2020/1/30

年金問題から考えるマイホーム購入(1)

年金問題から考えるマイホーム購入(1)

こんにちは。ひかリノベコーディネーター 香月です。

前回は、住まいとストレスの関係についてのお話でした。

今回は、「年金問題」について、住まいとの関わりから考えてみたいと思います。
年金は将来のライフプランに深く関わるものですから、長期的な資金計画が必要なマイホーム購入にを考える際にも、当然無視することはできません。

 ぼんやりとした不安

突然ですが、、、みなさんは、将来への不安を感じますか?

日本労働組合総連合会(連合)の行った日本の社会と労働組合に関する調査によると、約80%の人が将来に不安を感じている、という調査結果となりました。

「年金問題」という言葉をよく見聞きすると思いますが、具体的に、本質的に、問題の全容を理解している方は、案外少ないのではないでしょうか。
日本の義務教育では、年金についてくわしく勉強することはありませんので、多くの方が「いくらもらえるのかはよく分からないけど60歳になったらもらえるんだろうな」程度の認識でいたのではないかと思います。
かく言う私も、数年前まではそのような認識しかありませんでした。

しかし、「年金問題」という言葉が大きく扱われるようになった昨今、漠然とした不安を抱かれている方が多いのではないか、と思います。
(昨年は老後2,000万円不足問題が大きな話題となりましたね……)

年金制度の概要と現状

さて、まずは前提知識として、年金制度の概要からおさらいしてみたいと思います。

年金制度がスタートしたのは、1961年。
ドイツの年金制度をモデルとされ、年金受給年齢は55歳でした。
そこから1985年に大きく法改正が行われ、現在の年金制度が確立されました。
同時に、受給年齢を段階的に引き上げることとなります。1994年、2000年の改定により、2025年までに段階的に65歳に引き上げられることが決まりました。

ここで一つ認識しなければならないのは、、、
たとえば5年間年金がもらえないとすると、1,000万円以上もの額がもらえなくなってしまう、ということです。

しかし実際に受給年齢の引き上げが決まった当時、日本ではさして大きな問題にならず、気が付いたら65歳が当たり前……となっていたように思います。
日本では年金を勉強する機会も無いわけですし、国民性もあるのでしょうか、みんなそうだし仕方がないよね。といった具合でしょうか。。。

そんな中、少しずつ年金制度は変化し続けます。
少子高齢化の影響により、年々受給額は減り、逆に支払う保険料は年々上がっています。

年金受給年齢が70歳となる日も、遠くはないかもしれません。

実際、日本がモデルとしたドイツでは既に67歳に引き上げられていますし、2019年に行われた財政検証(日本の年金制度を5年に一度検証するもの)では、67歳ということも示唆されています。

段階的に67歳、70歳等と引き上げられていく可能性は、決して非現実な想像ではありません。

年金制度それ自体が無くなることは考えにくいですが、今後更に高齢化が進む中で、私たちが実際に年金を受給できる歳になったときには、いったいいくらの年金がもらえるのでしょうか……。

「年金で悠々自適」はあり得ない

コツコツと働いて貯蓄をし、マイホームを購入して、退職金で完済。その後は年金でのんびり暮らす。
そんなシナリオは「私たちの世代には望むことが出来ない」ということを、まずは認識しなければなりません。

そう考えた時に、資産を上手に運用し、老後の資金を確保することの重要性が増してきます。
ここで一つ考えたいのが、家賃という掛け捨ての住居費の無駄について、です。

今の賃貸に支払っている家賃を一早くマイホームに充て、現役の間に完済する。
マイホーム購入がライフプランの核となり、将来への備えとなる。「自宅投資」という考え方です。

(次回に続く……)

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