2016/3/29
【横浜市S様邸リノベーションレポート③】解体しなければ分からない隠れた部分
ひかリノベ広報部です。
いよいよ桜が開花しました!・・・と途端に花冷えの寒い日が続き、まだまだ見頃とは言えません。。
でも、このブログがアップされる頃には、きっと本格的なお花見シーズンが到来していることでしょう。
さて、シリーズでお伝えしているS様邸のリノベーション工事、前回の最後で触れた通り、エントランスや共用廊下、エレベーター内を養生して、いよいよ着工しました!
ちなみに「養生」とは、工事中に資材や機材を搬入出したり、ゴミ等を搬出する際にマンションの共用部分にキズや汚れを残さないようするために保護することをいい、具体的に写真をお見せするとこんな感じです。
今回はエレベーターから離れたお部屋なので、長い距離の養生になりました。
右の写真はエレベーターの中の養生です。引越しの際にも、こんな感じで養生されるので、マンションにお住まいの方は何度かご覧になったことがあると思います。
このエレベーターの養生、工事期間が長い場合、工事終盤になってはがす頃には落書きだらけ・・・ということが結構あります。
着工・解体作業
今回はスケルトン・リノベーションなので、部屋の中は構造むき出し状態になるまですべて壊します。とにかく壊します。
壊しては袋に詰め、壊しては袋に詰め、袋の山になったら外に運び出し、また壊しては袋に詰め・・・音やホコリが外に漏れないように玄関も窓も締め切っての作業なので、室内はホコリが飛び交い、これが夏場だとちょっとした地獄状態です。
ということで、ある程度片付いた状態になってから撮影。
毎回のことですが、スケルトン・リノベーションは、解体した後は作業性が良いので工事しやすくなりますが、何といっても解体作業が大変です。
ちなみに上の写真、壁が薄い水色になっていますが、このコンクリート壁の裏側に隣の部屋はなく、外部に面しているため断熱材が張り付けてあります。
この断熱材は「押出発泡ポリスチレンフォーム」といい、断熱材として一般的に用いられるもので、簡単に言えば、非常にきめの細かい高性能な発泡スチロールです。
参考:ダウ化工 スタイロフォーム http://www.dowkakoh.co.jp/product/styrofoam.html
リフォーム済をスケルトン解体?!
実は今回の物件、すでにリフォーム済の物件で、リフォーム後は誰も住んでいなかったため、室内はほぼ新品状態でした。
こんな感じできれいになっていたお部屋を・・・
こんな感じに壊してしまいました!!
そして、こんな感じに・・・
と流れで完成イメージをお見せしたいところですが、まだお見せできません。
ぜひ、皆さんも完成を楽しみにして下さい!
壊してみて分かること
リノベーションの間取りを考える際、まずは元の図面から「おそらくこうなってるであろう」という推測を立てます。
そして実際に現地に行って調査をする際に、推測とのズレを修正しながら、可能な限り壁の裏や天井の裏、床の下に潜んでいるものを探ります。
でもレントゲン写真のように内部が透けて見えるわけではないので、やはり最後は長年培ってきた経験と知識で判断します。
基本的には「開けてビックリ!」にならないように、考えられるケースや最悪のケースを想定して、実現可能なプランニングをしていますが、時には解体した後の状況を見てから再検討することもあります。
実は今回も間取り変更によって、かなり邪魔な位置にPSがあり、この部分をいかに小さくできるかがポイントでした。
(※PS:パイプスペースの略。共用部となる竪管が通っている場所で、キッチンや浴室、トイレ等の排水管が主で、間取りを変えたとしても、この排水管にそれぞれの設備機器の排水管を繋ぐ必要があります)
実際にPS廻りの壁を壊してみると・・・
右端にある赤茶色の管がPSの中にあった竪管で、トイレとキッチンの排水が接続されていました。
床から少し上がった所で横に飛び出してピンク色のテープが巻かれている所がトイレの排水の接続位置、ちょっと分かりにくいですが、さらにその下、床ギリギリの所で奥に向かって飛び出している所がキッチンの排水の接続位置になります。
この竪管は、上の階、下の階すべてを貫いている共用のものなので、間取りを変えても配管の位置を動かすことはもちろんのこと、配管を接続する位置や向きを変えることはできません。
解体する前の段階、早ければ販売図面を見た段階でPSと設備機器との位置関係から、配管のルートや竪管に接続されている向きや高さ等を推測してプランニングを行なっています。
天井を見上げて見ると・・・
大蛇のような太い管は、キッチンのレンジフードの排気ダクトの管です。
この物件は、キッチンのダクトをバルコニー側ではなく、わざわざ遠い玄関の上まで延長して配管されていました。
これは現地調査した段階で分かっていたことですが、いざ天井を壊して現物を見るとなかなかの迫力です。。
プランニングをする際は、いわゆる「間取り」としての平面的な部分に加えて、こうした高さ方向に関係してくる部分も想定しながら立体的に全体像をつかんで設計しています。
こうした技術的な部分に興味をお持ちの方は、セミナーで詳しく解説しておりますので、是非ご参加ください!
次回は、もっと工事が進んだ段階で行なう中間検査の様子をレポートします。
乞うご期待!