リノベーションに適したマンション 5つのポイントとは
リノベーションの成功につながる物件選び
近年、新築価格の高騰などから、中古マンションのリノベーションを考える人が増えています。新築よりも低めの予算で新築並みかそれ以上の住環境が手に入るのがリノベーションの大きな魅力。しかし、その成功は物件選びによって大きく左右されます。
中古マンションのリノベーションを成功させるには、リノベーションに適した物件を選択することが不可欠なのです。
ここでは、そうした物件を選ぶためのチェックポイントをご紹介いたします。
リノベーション向きかのチェックポイント
リノベーションを前提に中古マンションを探すにあたっては、次のようなポイントに注意しましょう。
建物の構造
マンションの構造には大きく分けて「壁式構造」と「ラーメン構造」の2種類があります。壁式構造は床や壁・天井で建物を支える構造のため、基本的に間取りの変更ができません。
これに対し、柱や梁で建物を支えるのがラーメン構造。開口部や間仕切りの大きさや位置が自由に設定できるので、ラーメン構造の建物の方がリノベーションに適しています。
耐震性能
1981年に耐震基準が改訂され、それ以降に建築許可が下りた建物は現在と同様の耐震強度となっています。注意が必要なのが、それ以前に建てられたマンション。耐震補強をしていない物件が案外多いのです。耐震補強が済んでいるのか管理組合や管理会社に必ず確認しましょう。
管理、メンテナンスの状態
区分所有のオーナーが自由に管理し変更できるのは専有部分のみ。建物全体や共用部がきちんと維持管理されているかは、そのマンションの管理体制によります。そして、管理の体制や状態はマンションの価値に大きく影響します。
マンション管理の善し悪しはこんな部分を見てチェックしましょう。
- エントランス、集合ポスト、ゴミ置き場、階段などの共用部の掃除やメンテナンスがゆきとどいているか。
- 共用部や外壁、駐車場などで壊れたままになっている箇所はないか。
大規模修繕の計画と履歴
マンションの躯体や外壁、配管、設備などの大規模修繕が適切なタイミングで行われているかどうかで、建物の状態と価値は大きく違ってきます。大規模修繕の時期は管理組合の長期修繕計画によって決められています。
国土交通省は新築から12年目に1回目の大規模修繕をするよう推奨しています。しかし、管理組合によっては、修繕費を抑えるためにそれよりも長いスパンで修繕を計画しているケースもあるのです。購入前に、管理組合に大規模修繕の履歴と今後の計画について確認しましょう。
管理規約
構造上はリノベーションが可能でも、管理規約によって変更できないものもあります。例えば、騒音防止の観点から、床材のフローリングへの変更はできないなど。また、マンション全体で使用できる電気容量が決められているため、多くの場合、管理規約により各戸で使用可能な電力量が制限されています。
管理規約はマンションごとに異なります。自分が希望するリノベーションができるかどうか、事前に管理規約を確認することが大切です。
※建物の構造や性能、修繕の状況などのチェックにあたっては、建築士やリノベーション業者に相談する、内見に同行してもらうなどすればより確実です。
構造と管理の両面からチェックする
リノベーションに適したマンションかどうかを見きわめるためには、建物の構造や性能と管理体制の2つの面からのチェックが欠かせません。
購入候補の物件について、希望通りのリノベーションができるかどうかの判断はもちろん大切です。しかし、それだけではなく、リノベーション後のことも視野に入れて検討する必要があります。
例えば、構造上、自分の思い通りのリノベーションができたとしても、その後、長期にわたって快適に暮らし、資産としての価値も高く維持できてこそ、リノベーションの成功例といえるのです。
そこで、重要となるのが、マンション全体のしっかりとした管理体制です。
せっかく資金をかけて占有部分をきれいにリノベーションしても、建物全体の維持管理が適切にできていないと物件の価値は落ちる一方。また、修繕積立金以外に修繕費用が発生する恐れもあります。
リノベーションにかける費用は将来の暮らしと物件価値への投資です。自分が希望している住空間ができることに加え、将来にわたって価値が維持できるマンションを見つけましょう。そのために、上記のチェックポイントが参考になれば幸いです。