2020/1/21
躯体(くたい)とは、具体的にどこのこと?
こんにちは、両国ショールームの大宮です。
「躯体(くたい)」という言葉は耳慣れないかもしれませんが、リノベーションのお打ち合わせなどでは、結構多く出てくる言葉です。今回は、この「躯体」とは何か、わかりやすくご説明します。
「躯体」は、一言でいうと、建物の骨格部分です。
木造やRC造などの構造により、細かい部材の名称はありますが、要は骨組みです。
また、構造的に不可欠なモノ、それが無いと、建物が崩れてしまうモノとも言えます。
「躯体」ってどこのこと?
言葉での解説より絵の方がわかりやすいと思いますので、まずは図を見て下さい。
上の図は木造(在来工法)の躯体、下の図はコンクリート造の躯体の概略図です。
各部分の名称は、
- 縦方向の部材は、一般的に“柱”
- 横方向の部材は、一般的に“梁(はり)”
- 斜めの部材は、木造の場合は“すじかい”、SRC造などは”ブレース“
簡単に分類すると、上記のようになります。
また、リノベーションでは「スケルトン」という言葉もよく出てきますが、スケルトンとは、建物を躯体まで削ぎ落とした(解体した)状態、まさに上の写真のような状態の事を言います。
躯体がじゃまになる?
次に、「躯体」がリノベーションでどのように扱われるか、についてです。
リノベーションの醍醐味は、狭いキッチンをリビングと一体にして広い大空間を作るとか、逆に空間を壁で仕切って自分だけの書斎を作る、また窓を大きくして明るくするとか、空間を家族や自分用に変える、空間をカスタマイズする事だと思います。
そう思って、改めて先程の躯体の絵を見てみると、柱が邪魔に感じないでしょうか?
そうなんです、柱やすじかいは、自由なプランニングに対し、制限を与えるものでもあります。
しかし、構造的に不可欠なモノなので、安易に抜いたりしてしまうと、建物が崩れてしまいます。
木造の躯体は抜ける可能性がある
ただ、木造(在来工法)の場合は、条件によっては、柱やすじかいを抜く事も出来る場合があります。
ただそれには、いろいろな条件があります。骨組みである柱を抜くのですから、抜いても崩れないと確信出来なければなりません。
まずは、骨組みの図面……一般的には、プレカット図・伏図(ふせず)と呼ばれる図面が必要になります。
抜きたい柱の周囲だけでなく建物全体の柱やすじかいや梁の位置や寸法が必要となります。
その上で、補強をどこに入れるかシュミレーションをして、チェック(計算)をします。
その上で、構造的にOK の場合に、柱が抜ける、という事になります。
マンション(RC造)の躯体は抜けない
結論からいうと、マンションの場合は、柱や梁がじゃまなので抜く、ということは出来ないです。
また、マンションには、壁構造といって、柱でなく壁で重さを支えている構造になっている建物があります。
壁構造の場合は、その壁を壊す事は出来ないです。壁自体が躯体となっています。
マンションは梁に注意!
写真の天井の凹凸は、マンションの梁です。
梁といっても、この中が躯体でなく、たとえばキッチンの排気ダクトが入っている場合もあり、その場合は、壊せます。
しかし、中が躯体である梁は、壊せません。
このとき問題となるのが、キッチンやエアコンのダクトです。
基本的には、躯体の梁をまたいで、キッチンやエアコンのダクトを通す事はNGとされています。
そのため、躯体の梁にダクトをまたがなくてすむような、部屋の配置が必要となります。
今回は「躯体」を説明させていただきました。
間取りを考える際にじゃまにもなる躯体ですが、その重要性をしっかり踏まえた上で、撤去可能であれば、撤去致します。
リノベーションで、狭い部屋を大空間に、とお考えの方は、ぜひ一度ひかリノベへご相談下さい!!