リノベーションって?結局リフォームと何か違いありますか?
まず、リフォームとは
このところ、リノベーションという言葉をよく耳にします。建物の改修に関わることのようですが、リフォームとは違うのでしょうか?
実際に、リノベーションとリフォームは混同して使われていることも多いようです。そこで、今回はリフォームとの違いを比較しながら、リノベーションとはどのようなものか説明させていただきます。
まずは、聞き慣れた「リフォーム」の意味を確認しましょう。
通常、リフォームとは老朽化したり不具合がある建物の部分的な箇所や全体を修繕したり、新築時の状態に戻す工事のことをいいます。賃貸の住宅や事務所の入居者が退去した後、入居前の状態に戻す「原状回復」工事のことをさす場合もあります。
基本的に、リフォームとは、老朽化したり、壊れていたり、不具合があるものを修繕や元の状態に回復させる工事を指すことが多いようです。例をあげると、外壁の塗り直しや壁紙の張り替え、ユニットバスの交換などがリフォームにあたります。
リノベーションって何?
一方、「リノベーション」ですが、既存の建物に大がかりな工事を施し、新築と同等かそれ以上の性能や価値を向上させることをいいます。
マンションのリノベーションの場合、専有部分の全ての内装や設備をいったん撤去し、スケルトンというコンクリートむき出しの状態にした後、施工をします。間取りや内装、性能など、施主の希望にあわせてゼロから設計をするので、理想の住まい作りが可能です。
例えば、壁の補修で断熱性や耐久性を高めたり、段差をなくしてバリアフリー仕様にしたり、といったことができるのです。
費用の面ですが、中古マンションを購入してリノベーションした場合、同様の面積の新築マンションの6割から8割の金額で済むといわれています。このことから、近年、マイホーム取得の方法の一つとして注目されているのもわかりますね。
また、オフィスビルを住宅に改修したり、学校を福祉施設やオフィスに転用したりといった用途変更をともなうリノベーションのことはコンバージョンといわれます。
リノベーションとリフォームの違い
それでは、リノベーションとリフォームの違いについて考えてみましょう。両方とも建物に関する工事ですが、大きな違いが2つあります。それは、「工事の規模」と「建物の性能」です。
まず、工事の規模ですが、古くなったキッチンや浴室設備の交換、壁紙の張り替えなど比較的小規模な工事はリフォームにあたります。
これに対し、上記にもある、いったんスケルトンにするような全面的な工事がリノベーションです。加えて、間取りの変更や、水回り設備を移動させ機能も向上させるような大規模な工事もリノベーションに分類されます。
次に、重要なポイントとなる建物の性能についての違いです。
リフォームは完成後、新築時の状態かそれ以下の性能になる工事のこと。どうしても修繕が必要でなくても、設備の交換などをすることはありますが、特に新築時以上に性能が向上しないのであれば、リフォームになります。
対照的に、リノベーションは建物の性能を新築時と同等かそれ以上に向上させるものです。性能を向上させるためには、必然的に大規模な工事になりますね。また、性能が良くなれば、建物の価値も向上します。
マンションの性能と価値をアップ
リノベーションとリフォームの違いについて、おわかりいただけたでしょうか?お気づきかもしれませんが、その違いの1つである建物の性能の向上はリノベーションの大きなメリットです。
もし、中古マンションをリノベーションするなら、そのメリットを最大限に活かしたいものです。それが、物件の価値を高めることにつながるからです。
中古マンションを購入してリノベーションをする場合、物件探しからリノベーションが始まります。立地や管理など条件の良いマンションをみつけ、リノベーションすれば、新築マンション以上の価値ある物件に仕上がる可能性もあるのです。
リフォームとの違いに加え、リノベーションのメリットもご理解いただけたなら、マイホーム作りの手段として、ご検討されてはいかがでしょうか?