2021/1/25
準防火地域 窓やドアのリフォームで
こんにちは、ひかリノベ設計の大宮です。
最近一段と寒くなってきました。今年の冬はいままでと違い、換気や加湿により気をつけねばならず、たいへんですね。
今回のテーマは、窓やドアを交換したい、というご要望の際に、窓やドアのご説明をすると、困惑をされながら「えっ、そうなんですか?」と、お施主様からよく言われる事をお話いたします。
準防火地域
皆さんは、防火地域・準防火地域 (一部に新防火地域もある) というモノをごぞんじでしょうか?
ちなみに、東京23区・横浜市・川崎市は、ほとんどの地域が、防火地域・準防火地域となります。また、その他の地域でも、大ざっぱな言い方ですが、駅前の繁華街は防火地域、その周辺は準防火地域、となっているところが大半です。
ほとんどの各市区町村で、ホームページに”都市計画図”や”用途地域” などがあり、そこで、防火地域・準防火地域が分かります。
防火地域には商業施設などが多いのですが、準防火地域は住宅地も多いです。東京都など首都圏では、防火地域・準防火地域が拡大傾向にあります。
住宅を新築する時には準防火地域でなくとも、10~30年経ってリフォームする時は、そこが準防火地域になっている、というケースはかなり多いです。
<防火地域等のイメージ図>
出典:madopro
<準防火地域での制限>
出典:スーモ
準防火地域だとどうなの?
その準防火地域に入っていると、”リフォームでもなにか影響があるの?”という事なのですが、あります。
一般的な木造2階建の住宅でリフォーム・リノベーションの場合、該当しやすいのが、サッシ・玄関戸になります。
新築の時は、地域外だったので当然ですが、普通の窓や玄関戸をつけますね。で、その後、準防火地域に入ってしまったとなると、サッシと玄関戸は、防火窓(防火シャッター)・防火ドアとつけなければなりません。
大きいサッシならシャッターでOKになる事もありますが、小窓は、そもそも対応するシャッターがないため防火窓という選択肢になります。
特徴としてはガラスが網入りになります。(最近では網なしガラスで防火窓もありますが、まだまだ高価なようです。)
防火窓・防火ドアは、もちろん通常の窓や玄関戸より高価で、2倍以上、比較する通常サッシの金額にもよりますが、私の感覚では3倍近いような気がします。
<網入り窓ガラス>
<網なしガラスの防火窓>
出典:YKK
<防火玄関戸>
出典:LIXIL
たとえば、カーポートも
その他で、準防火地域になった事で変わった事で、該当する事があると言えば、増築です。防火・準防火地域以外の場合、畳6帖程の増築(10㎡までの増築)は、建築確認申請が不要、要は役所へ申請不要なのですが、防火・準防火地域は申請が必要となります。
この”増築”ですが、以外なところで引っかかってしまう場合があります。
それはカーポートです。カーポートも床面積に該当し申請が必要となるケースがありますが、申請するという事は、当然ですが建築基準法を遵守してなければ通りません。
準防火地域は特に、建ぺい率・容積率 (例えば、30坪の土地なら、建坪で15坪まではOK、というように、土地面積によって建物の大きさの上限は決まっています) をギリギリで住宅を建てているケースが多く、カーポートを設置すると面積がオーバーになり、申請が通らない…というケースが多々あります。
またさらに、カーポートは、「屋根が耐火的な素材でなければならない」、に引っかかて申請が通らないケースもあります。
業者選定は、しっかりと
弊社では、法令は遵守いたします。防火サッシをつけるべきを、通常サッシをつける、という事は行いません。
同業他社を批判するわけではないですが、現実には、どう見ても、面積オーバーなカーポートは非常に多くありますし、リフォーム・リノベの際、準防火地域でも、防火サッシ・玄関戸を使用していないと思われるケースも見受けられるのが現状です。
そういった場合に、担当の行政庁から是正命令が出る場合があります。法律の範囲内になるようになおして下さい。という事です。それを放置し続けていると、最悪の場合は、代執行になり、また、行政罰になる可能性もあります。リフォーム・リノベーションでもそういった落とし穴がありますので、依頼する業者さんが、きちんと法令を知っているのか、また、しっかり守る意識のある業者さんか、ご自身でしっかりと見極めて下さい。費用のみで比べちゃダメですよ。
以上、準防火地域とサッシなどのお話を致しました。いかかでしたでしょうか?
私は、年末年始は毎年旅行に行っていたのですが、今年の正月は、久しぶりに、おうち正月でした。
家から歩いて行ける小さな神社に、とりあえず初詣しときました。今の家に引っ越しで7年程ですが、初めてその神社に行きました。小さいのに、境内に入るとけっこう長い階段があって…神社やお寺はどうして階段が多いんですかね。しかも、階段がまあまあ急傾斜だったりするし。バリアフリー化をものともしないですね。
皆さんは、年末年始いかがお過ごしいたしましたか? 今年こそは安心して暮らせる年なってほしいですね。