2020/9/10
中古リノベの契約手続きの流れ~不動産売買契約・請負工事契約・金銭消費貸借契約
こんにちは、ひかリノベコーディネーター・櫨本です。
最近は雨が多いですが、まだまだ暑い日が続きますね。みなさんも体調に気をつけて下さい。
さて、中古リノベーションをするにあたって「不動産売買契約」、「請負工事契約」、「金銭消費賃貸借契約」の三つの契約が必要になってきます。
今回はその三つの契約手続きの流れを金融機関のお申し込みのタイミングとからめてご説明させていただきます。
1.3つの契約
中古マンションや中古戸建を購入して、リノベーションをされる場合、三つの契約が必要となります。
それは、『不動産売買契約』と『請負工事契約』『金銭消費貸借契約』です。
三つの契約について簡単にご説明いたしますと、
- 不動産売買契約・・・売主が買主へ財産権を譲渡すること、買主は売り主に代金を支払うことを約束する契約
- 請負工事契約・・・建て主が建物を建てる際に施工業者と結ぶ契約
- 金銭消費賃借契約・・住宅ローンを借り入れする際に借主が返済を約束する契約
順番としては不動産売買契約が一番初めに行う契約になりますが、この売買契約をするまでにやるべきことがあります。
以下の章では売買契約の前にやることから、売買契約、請負工事契約、金銭消費賃借契約の流れまでをご説明していこうと思います。
また、中古物件購入とリノベーションを同時に行なう場合、金融機関への融資(ローン)の申込みのタイミングも非常に大切となります。
金融機関への融資のお申込みの流れは、大きく下記の3つとなります。
- 『事前審査』
- 『本申込み』
- 『金銭消費貸借契約』
上記の融資関連のことも踏まえて以下にくわしく書かせていただきますので、最後までご覧いただけたら幸いです。
2.不動産売買契約までの流れ
資金計画による全体費用の算出
まず最初に行なうことは、『資金計画』です。
色々な夢はあるかとは思いますが、ご予算内でどこまで出来るか、また中古物件とリノベーションにどれくらいの割合で予算をかけたらいいのか、おおよそいくら位お借入が出来るのか等、担当者に確認してみましょう。
ご希望エリアの相場価格の把握
次に、お住みになりたいエリアについてです。当初のご相談の段階より、ほとんどの方がエリアを絞ってご来店されます。
実は、各エリアには『相場価格』というものがあり、過去の成約価格をもとにエリア毎におおよその物件価格は決まっております。
資金計画をもとにご希望のエリアに住めそうか、もしくは範囲を広げて探すべきか、相談してみてください。
物件の内覧
担当者から提案される物件のうち、見てみたい物件について伝えてください。『内見』の手配をしてくれます。
内見時は当物件のお部屋の確認から、管理状況、周辺の環境、駅までの距離等、いろいろな角度から確認してみてください。
リノベーションをご希望される場合、工事が出来ること、出来ないこともあります。後々、後悔することが無い様、建築に詳しい者にしっかりを説明を受ける様にしましょう。
購入申込み~融資事前審査申込み~売買契約
気に入った物件が見つかったら、『購入申込み』をしましょう。
基本的には、購入申込みをされた順に物件購入の優先権はありますが、売主様の考え方も様々で、一番高く買ってくれる方に…というケースもあります。
購入申込みをされたから1週間~10日以内に売買契約というのが、不動産業界では一般的です。
そして売買契約を締結するためには、融資の『事前審査』の承認がおりていることが必須です。
したがって、購入申込みと前後するタイミングで、金融機関に事前審査を申込むことになります。
事前審査は、一般的には3~5日以内に結果が出ます。
事前審査の承認も下り、いよいよ売買契約を結ぶ際に、気をつけなくてはいけないのは手付金の準備です。
購入資金は融資で賄うといっても、売買契約時には代金の一部を現金で収める必要があります。金額は、一般的に物件価格の5%相当となります。
売買契約後はいよいよ本格的にリノベーションのお打合せが始まります。
ご自分の希望や理想など、大いに語ってください! 専属の設計デザイナーが、素敵なリノベーション案を提案してくれるでしょう。
3.請負工事契約のまでの流れ
売買契約書には、融資承認を〇月〇日までとします、という内容を記載します。
『融資承認』とは、金融機関への融資の本申込みの承認のことです。
金融機関は、融資の審査を二段階で行います。本申込みでは、事前審査より細かな内容(契約物件のことや個人情報等)を審査する形となります。
そしてこの本申込みの承認が下りないことには、融資を受けることができないのです。
この本申込みをする際、金融機関には『不動産売買契約書』のほかに『請負工事契約書』も提出する必要があります。
中古を買ってリノベーションの場合、物件代金だけでなくリノベーション費用も合わせて借入できることはご存知でしょうか。
このリノベーション部分の費用についても融資を受けたいという場合、リノベーション内容についても金融機関の審査を受けることになるのです。
つまり、本申込みのタイミングまでに、物件の売買契約に加えて『請負工事契約』も締結しなくてはいけないということになります。
リノベーションのお打合せは、ずっとしたい気持ちにさせるくらい楽しい内容ではありますが、実はお打合せのリミットがあるということです。
たとえお打ち合わせ途中であっても、金融機関に契約書を提出するため、請負契約を結ばなくてはいけないのです。
融資承認予定日は、売買契約後よりおおよそ3~4週間後となります。
審査期間は1週間~10日ほどを要しますので、売買契約後の2週間前後には、請負工事契約を結ぶのが理想的です。
融資の実行は、物件お引渡し時に行われます(お客様の口座に融資額が振り込まれます)
そのためお引渡しより1週間~10日前には融資額を確定し、金融機関と契約を結ぶ必要があります。これを『金銭消費貸借契約』と言います。
なお、融資の減額については、金銭消費貸借契約前であれば請負工事変更合意書(変更契約)をお借入先の金融機関に提出することで融資の減額が可能ですので、ご安心ください。
まとめ
以上のことを踏まえて、中古リノベーションをするにあたっての「売買契約」、「請負工事契約」、「金銭消費賃借契約」の流れは下記のようなスケジュールとなります。
リノベーションをお考えの方は、ぜひ参考になさってください。
- 資金計画やリノベーション、ご希望される物件内容について個別相談
- ご希望する物件を内見
- 購入申込と同時に融資事前審査書類提出~審査
- 事前審査の承認後、『不動産売買契約』(手付金のお支払い)
- 売買契約後、約2週間後に『請負工事契約』
- 融資本申込書類提出~本審査
- 売買契約後、約1か月~1か月半ほどリノベーションのお打合せ
- リノベーションの最終金額がかたまり次第、融資額の確定(請負契約変更合意書)
- お借入先金融機関との金銭消費貸借契約
- 物件のお引渡し(当日の融資実行にて物件残代金のお支払い等→同日に所有権移転)
- リノベーションの着工~完成(約3~5か月)※規模・内容によります