2022/6/14
トレンドのインテリアデザインとは?日本の伝統素材に注目!
こんにちは。設計担当の水谷です。
今年の春は暑い日があったり、急に涼しくなったりと、寒暖の差が激しい日が続きましたね。
そしてアッという間に梅雨入り。皆さまは体調などくずされておりませんでしょうか?
梅雨時は雨が多く、浴室暖房乾燥機や室内物干しが大活躍ですね。
今回は、今後注目のインテリアデザインを紹介いたします。
2大人気のインテリアテイスト
ここ数年のリノベ―ション事例の傾向を見ますと、インテリアのテイストが大きく2つのタイプに分けられると感じます。
一つはインダストリアル系、もう一つはナチュラル系です。
インダストリアル系は、黒やシルバーなど工業製品を思わせるような無機質な質感、そしてコンクリート現しやモルタル調の壁などあえて無骨な表現を用いた比較的若い世代に人気のテイストです。
一方ナチュラル系は、床は無垢材など肌触りの良い自然素材、内装カラーはホワイトを基調とした明るく優しい雰囲気の空間で、幅広い世代に人気のテイストです。
もちろん、ナチュラル系をベースにブラックの金物やガラスなど、少しだけインダストリアル系のテイストを取り入れたインテリアもとても人気がありますね。
例えば無垢のフローリングにモルタル調の壁など、自然素材と無機質素材のミックス。
これらはまだまだ根強い人気があり、各建材メーカ―もこれらに対応できる商品のラインナップがさらに充実してきています。
今注目のSDGsデザイン
ここ数年はサスティナビリティ(持続可能性)やSDGs(持続可能な開発目標)という言葉をよく耳にします。
今年のミラノサローネ(ミラノサローネ国際家具見本市)のテーマも「サスティナビリティをデザインし美をたたえる」だったそうです。
これらの言葉を聞くと「環境、循環」や「自然、天然」などを連想しますが、もともと日本古来の住宅の材料は自然で土にかえる素材だったのですよね。
この時代の流れが影響してか、近年は住宅用の建材や内装材などにも自然素材や和のテイスト、日本の伝統的な技やモチーフなどを目にする機会が多くなったような気がします。
和の床材
日本の伝統的な住まいというと、珪藻土、漆喰、畳、障子、ふすまなどの素材やアイテムを思い浮かべますが、中でも畳は最も代表的なアイテムです。
「どこかのスペースに畳を」というご要望は、若い世代の方からもよく頂きます。
もしかしたら、和室を希望される方の多くはお家に和室がなかった世代かもしれません。
特にマンションの場合は、標準プランで和室があるタイプのお部屋というのは少なくなってきていました。
和で畳以外の床材ですと、他にサイザル麻という床材があります。
サイザル麻はたわしやロープ等の材料に使われる自然素材で、味わいがあり、リノベーションのインテリア素材としても雰囲気がありますね。
上田敷物カタログより
和の壁紙
壁紙は現代の住宅ではビニールクロスが主流ですが、
日本伝統の壁紙には和紙や織物、金銀箔まで(!)さまざまな素材があります。
これらはビニールクロスと比較しますと、価格もお高めで、施工性においてビニールクロスよりも難しいものもあるので、お部屋のアクセントとして取り入れてみると良さそうです。
和紙クロスの商品で興味深かったものが、和紙×レモングラス、和紙×小豆などです。ほかにも竹などの自然素材が含まれているクロスがあり、素材そのものがクロスの柄となっていて、ナチュラルな風合いとニュアンスがおもしろいと思います。
Lilycolor アルミニウム箔(左)・錫(すず・右)
Lilycolor 和紙+レモングラス(左)和紙+小豆(右)
伝統の技とデザイン
自然素材や日本古来の素材とは別に、日本の伝統的な技や柄にも注目してみたいと思います。
タイルでは、KINTSUGI(金継ぎ)という新しい商品に注目しています。金継ぎはヒビが入ってしまった陶磁器の破損部分(割れや欠け)を漆によって接着し、金などの金属粉で装飾して仕上げる修復技法なのですが、これをタイルのデザインにしたのは斬新です。
DANTOタイル
まとめ
インテリアのトレンドと日本の伝統的な素材や技、柄についてご紹介しました。
今回ご紹介したほかにも、日本の伝統的な柄やカラーなどを取り入れた商品もたくさんあります。
また自然素材はひとつ一つに個性があり、味わいや経年変化やを楽しめるため愛着が湧きます。
これらを新しいインテリアの要素として取り入れてみてはいかがでしょうか?
また、住宅では古材をインテリアの要素としてご提案することがありますが、はじめにお話しいたしましたサスティナビリティ(持続可能性)やSDGs(持続可能な開発目標)という観点から、近年はリユース(再利用)商品が注目されているそうです。
先日もニュースで、飛行機の素材(シートベルトやシートカバーなど)を再利用した財布やキーホルダーなどの小物類、整備士さんの作業着を再利用したトートバッグなどが紹介されており、売れ行きも好調だったそうですよ。
住まいや生活などライフスタイルの中にこれらの意識が定着し、今あるものを大切にしたり、再利用したりして丁寧に暮らせていけたら素敵だなと思います。