見落としがち!洗面周りのリノベーションは動線をしっかり考えて

マンションの洗面所プランで注意したいこと

家族みんなが毎日使う洗面所は、リノベーションにあたって、こだわりたい場所のひとつ。設計時、細やかな配慮をすることで使い勝手が違ってきます。
今回は、マンションのリノベーションの際に、快適で使いやすい洗面所にするために大切なことをお伝えします。

マンションの水回りの工事については、排水のための勾配や排気ルートの関係などから、また管理規約によって制約や制限があります。洗面所は水回りの1部ですが、洗面台の位置が高いため排水の確保という点では、浴室やトイレほど大幅に移設が制限されることはありません。
しかしながら、水回り工事についての条件はマンションによって異なります。したがって、洗面所の位置を変えたい場合は、どれくらいまで移動できるのか、事前にマンションの構造をよく確認する必要があります。排水に加え、電気ルート、排気ルートの変更が可能な範囲もリノベーション業者に調べてもらいましょう。

洗面所の機能を整理する

日本の住宅では、洗面所は脱衣室や洗濯機置き場などを兼ねていることがほとんどです。また、単に「洗面」といっても、顔や手を洗うだけの場所ではありませんよね。歯みがきをしたり、化粧や整髪、ひげ剃りなど、洗面台まわりだけでも使用目的はたくさんあり、洗面所は多機能空間といえます。

加えて、家族構成やライフスタイルによって、世帯ごとに洗面所に求められる機能が違ってきます。とはいえ、洗面所には多くの機能が必要なことは確か。リノベーションに向けてあれもこれも、となりがちですが、効率的で使いやすい空間にするためには、洗面所に何を求めるのか整理することが大切です。

ここで、一般的な洗面所の機能をリストにしてみると、このようになります。

  • 洗面、手洗い、歯みがき
  • 化粧、ひげ剃り、整髪
  • 入浴前後の脱衣や着替え
  • 洗濯機・乾燥機置き場
  • 収納

このうち、わが家に必要な機能、不要な機能はどれでしょうか?もしくは、つけ加えたいものがあるかもしれません。例えば、乾燥機はいらないが、リネン室としての機能がほしいなど。わが家のライフスタイルに合わせてリストを作りましょう。
そうすることで、どのような洗面室がほしいのかイメージでき、必要な設備や電源数、照明がわかってきます。

例をあげると、お化粧やひげ剃りをするためには、メイン照明に加え洗面台近くにも照明がほしいですね。洗面台付近にはドライヤーやシェーバー用の電源、洗濯機や乾燥機置き場も兼ねるなら、排水設備やその分の電源も必要です。

洗面所までの動線を考える

わが家の洗面所のイメージが固まってきたら、動線プランを考えましょう。多くの機能を持つ場所ですから、さまざまな目的で洗面所にアプローチすることになります。目的の異なる動線が混乱せずに家事や身支度がスムーズに行えるよう、洗面所の配置や出入口の方向、他の部屋との連携を考える必要があります。

近年は洗面所に洗濯機置き場を作ることが多いですが、洗濯物を干すバルコニーまでスムーズに行けるようにしたいですね。洗面所が脱衣室でもあるなら、湯冷めをしないよう、高齢者の居室からの動線はできるだけ短い方がよいでしょう。
毎朝同じ時間帯に家族全員が仕事や学校へ出かけるなど、特定の時間に洗面所が混み合うといった家庭もあります。そうした混雑を避けるためには、動線に加え、洗面所の広さや設備の配置、洗面台の大きさなどにも配慮がほしいですね。

このような家族のライフスタイルや要望を設計者に伝えましょう。

使いやすい洗面所にするために

使いやすい洗面所を作るために、まず、必要なことは家族構成やライフスタイルに合わせ、洗面所にどのような機能がほしいのかを明確にすることです。そして、洗面所内部だけではなく、他のスペースを結ぶ動線を整理することの大切さもおわかりいただけたでしょうか?

さらに、洗面所は掃除がしやすく清潔に保ちたい場所です。そのためには、照明は明るめにし、汚れがつきにくい洗面台や水汚れに強い壁紙などを選ぶとよいでしょう。湿気がこもりやすい場所でもあるので、できれば、換気扇もほしいですね。

洗面所は小さいながらたくさんの機能がつまった場所です。ちょっとした配慮で、使いやすさが大きく違ってきます。家族のニーズをしっかりとまとめ、細かなことでも工事業者とよく相談してプランニングを進めてくださいね。

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