2021/7/6
土間のある住まい
こんにちは ひかリノベ設計担当の水谷です。
ここ数年、リノベーションのプランをご提案していて思うことは、「土間のあるプランにしたい」、「玄関を広くしたい」というご要望がとても多いということです。
これまで担当させていただいたお部屋のプランを振り返ってみますと、かなりの割合で土間や広い玄関をご提案していることに気づきます。
おひとり住まいやお二人住まいですと、スペースにゆとりがある場合が多いため、土間のご提案が比較的しやすいです。
一方、ご家族が多い場合は少しでもリビングや個室を広く確保されたいのかな、と考えてご提案してみますと、実はそうとは限らないのです。
どこにスペースをつかうか、という優先順位は変化してきているのかもしれません。
考えてみますと、古くから日本の家屋には土間があり、たとえば商売をされているお宅では、通路側に大きな土間が配置され、履物をはいたまま自然にお客様とのコミュニケーションがとれる場であったのですよね。
今回はこのように外のような中のような・・魅力的な空間「土間」についてお話したいと思います。
日本ならでは、履物を脱ぐという生活習慣
西洋の生活習慣は、お家のなかでも靴を履いているのが一般的ですが、日本ではお家の中では靴を脱ぐという生活習慣のため家の中のような外のような、どちらともいえない空間である「土間」ができたのかもしれません。
ただ近年では、海外でも玄関で靴を脱ぐかたもいらっしゃるようです。
それでも海外の住宅では、玄関ドアにマットが敷いてあるだけで玄関かまちのような段差もなく、玄関のいわゆる三和土(たたき)はあまり見かけないと思います。
家のなかのような外のような、という表現をいたしましたが、これは戸建ての場合にいえるのかもしれませんね。
マンションですと玄関扉を開けてからは、あまり外を意識しないつくりになっていることが多いので、土間も家の中の空間といえると思います。
土間をご希望される理由は、例えばアウトドアグッズを置きたい、靴が多いのでたくさん並べたい、ベビーカーを置きたい、などお施主様によりさまざまです。
マンションでも明るい玄関土間
一般的なマンションの間取りですと、玄関を入るとまっすぐ廊下が続いており、廊下の両サイドに洋室があるということが多く、玄関に自然光が入る間取りは少ないのではないかと思います。
そこで洋室の一部を土間に拡張して、残りのスペースを小さめの洋室にしたり、ウォークインクロゼットにするご提案をする場合があります。
その場合は、洋室やウォークインクロゼットに採光のための室内窓を配置したり、一部開口部を設けますと、玄関土間も洋室も明るい空間になり、通気もできますね。
土間の材質とアクセント小物
土間にこだわっていくと、床材質はやはり無機質なものが人気です。
フロアタイルは様々なカラーやパターンがありますが、モルタル調にしたり、モルタル調がお好きな方は、モールテックスなどを施工させていただく場合もありますね。
壁についてはビニルクロスが一般的ではありますが、モルタル調のクロスにしたり、コンクリート調のタイルやエコカラットを施工することもあります。
エコカラットは調湿効果や臭いの軽減も期待できますので、玄関にお勧めです。
また靴の収納に関しては、これまで玄関収納が一般的でしたが、リノベーションでは圧倒的に扉をつけないOPENスタイルで、木製などの可動棚が人気です。
この木製棚に合わせて、窓には木製ブラインドをご提案することもあります。
床の材質だけではなく、ブラケット照明(壁付照明)やアイアン調のハンガーパイプやミラーなどを取り付けますと、機能的でかつデザイン性もUP!より雰囲気のある空間になると思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、リノベーションで人気のある空間「土間」についてお話させていただきました。
日本家屋ではもともと土間や縁側など家の中と外をつなぐ、中間的な空間が存在していたのです。
洋室やリビングとは別に土間やインナーバルコニーのような空間がありますと、お部屋の中に変化があり、魅力的な住まいになるのではないかと思います。
ちょっとしたゆとりや遊びごころも感じられます。