2015/4/17
間取りへの意識
3月28日、江戸東京博物館の常設展示室リニューアルオープンで、早速行ってきました☆。
たくさんの史料や模型が展示されていて、江戸時代の風景がリアル感たっぷり!
その中で、特に目をつけられたのが大名屋敷や町屋の間取りです。職業病かもしれません(笑)。
と言うことで、今日は間取りの歴史を少し遡りたいと思います。
江戸時代ではよく見られるのが「大名屋敷」、「数寄屋造」、「町屋」住宅です。前二者とも書院造に茶室建築の意匠を取り入れた建築様式で、敷地が広く、各部屋を自由に配置できます。一方町屋は、都や街道筋の町に建てられた建物で、ほとんどの場合は商店と住居が一緒になります。間口が狭く奥行が長いのが特徴で、なんと、その時の台所はほとんど土間でした!
また、民家や農家の間取りは一般的に、茶の間、くちの間、納戸、座敷に4分割され、「田の字型住居」と呼ばれました。部屋と部屋の区切りは障子でしたので、プライバシーは限りなくゼロに近いです。
ようやく、時代移り変わり、大正時代では「中廊下型住宅」が現れました。中廊下を加えることによって、生活空間と水回りの使い分けができて、都心部中産階級の住宅によく見られたスタイルになりました。特徴としては応接間は玄関の近くということです。
その後、昭和時代は西山夘三が提唱した食寝分離を基本とした2DK型住宅が主流となり、現代住宅の原型になりました。そして、現在の住宅は下記のように、南側はリビングルームで、中心は水回り、北側は寝室となるのが一般的です。
時代の変化によって、間取りも大きく変わっています。現在の私たちは昔の間取りを見ると、え? それでは住みにくいのでは? と思うこともありますが、実際は慣れと言うか、不便でありながら、そのまま住んでしまうのがほとんどです。
自分の生活環境に少し疑問を持ってみると、もっと快適で、自分のライフスタイルに合わせた暮らしができるかもしれません。まずは、間取りに意識を向けるのは如何でしょうか。リノベーションは、そういう自分らしい暮らしを追求する方の夢を実現するために生まれたものだと思います。