2019/6/6
バリアフリーは段差の解消だけじゃない
こんにちは。ひかリノベ施工管理・高橋です。
人生100年時代といわれる昨今、老後に備える家づくりの工夫がますます重要になってきているように思います。
「バリアフリーリフォーム」と一口に言っても、具体的にどんな工夫が必要なのか? 床の段差解消が代表的ですが、それだけでは充分とはいえません。
床段差の解消~家の中には段差がいっぱい
引用元;LIXIL(https://www.lixil.co.jp/)
健康なときはあまり意識することもありませんが、怪我などすると家の中の小さな段差がハードルのように感じられることがあります。
たとえば玄関の段差。玄関上り框の高さは、マンションで10cm~15cm、戸建てでは30cmなんてことも。
ドアの沓摺り(ドア枠の段差のこと)のような大したことのない段差でも、つまずくことがありますね。
玄関上がり框の段差や、配管の関係で水回りが一段高くなっているといった、比較的大きな段差は、 スロープや手摺を設置して、上りやすくする工夫を。
また靴の着脱用に椅子を設置すると、屈んだり、立ち上がったりするのがラクになります。
沓摺りへの対応は、いまは段差が生じない建具がありますので、ぜひ積極的に取り入れましょう。
手すりの設置~必要な場所に使いやすい高さで
引用元;LIXIL(https://www.lixil.co.jp/)
手すりは階段に設置して、上り下りをしやすくするのはもちろんですが、トイレ・浴室にも設置をおすすめします。
筋力が弱くなっていると、立ち上がったり、かがんだりする動作が、手すりなしでは辛くなります。
トイレに手すりがあると、立ち上がる動作がラクに。
浴室には、入口付近と浴槽をまたぐときに手摺があると安心です。
温度差をなくす~ヒートショック対策
洗面脱衣室や浴室・トイレといった、寒さを感じやすい空間を暖かく快適に保つことも、バリアフリーの一つです。
リビングや寝室には冷暖房があって快適。でも洗面脱衣室や浴室、トイレにはありますか?
暖かい居室と、寒い水回りの温度差が、ヒートショックの原因となることがあります。
浴室には暖房付き換気扇を。
洗面・トイレにも暖房器具を設置して、家中の温度をなるべく一定に保ちましょう。
設備の変更~毎日のお手入れをラクに
引用元:クリナップ(https://cleanup.jp/)
キッチンやトイレといった水まわり設備の掃除は、屈む動作が多く、体が辛くなりやすいです。
お手入れの手間がかからない、家事効率を向上してくれる設備を取り入れることも、将来に備える工夫といえます。
たとえば、キッチンのレンジフードやコンロ。
レンジフードの掃除は、若い人でも決してラクなものではありませんでしたが、最近は自動でファンを洗ってくれるものや、お掃除10年不要なんてものも登場しています。
コンロも、五徳を外してサッと拭けばOKというものや、汚れやにおいが落ちづらかったグリル掃除が簡単にできるもの、各メーカー工夫した製品を売り出しています。
IHなら天面が平らなので、拭き掃除は一層楽チンです。
トイレは多機能便座が主流になって久しいですが、こちらもお掃除しやすい形状、汚れがつきにくい素材で、お掃除をラクにしてくれるものが多くなってきました。
ドア・廊下を広く~車椅子でも出入りしやすく
将来もし車椅子をつかうことになった場合、通常のドアや廊下では広さが不充分です。
また廊下に手すりを設置する場合、広さがそのままだと足りず、かえって通りづらくなってしまうことがあります。
ドアを大きくしたり、引戸に変更すると、将来的に車椅子にも対応しやすくなります。
一方で引戸は開放時に戸を収めるスペースが必要になるため、変更が難しい場合もあります。ドアのハンドルをレバータイプや、プッシュプルタイプにするだけでも開閉が楽になります。
廊下は車椅子でも通れる広さに広げて。
手すりを設置する場合、手すりの文も広めにとっておく必要があります。
以上のように、バリアフリーと一口にいっても、考えられる対応は多岐にわたります。
「まだまだ先の話」ではなく、極端な話、若い人でも思わぬ怪我などによって、生活に不便を感じる場合があるかもしれません。
リノベーションを考える際は、ぜひこうした「もしもの備え」についても目を向けてみてくださいね。