2019/12/10
ローン審査の隠れたポイント「健康」! 団体信用生命保険の罠
購入したい物件があり、価格も予算内に収まっている。
売主さんも売りたいと言っている。
でも買えない……。そういった状況が訪れるかもしれない可能性、を考えたことはありますか?
どういった状況かというと、
「病気を患ってしまった時」です。
ローンを組む=団体信用生命保険の加入が必須
多くの方はマイホームを購入する際、住宅ローンを組むこととなると思います。
その場合、「団体信用生命保険(通称・団信)」というものへの加入が原則必須となります。
団信とは生命保険と同じ役割を持つもので、住宅ローンを組んでマイホームを購入し、まだ残債が残っている段階で万が一死亡してしまった場合には、残債がゼロ円になる、というものです。
例え残債が3,000万円あっても、5,000万円あっても、です。
この団信の保険料は、住宅ローンの金利の中に組み込まれていますので、月々の支払の中から自動的に保険料の支払っていくことが可能です。
※団信についての詳細は下記をご参照ください。
病気に罹ると家が買えない!?
団信があれば、銀行は万が一の際には保険会社から残債を回収出来るので、安心して住宅ローンを融資することが出来ます。
一方で、団信に加入出来ない人に融資をした場合、万が一のときに貸倒れとなってしまうリスクがあります。この場合、銀行としては当然、融資をためらいます。
そう、団信に加入出来ない方は、住宅ローンを組むことが出来なくなってしまうのです。
マイホームを購入する一番多い年代は30代ですが、ガン等の病気の発症率は30歳を過ぎた頃から徐々に上がっていきます。
誰しも健康でいられる間は、「自分が健康であること」を気にも留めません。
「病気になるかもしれない」とは、考えもしないのではないでしょうか。
しかし、病気は決して他人事ではありません。いつ自分が病気になっても不思議ではないのです。
ほとんどの方は、医療保険等に加入されていらっしゃるのではないでしょうか?
それは万が一のことを考えてのことだと思います。
その万が一は10年後かもしれないし、明日かもしれないのです。
一部の金融機関ではこの団信に加入しなくても住宅ローンを組むことが可能ではありますが、ご家族がいらっしゃる方は特に危険です。。
団信に加入していなければ、万が一の場合に、収入が絶たれるだけではなく、残債は残ったまま、月々の支払いは残されたご家族へ請求されることとなってしまいます。
例え生命保険に加入していたとしても、下りた保険金を住宅ローンの支払いに充てなければならなくなってしまうでしょう。
売却することも出来るでしょうが、すぐに売却出来るとも限りません。
売却した後のご家族は賃貸住まいで、将来への不安を抱えながら過ごさなければならないのです。
そうならないためにも、生命保険と同じ役割を持つ団信というものが非常に大切になってきます。
健康であることの価値
もしも健康を害し、団信に加入出来なくなってしまった場合、ご家族に住宅ローンを組める人がいない限り、マイホームを購入することはできません。ずーっと賃貸住宅生活です。
昨今、「老後資金として必要な金額は2,000万円」ということが話題となっていますが、これも家賃の支払いが無い想定ですので、老後に家賃の支払いがあっては生活が大変苦しくなってしまうことは、容易に想像がつきますね。
また、基本的に団信という保険は死亡した時のみ適用となるものですが、ここ最近はガンや脳卒中等の3大疾病や8大疾病等の病気に罹り、就業することが出来なくなった場合にも、残債がゼロ円となる保証を付保できる銀行も増えてきました。
住宅を購入する(=団信に入る)ということは、生命保険や医療保険に加入することと同じ効果を持つわけなので、このタイミングで生命保険や医療保険など、保険全体を見直してみるのも良いかもしれません。
「ワイド団信」といって、軽度の病気であれば住宅ローンを組むことが出来るものも増えてきました。
既に何かしらの持病を持ってしまっている方は、このワイド団信もご検討いただくと良いでしょう。
(金利は高くなってしまいますので、もちろん通常の団信に加入できることがベストですが……)
もしも住宅ローンを組む前に病気になってしまったら。もしも持病を持ってしまったら。
大切な家族に住む場所を確保することもできず、最悪路頭に迷わせてしまうリスクすら考えられます。
そうなってしまわないためにも、健康なうちに、住宅購入を真剣に検討することが大切です。