2018/8/29
五感で感じる、もっと「気持ちいい」住まいのコツ①
こんにちは。ひかリノベ 湘南ショールームの春永です。
一日を通じて本当に暑い日が続きますね。
先日夜、自宅のバルコニーで涼んでいたらどこからか風鈴の音色が聞こえてきました。
その夜は、相変わらずの熱帯夜、でも風鈴の音色に涼を感じることができました。
風のそよぎは聴覚を心地よく刺激します。
風鈴の高く澄んだ音色が、涼を感じさせ、鈴音が風をイメージさせます。
厳しい暑さが続くと体力が落ちて、気持ちに余裕がなくなることもしばしばですが、
そんなときこそ、五感をフルに意識して、暑さを乗り切りましょう。
そこで今回はそんな五感で感じる、快適な空間づくりをご紹介します。
五感と暮らしの大切な関係
人間には「嗅覚・触覚・味覚・視覚・聴覚」の五感が備わっています。
しかし現代の私達の生活では、便利になり過ぎるあまりその感覚のほんの上澄み部分のとても狭い範囲しか使用する必要が無いため、ほとんどの人は意識しないまま五感を鈍らせてしまっているのが、現状です。
デジタルな刺激にさらされ続ける一方、いつの間にか日々の暮らしのシンプルな喜びから遠ざかってしまっているのではないでしょうか。
意識して五感を働かせれば、もっと安らぎのある暮らしを得ることができます。
日常の中で五感のひとつひとつを意識して生活空間にプラスしていきましょう。
五感で感じる、心地よい空間づくりのコツ
嗅覚
- 窓を開け、季節の匂いを感じる。
- キッチンから流れてくる料理の美味しそうな香りを感じる。
- 壁に珪藻土などの消臭効果のある素材を利用する。
触覚
- 無垢の床材や木材の壁など肌に触れ、木の優しい肌触りを感じる。
味覚
- 食事のひとときが楽しく、ワクワクするようなダイニングテーブル&チェア、照明を選ぶ。
- 料理が楽しく・ストレスフリーに動けるよう、キッチンの動線に気を配る。
視覚
- 空間がたっぷりと広く見えたり、光と影の効果を意識して照明の位置・明るさを考える。
聴覚
- 家族の声や気配を感じ、つながりを実感できる空間づくり。
- 窓辺やバルコニーで、小鳥のさえずりや風が木の葉を揺らす音を楽しむ。
素材選びも五感を意識して
住空間を構成する大切な要素を大きく分けると、床・壁・天井・開口部に4分されます。
どんな形状・線・面とするか?
どんな質感を選ぶか?
色あいは?
窓からの光や風をどのように空間に導くか……などを考える必要があります。
今回は第一印象が大きい「壁」から考えてみましょう。
壁の素材選びは、空間の広がりを見せる上でとても重要です。
選べる素材はビニールクロス、紙クロス、木板、珪藻土、漆喰、塗装など、かなり種類があります。
今回は「五感にうれしい素材」という点で木板、珪藻土、漆喰についてご紹介させて頂きます。
木板
落ち着きを感じられる香り、やわらかな音色の反響音、温もりの肌触り、目に優しい木目など、文字通り五感で良さを実感できる素材です。
ほのかな木の香りはストレスを解消し、心身をリラックスさせてくれます。
また樹木の発散するフィトンチッドと呼ばれる材内の精油成分には血圧を下げたり、脈拍の乱れを少なくしたりなどの効果があります。
さらに木には適度の吸音性があり、コンクリートや金属に比べると、反響音が少なく、やわらかな音色となって耳に届きます。
音楽や人の話し声、生活音も含めて、さまざまな音が耳障りにならないので、穏やかな日常を過ごすことができます。
そして木は熱すぎず、冷たすぎず、夏も冬もちょうどよい温もり。
手や足に触れた感じが優しく強く叩いても弾力性があり、つまずいても、コンクリートや大理石ほどのダメージを受けません。
視覚的にもまぶしさが少なく、目が疲れにくい。
それは木材の模様や木目の太さ、間隔、方向などが人工的に作った画一的なものではなく、表面にミクロ単位の細かい凸凹があり、光を散乱して反射が弱められるから。
人体に有害な紫外線も木が吸収する性質を持っているので、目に優しい光となります。
珪藻土
珪藻の化石からできている珪藻土。
珪藻土の原料は、藻類の一種である珪藻という植物性プランクトンの殻が化石になって蓄積され、固くなった土で、日本各地の海や湖で採取されます。
また、珪藻土には自分で固まる性質がありません。そのため、壁材として使用する際は固めるための素材を混ぜて使用します。
珪藻土のメリットは、何と言っても調湿機能。
室内の湿度が高くなると余分な湿気を吸収し、乾燥すれば湿気を放出して、部屋の湿度を自然と調整してくれます。
じめじめした梅雨や乾燥する冬など、湿度の変化が大きい日本の四季にとても合った壁材です。
さらに湿気の吸放湿とともに、においも吸い取って脱臭してくれます。
さすがに全くの無臭とはいきませんが、食べ物やペットのにおいといった生活臭を和らげてくれるため、市販の消臭剤と組み合わせて使用すれば、消臭効果がより期待できます。
また珪藻土は熱伝導率が低いので、外の気温の影響を受けにくいのも特徴です。
そのため、夏は涼しく冬は暖かく、ある程度室内の温度調節をしてくれるので、冷暖房費の節約にもつながります。
そして耐火性能にも優れています。
万が一室内から出火した場合でも、壁紙などの他の内装材より長時間、燃焼を抑えてくれます。
ただしデメリットとしては、シミなどの汚れがつくと落としにくく、表面がざらっとした質感のものは、服やカーテンなどの繊維が引っ掛かりやすいという点は注意が必要です。また、製品によってはポロポロと削れてしまったりするので、珪藻土を選ぶ際はサンプルでよく品質を確認しましょう。
漆喰
漆喰は消石灰と水と砂、すさ(壁の補強や亀裂防止などのために、壁土に混ぜ込む藁くず、糸くずなどのつなぎ材。漆喰の場合は麻が用いられることが多い)を混ぜて塗ります。
一般的には乳白色ですが、黄土、べんがらなどで着色した色漆喰もあります。
平らな塗りの他、くし目、刷毛目、たたきなどによる仕上げ方もあります。
漆喰の特長は珪藻土によく似ています。
調湿性、脱臭性能、断熱機能、耐火。
さらにVOC(揮発性化学物質)やカビ、ウイルスが生きにくい環境をつくってくれ、空気をきれいにしてくれます。
アレルギーが気になる方にはとくにおすすめの素材です。
漆喰壁の和室は定番ですが、やはりしっくりとおさまりますね。
ウィンドウトリートメントは、やはり和紙の障子が美しくおさまります。
いかがでしたでしょうか? 珪藻土・漆喰は憧れている方も多いのではないでしょうか。
クロスよりは高価なので、躊躇される方も少なくないと思われますが、非常に満足度の高い素材です。
一室だけとか、ワンポイントとして施工されるのも魅力的です。ぜひご検討なさってみてくださいね。
ひかリノベの各ショールームでは、サンプルも各種ご用意しています。じっくりと素材を選んで頂き、ぜひ五感にうれしいお家をリノベーションでつくっていきましょう!
次回は五感で感じる「床材」についてご紹介させて頂きます。