2016/10/17
3つの観点から考える”魅惑のウォークインクローゼット”
こんにちは。設計の多田です。
だいぶ涼しくなり衣替えの季節となりましたが皆様もうお済みでしょうか?
衣替えということで本日はクローゼット、収納の話をしたいと思います。
1.一長一短のウォークインクローゼット
新築マンションの広告をみていると、ウォークインクローゼットが大きな居室に設けられていることが多いですね。
ウォークインクローゼットに憧れる方も多いかと思います。
私も大きなウォークインクローゼットに憧れています。
でも我が家は狭いので、ウォークインクローゼットを設けるスペースはなく、壁面に設けるクローゼットや収納が適しています。
ウォークインクローゼットはウォークインというくらいですから、クローゼットにインして歩くスペースが必要になります。
インして歩くスペースは着替えをすることにも使用するのでしょうが、我が家のような狭い住宅では、インするスペースを無くし、その分収納や部屋を広くした方が有益な場合もあります。
壁面に設けたクローゼットや収納は、ウォークインクローゼットのウォークイン機能を居室に持たせるため、服を選ぶのも着替えるのも居室からとなり、空間を有効に利用できます。
また、車椅子の場合、インするには大きなドアと回転するスペースが必要なことから、壁面に設けるクローゼット、収納の方が使いやすいかもしれません。
2.ウォークインクローゼットが取り入れられる理由
それほど大きくない新築マンションに、なぜウォークインクローゼットを設けるのか、私なりに考えてみました。
新築マンションは、使用する方に合わせて設計するリノベーションと違い、様々な使い方を想定しなければなりません。
居室に大きな家具を置きたい方もいらっしゃるでしょう。
家具を置くには壁面が必要になります。
壁面収納を設けてしまうと壁面が減るため、家具を置きにくくなるので、扉の幅が狭くてすむウォークインクローゼットにするのかもしれません。
また、基準法上必要な採光をとるため、居室を小さくして、居室ではないウィークインクローゼットを大きくする場合もあるかもしれません。
それから、広告を見ると収納部分に色が付いていることが多いかと思いますが、色がついている面積が多いと沢山収納できる印象を与えることができるということもあるかもしれません。
私のように大きなウォークインクローゼットに憧れている方が多いからというのも大きな要因かもしれませんね。
3.どのような形のウォークインクローゼットがお勧め?
では、ウォークインクローゼットはどのような形が使いやすいのでしょうか。
正方形より長方形の方が使いやすいと思います。
特に小さな正方形ですと、一面は入口、一面はインするスペースとなり収納できるスペースがL型になることが多いです。L型の角は収納向きが交差してしまうため上手に収納するのが難しいので、I型の方が収納しやすいかと思います。
しかし、I型1列のみでしたら、居室に壁面収納を設けた方が空間を有効に利用できます。柱型など凹凸のあるウォークインクローゼットも物が収まりにくいこともあります。
長手に入口があるとウォークスペースがL型となり収納スペースが減ります。そうなると、長方形で長手にⅡ型の収納スペース、短手の中央から入りⅡ型の真ん中を歩くような単純な形のウォークインクローゼットが使いやすいのではないでしょうか。
今回は、ウォークインクローゼットについて私なりの考えをまとめてみました。
ウォークインクローゼットは、いろいろなマンションに取り入れられていますし、リノベーションでも人気がありますが、通常のクローゼットや収納の方が使いやすい場合もあります。
ウォークインクローゼットに魅力を感じている方は「大容量」というイメージだけでなく、何を仕舞いたいのか、生活動線や取り出しやすさはどうか、といったことを検討したうえで、ベストな収納を考えていきましょう。