを選ぶこと。2つめは、リノベーションで専有部分を火災に強い住宅にすることです。

火災に強いマンション選びとは

1つめの火災に強いマンション選びですが、RC造や鉄骨造のマンションは本来火災に強い構造になっています。多くの人が住む大規模な建築物であることから、建築基準法や消防法で高い耐火性能を持たせるよう定められているからです。加えて、マンションは細かく住戸ごとに壁や扉で区切られているので、延焼しにくいのです。

ただし、都心部の密集したエリアで、隣の建物との間がほとんどないような物件は隣の建物からの延焼や飛び火、いわゆる「もらい火」に注意しましょう。もらい火を防ぐには隣の建物との間に一定以上の空間が必要です。上に行くほど炎は燃え広がるので、1階の住戸で隣の建物との間隔が3メートル、2階以上なら5メートル以上空いているのが望ましいです。

隣家の家事による延焼でこちらに被害があっても、原則として、損害賠償の対象にはなりません。購入希望の住戸がある階と隣の建物との間隔が注意ポイントになりますね。

火災に備えたリノベーションではここに注意

2つめの、リノベーションに際して専有(住戸)部分を火災に強くするために気をつけたいポイントですが、次のようになります。

火災に強い内装材

一般的なマンション用の素材は防炎や耐火性能があるので、あまり神経質になる必要はないかと思います。そうはいっても、自分好みの内装材が選べるのがリノベーションのメリット。漆喰や珪藻土の壁材や無垢材のフローリングなどの自然素材を使いたい場合も防炎・耐火性能があるものがたくさん作られています。
ただし、いずれの場合も、例えば、不燃の壁紙を使うのであれば、その下地材の石膏ボードも同様に不燃でなければあまり効果がありません。こうした材料選びについては、リノベーション業者とよく相談して決めてくださいね。

火災警報器

2004年より住宅用火災警報器の設置が義務づけられ、それ以降に建設されたマンションには火災警報器が設置されています。
購入したマンションに火災警報器が設置されている場合、一時的にでも取り外したり、移設したりするには、事前に管理組合への確認が必要です。物件によっては、移設や再取り付けについて業者を指定していることもあります。
火災警報器が設置されていないマンションに新しく取り付ける場合、住居内の設置場所は市町村の条例によって異なるので、こちらも確認しておきましょう。

間取りについて

マンションで火災があったとき、外部への避難経路となるのが、玄関から共用階段とバルコニー側の窓からバルコニーの避難ハッチ。つまり、玄関とバルコニー側の窓が住戸内からの非常口となります。間取りを変更するなら、緊急時の避難を意識して各部屋からこの非常口までの動線を確保したいものです。

また、間仕切り壁を移動したり、部屋を増やす場合、火災警報器の移設や増設が必要になることがあります。火災警報器の移設が制限されているマンションでは、間取りの変更も制限されることも。
いずれの場合も条例のチェックと管理組合への相談が必要です。

物件選びとリノベーションで火災に備えよう

基本的にマンションの構造は火災に強いものですが、実際のマンション火災の原因で多いのが隣からのもらい火。密集している場所ほどそのリスクは高くなります。それを避けるには隣の建物との間隔を確認して物件を選ぶしかありません。

とはいえ、マンションの火災対策は物件選びだけではないこともおわかりいただけたでしょうか?
専有部分のリノベーションのときに、火災に強い素材を選ぶことで延焼を遅らせることができます。また、非常口を意識した間取りにすることで素早い避難につながります。マンションリノベーションでさらに火災に強い住居にできるのです。

上記のポイントを参考に、家族の命を守ってくれる火災に強いマンションを手に入れてくださいね。

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